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悲素(下)(新潮文庫) みんなのレビュー

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一般書

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みんなのレビュー17件

みんなの評価3.8

評価内訳

17 件中 1 件~ 15 件を表示

電子書籍

本件に携わった医師仲間から貴重な資料を託され、小説として事件や裁判の経緯を克明に再現した。

2022/09/16 09:38

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:mitu - この投稿者のレビュー一覧を見る

「カレー事件に関して、どうしても沢井先生のお力を借りなければなりません」

1998年7月25日。
犠牲者4人、そして63人の被害者を出した和歌山毒物カレー事件が発生。

犠牲者と被害者の数だけとっても、人類史上最大の人為的な砒素中毒事件となってしまった。

和歌山県警は、砒素の研究の第一人者である九州大学の沢井直尚に協力を依頼する。

「本物の医学の力で犯罪をあぶり出す」

沢井は仲間たちの協力も得て、静かに被害者の診察そして、調査に携わる。

「マスコミが掴んでいる情報と、捜査本部が握っている情報の差は、何だと思われますか」

「それは、沢井先生の存在です。先生がおられなかったら、捜査本部もマスコミと同じになっていました。事件後、こうやって四回も和歌山まで足を運んでいただき、カルテを検討していただいたからこそ、私どもは自信を深め、昼夜の区別なく捜査を続けられたのです」(光山刑事)

「犯人は、用意周到だった。だが、その計算が及ばなかったのは医学的知識だったのかもしれない。医学の力、化学の力を見くびっていたのだ」(沢井)

著者は、本件に携わった医師仲間から貴重な資料を託され、小説として事件や裁判の経緯を克明に再現した。

「私は小説を、自分や世の中の不明に怒りながら書いとっとです。こんちきしょう、このバカタレがってね」(著者)

真相を究明したいという熱い情熱と、冷静な英知。

貴重な研究と調査で、事件の真実に、人間の本質に迫っていく快作。

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紙の本

貴重な研究と調査で、事件の真実に、人間の本質に迫っていく快作。

2022/09/12 10:21

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:mitu - この投稿者のレビュー一覧を見る

「カレー事件に関して、どうしても沢井先生のお力を借りなければなりません」

1998年7月25日。
犠牲者4人、そして63人の被害者を出した和歌山毒物カレー事件が発生。

犠牲者と被害者の数だけとっても、人類史上最大の人為的な砒素中毒事件となってしまった。

和歌山県警は、砒素の研究の第一人者である九州大学の沢井直尚に協力を依頼する。

「本物の医学の力で犯罪をあぶり出す」

沢井は仲間たちの協力も得て、静かに被害者の診察そして、調査に携わる。

「マスコミが掴んでいる情報と、捜査本部が握っている情報の差は、何だと思われますか」

「それは、沢井先生の存在です。先生がおられなかったら、捜査本部もマスコミと同じになっていました。事件後、こうやって四回も和歌山まで足を運んでいただき、カルテを検討していただいたからこそ、私どもは自信を深め、昼夜の区別なく捜査を続けられたのです」(光山刑事)

「犯人は、用意周到だった。だが、その計算が及ばなかったのは医学的知識だったのかもしれない。医学の力、化学の力を見くびっていたのだ」(沢井)

著者は、本件に携わった医師仲間から貴重な資料を託され、小説として事件や裁判の経緯を克明に再現した。

「私は小説を、自分や世の中の不明に怒りながら書いとっとです。こんちきしょう、このバカタレがってね」(著者)

真相を究明したいという熱い情熱と、冷静な英知。

貴重な研究と調査で、事件の真実に、人間の本質に迫っていく快作。

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紙の本

医師だからこそ書ける医師の視点

2018/08/12 10:49

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:光太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る

扇情的なニュースばかりが記憶に残る和歌山カレー事件が舞台の、ノンフィクションのような小説。報道で断片的に見ていた事件が、立体的に描かれている
ノンフィクション風小説にありがちな、生い立ち・人物像・動機など「野次馬的に見たい」側面がほとんどなく、医師である著者だからこそ書ける距離をおいた視点が印象に残った
この淡々とした描き方も含めて個人的には面白いと思ったが、途中で挫折する人もいるのではないだろうか

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紙の本

和歌山毒物カレー事件を彷彿とさせる小説

2023/12/06 07:29

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:YK - この投稿者のレビュー一覧を見る

和歌山毒物カレー事件を題材にした小説の下巻。下巻では調査で得られたデータやカルテなどから容疑者 小林真由美 を起訴し、警察や検察の調書を作成して公判に臨む主人公の様子が描かれています。
多くの証拠品が確保された中、一番の焦点は小林容疑者の自宅で発見された砒素を収納していた容器から検出された砒素と、夏祭りのカレー鍋から検出された砒素、夏祭り会場まで砒素を入れて運んだと思わわれる紙コップから検出された砒素、これら全ての砒素が同一のものであるかどうかの鑑定でした。同じ砒素でも含まれる不純物を正確に分析することで、まるで指紋のように同じ砒素であるか、異なる砒素であるかの判定ができること、その科学的な方法などについても主人公の発話と言う形で説明されています。
裁判のシーンの描写についても、弁護人と検察の証人として出廷している主人公の沢井医師とのやり取りはどこまでも淡々と記述され、安物の刑事ドラマなどで描かれているような劇的などんでん返しは皆無です。重箱の隅をつつくような細かい事実の確認、供述調書の見解の妥当性とか、供述調書の作成を検察に依頼された主人公沢井医師のヒ素中毒事件への証人としての能力の有無など、裁判での弁護側との駆け引きなどが下巻のメインです。
フィクションの小説ですが、実際に起こった事件とその公判を忠実に描いたノンフィクションと言っても過言ではない小説でした。

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2018/03/09 14:10

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2018/04/14 16:10

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2018/04/04 22:45

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2018/04/05 13:35

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2018/10/13 09:38

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2018/12/15 16:52

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2019/02/01 19:57

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2019/04/09 19:14

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2019/09/21 14:39

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2019/11/16 16:30

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2022/07/05 23:39

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