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20180706 熱さが伝わってくる。一歩間違えれば自慢になる話の羅列。どう受け止めたら良いのか?若い人に勧める場合は相手の性格を見極めてからのほうが良いと思う。どうもこの人は佐藤優さんとかぶる。
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一言で表すと読書感想文。とはいえ生半可なものではない。エネルギー密度がこんなにも濃く込められている文章に出会うことは稀だ。咀嚼するのにもエネルギーを使う。羽交い締めにされながら読んでいるようで、一気に読み続けることはできなかった。読書を想像力の鍛錬や追体験とし、行動を起こす姿勢が、読み手を強く揺さぶるように描かれている。自伝的感動ポルノとも言えるが、滲み出る卑屈さというか劣等感がいやらしさを緩和しているように思う。
そして流石編集者、本や作家の紹介が上手く、出てくる本はどれも読んでみたくなった。
「編集者という病い」という見城氏の本からの引用が多くみられる。そこに最新(2018年6月まで)の読書体験を追加した、という感じに見えなくもないが、それでも「編集者という病い」も読んでみたいと思う。
一読の価値あり。
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ただ読了して満足している自分の頭をどつきまわしたくなる本です。
・読書をすることで一生経験できないことができる。
他者の感情を考えたり、ここではない場所に行けたり。
・自己検証、自己嫌悪、自己否定の先に、成長があり、最終的に自己肯定につながる。
・知識を重ねても意味がない。
読書と通じて、「自分はどう感じたか?」が大事。
・圧倒的努力をする。
著者の場合
>五木寛之さんの新作が出たら五日以内に読んで感想を手紙で送っていた。
>石原慎太郎さんには年齢の数のバラを贈る、作品すべてを暗唱する。
◎旅に出て、外部に晒され、恋に堕ちて他者を知る。
読書、旅、恋愛が人生を豊かにする。
◎行動が極端であればあるほど官能が生まれる。狂ってこそはじめてわかることがある。
◎他者への想像力・生きるための教養・世の中の事象、原理を理解する=認識者になる
↓
さらにそれらを磨き「実践者」となる
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見城さんの人生を本とともに振り返る様な一冊。
すごい時代に生きた方なのだなと思い知らされました。
自分がそこまで一字一句を背負って本を吸収しているかと言うと、NOです。
時代的に見城さんのときには本がインプットの主流だったということもあるので、今の世代がそのまま踏襲すべきかは各自の判断になると思います。
これだけの読み方をした人がいて、その人が一時代を創った。
そこに敬意を払いつつ、自分の読書の仕方を見直すに良いキッカケをいただきました。
幻冬社がますます好きになりました!
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箕輪さんから献本いただいた見城さんの新著『読書という荒野』 ギデンズの社会学的想像力ならぬ編集者的想像力に満ち溢れている。しかも血塗れの。言葉の羅列は無機物に過ぎないのに、そこには記憶と慟哭が刻印され、ページをめくる毎に読む者の鼓動を加速させる。
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圧倒的努力を真似たいと思って読む。著者の情熱は見習うべきと思った。然し乍らキリスト者的には著者の記述の中に、死への恐怖を忘れたいために圧倒的努力をするのだといったような、滅びゆく人々への惑わしと判断すべき記述が後半に連続し、読んでいて辟易した。結局永遠の世界について考えない人の、たった一瞬の人生をせいぜい思い切って努力していきましょう、といった内容の本であった。
語りかけは多いものの、罪の故に堕落した世界の、無知なる滅びの中でのもがき苦しみ、と感じた。
星は二つにしたかったが、見習うべき努力は見習いたいので三つにした。
下記に付箋を貼った個所を要約:
68-69:学生運動脱落者の著者。自殺した運動家の本を読み自分を鼓舞させる。曰く「生き残ってしまった自分」は彼らに負い目がある(責任がある)とのこと。
90:圧倒的努力で血尿が出た話。人が休んでいるときに働き、どこから手を付けていいのか分からない仕事を、一つ一つこなしていく。
127:表現とは結局自己救済。何となく生きている人には創造力はない。
175:佐藤優の「十五の夏」は読むべき旅行記との事。佐藤優はクリスチャンなので読んでみたいと思った。(しかし著者の会社から出版されていると知って、販売営業の意味もあったのかと、多少興ざめ。これも圧倒的努力の一環の、ステルスマーケティングなのかも。)
196-197:死のむなしさから逃れるために仕事をする著者。(死の問題を解決して、イエスキリストを信じるようにと祈りのリストに居れた。しばらくは祈り続ける予定。)
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読書論というよりも人生論。角川書店から独立して幻冬舎を創った編集者、見城徹が、自身の生い立ちとともに、読み、影響され、考え、戦ってきた本と、編集者として深く関わってきた作家との付き合いを振り返りながら、熱く濃く人生を語った一冊。
曰く、読書によって、自己検証、自己否定、自己嫌悪を繰り返し、喘ぎ苦しみながらも、自己肯定に達するという繰り返しが人生である。社会のあるべき姿を追い求めながら、安保闘争における最後の闘争までは踏み入れなかったという著者。そのことによる自己否定、自己嫌悪がその後の人生の転機となったともいう。
生きかたが全く違うが、その熱量が人生の深さに繋がるということだけは納得できる。読書なんて生活の楽しみの一つにすぎないと考えている人には特に一読をお奨めしたいです。
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2018年6月10日読了。
●中学時代…「こゝろ」夏目漱石
大学時代…「転位のための十篇」吉本隆明
●GMO…熊谷正寿、ネクシィーズ…近藤太香巳
ともに高校中退
●「野生のエルザ」ジョイ・アダムソン
「何でも見てやろう」小田実
「サンドイッチ・ハイスクール」植山周一郎
「アメリカ青春旅行」大山高明
「ヨーロッパの青春」加藤恭子
「十五の夏」佐藤優
上2冊は当時のベストセラー。
●「共同幻想論」吉本隆明
大学時代に強い影響を受ける。
●「マウチ書試論」吉本隆明
「二十歳の原点」高野悦子
「青春の墓標」奥浩平
●「カシアス・クレイ」ホセ・トレス
内面を燃やす。モハメド・アリの話。
●「さらばモスクワ愚連隊」五木寛之
総じて作家は、初期の短編群にその人の資質が表れる。
●「完全な遊戯」石原慎太郎
「男の世界」…エッセイ
●「死者の奢り」大江健三郎…初期の短編小説
「飼育」大江健三郎…芥川賞受賞作
●「枯木灘」中上健次
●「悲しき熱帯「村上龍
●「クリストファー男娼窟」草間彌生
「ウッドストック陰茎切り」草間彌生
●「蜂蜜と遠雷」恩田陸
●「シンプルな情熱」アニー・エルノー
…幻冬社立ち上げ時の自身をこふ。
「場所」アニー・エルノー…代表作
●「野獣死すべし」「汚れた英雄」大藪春彦
「麻雀放浪記」阿佐田哲也
…文庫化に尽力。
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見城さんの熱量マックスの人生、素敵。周囲に投げかける言葉をもっと磨きたいと強く想い、そのために読み応えのある文章、小説をもっと手にとっていきたいと。見城さんが影響を受けた小説、というきっかけから次に読みたい本が増えた。
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幻冬舎の社長ってこんな人なんですね。まあ肯定否定半々というところでしょうか。あまり共感はできなかったが参考にはなりました。
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奥浩平に関する項で彼とその兄の文章を読んだ後の著者の思いを読んで、エリッククラプトンが浮かんできた。詳細は語らないが、彼は「生き残ってしまった男」の一人である。生き残ってしまった彼の人生と著者の思いがカブる。
角川春樹氏との関係の項で「本とは単なる情報の羅列ではない…」ここの一文に胸を打たれる。読書とは他者の体験や人生を覗き見て、他者の考えや考え方を知る事が出来る面白い作業なのである。自分一人では一個づつしか手に入らないが、読書(私の場合映画も)は他者の体験や思想の共有といった形で多くをもたらしてくれる疑似体験そのものなのである。
五木寛之先生との項で「感想こそ人間関係の最初の一歩である」これも唸る言葉だ。
石原慎太郎先生との項、設立直後の幻冬舎でのエピソードで先生の性格が良く分かる気がした。自身が認めた人物には年齢とか社会的地位じゃなく付き合う…世に言う竹を割ったような性格…そんな印象を受けた。
中上健次さん「枯木灘」に出会うのは二度目だ。一度目がいつだったかもう覚えていないが、「枯木灘」三部作に関する情報を得たのが二度目と言う事で早晩探して読んでみようと言う気になった。
村上龍先生は僕も大好きで20代から30代にかけてかなりの著作を読ませてもらった。残念ながら本著で取り上げられている「悲しき熱帯」は未読であるが、熱帯に物語が生まれない理由と差別が生まれる構図の件は、驚きを禁じ得ないかった。
この本は本当に面白い
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「言葉を持たない人間は、たとえ人の形をしていても、動物と何ら変わらないと僕は考える。」強烈な言葉だ。言葉がなければ思考ができない。思考がなければ、人生や世界観はない。全ての始まりは言葉なのだ。読書によって獲得するのは、知識ではなく言葉だ。
読書によって、世界を知る。そして、自己検証、自己嫌悪、自己否定を繰り返す。物事を知ることで、これでいいと思っていた自分に、本当にそれでいいのかと検証が入る。何でこんな状態なのかと嫌悪感がつのり、このままではダメだと自己否定にいたり、そして現状を変えようと実践に移る。行動力のある人というのは、自己否定のできる人なのかもしれない。
思いつきで色々なことに取り組む人もいる。私自身がそうだ。しかし、大概、その取り組みは長続きはしない。なぜなら、そこにモチベーションがないからだ。自己否定は自分自身の奥底から湧き上がるようなモチベーションの持ち方だ。これは面白そうだなと趣味的にやるよりも、なにくそと思ってやる方が身につくものは多いと思う。
とはいえ、トップアスリートのような生き方をそのまま真似するのも無理なので、自己否定と自己肯定をバランスよく使って、楽しく生きるのが、一般市民にはよいと思われる。
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幻冬舎社長の見城さんが学生時分どういう本を読んできて考え方を育て、どんな作家とどんなふうに仕事をして今に至るのかの本。読書好きだとは思っていたが、今まで自分はここまで必死で本を読んできたのか?ここまで必死で背景に思考を巡らせ、全身で影響を受けてきたのか?1冊の本から得られるものが自分とは桁違いで、圧倒されるとともに恥ずかしくなる。
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『日本国紀』から(たまたま)続けて読んだもんだから、真実ってどこにあるんだよ、と思ったりもしたけど、そういう葛藤も本を読むからこそ、ということか。ノンフィクションとか自伝じゃなくて小説を読むべしとするところが文芸編集者らしいというか。「○○さんとは毎日のように飲み歩いた」って作家を紹介するごとに出てくる。それぞれの時期が違うとしても、3人くらい影武者がいたとしか思えない行動力。
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幻冬舎の社長・見城徹が読書論について自叙伝に書き下ろした本。読書を通じて自分では一生経験できないことを獲得し、自己検証・自己嫌悪・自己否定を絶えず繰り返すことにより人間の進歩するという考え方を唱える。