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戦後、復興へ向け活気に溢れる神戸の闇市で薬屋を営んでいた塙太吉。推駐軍の御用聞きをしている深町の戦略的な提案に乗り、莫大な儲けを手にする。その勢いで、スーパーマーケットを開業し、格安牛肉を武器に業績を飛躍的に向上させた。全国展開への道を順調に進むが、ある事件をきっかけに、絶体絶命の局面に…。日本が世界経済の中心に躍り出た激動の時代を支えた男を描く圧巻の経済小説。
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スーパーを産んだ男、塙太吉の一代記小説。戦後の混乱期、高度経済成長期を相棒・フカシンと共に(時に袂を分かちながらも)知恵と行動力でどんどんのぼっていく。凡人にはおそろしくさえ感じられる勢い。しかし金あつまるところ、おもわぬ落とし穴ができる・・・というのが定石かどうか知らないが・・・塙が窮地に立ったところで第一部終了。ここまで一気に読んだ。
「消費者」を真っ正面からみすえ、商売は誰のためにどうあるべきかという原点が熱く語られている。今あたりまえのあれこれが昔はなく、一つ一つが目新しいアイデアであったことに、あらためて驚かされる。
第二部は平成も後半。塙の大型スーパー進出を地元のために防ごうとする男から話が始まる。大型店が商店街をつぶすのでは・・・という対立は生々しい。
初めは正しき志であったものが、組織が大きくなるにつれ多くの人の手によって千切られていくようなスリリングな展開がおもしろかった。
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成り上がり人生を描いた一冊。私の勉強不足もあるが、実在する人物をモデルに脚色交えながら書き下ろしたのではないかと勝手ながら推測しています。
こういった時代に自分が生まれたらどういった人生を送っていたのか?考えてみるものの成功しているイメージは湧かない・・・
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これまでに読んだ楡作品の熱血物流小説(再生巨流、ラストワンマイル)と比べると、熱さはそれほど感じられない流通ビジネス小説だったが、物語としてはとても面白く、ちょっと盛り込みすぎな感じもしないでもないが、サクサク読めた。
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戦艦大和の生き残りの主人公は戦後の闇市で薬を売って財を成す。特攻の生き残りである相棒と出会い、彼の戦略に乗って安売りの薬屋を開店し、さらに大儲けする。その後、当時は新しい業態であったスーパー経営に乗り出し西日本を制覇、東京へ進出する。スーパーからさらに大掛かりなショッピングセンター構想を掲げ計画通りに進んでいたが、土地を世話してくれた人が乗っ取り屋だったり相棒の裏切りに合ったり絶体絶命のピンチに立たされるが、ツキもあって切り抜ける。
そして主人公の最晩年、悲願の大型ショッピングモール完成を目前に様々な私的な難題が降りかかる。
戦後から近年まで、スーパー経営を生きがいとして駆け抜けた男の半生の物語。
なんとなくダイエーの中内さんを彷彿とさせる話。
一代で大きな企業を作り上げた創業者、人が考えないことをやってのけ、消費者のためという信念を曲げず、時には出店地域との軋轢もありながら巨大化を推し進める。時代に合った戦略をとる柔軟性もある経営者の話。
でも最後はとてもさびしい。
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20200304
ダイエー中内氏をモデルにした経済小説に、殺人事件などのミステリー要素を取り入れた、エンターテインメント経済小説。
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#経済小説 #中内功 #ダイエー #経済
物語は、ダイエーを モデルとした、フィクション。
高度経済成長を支えた 流通王の、栄枯盛衰を描く 経済小説。
主人公"塙太吉"が 成り上がってゆく ストーリー は、様々な 登場人物と 交わる中、応援したくも、憎たらしくも 感じる。
最初から 最後まで 面白い。
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ダイエー創業者の中内氏のストーリーをかなり加工して、
フィクションにした小説。
安定の楡さん。
正直、主人公に共感は出来ないし、好きになれないけれど、やはり面白いです。
戦後の混乱期から主人公が顧客ニーズに目を付け、
スーパーマーケットを日本に浸透させていく様は流石としか言えません。
そんなビジネス視点に痴漢冤罪という小ネタをはさんでくるところが楡さんの面白いところ。
痴漢冤罪なんてテーマ、基本的には興味がないので、
こういったところで小説に盛り込んでくれることで、
自分の幅も広がって、有難い限りです。
ちょっと残念だったのが、話の落ちが何となく読めてしまったところ。
某登場人物がいきなり出てきた時点で、
「あ~、この人は〇〇の〇〇なんだろうなぁ、きっと」
という予想が容易についてしまい、
何となくの小説の終わりが予想できてしまったことでしょうか。
ま、楡小説の楽しさ・面白さが損なわれることはありませんがね。
個人的にしんみりしてしまったのが、
この創設の主人公は架空の人物とは言え、
偉大な成功者が女性関係で失敗し、後々の事業に響いてしまうこと。
松下幸之助しかり、ネルソン・マンデラしかり。
オトコって…どうしようもない生き物なんですかねぇ。。
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碑文谷ダイエーを作った創業者中内氏をモデルにした経済小説。戦後の闇市から巨大なスーパーのチェーンを作り上げていくストーリーのかなりの部分は事実に沿っているのだろう。リニアモーターカーやUBER EATSが話題となる今読むのも一興。
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ダイエー。モデルとしては打って付け。話の展開も面白い。人との出会い、運、果たして誰の目の前にもぶら下がっているものを掴む事は出来るのか。最後になればなるほど、途中で読むの。やめられない…ビジネス小説好きにはお勧め。
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楡さんの作品は3作品めだけど、今までの中で一番面白かった!
経済小説ということで、読みながらモデルになったと言われるダイエー社長や今のダイエーの状況を確認しつつ、楽しく読んだ。
今だから当たり前のスーパーの業態についての発想が面白く、どんどん読み進めていける。
しかし途中で急にサスペンスが入ってきて、そちらにもどんどん引き込まれていく。
あんまり時間関係が前後する小説は得意じゃないけれど、これはスッと入ってきた。
ここの伏線はそういう意味だったのか、とか分かっていって楽しい。
とにかくこれはどんな人にでも薦められる本だと思う。
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最初から最後まで面白かったです。
塙太吉、フカシンなど、登場人物も個性的でキャラが立っていましたし、単なるスーパーマーケットの始まりの話にとどまらず、高級ナイトクラブ「ハバナ」がらみのお話など、飽きることなく楽しめました。
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戦後の闇市から平成までに活躍し
大企業を作った人の
経済小説でした。
戦後の闇市っていうのは こんな感じなのでしょうね~~
そして その後 昭和の高度成長の時は
多くの人が ぐんぐん成長して もうかっていったのでしょうね~~
きっと その裏で 泣いていた人もいたのでしょうね~~
最後は。。。。
そうかぁ~
だから タイトルが 砂の王宮なんだね・・・・
納得・・・
でも、希望もきらりんって あって 良かったです。
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ダイエーの創業者・中内功を彷彿とさせる経営者塙太吉を主人公とした物語。
前半は彼の成功ストーリー、後半は現代に飛びミステリ匂いをさせたエンタメ小説の構成。前半はビジネスマンとしては非常に興味深かった。まるで経営の教本のような展開。その中で相棒の失策や乗っ取り屋の陰謀に巻き込まれていき絶対絶命のピンチに…。そのピークで第2章、急に現代になり語り手も別人に変わるため少し拍子抜けしたが、そこから現代の経営者が抱えるスーパーの経営課題や一族経営企業の相続問題が入り混じり繋がっていく。タイトルの「砂の王宮」、塙が作り上げた帝国が代替わりですぐに脆く崩れることを表現したものであるが、一方で婚外子で敵として現れた瀬島が血を引き継ぎ別の砂の王宮を築いていくかもしれないという示唆で終わるのは非常に面白く、綺麗なエンドだと思う。
前半は塙に感情移入しピンチでは悔しい思いに駆られるが、後半は商業界のドンとして少し憎たらしい存在で登場し直す。ただ前半の苦労談を知っているからこそ、表面上の正義を語る瀬島よりも塙に肩入れしてしまう。一方で瀬島の語る理論はどれも理想や競争の世界では通用しない考えでありイライラさせられるが、最後はその理想を形にするべくビジネスとして行動する。登場当初から良い奴であるが行動は間違っているのではと思わせるも最後に応援したくなる人物として描き終えるのも非常に良い。この2人の人物描写が上手く憎い。
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ダイエーの話?
金を儲けるためには新しい事をする。
需要を見つけ出し、それを供給する。
当たり前だけど難しい事だよな。