電子書籍
ヨハネ
2019/09/12 19:50
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投稿者:ぽぽ - この投稿者のレビュー一覧を見る
聖おにいさんで、ヨハネが登場してきたので、気になって読みました。けっこう難しくて読むのに苦戦してしまいました。
紙の本
岩波書店で出さないならば講談社に移籍しないのか?
2018/05/17 21:16
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「岩波版聖書」として通っている聖書で黙示録だけ分冊で出ていたものを、そのまま講談社学術文庫に移籍した本。田川建三訳では一蹴されて相手にされていなかったが、「時間の都合」で佐竹明著の注釈書と共に参照できなかった、とあるので、岩波版の分冊と同じ本だ。
河出書房新社で出ていた秦剛平訳の七十人訳のトーラーが、少し前に講談社学術文庫に移籍していたから、次は何が移籍するのだろうか?
図像学の視点から見た黙示録の絵は、元々の分冊にあったが、興味深い。小学館から出ていた「カクレキリシタン」の画集に収録されている三日月を踏んだ聖母マリアは、黙示録の幻視が元になっている。
岩波書店が岩波版聖書を増刷しないのならば、ドン・ボスコ社から改訳した上で移籍したバルバロ訳聖書のように、講談社に移籍すればいいのに、と思う。
紙の本
謎の正典をギリシャ語原典からの全訳と解説で、その内容を明らかにした画期的な書です!
2019/01/31 09:54
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、新約聖書の終わりで世界の終末を予言する「ヨハネの黙示録」の全訳と解説です。終末というのは永遠の滅びなのか、それとも永遠の救いなのか?正典でありながら、謎に満ちた暗示がたくさん埋め込まれているこの書は、西洋文化などに多大な影響を与えてきた半面、その全貌はなかなか理解されてません。同書は、ギリシア語原典にあたり、その全訳と解説からそこに書かれた内容の真実を探っていきます。
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今やそこ彼処の映画やドラマ、小説などでネタに使われているあまりにも有名な預言の書であるにもかかわらず、そういえば映画や小説などのネタからだけの断片しか知らなかったなあと思い、今回手に取ってみた。
本書は単に『ヨハネの黙示録』を載せるだけでなく、それに関連した古い図象が併載されているところが嬉しい。カラーならもっと良かったのにな。
パトモス島に住むヨハネという男がある日、神のお告げとして世界の終焉と再生の顛末の幻を見たということでそれを一書にまとめたものとなっている。
本書は長らく聖書の正典とするかどうかの議論があったとのことで、その内容を読めばキリストの教えとは無縁な、隠喩や仄めかしに満ちた復讐と復讐後の世界の話であるため、聖書として扱うことに躊躇いがあったのも頷ける。
この書はある意味では復讐譚であり、あるいは救いの予習であり、または強迫観念の植え付けの書でもあるため、確かに精神上のトランスを促す媒体としては極端であり不適切なものといえるが、やはり宗教としては「天国と地獄」を備えたかったと見るべきか、はたまた採用を決めた当時のキリスト教の幹部(公会議とかかな?)にユーモアを解する人が多かったと見るべきか、いづれにしても聖書としては異色な存在であることには違いが無い。
ちなみに私はユーモアを解する幹部が多かったと思いたい。
大体において始終、神がへんてこな4獣に囲まれ、24人の長老にかしずかれて、雷だのラッパだのが鳴る中で賛歌を聴いているなんてうるさくて仕方がないと思うし、それを聴いて満足している神って一体・・・!?
神が自分以外に興味を持っている「悪い」人間に対する報復が凄まじいというかおぞましいというか、ちょっと度を超え過ぎていやしないか・・・。!?
「悪い」人間たちに報復するために送り込まれる怪物たちも、人間の顔を持ちライオンの歯をしさそりの尾を持つイナゴとか、ライオンの頭を持ち火と煙と硫黄を吐く馬とか、10本の角と7つの頭を持つ竜とか、「666」と偽りの刻印を人の額にしてまわる2本の子羊の角を持つ獣とか、もうこうなれば特撮物の世界で逆に楽しいかもしれない。
(「666」ってキリスト教を弾圧した「皇帝ネロ」の意だったんだね。)
バビロンの大淫婦の乗る緋色の獣にいたっては、7つの頭と10の角を持っていて絵を見る限り、もうどうなっているのか訳が分からなくなっている。
7つの封印だの7つのラッパだの、7つってローマを仄めかしたということだけど、ねちねちと順番に迫る夢の中での敵討ちはちょっと怖い!!
解説によると「悪」の人間に対する報復のくだりについては、似たような話の繰り返しということで、いくつかの話の合体が指摘されていて、ローマ帝国弾圧下にあってはいろいろな場所で、今に見ていろよ!的な怨みが渦巻いていたんですね・・・。うわっこわっ!!
あと、いろんなところで登場する子羊がイエス?の化身だというのもなんとなく緩い感じがしてほのぼのとしているけど、実際、目が怖い気がする・・・。
こんな書、既に広まっている以上、後世のキリスト教幹部としては、ユーモアを交えた鎮魂��として採用するしかなかったのではないかな・・・。如何!?
さらに本書の構成としては、最初は次々とラッパが吹かれ封印が解かれて大災難を浴びかけるというものだが、後半にいくと休憩!?があったりして、だんだんと脈絡が分からなくなっていく感じがする。
結局、最後はこんな感じなのかな?
ハルマゲドンという場所に霊が集結して地上を大破壊させる → 大淫婦登場 → 大淫婦を破滅させる → 千年王国がやってくる → 千年後にサタンが解放される → サタンを破滅させる → 最後の審判 → 天上に新しいエルサレムが築かれる → 子羊に名前を書かれた人しか入れない → おしまい
う~む。本当に回りくどい・・・。やはり笑うしかない!?
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西洋の絵画を見たり小説を読むに当たり、やっぱりキリスト教の基本は分かっていないと理解しづらい。
たまたま私は子供の頃幼稚園が近くになく、1年半ばかり近所の牧師さんがやってる幼稚園みたいなところに行っていたので、有名な讃美歌はなんとなくわかるし、「日曜学校」と言われればあんな感じね~というのもなんとなく分かる。(クリスチャン家庭ってわけじゃないのですが)
その後も簡単な聖書の読み物みたいなのは目を通したので、ストーリーになっている部分はまあ何となく分からないでもないんだけれど、説法や精神になるとまるで分からないし、「○○の福音書」「○○への手紙」「○○の黙示録」などは言葉として知っていても内容は知らない。
…というわけで面白そうなのを読んでいこうかなと思ってまずはこちら。
さてこの「ヨハネの黙示録」。
ヨハネという人物(キリストの十二弟子のヨハネとは別人と思われる)が見た神からの啓示を記したものということ。
この本では、黙示録に対して翻訳者(研究家?)の解説が加えられたり、黙示録の場面を描かれた絵画も収録され、さらに用語の解説まで描かれてるので非常にわかりやく、非常に興味深く面白かったです。
冒頭でのヨハネはこの書の中身は「イエス・キリストがヨハネに天使を使わせて見せたこれから必ず訪れる出来事」としてます。
まず天使に言われたことは「最近人間の信心が足りなかったり方向が違ったりしている。そこで以下の内容を各教会への注意喚起文章を送るように!」とのこと。
…すまないが最初に読んだときには「いきなりこんな説教じみた文章送りつけて、教会に相手にされたのか?」と思ったんだけど、まあヨハネ自体が相手にしてもらえるだけの宗教的地位があった人物だったのだろうか。
さて。
そして天使がヨハネに示したかったのは、
「神に対する信心が足りない、または偶像を礼拝するものには天罰が下り、そして真の神を崇める者には救済が訪れる」という内容ですが、
そのために見せた情景がすごい。
❐天上に二十四人の長老と、体中の目と複数の翼を持った四匹動物、ライオンもどき、雄牛もどき、人間もどき?鷲もどきがいる。
❐彼らの前で七つの目を持つ羊が、七つの封印を持つ巻物を受け取り、祝福される。
七つ目の羊くんが封印を解いていくと、そのたびに「反キリスト者への天罰と、敬虔なキリスト者への祝福」が行われてゆくんだが、この次々に現れる天変地異の描写がなんかすごい。
人間に、征服者、戦争、飢饉、死により人間を死なせる権限が与えられた騎士(勝手にそんな権限がある~って言われたってさー/ーーゞ)が現れ、人間を全滅させない程度に(ここが重要なのだろう/ーーゞ)厄災を与える。
❐七人の天使たちが、七つのラッパを吹くと地上に厄災が落とされる。
それにより、地上の1/3は焼き尽くされ、海の1/3は血に変わり、水の1/3は毒を持ち、太陽と月と星の1/3は破壊された。
毒のイナゴ(「姿は軍馬、顔は人間、歯はライオン、さそりの棘を持つ」姿ってむしろユーモラス?!)が人を苦しめたり、人の蛇の尾を持つ馬が人を噛み殺したり…
…いやー太陽の1/3が無くなる方が大事件だと思うんだが、毒イナゴのほうが後から出てくるってことは大事件扱いなのかーー。
それでも偶像礼拝や、殺人や淫行を辞めないものたちにはさらに天罰が落ちる。
わたし(ヨハネ)は天使から「人々に偶像礼拝を止めるよう伝えなさい」と伝えられているんです、というのがこの「黙示録」ですが、なんというか、地上の1/3が焼き尽くされ太陽が1/3になり、毒馬や毒サソリに噛み付かれてもそれでも“偶像礼拝”をするならなんかそれはそれで一貫してるしいいんじゃないの~~という感じだ。
❐太陽を纏い月を踏み台にして十二の星を冠にした女が、男の子を産む。
邪悪な竜が女とその子供を狙うが、天使たちにより地上に落とされる。
❐二匹の獣が登場。第一の獣は十本の角と七つの頭を持ち、角の上に十の王冠を戴き神を冒涜する言葉が記されている。
第二の獣は子羊のような角を持ている…って、今まで出てきた動物たちに比べてずいぶんおとなしい姿だな。
要するに偽預言者のよる真の神への冒涜、偽の神への信仰の強要に負けるなよ、ということか。
❐最初の子羊がシオンの山の上に立ち上がると、十四万四千人の真のキリスト教者たちが救済される。
この救済された者たちは「女と交わって身を穢したことのない人々」なんだそうな。
さて、宗教や精神の清く正しい人間の条件として、「女に惑わされたことのない」「童貞」と言うのがあるけれど、私は以前から「だったら子孫増えないよね。宗教にとって信徒を増やすことは大事だろうに」とちょっと不思議だった。
しかし思ったのですがこれは物理的に性行為をしたことがないという意味ではなく、快楽のための性行為はない、ということだろうかかと思う。要するに「性行為とは善きキリスト者を作り育てるための使命であり、快楽は堕落」のような。
そう思ったのが、ホラー映画「キャリー」(原作はスティーブン・キング)を見た時。カルトキリスト教の信者であるキャリーの母が、キャリーに対して虐待のように接しているんだが、この理由が「キャリーを身籠ったときセックスで快楽を感じてしまった」からだということ。性行為とは善きキリスト者を増やすための義務なのに、自分は悪魔の囁きに負けて快楽を感じてしまった!あんた(キャリーのこと)は悪魔の使いだ!!(かなり相当うろ覚え)とか泣き喚いて暴れていたので、義務としての性行為は良いがそれ以上は堕落なのねーー、と思った次第。
なお、解説によると「女と身を穢したことがない」という表現は、「性行為に限らず、偶像礼拝をしないなどの純粋な信仰生活を送った」という意味らしい。
❐そこへ「バビロンの大淫婦」が七つの頭と十の角をもつ緋色の獣に乗って現れる。
…地球の1/が破壊され、けったいな獣が噛み付きまわったあとで「大淫婦」が出てくるってなんか順番が逆ではないか?という感じなんだが(笑)
結局「大淫婦」は、冒涜竜とかと共に滅ぼされてしまう。かつて「バビロン捕囚」を行った都市とその人々へ懲罰を具現化した表現なんだろうけれど、出てきた割には出番も少なかった。
❐さて、これらの厄災の後に、復活したイエス・キリストと、その周りの真のキリスト者が直接この世を千年間統治する。
これが復活の日の後の「千年王国思想」というわけか。
千年王国思想の本だと石川淳「至福千年」https://booklog.jp/item/1/4003109422
バルガス・リョサ「世界終末戦争」https://booklog.jp/item/1/410514507X
などで触れられていた。
❐この千年の間悪魔達は閉じ込められるが、その後一時的に復活し、改めて退治される。
❐その後に「新たな都市エルサレム」にて、真の信仰者の永遠の救いが…
…、という夢を私ヨハネは見た。
これは、キリストが天使を通して知らせてきた必ず来る未来の姿だ。
だからその日に備えて人々は正しい信仰生活を送り、偶像礼拝をする者たちは悔い改めよ!
…というお話。
なんとか粗筋ぽく書いてみましたが、大事なのは教えなので筋はあまり意味はありません。
このような幻想を経典とするくらいに、キリスト教徒が迫害し抑圧され、異教徒たちへの厄災と、真のキリスト者たちの復活の日の後の真の王国を夢見ていたんだなあと。
本文に出てきた「○個の頭をもつ~」「○人の人たちが~」という数字にはすべて意味や暗喩があるということですが、その辺は民族の歴史が分かってないと分からんですね。
本書には宗教絵画が沢山挙げられていて、まさに「頭は○で体は△~」の化けもんなどが見ても分かるようになっていて非常に興味深く楽しめました。
なお、ヘブライ文字やギリシア文字にはそれぞれ数値を持っているということで、名前を数字で表記する(暗示する)ことができるんだそうだ。というわけで忌まわしい数字とされる「666」は、ローマのネロ皇帝のことらしい。ふーーん。
なんというか、読む勧めるにつれ頭の中の映像だどんどん混乱してきましたが(笑)、純粋に読み物として楽しめました(笑)
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・「私はお前の行いを知っている。お前が冷たくも熱くもないことをだ。お前は冷たいか、あるいは熱いか、そのどちらかであってほしいものだ。こんな風に、お前は生温くて、熱くも冷たくもないから、私はお前を口から吐き出そうとしている。…」
・白い馬に乗る「征服者」は弓、赤い馬に乗る「戦争」は剣、黒い馬に乗る「飢饉」は天秤を持ち、青白い馬に乗る「死」は槍をたずさえている。
・「そんなことをしていはいけない。私はあなたや、あなたの兄弟である預言者たちや、この書に書かれた言葉を守っている者たちと同じ、〔神に仕える〕僕仲間なのだ。〔私ではなく〕神を礼拝しなさい。」
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新約聖書正典の最後の書にして、キリスト教黙示文学の代表格である『ヨハネの黙示録』の邦訳。数々の幻視を通して示されるこの世の終焉と新生の預言を、詳細な注記と解説、多数の図版と共に収録する。
本書は、1996年に岩波書店から刊行された単行本(新訳聖書翻訳委員会『ヨハネの黙示録』)の文庫版である。『ヨハネの黙示録』の日本語全訳を注記と解説、そして黙示録の光景を描いた歴史的な図像を付けて収録するほか、キリスト教図像学者の石原綱成氏による解説『「ヨハネの黙示録」の図像学』を収めている。
紀元1世紀後半――ローマ帝国による迫害の時代に著されたと目される『ヨハネの黙示録』。艱難の中で衰微と棄教の危機にある信徒達に対する応答として編まれた本文書は、今日でも様々な場所でモチーフとして援用される印象的な幻視(イメージ)を描き出している。天の玉座とその袂に立つ異形の子羊、七つの封印と地上を襲う諸々の災い、赤き竜とその僕たる二匹の獣、そして最後の審判――。それらが示すのは悪(「大いなるバビロン」=ローマ)の滅びと新世界(新しきエルサレム)の到来という希望、救い(信仰)か破滅(棄教)かの二者択一、歴史を支配する神の恵みの摂理である。本文庫では(「歴史的・批判的釈義の観点から、原文の意味に最も合致する」という視点から)各々の幻視が何を意味しているのか、その背景にあるものは何なのかを平易に注解しており、難解な黙示録の世界を分かりやすく紹介している。文庫という形式も相まって、黙示録の世界に触れるのに最適の書と言えるだろう。
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私には難しい本でした。。
知らないから難しいのか、ただ難しいのか。
ぶっ飛びキリスト教聖典過ぎます。
もっとキリスト教を勉強してから、再読チャレンジいたしますmm