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これは一体どこに着地するのだろうと、ハラハラドキドキしながら読みました。
荒唐無稽でしっちゃかめっちゃかになりそうでならないそうはならない感じ。
あと表紙の絵が好き。読みながらこれはこの人だなと見るのが楽しい。
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普通の人の皮を被り社会に紛れ、夜な夜なひっそりと顔を出す変な人。
息を殺して生きるそんな人々と
そんな人々専門の異常探偵もまた心を病んだ変な人。
普通じゃないとは、変とは、かくもありふれたシーナリー。
『同じ』と『違う』だけがある。違いとは間違いじゃない。
その境界はあって良い。悪いことじゃない。特別すばらしくもない。
何物も正さないラストにホロリ。
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ある小児性愛者の死の謎を、鬱に苦しむ主婦探偵・宇宙船が追う! 人の弱さと変態性を優しく包みこむ、奇才・前田司郎の新境地。
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「犯人が事件現場に戻ることはすでに、沢山のテレビや映画が証明済みです。早速現場に行ってみましょう」
『これで悔いなくこの世から去ることか出来る。両親には悪いけど、最後の甘えだと思って許してもらおう。後から来て先に帰るだけのことだ。』
「良いですかお嬢さん、落ち着いて聞いてください。これから言う話を聞いたら、きっと全然落ち着かない気持ちになりますからね」
「空気ゴキブリは使い古した下着を盗んで新しい下着とすり替える趣味があるんだわ」
「なるほど理にかなっている。そうすれば合法的に使用済みの下着を手に入れられますね」
「合法ではないけれど、もし盗まれた女性が警察に相談したとしても、下着は無くなっていないわけだからきっと捜査されることも無いでしょうよ」
「全くなんて驚きのアイディアだ」
「御明察。この僕は幸いなことに、誰かに時間を縛られるような小さな男じゃない」
「どういう意味ですか?」
「だから、誰からも縛られずに居るのですよ」
「無職ということですか?」
「無職? バカな。無職の少年探偵なんて居ないでしょ? 少年探偵なんだから、仕事は少年探偵ですよ。だから無職じゃないでしょ?」
「子供が生まれたわ、一九九七年六月十日の早朝、わたしは何がなんだか判らなかった、けど、世界が変わったように思えた。嬉しかった、何か、物凄い力が湧いてくるような、判る?」
「紀子が生れてから、とにかく忙しくて、自分がどこかへ居なくなるほどだったけど、あれほどの幸せを感じたことはなかった。今まで幸せって言葉の本当の意味を知らなかったんだって思った」
『Aの心は、Aにそれを隠してはいたが、きっと嬉しかったのだ。その喜びが、これまでのAを、そしてこの先のAを否定しているようで、寂しさに似た不快感を覚えたのだ。』
『米平は、お嬢さんのことが好きになり始めていた。いや、好きだった。だいたい綺麗な女の人を好きになってしまう癖が米平にはあったが、今回は特に好きだった。』
「お願いだから私を手伝ってちょうだい、なんの罪もない者が死んで、罪を背負ったものが生きている、こんな世の中に耐えられないの、世界を変えないと、世界を良い方向に変えないといけないの」
「この世は不良品なのよ。不良品のない世界なんて、地獄だわ」
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探偵ものってことで読んでみた初読み作家さん。粗筋はおかしなキャラばかりで面白いのだけど、途中からついていけなくなった。
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あまり僕のタイプなお話ではなかったですねぇ…前田氏はもっとこう、日常的なお話の方が得意なんじゃないかな? と思いましたかね…これは設定も話の流れもなんとなくライトノベルみたいですし…しかも、異常な設定なのだけれども、前田氏の小説特有の、「淡々としている」感じが出ているんですねぇ…。
物語で読者を惹きつけたかったら、もっとこう…魅せ方を考えてほしかったですね! どうも最後までスローペースと言いますか、盛り上がりに欠けたように思いましたかね…。
宇宙船とか、宇宙といった設定もいかにも思い付きというかね…心の声が無数に聞こえる、みたいな人物の設定もなんだか釈然としないものを感じました。
さようなら…。
ヽ(・ω・)/ズコー
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この本のカテゴリーって何なんだろう?
小説かファンタジー?ミステリー?
設定からして不思議だらけだ。
不思議さ加減が過ぎて読者を置いてけぼりにしないための配慮か?筆者自身が物語の中に思考や疑問・説明などを(設定的に)混ぜ込んでいる。
題名と表紙のイラストを見て、敢えて中を読む人間ならば恐らくそれなりに楽しめると思う。
私も不思議さを感じながら楽しんだ。
PTSDとサヴァン症候群?、個性と呼ぶには強過ぎる、一種の障害かと思えるほどの人物設定など、とりあえず何でも受け入れながら取りあえず読み進めていけば、意外と深く感動的な?読後感を得られるから、また不思議だ。
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図書館にて。
ううん?なんかよくわからんぞ?いや、わかるんだけど、頭の中も思考回路がピョンピョン跳び跳ねてるみたいな個性的な読後感よ。
登場人物が個性的すぎる。だけど、意外と事件そのものは普通(別にファンタジー要素とか個性的なトリックがあるわけではない)な気がする。
これだけ個性派揃いならもういっそのことファンタジー要素入れても楽しかったかも。
個性強すぎキャラたちが目立ちすぎて、話は淡々と進んでいった感じ。
面白くないことはないし、まとまってはいたな~。表紙がかわいいな~て思いました。
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自分の異常も誰かの異常も認められた時に、世界は優しい光に包まれるんだなと感じた。
他人の異常を責めてはいけない。自分も異常なんだから。
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小児性愛者の仲間の自殺に疑問を持った『お嬢さん』は、偶然知った異常な事件を専門に調べる『宇宙船』という探偵に会いに行く。そこに現れた美形だが言動がおかしい青年と事件現場を見に行くと、ビルの壁を飛び回る怪しい男が。そして本物の『宇宙船』こと、頭巾をかぶった女が姿を見せた。
スパイダーマンのような怪人空気ゴキブリ、あらゆる音を聞き取る頭巾女探偵、狼少女のようなAとB・・・濃い変人のオンパレード。突拍子もない展開を語るナレーション口調。
根底にあるのは悲しい話なのだけれど、有りえな過ぎて入ってこない。個人的には、米平少年(青年、いや中年に差し掛かるかも)の言動にイライラしっぱなしだった。
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いわゆるメタ小説に近い手法、狂言回しの進行が入る中で、登場人物は全員記号で名付けられる。まずこのあたりは人によって好みが分かれると思うが、本作品では非常に効果的に作用している。
まず人物設定が際立っている。それぞれにやや突飛とも言えるキャラクター付けがなされているにもかかわらず、その心理描写は秀逸である意味で生き生きと小説の中で動き回る。記号であるにもかかわらず、その関係性は現実の人間同士を上回る濃密さである。
ストーリーもある意味では普通、そしてその舞台も五反田の街並みが頭に浮かぶくらいリアルである。このようにリアリティ溢れる中で記号が繰り広げる現実離れした物語は奇妙であるが心地よい。この感覚が好きな人にはこの小説はうってつけである。
これはまるで舞台のようだ、と思っていたらそれは当然の話で、筆者の前田司郎さんは劇団五反田団を取材する劇作家でもある。最後の宇宙船のこのセリフで幕が降りる、という感じだろうか。
「この世は不良品なのよ。不良品のない世界なんて、地獄だわ」
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図書館で借りて読んだ。
Gの表現がリアルに想像出来てしまってGが苦手な私は読み進めるのを躊躇いましたが面白かった。
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みんな正常だと自分のことを思っているけど、それも本当かな?異常ってなんなんでしょうね、みんな不良品なのに 空気ゴキブリのことは途中からストーリーが薄くなった気がします、でも、我々が自由意志によって行動しているのでなくて、常に何かによって操られているのではないかというのは、新鮮でオッ、となりました 宇宙船がおばちゃんなのにハードボイルドでかっこうよかったです
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文學界の「海辺のマンション」が好きなテイストで、他の作品も読んでみようかなって選んだこれはちょっと失敗だったかなって感じ。
最初はおろしろかったんだけど、与太話が過ぎるというか、突飛すぎてだんだん作品自体に興味がなくなってしまった。
ありえない創作なんていくらでもあるのに…なんだろ、加減かな?
文章は好きなのでめげずに別の作品も読んでみようと思う。