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14歳で核融合炉を創った天才少年の軌跡。核物理学の入門書であり、子供の個性を伸ばすための育児書でもあるのです。それにしても、ホンモノの天才とは凄まじいのね。
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これは教育に携わる人に、是非読んでもらいたい本。
ギフテッドに限らず、子供の伸びていく可能性の邪魔はしたくないと思った。
下記、創造性についての引用は大事。
E・ポール・トーランス
肯定的な将来像は、人を引きつける強い力である。こうした将来像は、私たちを駆り立てて活気づけてくれる。そして重要な行動を率先して起こし、新たな解決法や目標に向かって進む勇気と意思を与えてくれる。夢見ること、計画すること、将来に興味を抱くこと、そして努力が将来にどれだけ影響するかと考えることは私たちが人間であることの重要な側面である。実際に、人生でも特に活力と興奮を感じる瞬間は、私たちの奮闘と探求が突如として、目もくらむようなオーラに包まれた、まったく新しい将来像に変化する、そのほんの一瞬だといえる。
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米国の片田舎の天才少年が、核融合炉を作るまでの話。それに絡めて飛び級に代表される選抜、加速教育の現状、あり方を述べるが、実際には核融合にまつわる知識が面白い点となっている。教育の点は、能力を発揮させるよう制限をできるだけ設けず助ける親、メンター、教師が必要だとする。
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サイエンスルポでありながら、稀有な才能をいかに伸ばすかという育児もテーマに内包されている。それぞれの光と陰を実直に書き出した一冊。
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14歳で核融合炉を作った天才少年の生い立ちを追う。危険と隣り合わせの研究に対し、彼の両親はできるだけ少年に寄り添い子供を応援する。「これをしてはいけません」などの頭ごなしの否定はなし。普通の学校ではなく、ギフテッド(特殊能力)向けの専門の学校に進み大人の研究者に混じって研究を続ける。
アメリカでは天才児がどのように育つのか興味深い。ただし、そのような教育を受けて万事が天才児の人生を豊かにするかというとそうではない。彼の兄弟も同じように天才児向けの学校に通ったが葛藤を抱え、自らの意志で元の生活に戻り穏やかに育っている。子供一人ひとりに合う合わないがあるのだろう。
さて、件の天才児はどうなったか。24際になった彼は小型原子炉の開発を今も続けている。
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20181014読了。
本屋の新聞の書評紹介コーナーでおもしろそうだと発見した本。
アメリカの天才少年とその家族や恩師などの周囲の人々を描いたノンフィクション。
9歳で自作ロケットをつくり、14歳で核融合炉をつくるというとんでもない経歴。
ハンズオンな性格をしていて、鉱山にウランをほりにいったり、購入できない化学物質を手に入れるために化学処理して手に入れるようにしたり、実験機材を買うためにいろいろなお金稼ぎをしたり。。
ガレージや庭で核実験をするのも了承するなど、両親のサポートによる恩恵についてもページを大きく割いている。(著者としては本人もすごいが、両親による教育方法の方により注目してた模様)
とにかく圧倒的な天才なので、読んでいて刺激を受ける。(一方で30過ぎてこの子の9歳時点にもかなわないなーと思わされる部分もあってショックも感じる。。)
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【脳力】
少年は没頭できるマニアですが、オタクぽくはありません。
コミュニケーション能力が高いマニア、完璧です。
少年は没頭力が尋常ではなく、没頭して結果を出しています。しかも、ものすごくスピード感があるので没頭から結果までが短く、途中リタイアがないので達成感を次から次へと味合うことができています。しかもすごいところは内容のレベルが高いということです。常に前へ前へ進んでいる感があります。
最近あまり没頭できないように思いますが、昔はある程度没頭すればそれなりに結果が出たので満たされ感があったように思いますが、最近はちょっとやそっとの没頭では結果までたどり着けない状態です。したがって途中であきらめてしまい、達成感を味合うことができてないように感じます。(私事)
達成感
この達成感を比較的簡単に得られるのが、長距離走と山登りです。
マラソンに代表される長距離走はやることはすごくシンプルで特殊な技量を要しません。ひたすら足を交互に動かすだけで、それが何時間も続くだけです。誰でもできる動作で、特殊な練習もなくすることができる動作です。後はひたすらがまんして続けるだけで達成感を得られます。
途中で膝が痛くなる、ふくらはぎ、足首、股関節が痛むなどの故障が発生しなければ、誰でも簡単に味わえる達成感です。
マラソンをする人には少なからずこれがあると思います。すごいことは到底できないが、簡単なことを繰り返しているだけ(本当は繰り返しをつづけることも難しいのですが)で達成感を得ることができます。
この達成感というものは、正直ものずごく気持ちいいものです。
サッカーやテニスのようにある程度練習をしてからでないと達成感を味わえないものとはことなります。
こんな言葉はあまりよくないですが、「バカ」でもできるものです。ちなみに、わたしも10kmマラソンを走ったりしています。こんな簡単に達成感を味わうことができて、まわりからも少しだけ「すごーい」のまなざしで見られ優越感に浸れるものはありません。この達成感の気持ちよさが脳にこびりつき、やめられなくなるものだと思います。
ただ、本当にすごい人は単純な作業をひたすらすることで達成感を得るのではなく、単純でないことで達成し、達成感を得て、また新しいことにチャレンジして達成し、どんどん達成感を満たしていきます。これができるこの少年もすごい人です。凡人のように単純なことを繰り返しているだけの行動ではものたりない人だと思います。
凡人には簡単にできることを繰り返し行うようなことでしか、達成感を味わうところに到達できません。
ここに差があると思います。本当にすごい人は長距離も走りませんし、山登りもしません。もっと楽しく達成感を味わえることが目の前に存在しており、本当に達成してしまうのです。
脳力
スポーツは出来不出来により、早い段階(小学生あるいはその前)からクラス分けをされるのですが、学術的能力(脳力)で分けることはしません。それをしてしまうと批判が殺到します。大学受験になり、やっとどの大学に受かるかで差��でますが、それまでは差をつけないようにしています。
脳の出来不出来は、身長が高い、低いの遺伝よりも遺伝確率が高いと聞きます。そうすると産まれた段階でどうあがいても脳のレベルでは勝てないことになります。出来のいい脳、悪い脳が産まれた瞬間に決まっているということになります。ただ、それを言ってしまうと身も蓋もないので言えないということです。
ただ、脳のレベルが高い、低いは脳の処理能力の高さを示すものだと思いますので、処理能力が低い人は何もできないということではありません。
処理能力が高いコンピュータが何でもできるわけではないのと同じです。
処理能力が高いコンピュータでも、野球やサッカーもできませんし、鬼ごっこすらもできません。油絵を描くこともできませんし、絵を見て感動もできません。小説を書くこともできないし、話をして人を笑わせることもできないのです。しかし、恐ろしく処理速度は速いということです。
人が他の動物と異なる優れた部位、それが脳みそです。人は足が速いわけではなく、腕力が強いわけでもない、空を飛べるわけでもない、鋭い牙も生えていない、嗅覚が優れているわけでもなく、毒も持っていない。しかし発達した脳みそを持っています。それが最大の武器になります。その武器を活用することにより他の動物を抑えて生物界の頂点に立っています。
同じ種族の範囲でも足の速いチーターもいれば遅いチーターもいます。首の長いキリンもいれば短いキリンもいます。一番の武器も個体差があります。人もその最大の武器である脳レベルが高い人と低い人がいても不思議ではありません。
天才の幸せ
天才の中の天才は数学者と言われますが、必ずしも幸せではありません。天才的脳を持っている数学者は100年先を思い描いています。残念ながら100年先のことを説明されても、凡人には全く意味が理解できません。そして天才数学者は誰とも意見が合わず孤独になります。孤独になって一人でも全然問題ないという人もいますが、世の中と全くかみ合わない、誰一人理解してもらえない孤独は耐え難いものがあります。
インターネットやSNSが存在する現在では世界中に発信するすべがあるため、昔に比べれば理解してもらえる確率が高まっていると思います。世界中に発信できれば一人ぐらい理解してくれる人がいるかもしれません。一人でもいれば、まだ孤独感はなくなるのですが、飛び抜けた天才数学者の場合、世界中の誰一人共感してくれる人がいないこともあります。極度の孤独に襲われ、精神が壊され早くして亡くなって行きます。
脳レベルが高くても幸せになれるとは限りません。
この少年もギフテッドに値するとは思うのですが、ギフテッドにも幅があります。変な言い方ですがギフテッドの範疇に入るが、その中の下の方が一番丁度いいような気もします。
(ギフテッドにほど遠ーい人間が言うな!)
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テイラーの核融合の話であり、教育書でもある。
表題に書いたとおりです。核融合の話が出てくるのは本のかなり後半の方であり、前半の大部分は放射能や放射性物質の話、テイラーの幼少期や両親の話となります。
テイラーのような天才(ギフテッド)についての考察も非常に多く、テイラーの両親がテイラーの才能をどうやって引き出したのかも語られています。また、テイラーと同じような才能を持ちながら、両親の間違った教育によってつぶれてしまったデイヴィッド・ハーンも引き合いに出しており、その比較もまた興味深かったです。それらの話を推測でおわらせず、専門家の意見や考えをしっかり提示しているのも良いところです。
というか本の半分以上は教育の話であり、ギフテッドに対する教育が不十分であり、それにより大切な資源が失われていることや、テイラーのような天才がどうやって出現するのかを様々な事例や実験データを元に紹介しています。
テイラーの物語を読んでいると、彼には飛び抜けて高いレジリエンスが備わっていることがわかります。やると決めたら寝食忘れて没頭する力、それこそが困難なことをやり遂げるための最も必要なものだと個人的には思います。
蛇足ですが、著者と翻訳者の力量により非常に読みやすく、グイグイ物語に引き込まれました。ここ1年で読んだ本でベスト5に入る面白さでした。
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まちがいなく良書。
だけど時間がなかったのと、腰を据えてじっくり読みたいと思える本だったのでまた改めて。
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14歳で核融合を成功させる。確かに現実離れしたもの凄いことだ。
ただこの本はそれを実現させたテイラー少年への教育に焦点を当てたものだ。
子供は無限の可能性を秘めているなんていうが、本当の意味でその才能を開花させることは難しい。テイラーは家族の協力だけではなく、自ら周りの大人たちをも巻き込んでいく類稀な才能と共に自分の目標に突き進んでいく。
もちろんアメリカ人であったこと、両親がある程度裕福であったことや特別な才能を持った子供たちのための学校に通えたことなど運が良かったことも確かではあるが、それだけでは成し遂げられなかっただろう。
日本でこんな少年少女が生まれるだろうか。テレビ等で才能溢れる子供たちを見るが、凄いのは知識だけのような気もする。目的を持った子供たちが増えていけば未来は明るい。
ちなみにテイラー君は放射性物質のコレクターなのだが、この辺は日本では絶対に考えられない。売買も行われているようだし。(先日、日本で劣化ウランがネットオークション売られていて警察が動いた事件があったが、アメリカ自由過ぎじゃないか?)
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物事はもっとシンプルだったのかもしれない。好奇心の赴くままに、やりたいことができていれば、ゲーム感覚で核融合炉だって作れてしまう。しかし、そのレシピを理解する知能、あるいはそのレシピと出会うかどうか、これはやはり遺伝子、環境、運によるのだろう。誰もがそうなれる訳ではない。
本書は、科学の魅力に取りつかれ核融合炉を作った少年の話。またそうした才能を巡る、教育論的な内容。ギフテッドか否か。それを見抜くのは難しい。どの分野に秀でているか、経験させてみないとわからないからだ。理解できる親の素養も必要だし、時には、庭で爆発物をイジる子供を好きなようにさせてあげる寛容さも必要という事だ。
本書はまた、ギフテッドが必ずしも幸せな人生を送るわけではないという、リアルも説明してくれている。世界を変えるレベルの才能を如何に見出し、役立てるか。人類の歴史は、凡人の日々の努力の積み重ねもありながらも、天才が分岐を作り出す事で進化していくという事を改めて感じる読書だった。
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[墨田区図書館]
実際には全く読めていない(笑)
何かの記事で、ガレージで原子炉を創ったというところにとても興味をもって本書を取り寄せたが、その分厚さに今の私は圧倒されて断念。。。
ただ、私が本書に興味を持った理由は、巻末の訳者あとがきに濃縮されている。この実在の人物(2028年時点で24歳)、テイラーのその技術的な頭の良さだけではなく、彼を上手に育て上げた両親の子育てと周囲(アメリカ)での教育事情や趣味人、実業家などとの縦横無人の繋がりの機会と可能性についてだ。
そして、彼のことも全く知らなかったが、その前に先人者がいたことも知らなくてそれとの大きな開きも興味を持った。デイヴィット・ハーンのことについても、テイラーとの比較というだけでなく、彼の存在と結果がテイラーへの教訓として与えた影響という点から少し知っておきたい。
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さかなクンの「一魚一会」の魚が核融合炉に変わったバージョン。
ギフテッドの子供とその子にしっかり機会を与える親の物語。