紙の本
発想も絵も素敵、でも……
2008/07/04 07:06
14人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:和泉智 - この投稿者のレビュー一覧を見る
動物園に暮らすロイとシロはどちらも男の子ペンギンですが、とても仲良しです。恋の季節になるとふたりで石を積んで巣を作ります。どこかから拾ってきたタマゴに似た形の石を大事にあたためています。
そんな様子を見た飼育員さんが、「この子達になら任せてもだいじょうぶだろう」と、事情があってパパとママから見放されたタマゴを彼らに託します。
さあて、どうなるでしょう……
ニューヨークの動物園で実際にあったことを絵本化。
同性愛を取り扱った、国内では初の絵本として話題になったようですが、ジェンダーフリーに自然になじませるための教材として子供にぽいと与えるのはどうかと思います。
理由として、1.訳文が硬く、絵本としての面白みに欠ける。2.ペンギンと人間は違うんじゃないか。が上げられます。
1について。絵柄が可愛く、ペンギンだったので、自分用に入手したにもかかわらず娘たちにすぐ見つかって読むようせがまれたのですが、4歳と2歳に読むには文があまりにも翻訳文的で、彼女らの脳みそではガマンできないものだったようです。
咄嗟に自分の言葉で絵を見ながらお話をしましたが、クライマックスをどこへもっていって読み聞かせるかで悩みました。タンゴ誕生のシーンなのでしょうが、その後をさらりと流しすぎ。あっという間に大きくなってしまったタンゴが、一ページ前の赤ちゃんなのだと子供たちには認識できなかったようです。
この文章で理解できるのは、早い子でも小学校の中ぐらいからだろうと思うのですが、絵が可愛いのでもったいない。それにこういう大判絵本を小学校中学年の子が読んでいると、「幼稚な」と眉をしかめる大人もいるでしょう。ほんとはゼンゼンオッケーなんですが、そうすると手に取ってくれる子供は誰になるだろう、と思うのです。その辺をもうちょっと出版側でも考えて欲しかったな。
小さい子供にはテキストをわかりやすく噛み砕いてお話してやること、大きい子が自分で手に取れるよう配慮してやること、を大人の側で考えて与える必要があるでしょう。少し大きい子になると、この絵本が実はインモラルの匂いがするということに気付くでしょうしね。
インモラルという言い方をしましたが、アメリカでは「学校や図書館から撤去して欲しい本ナンバーワン」になったこともある本だそうです。開放的である一方、ゲイフォビア(同性愛嫌悪)の風潮も強いお国柄ですからね。
と、このあたりが2に繋がるのですが、野生動物の同性愛的行動は結構あるらしいとのこと。それに人間的解釈を加えるのはなんとなく不純な感じもします。
実際、この絵本の中でも、ロイとシロの行動は奇異なものとしては扱われず、たまたまつがいに選んだ相手が同性だっただけで、あとは本能どおりのペンギンの行動です。結論も、ただタマゴを産めないペンギンのカップルに子供が生まれたよ、よかったねというに留めています。
ペンギンは子育てにおいて、雌雄平等です。だからこういうお話もあったんだと思います。でもだからといって人間の世界にそのままそれは持ち込めません。
絵は、とても可愛いです。ほのぼのしたい方にぜひお勧め。
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投稿者:ねこにゃんこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
動物園の男の子ペンギンのカップルが、飼育係のグラムジーさんのアイディアで、念願のお父さんになり、子育てをする話です。実話というのが驚きました。
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未読ですが。
全米図書館協会の調査では、図書館から撤去したい本No.1だそうで、理由、同性愛というライフスタイルをこどもたちが好ましいものと誤解するおそれがある…(^^;)。そりゃ、同性愛の人にとったら好ましいだろうけれども、異性愛の人に好ましくない、というあたりまえなことが分かりにくいとすると、実は異性愛の人にとって異性愛は、情報を遮断するほどに好ましくないことなのか?むむー、不思議だ。
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タンゴはオンリーワンなのかな……。
とくべつな事例じゃなくて、普通にあるんだよって言ってほしかった。
でも、こういう絵本が図書室にあってくれたなら、ちょっとは未来に希望が持てるってもんだ。
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動物園が舞台で、アゴヒモペンギンのロイとシロはすごく仲良し。
他のペンギンたちがカップルになっても、男の子同士でずっと一緒にいる。
やがて飼育係のお兄さんは、「この子たちは、きっと愛しあってるんだ」って気がつく。
2羽は巣を作って、かわるがわる石を暖めだすんだけど、もちろん何もおこらない。
それを見た飼育係のお兄さんは、ほうっておかれた卵を2羽の巣の中に入れてあげる……っていう、なんかそんな話。
創作ではなくて、セントラルパーク動物園で実際にあった話なんだそうです。
卵は、別のカップルが2つ産んだけど1つしか育てられないから…という理由でほうっておかざるをえなかったものらしいです。
その卵があったから、2羽は家族をもつことができたんだとか。
文章もイラストも愛に溢れてて好き。
愛おしく想いあっている2羽を描こうとしているのが伝わってくる絵本です。
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オス同士で仲良しの2羽のペンギンカップル。
オスとメスのカップルの様に卵を産んで育てることが出来ません。
それを見ていた飼育員さんは…。
多様性を感じられる素敵な絵本でした。
子どもたちに読んでもらいたい作品ですね☆
日本語訳を尾辻かな子さんがされています。
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うちにペンギン絵本なかったかな?と思い出した一冊。セントラルパーク動物園のアゴヒモペンギンのロイとシロという雄のふたりが、タマゴを温めて、ヒナを育てる実話。
おとこのこ同士が仲良くなっても、タマゴはうまれないけど、他のカップルの見捨てられたタマゴをちゃんとふたりは孵して、世話をする。
ふたりに命を救われたそのコが「タンゴ」
動物の本当にあった不思議な出来事の絵本は、ちょっと感動する。
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絵がかわいい! そしてとってもいい話でした。グラムジーさんGJ!
子どもはタイトル見てなんで〜?って言ってたけど、読んだら特に疑問はないみたいでした。
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職員リクエストで勤務校に入れた絵本。
セントラル・パーク動物園で実際にあった話を絵本にした『and Tango makes three』の邦訳版。
ロイとシロのオスペンギンは、互いに気に入り、カップルに。一緒に泳いだり、巣づくりしたりして、いつも一緒にいた。
ところが、他のカップルは、一緒にいるだけでなく、巣の中で卵をあたためている。
ロイとシロは、近くにあった卵の形をした石を拾ってきて、毎日交替であたためるが、石の卵はちっともかえらない。
そんな様子を眺めていた飼育員のグラムジーさんは、 他のカップルが育てられなかった卵をふたりの巣に置き、ふたりにしっかりあたためられた卵から、タンゴが誕生するというお話。
この絵本は同性間の子育てに限定しているだけではなく、片親で子どもを育てている母子家庭や、父子家庭。また、再婚同士で子どもを育てるカップルたちに向けても、「家族の形」について考えさせる内容になっている。
なかなかかえらない石の卵をあたため続ける切なさ、待ちに待ったタンゴの誕生の瞬間には、読了後、ほんのりあたたかい気持ちにさせてくれた。
原著で読んでみたい。
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動物園のオスのペンギン、ロイとシロのカップルと、子供タンゴ。
そんな彼らを見守る飼育係のグラムじーさんのお話。
これが実話だと言うことに、驚きと嬉しさがこみ上げる。
オス同士のカップルだということを、自然に受け入れている環境に好感が持てるし、グラムじーさんの対応がまた優しい。
ロイとシロが、周りのカップルのように卵を温めようとする仕草が、とても良く描かれていて可愛かった。
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171
21m
結構好きで読んでる。卵が還るところ、タンゴを見ている人が帽子をかぶっているところが好き。どこが好きかは(冒頭のいろんな動物の家族が好きでもいいと思うのに)謎である。
K君がgay penguin bookって言ってめちゃくちゃに読んでるのが面白すぎて私がハマった。
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[江戸川区図書館]
実際のお話らしいが、オスのペンギンのつがいに関するお話。「同性愛」まで意識しなくても、誰かを大事に思って一緒になるということを自然に受け取るための下地になればいいなと思う本。
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先日に引き続き東小雪さんの記事から図書館で借りてきた。実話をもとにした、アメリカのセントラルパーク動物園にいたペンギンの家族のお話。最近だと「偽装の夫婦」を観ながらパートナーや家族について考える。絵本はほんとにしれっと入ってくるのでいいな。これを小学生に読み聞かせてみたい。図書室に入れてもらおうかな。
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ニューヨーク セントラル・パークの動物園。
ペンギンの男の子ロイとシロはいつも仲良く一緒。
2人は他のペンギ達と同じように巣を作り、卵に似た石を温めはじめる。
2人が愛し合っているのだと気付いた飼育係グラムジーさんはある事を思い付く。
セントラル・パーク動物園で実際にあった出来事が絵本に。
海外ではLGBTの教育に使われているそうです。
自分には理解できませんが、日本では絵本のコーナーに置きづらいという話も聞きました。
LGBTに関する理解が広まる昨今ですから、日本でも普通にこの絵本が書店の絵本コーナーに並べられるようになる事を望みます。
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ニューヨークの真ん中には、セントラル・パークという大きな公園があります。そこにある動物園でペンギンのタンゴは生まれました。タンゴは世界でオンリーワンのペンギンと言われています。実話を基にした表情豊かな絵本です。(約5分)