投稿元:
レビューを見る
傷ついて、悩んで、死にたくなる。
誰にも理解されないんじゃないかと思うとまた絶望する。
だけど思いがけないところから、勇気や優しさや希望となる言葉や味方たちは飛んでくるんだなと思った。
ありがとう、大好きだ!
原田のその後が知りたい。
投稿元:
レビューを見る
いわゆる「普通」とはちょっとずれた(ように見える)10代を主人公とした短編の5連作。10代の単純なようで複雑な内面がよく描けているように感じた。5話それぞれで登場人物がオーバーラップする構成も面白い。ところどころくすりとさせられる表現があるのもよかった。最終話の「僕とじょうぎとぐるぐると」が一番ずしりときた。
投稿元:
レビューを見る
全5話の短編集なのだけれど、それぞれの話が少しずつ繋がっている。
小嶋陽太郎さんの小説を読むといつも思うのですが、文章がまわりくどく感じる反面リズミカルでとても読みやすい。私はそれがすごく好きです。
読んでいて苦しくなる内容もあるのですが、最後には救いの光が見えるような話でした。読み終わって温かい気持ちになれるような。
投稿元:
レビューを見る
ゆる~くつながった連作短編集。
なんともいえないおもしろさだった。
「怒る泣く笑う女子」の三崎ちゃん。つらい来し方だったけど、びっくりしながらも受けとめてくれる人たちにめぐりあえてよかったね。その受けとめてくれる人たちも、みんなそれぞれへんてこなのが、ほかの短編からもわかるし。ヘンって、受容器を大きくする要素なのかも。
最終編の、三崎の弟のやつもよかったなー。
「ストーリーテラー」の相田クンの話も、なんかあやうくて心に残った。ストーリーテラーと妄想、現実を受けとめるか現実から逃げるか、なんていうことの境界線はほんとうに細くて、あやふやなものなのかもしれない。
投稿元:
レビューを見る
「永遠についての証明」と同じく、勉強のためにこの作家を読もうとか、他の人が読んでいたからとかではなく、純粋に自分のための読書で良書に巡り会えた感じがする。
連作短編集で、小学校か高校、または大学生が舞台になっている。例えば1つ目と2つ目の短編は同じ高校の同じクラスの話であって、登場人物も共有されている。2つ目の「怒る泣く笑う女子」の主人公の弟が最後の短編の主人公になっている。それぞれでも読めるのだろうけど、全て順に読むとより楽しめる気がした。
最初は、主人公が感じている内容を書きすぎ(説明しすぎ)ているようにも感じた。でもこの本はたぶん、ここに登場するのと同じ高校生くらいの読者を想定しているのではないかとも思う。今大人な自分がするような思考法を高校生の時にとっていたかというと、そうではないのと同じように、作者が、高校生くらいの主人公たちの視点に立って描いているため、今の自分の立場で読むともどかしかったりする場面もあるのかもしれない。
この本に出てくるのは、「黒いぐるぐるみたいなものを体にためちゃう人」で、そういう人ほど「根が優しかったり繊細」であるような人たち(最終話)。両親が離婚していたり、家庭に問題があったり、性同一障害だったりとか、ちょっとぞっとするようなストーカー気質?の主人公とか、特殊なケースが多いな、とも思ったが、屈託がある状態でしか生きていけないようなものを抱えている人たちをうまく描けていると思った。
投稿元:
レビューを見る
青少年向けの本というのは侮れない名作が潜んでいるので10冊に1冊くらいは読むようにしています。これはライトな読み口でさらりとしています。重厚なものを求めてこれを読む人はいないでしょうからこれでいいのだ。
中高生が読書の入口にするのにとてもいいと思います。子どもに読書を文学的な作品から入らせようとする人居ますが、やっぱり読書も楽しくないと続かないですから、是非手軽に手に取って漫画を読むような気持で読んで頂きたいです。
投稿元:
レビューを見る
さらっと読めた、中高生向けと言う事で割りと短時間で読みきれる。
少しずつ繋がっている節有り。
皆さん書かれている「怒る笑う泣く女子」、刺さった。LGBTについて触れられていたり、アルコール依存症についてだったり、小学生の思考が面白く柔らかかったり。
心情が細かくかかれていた。
投稿元:
レビューを見る
小嶋陽太郎らしい読みやすい文体で、中味は結構なオモミあることを描いた青春小説。そうそう、10代ってこういう気持ちやったよなぁ~。
登場人物主人公たちが微妙に重なり合う構成の独立した短編5編を収録。どれも面白いが、個人的には「吠えるな」が一番好きかな。「ストーリーテラー」は登場人物の背負うものの重さが哀しかった。
今から考えたら、10代の頃、屈折した気持ちなんて誰でも持っていたんだと思うが、当時はもう自分の中の思春期が暴れまくっていて、抑制の効かないことが何度もあった。まして、自分にはどうしようもない境遇てハードルが高い連中にとって、思春期の暴れを納めるのって大変だったろうなと。
この本に収録された各作品の主人公たちも、所謂「黒いぬいぐるみ」を心の中にいっぱい抱えて悶々としつつ生きている。自分と自分が特別と思っているヤツ以外のみんなは、本流の属し同調圧力を強いてくる障害でしかなく、閉塞感と絶望を感じつつ、内包するエネルギーが諦めきることを許してくれない。八方ふさがりを感じて叫びたくなるし、叫ぶエネルギーだけは十分にあるし…
「空気を読めよ」的な同調圧力が強いこの国。もっともっと各自の個性というものを重んじるようになってくれれば良いのになぁといつも考える。
「あなたのようにはなれないが、あなたのやることを否定しない。だからわたしのやることもほっといて」
みんなこういう風に考えて、他人の個性を認めるようになれば、もう少し生き易い国になると思うのだが…。
投稿元:
レビューを見る
1つ1つの短編が物語的につながっているわけではないが、舞台と人物を共有しているタイプの短編集。
「空に飛び蹴り」
空から降ってくる不幸を蹴り返すという設定があほらしくて好きだ。
不幸についてくよくよ悩んだり、悲観するよりも、現実的な一歩を踏み出す方が前に進むものだ。
「怒る泣く笑う女子」
このテーマを扱った小説の中では一番受け入れやすかったかもしれない。
自分を卑下しすぎ、というか、自分で自分を悪い意味で特別視してしまっているところがあるんだろうなあ。
「吠えるな」
ありがちな物語で、やや面白みに欠けた。
「ストーリーテラー」
小嶋陽太郎の描く鬱屈としたキャラクターが好きだ。
それが行き過ぎて、人間性がねじ曲がってしまっているのもいい。
過去の人間に囚われてしまうところにも共感。
「僕とじょうぎとぐるぐると」
「悲しいこととかつらいこととかもたくさんあって、そういうのって日々をすごせばすごすほど少しずつ体にたまっていって、自分の体よりもたくさん、その悲しいこととかつらいことがつみかさなったときに体が耐えられなくなって、爆発しちゃうんじゃないかって僕は思う。」
私も子供のころから同じようなことを考えていた。
ふとした時に思い出す過去の失敗とか悲しい出来事というのはなかなか消えてくれなくて、いずれ日常の中で思い出すのは嫌な思い出ばかりになってしまうんじゃないかという不安。
悲しさというのはアルコールみたいに、人それぞれに許容量と分解能力があるんじゃないだろうか。
人よりため込んでしまうのに、自分で解消できない人はつらいだろう。
投稿元:
レビューを見る
YA世代に読んでほしい作品だった。
家庭が問題を抱えている子、LGBT の子等々。
みんな、仲間はほしい。でも心をさらけ出すことは中々難しい。
相手を間違えると立ち上がれなくなるのかもしれない。
だからみんなが放課後ひとり同盟なんだね。
何処かで繋がれるといいなあ。
ちょっとずれるけど「吠えるな」のトイプーと思われる犬がいい。本能で人を見分けているね。飼い主の強い見方だ。
投稿元:
レビューを見る
表紙を見て、
スポーツ系の話かと思いきや、
現代社会の話題を取り込んだ作品だった。
もし、皆の周りにこういう子がいたら?
どうする?
どう接する?
と、問いかけられている気分。
投稿元:
レビューを見る
こういう、オムニバスに見せかけて実はどこかで繋がっている系のお話が好きな私には、とっても良かった。
それぞれが持つコンプレックスや「くさくさ」した部分がなんともリアルで 上手く想像できる分、辛いところもあった。それでもオチはちょっぴり爽やかで、彼らにも良い風が吹き抜けてくれると良いなと思った。
投稿元:
レビューを見る
子どもに勧められて。
連載短編。
登場する人はみんなちょっと個性的だけど、どこか共感できる部分もあり。周りにいたら面倒なタイプだけど、読む分には楽しいという感じでした。