電子書籍
米中の対立構図そして背景がよくわかる。
2018/06/24 18:32
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投稿者:mistta - この投稿者のレビュー一覧を見る
米中が対立している事実は歴然としているが、どのように対立しているか
どのようなじ事情で対立しているかは説明が難しかった。
本書はその説明の難しさを解消してくれた。
米国が作ったルール、ワンルールに従わない中国。
あっさり説明すると、それが両国の対立の特徴。
本書は米国債の最大の債権者である中国が国債を売ると米国は
困るか?トランプが何故米国大統領になれたか?など興味深い疑問に
わかりやすく納得のいく説明を展開している。
本書から学んだこと、そして、本書が指摘するこれからの米中に注目すべき点、
それに対する日本の問題点を認識して、しっかりと現実を見据えたい。
紙の本
米中関係を読み解くことによって、我が国の今後の経済が分かる!
2018/05/22 11:55
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、80にも及び私たちの関心の高い日本の将来的な経済についてQ&A形式で書かれた書です。2018年3月、アメリカのトランプ政権は、アルミと鉄鋼の輸入措置制限に踏み切りました。そして、中国はその報復措置を開始しました。こうした米中の貿易戦争は、今や世界中の経済、中でも我が国の経済に大きな影響を及ぼします。そこで、こうした米中の関係を正確に読み解くことで、我が国のとるべき政策について分析、検討した良書です。
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米中関係の今を理解するための助けとなる良書。たとえば中国の共産主義への回帰の本気度。ニュースを追っていくだけではそのような兆候があるという程度にしか見えないが、実はかなりの本気度であり、しかも順調に回帰しているという。また、トランプ大統領のアメリカファーストも背景を追っていくと実は日本にとって大きなチャンスであることが見えてくる。こうしてみると、ニュースでは表面的なことだけしか報道されておらず、そのまま鵜呑みにしてはいけないということが分かる。当然、著者を始めとした評論家の意見も鵜呑みにしてはいけないが、それ以上にニュースやニュースでの評論が表面的なものでしかないということである。このような状況では自分の頭で考えることがますます重要になってきたといえる。
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現在(2018.8)のニュースでは、米中貿易戦争のようなタイトルもあって、米中関係はどのようになるのだろうかと心配になることがありますが、そう言えば、その少し前には「米朝関係」は険悪なムードになり、戦争になで至るのかと思いきや、米朝会談が開かれたりして世界は私の知らないところで目まぐるしく動いているような気がします。しかし、これも今に始まったことではないような気がしますね。
この本は、多くのニュースに惑わされてよく分からない状態に陥っているような私にとって、新聞・ニュースが報じない現在の貿易摩擦の背景や、この関係が将来の日本経済にどのような影響を及ぼすかに絞って解説されています。巷では中国のバブルはいずれ日本のように弾けてしまう、という話もありますが、そういえば10年前には、中国は分裂してしまうというのもありましたね。
しかしながら、日本と異なって理系出身の多い、中国の共産党の幹部は、失敗の事例(日本のことです)をよく研究して、その対応策を考えているような気もします。少なくとも、私の勤務している会社の中国オフィスから伝わってくる話では、経済はそう簡単にクラッシュするように思えません。
ビジネスサイズも私が入社した10年前と比較して、販売額・数量は逆転しました、いまは辛うじて利益率の高さ、先行開発において、いまだに一目を置かれているという状態で、変化を感じます。毎年上海に出張して、中心街と言われるオフィスの周りは、訪れるたびに変化(進化)を感じます。その変化がこの3年程度なので、驚きです、ということは3年前までは、日本の方が進んでいると、心の中では思えていたことでした。今では、日本が進んでいるのは、マナーの良さ・綺麗好き(特にトイレ)くらいでしょうか。
これから5年後、東京五輪も終了し、日本経済は残念ながら不況に喘いでいると思いますが(予想が外れることを密かに願っています)、私は昔で言うところの定年を間近に迎えていますが、その時はどうなっているのでしょうか。あと数年は働くことになっていると思います、その時に自分の存在価値をどのように示せるか、この本に書かれていることも参考にしながら考えていきたいと思いました。
以下は気になったポイントです。
・2008年のリーマンショック以降、世界各国が市場経済から計画経済へ移行した、現在は、経済の資源配分を市場の価格調整メカニズムに任せるのではなく、国家の介入のもと、物財バランスに基づいた計画によって配分される経済体制が敷かれている(p6)
・アメリカの輸入制限の除外対象国は、すでに自由貿易協定を結んでいる、または交渉中の国や地域(EU、カナダ、メキシコ、オーストラリア、ブラジル、アルゼンチン、韓国)である、日本は結んでいないので中国とともに対象国(p28)
・世界的にリスクが高くなると、円高となり株が下がる、これが基本(p31)
・中国のやり方(自国から人員や物品を導入する形での開発投資)には国際社会は出資しないので、世界銀行やアジア開発銀行の融資基準に合致しないので、それを解決しようとしているのがAIIB、一帯一路である、これに対抗したのが日本の「質の高いインフラ投資の推進のためのG7伊勢志摩原則」である(p36)
・石油取引は基本的に米ドルでしかできない、だからこそ米ドルに価値がある、クウェートは2007年に破棄したが、産油国は自国為替相場を米ドルと連動させる、ドルぺっぐ制である(p48)
・2016年の米国大統領選挙は、全体票数では、トランプ6298万に対して、ヒラリー6584万で、ヒラリーが上回っている。それでもトランプが勝てたのは、五大湖周辺の4州の結果が前回から一変したから(p59)
・他国はWTOのルールを厳守するスタンス、アメリカはそのルールを作る国である(p81)
・2017年夏に、アメリカの投資銀行が、取引を中止したので、海外の債券市場で米ドル建て債券発行を行い、欧米の投資銀行から米ドルを直接調達する方法がとれなくなった(p133)
・中国が好景気かのどうかの判断は、中国が自由主義経済に身を置いているという前提でなされるもの、2015年7月のバブル崩壊以降、中国において数字のごまかしが顕著になってきている(p140)
・中国では、およそ30年近い時を経て、当時の日本が直面した事態が中国で起きている(p143)
・中国のEV開発技術は二世代ほど遅れている、ハイブリッド車からハイブリッドの技術を抜いただけというものが多い(p146)
・質量保存の法則があり、電池は発電したすぐに使う分には良いが、送電していく過程で送電ロス、蓄電ロスもある、燃料電池・ハイブリッド車は、つくったエネルギーをそのままモーターに伝えられる。一時蓄電しても、そのままモータに伝えられるので、燃料ロスは少なくなる(p149)
・為替取引に最も適した国は、シティのあるイギリス、米ドル取扱量において、シティはウォール街の2倍、ペトロマネーの代金決済は、イギリスで決済されている(p201)
・2013年から2017年にかけて、日英防衛協力体制(化学生物の防護技術の共同研究開発、次期主力戦闘機F35の空対空ミサイル技術開発、三沢基地での英戦闘機との共同訓練、日英物品役務相互提供協定)が強化されてきている、日米とは違う側面で、21世紀の日英同盟と呼ばれることもある(p202)
・創薬できる国は、世界で7か国程度、そのうち、日・米・英・仏・独が大部分を占めている(p227)
・今から5年後、東京五輪・大阪万博の中間点(2023年)には、日本経済の絶頂期となる可能性は高い、同時にこのシナリオは冷戦時代への回帰とも重なる(p236)
2018年9月2日作成
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中国の思惑とそれを阻もうとするトランプ米大統領の合目的的な施策がわかりやすく書いてある。
いまやドイツも中国に侵食されているとは驚いた。