紙の本
とても面白い!
2018/02/14 15:07
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投稿者:暴れ熊 - この投稿者のレビュー一覧を見る
島国で単一民族・単一国家を歴史的に維持してきた日本人だが、世界は民族の移動によって国が興亡しているということがとてもよくわかる本だった。筆者は某予備校で講師をしていたそうで、さすがにわかりやすく書かれている。章立ても、小見出しもわかりやすい。ただ、最後が何となく尻切れトンボな終わり方だったのが残念。しかし、世界史の勉強、世界史を有機的に理解するにはとてもよい本だったと思う。くりかえして読み、理解したい。
電子書籍
かなり複雑です。
2018/10/29 06:39
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投稿者:ワッキーくん - この投稿者のレビュー一覧を見る
民族の形成は、戦争(侵略)の歴史でもあると改めて思う自分なりの感想です。それゆえに血統もかなり複雑です、もちろん当時の気候変動であったり地形
支配者の政治的な発想である原因と結果であることも重要な優先順位であることも分かって良いし、国などの名称の由来も記述されていて大変良かったと思います。
しかしかなり複雑なので、イメージが難しいですね。
紙の本
概観と偏見と戯言
2023/07/25 13:06
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投稿者:ブラウン - この投稿者のレビュー一覧を見る
世界の民族のルーツを歴史的に説明する概観としてかなり読みやすい。しかし内容は民族に対する偏見のような表現がちらほらと見られる。また日本史近辺では著者の独自研究に基づくと思われる内容があり、あたかも隠された真実であるかのように記述されているため、好く言えば大胆、悪く言えば地道な研究に対するリスペクトが足りないように感じる。この本の内容は鵜呑みにしたくないとさえ思う。
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投稿者:ハム - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本人にはなかなかr買いしにくい部分だなと思いますが、民族意識というのは自然に完成されるものではないんですね。
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血統や血脈をベースに言語、文化、慣習等を同じくする「民族」がその誕生から現在までいかに勃興し、衰退していったかを膨大な知識で解説した本。著者の知識量に脱帽&感服。ロヒンギャ問題、クルド族問題、中東問題等々、現在の民族問題についてもその根本から解説してくれている。
本書を読んでいると、結局、民族ベースであろうと人種ベースであろうと、人間の歴史とは、今更ではあるが、殺し合いの歴史であるということをあらためて認識させられ、人間の愚かさにちょっと悲しくなるものがある。
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ソ連が崩壊して冷戦が終わり、世界が平和になると思ったら、今度は世界中で民族紛争が始まった。民族紛争が始まったのか、それとも前からあったけれど冷戦にまぎれて目立たなかったのかはともかく、なんで民族紛争は尽きないんだろう、だいたい民族ってなんだ? と思っていたので、タイトルをみてこれはよさそうだ、と読んでみた。
期待はずれだった。
「民族」を定義することもなく、〇〇民族があっちからやってきて、△△に国を作って、□□民族と喧嘩をした、といった話が延々と続く。○○民族は美人が多い、といったしょうもない私見を別にすれば、著者なりの主張や分析は特にない。年表的な情報量だけは豊富で、こういうの昔さんざん読まされた気がするな、と思ったら教科書だった。相当量の参考文献が上げられているけれど、「まとめ本」という感じか。
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世界各地の民族史の修正。中国の歴代王朝で漢人が成立した王朝は半数に満たず、他民族支配中の混血政策により今となっては純粋な漢人は存在しない、など刺激的ではあるが納得できる内容。日本も朝鮮人との混血が行われており、現日本人は沖縄、アイヌに残っているなど、こちらも刺激的。そもそも純粋な民族性の保持など完全隔離された地域でもない限り無理な話なのに、民族国家、国民国家への憧れなの高まるのは、まさにそれが幻想の国家であるからこその憧れなのかも知れない。
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この数年で、歴史の事件に特化するのではなく、歴史を通してみるのも面白い事に気づきました。その場合の切り口も色々あります、経済で見るとか、地形に着目するなど。
この本ではその切り口を「民族」にしています、現在は国境がありますが、その国境は人為的に決められた経緯もあり、民族と国境が対応しているとは限りません、日本は一応、単一民族ということになっているようですが。
この本の帯にあるように、人種・血統を通じて人類のダイナミズムを描く、新しいタイプの世界史に触れることができました、また新しい見方ができて楽しかったです。
以下は気になったポイントです。
・人種:DNA・血統・肉体、民族:言語・文化・慣習、国民:国家・法律・制度で構成される、人種→国民になるほど、外的要因が強い(p17)
・中国の民族分布、漢族は92%、少数民族としては、チョワン族・満州族・ホイ族・ミヤオ族・ウィグル族・モンゴル族・チベット族の順で、それ以外に48民族がいる(p41)
・中国の主要統一王朝:秦、漢、晋、隋、唐、宋、元、明、清のうち、漢民族が作ったのは、秦・漢・晋・明の4つ、長期に渡って異民族王朝によって支配されている(p47)
・百済(全羅南道)は高麗によって奴隷民に貶められた、新羅は前王朝を形成した国家なので、王都慶州を中心に先進的な地域であったので、慶尚北道・南道は敬意を払った(p79)
・6,7世紀、欧州の農業生産力が増強される(ゲルマン民族)と、欧州はビザンツ帝国の食糧調達ルートに依存する必要がなくなった、ビザンツ帝国は高いコストをかけて広大な領土を維持するインセンティブを失い、領土を縮小していく(p98)
・リトアニア大公国(後のヤゲウォ朝=バルト三国・ウクライナ・ベルラーシ・ロシア西部)は、アジア系ウラル語族の国家、あるいは彼らの血統を濃く受け継いだ国家とみることができる。14世紀末にポーランド女王と結婚する際にキリスト教に改宗する(p119)
・ルーマニアとは、ローマ人の土地、と意味する。ローマ人が330年、コンスタンチノープル(イスタンブール)に遷都したとき、この地域一帯のブルガリア、ルーマニアがローマ化された、ローマ人が入植してローマ語が使われた。ブルガリアはブルガール人に侵略されるが、北部ルーマニアは血統が残った(p124)
・イラン人はインド・欧州語族、いわゆるヨーロッパ人の仲間であるのに対して、イラク人はセム語系、アラブ人である。しかしイラン人は中東地域にあって、長い年月をかけてアラブ人との混血を繰り返してアラブ人化している(p136)
・アレクサンドロスの死後、帝国は分裂、イラン人はギリシア人勢力を追い出して、パルティア王国を建国して、イラン・イラクに領土を広げて、ローマ帝国と対等に戦い、500年間も続いた(p137)
・642年、ニハーヴァンドの戦いで、イスラム勢力はアラブ人勢力(ササン朝)に敗退して滅びる、そして中東の覇権はアラブ人によるイスラム帝国が形成、アケメネス朝ペルシアから、ササン朝ペルシアまでの1200年間におよびイ��ン人優位が崩れた(p140)
・1492年、スペインによりグラナダが陥落させられ、ナスル朝は滅亡、イスラムはイベリア半島から撤退する(p146)
・トルコ人はトルキスタンへ西進して、10世紀にイスラム化、カラ・ハン朝(トルキスタン)をつくった、今の国名で言えば、トルクメニスタン・ウズベキスタン・キルギス・カザフスタン・タジキスタン・アブガニスタン北部にあたる、「~スタン」とは、ペルシア語で、「~が住む場所、~が多い場所」を表す(p152)
・フン人を率いていた、アッティラ王は欧州に進撃するが、451年西ローマ帝国軍に敗北して、東欧州まで撤退して定住した。この地域をフンガリアと呼ぶ、ハンガリーの首都のブタペストあたり(p156)
・トルコ人はロシアを超えて東欧州に入る、9世紀にハンガリーに定住したのがマジャール人、7世紀にバルカン半島に入りトルコ人王国をつくったのが、ブルガール人、これがブルガリアになる。スカンジナビア半島に入り、トルコ人王国をつくったのが、フィン人。なので、ハンガリー・ブルガリア・フィンランドはアジア系に分類される(p161)
・ユダヤ人には3系統あり、アシュケナジム(ドイツ、東欧州、米国)、セファルディム(スペイン)、ミズラヒム(中東)で、前者2つは白人化した(p165)
・1471年に黎朝は南ベトナムのチャムパー(ベトナムとは別の独立領域)を征服し、南北ベトナムが統一された。中国系の多い北部人と、インドネシア系の多い南部人との混血も進んだ。(p187)
・天然痘、ペストなどの伝染性の病原菌は、インカ帝国・アステカ王国を崩壊させた、多くの種類の家畜を飼うスペイン人などの欧州人は、免疫を持っていたが、新大陸の原住民は、牛・豚を飼う習慣がなく、動物性の病原菌に対する免疫がなかった(p219)
・人類はもともと黒人から始まった、いまから10-5万年前に、彼らの一部がスエズ地峡を渡り世界へ拡散していき、白人や黄人に変化した。1987年に、DNA解析により、ネアンデルタール人(旧人)と現生人類(ホモサピエンス)は、遺伝子上のつながりがないことが判明した(p226)
・16世紀になるとスペインが西インド諸島、中南米で農園や鉱山を経営、現地のインディアンが酷使され人口が減少したので、その穴埋めとしてアフリカ黒人を奴隷として送った。17世紀にはイギリスが組織的に奴隷貿易を展開する。イギリスは武器をアフリカに私、黒人奴隷と交換、黒人を西インド諸島へっ搬送し、砂糖プランテーションで労働させて、砂糖を持ち帰る三角貿易を行った、フランスの領土(ハイチ)にも供給した(p237)
・アメリカでは奴隷に家族を持たせて子孫たちを永続的に土地に住まわせて奴隷人口を増大させたので、イギリスに対する奴隷購入は減少した、ポルトガル領ブラジルで砂糖生産量が増えたので、奴隷貿易は利益がでなくなり自然消滅した。(p239)
・イギリスが新天地アメリカを求めたとき、ラテンアメリカ、肥沃なミシシッピ流域はすでにスペイン領土、ブラジルもポルトガル領土であり、残っていたのは、東海岸の荒れ地のみ、イギリス極貧層はこの地へ移住して、そこを「ニューイングランド」とした(p241)
・女性インディアンは、増殖政策に利用されて、黒人奴隷の子を産まされた、このような負の歴史は人権意識の向上とともに白人の恥とされて、記録としてはなかなか表に出てこない(p246)
・16世紀以降、スペイン白人入植者たちは、中南米でインディアンや黒人と混血した、スペインはインディアン女性を好み、メスティーソと呼ばれた。ところがイギリス人は混血しなかった、これはピューリタンの宗教戒律が大きく影響している(p247)
・南北戦争後、憲法修正により奴隷制度が廃止され、解放された黒人に市民権・選挙権が与えられたが、土地は与えられなかったので、経済的に自立できずに、大部分は奴隷同然の労働者になった、本当の差別がなくなったのは、1964年の公民権法成立から(p250)
・モンゴル人の興隆は4回ある、1)匈奴(紀元前2世紀)、2)鮮卑(5世紀、北魏)、3)契丹(10世紀、遼)、4)モンゴル(13世紀、モンゴル帝国)(p254)
・元王朝は、モンゴル人第一主義を掲げ、モンゴル人・色目人(中央アジア、イラン出身)・漢人・南人に分けて、支配階級はモンゴル人と色目人が占めた(p260)
・モンゴルは基本的に寛容は共存政策であったが、例外は中国人や中国文化に対する政策、儒教を始めとする中国文化は例外的に認めなかった(p263)
・満州人の清王朝は、どの中国王朝よりも、強大な力を持っていた、その支配領域も最大、台湾やモンゴル高原、チベットも領有した(p269)
2018年6月10日作成
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帝国主義的な社会の仕組みが今の主流なので、それを作り上げた民族(?)が優位になってしまっているど、そんなことは無く、それぞれに築いてきた歴史がある。ある程度の知識量が無いと世界全体の時代の動きっていうのは分からないものだなあと、改めて思う。日本の歴史は世界の動きの中にあったのだとワクワクして読んだ。国家の一員ではなく、地球人の一人としてどう生きるか。民族の(争いの)歴史を振り返ってそう考えるときなのだと思う。
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塾の世界史の先生が書いている本なので、わかりやすかった。自分が今まで知っていると思っていたことが違っていたということも発見できた。
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語族とインターネット文化の関係に興味があるので、この本も面白く読みました。歴史の本だけど堅苦しくなく、カジュアルに読める。
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匈奴・南北朝時代(420~589)の北朝・唐(李淵=鮮卑族)・契丹族=モンゴル人。
宋(趙匡胤=沙陀族)=トルコ人。
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教科書は説明がヘタで流れも悪く、省略されてる内容も多いが、対して本書は各地方や民族の流れを大まかにうまくまとめてるので理解しやすいと思う。 しかし「教養として知っておきたい」とサブタイトルふってる割には、著者自身の教養を疑わせるような勘違いや、出所不明の眉唾説、謎の個人的見解が散見されるのは残念
中国やフランスが途上国でリビアが先進国って表記の地図は編集部のミスか。 ジャレド博士にも言及してるのに、新大陸の原住民は動物を飼う習慣がなかったって記述があるが・・・著者の理解力を疑ってしまう
あと教科書自体が原因で仕方ないかもしれないが、モンゴル系は狩猟民族で華人国家を略奪したとかって記述があるのも気になるところ。狩猟採取hunter-gathererと牧畜herderを混同してしまってる
同著者の他の本も気になってたが、買わずに図書館で読む程度かな・・
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サクサクと読めて面白い。
世界史を専攻してなかったので、とっつきにくいパートもあるが、「民族」「語族」というくくりで世界史を概観していく視点が面白い。
とはいえ、装丁が生真面目な雰囲気のわりに、内容がやや不謹慎なところもあり、また出典も不明で、正しく検証されたのだろうかと思うよな説がサラリと提示されていたり、トンデも本とは言わないが、眉に唾しながら読み進めたほうが良さそうだ。
冒頭に、中国人が「ガーガー、ペッ」とタン吐きをする、と言い放っているところで気づけたかな。この書き出しは、本書のスタンスを読者にさりげなく提示した著者としての親切心だったのかもしれない。よう知らんけど。
そんな点を差っ引けば、面白く読者の興味を引きながら、さまざまな時代における「民族」の変遷を興味深く解説していて読みやすい。
どんなところが興味を引くかといえば、真面目な解説の合間に、どの民族には美女が多いとか、文字を持たない民族は野蛮であったとか、まぁその民族をキャラ立ちさせるには格好のネタではあるが、飲みの席の話題のような、きわめて主観的な話を、さも歴史的事実や民族に根差した根拠あるものかのように開陳している点。
こちらも、オヤジなので、ついつい「ほほぅ」と読み進むが、民族という極めてデリカシーを要する主題を扱うにしては、配慮に欠ける内容が多いことは、まず意識して読むべき著作だとは思う。
そんな下世話な話もあるが、個人的には、各民族による他民族の呼称や、各語族に残る言葉から民族の特性や、その当時その民族が置かれた立場などを説明している箇所は、面白かった。一例を挙げると、
「ギリシア人がスラヴ人に「おまえたちの話している言葉は何だ?」と問うと、「言葉(スラヴ)だ」と答えます。スラヴというのは本来、言葉という意味です。「スラヴ」と聞いたギリシア人は「では、おまえたちをスラヴ人と呼ぼう」ということになりました。そしてギリシア人はスラヴ人を奴隷にしたことで、ギリシア語でスラヴは奴隷の意味となります。 」
まぁ、この手の話も、言ってみれば、宴席の話題に役立つ程度のネタではあるのだけど(苦笑)
「民族」の話を、ホモ・サピエンスの出アフリカの頃から説き明かしていく努力も、なかなか頑張っているなと思うところ。その分、最後は、とくにまとめといったふうもなく、第8部 Chapter24 白人優位主義の歴史を語ってブツンと終わっているのは残念。
なんだかなぁ。
予備校の世界史の講師だったという著者。特に専門的に歴史を研究している方ではなく、「テレビ、ラジオ、雑誌など各メディアで時事問題を歴史の視点から解説」しているという略歴から、ある程度、エッヂを利かせた論調で勝負しているのだろうなとは思うところ。
いわゆる”民族主義者“ということはないとは思うが、本書の内容は鵜呑みにせず、ひとつの説としてうけたまわっておきましょうか、と。