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投稿者:まもり - この投稿者のレビュー一覧を見る
「新耳袋」のように短い話がたくさん入っているが、ただこのようなことがあった-という風で、因果関係が分かったり、分からなかったり、人智の外にあるような不思議な話が多く、やたらに人を怖がらせようというような作為のようなものが感じられずその点とても好感が持てた。私は完全な都会っ子で、里山など縁遠い者ではあるのだが、子供のころ夏休みともなると長期滞在して過ごした母の実家静岡の、伯父に連れられ車で訪れた渓谷に響き渡っていた蜩の大合唱が不意に思い出され、なんともいえない気持ちになりました。
紙の本
植物相は違えど。
2017/06/06 17:32
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投稿者:銀 - この投稿者のレビュー一覧を見る
遊びに行ったシダの森に、汗かきながら踏みいると、不意に得体の知れない冷気に触れてしまった時のような。
懐かしくも、ひやりと不安や畏怖を感じさせてくれる実話集です。
あたたかな余韻を残す、不思議な少女との出会いを描いた「初恋」があるかと思えば、ゾッと背筋の寒くなる「ヱド」のような話もあり、興趣尽きません。「山怪」がお好きな方なら、是非どうぞ。
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収録1話目から雰囲気抜群でございます。
安曇潤平など好きであればこれも楽しめると思い購入。
結果、当たりでございます。
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読んでると不思議だなぁ、とか懐かしいなぁとか思います。昆虫を軸に話は展開するんですけど、山の神様のようなものに会ったり、霊的で不思議な経験をする人の話なので民俗学本としての本でもあるような気がします。ゾッとする感じもあるんですけど、日本人なら肌で理解できる話ばかりです。私達って、ヒトとは違う自然の中にいる生き物のことを忘れていたり、感じ取れなくなってるんだなぁって普通に思います。
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今まで耳にした話のバリエーションばかりではありますが、虫屋のフィールドワークという芯があるのでそれなりに面白く読めます。ただ、個人的にしつこいぐらい短編が苦手なので途中でかなり投げたくなりました。さして怖くもないんですが、最後の最後でネグレリア・フォーレリがでてきたんですが、これ最近でも近所の湖で感染者が出てびびったのが記憶にあたらしくて、やっぱり真水は怖いなぁ、、と。なんだかんだいって、ネイチャーはなめたらあきませんな。
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◆安心してください 怖い話は少なめです◆
黒い表紙をみると、怖い話!?と連想してしまいますが、意外とそんな話ばかりではありません。狐につままれたという表現がしっくりくるような不思議な話から、どこか郷愁を感じる話まで次々と語られます。里山やその地に息づくものを好む人たちの口から語られたと聞くと、そんな話も妙な説得力があります。長野県民にとって、山は少々馴染み深すぎる存在かもしれませんが、こういうものを読むと改めて、山って神秘的と気づかされました
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生き物屋。
それは、好みの生き物を目当てに暇さえあれば東奔西走する趣味の人である。
その対象が虫全般の人もいれば、蝶や蛾、蜂に蝉と一つの種類に拘る者もいる。中には植物、生き物ですらない無機物を対象とする者もいる。
そんな彼らだからこそ、目的のために赴く場所も、情報をやり取りするネットワークも広い。そしてそのネットワークを通じて伝えられる情報は、最新の地域情報や新たに見つけた目当ての生き物がいる場所だけでなく、奇妙な体験談も含まれる。
悪しきモノを惹き寄せる土地。
なぜか長居する気になれない、絶好の釣りスポット。
野道を歩いている所を突然呼び止める、見知らぬ人。
人界である里と、異界である山。双方が混じり合う境界での体験談などを集めた奇談集。
舞台が里山ではなく海岸での話だったり、怪談奇談というよりもエッセイっぽい話だったりと、書名通りの内容とはいい難いが、それでも人界と異界とが混じり合う境界ならではの、心惹かれる独特な体験談も多く収録されている。
境界の世界は里、つまり人のいる場所で生活していると遠く感じるが、その境は実は曖昧に混ざり合っていて、意外と近い。その気はなくとも、通りがかるだけで何かしらを体験してしまうのかもしれない。
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自然に一歩足を踏み入れれば、不思議は不思議でなくなるのだなあ。人間である自分も、自然に組み込まれていたい。
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ホラー。短編集。ショート・ショート。怪談。
不思議な話、奇妙な話、不気味な話たち。
タイトル通り、里山が舞台。
フィクションだよね?実話じゃないよね?そう思うほど親しみやすい物語が多かった。
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里山で生き物屋といわれるゆえに山関連の不思議話の厳選だと思われるがちらほらとそれ以外のも混入されている。
なかなか、ネタをそろえるのも難しい?
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生き物屋さんでも、不思議な経験をすることがあるのかと思った。何かに夢中になると、神様との距離が近づくのだろうか。
表紙がすてきな一冊で、表紙からして引き込まれる。
お気に入りは「カンヌケサマ」。
単に不思議で怖い話でなく、仮説があり、納得感がある。
その仮説は、それはそれで怖いのだが…。
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日常にふと混じる奇談、怪談。自分が住んでる世界のすぐ隣にある世界。狐の嫁入りのお話にしんみり。息子がいるので少年達が暗渠やら廃墟やら探検に行く話は「もー!君たち!ほんとやめて!!!」と叫ばずにはいられない。
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ゾクゾクするちょっと怖い話集。山に感じる畏敬の念と原初の信仰の源感。
「遠野物語」や「山怪」に近いジャンルの本だけれど、舞台になっているのが里山であるところが新鮮。
都市が開発され、人々が現代の暮らしをしていてもなお残る山の恐ろしさや山への畏怖。
もののけ姫的な、深い山が力を持っていた時代が現代と地続きになっている感じが面白い。
最近蝶の標本集めがマイブームなので、この物語の中で登場する「虫屋」とか「蝶屋」とかに親近感がわいた
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自然や先人の知恵に対する謙虚な姿勢から、どこか懐かしいような情景の中で紡がれる物語に、地のぬくもりを感じました。cocoさん、素敵です。
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野山を渉猟する”生き物屋”が蒐集した、里山の妖しく不思議なお話。
神の棲む山と人間の暮らす地、その境界に広がる里山――。
そこにはさまざまな生命とともに、不思議が息づいている
野山を渉猟し、昆虫や動植物をこよなく愛する“生き物屋”が集めた、里山の奇しき物語。
■土地の人は誰でも知っている“立ち入ってはならない”場所。人が住みたがらない場所は、なぜ封鎖されないのか?――「ヱド」。
■川岸の暗闇に静かに明滅する蛍の光。たくさんの蛍が飛ぶ夜を示すことばに秘められた、ある風習があった。――「ほたるかい」
■遠い昔、参列した”狐の嫁入り”。幼い自分と美しい花嫁が両端を持つ綱を離すまいとした記憶。だが、母の話で意外なことが判明する。――「山野辺行道」
■とある国際的なイベントのため道路交通網の整備が始まったときのこと。山を削ると祟られると年寄りたちが騒ぎだした。やがて奇妙な事故が頻発しはじめる。――「蛇の道」
■ダムに沈んだ小さな集落。かつてそこには、決して入ってはならぬ“湯”があった。その湯は“罪を犯した者”が判別できるというのだが……。――「カンヌケサマ」
戦慄するのになぜかなつかしく、愛おしい。里山の奇妙な話から、日本の原風景が立ち上がる……