- 予約購入について
-
- 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
- ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
- ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
- 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。
紙の本
村社会に生きる私たち
2019/03/16 13:45
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ジミーぺージ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「コンビニ人間」というタイトルなので、てっきりコンビニ依存症の現代社会の風刺かと
思いましたが、コンビニで働く女性の苦悩のお話しでした。
この女性、古倉さんは、大昔からの日本の伝統的村社会でいうところの普通では
ないという人間として周囲から扱いを受けますが、私は、一生懸命に自分に合った
生き方をしている立派なごく普通の人だと思いました。
この本の中で、同居する男性の白羽さんの弟の鬼嫁の言葉が印象的でした。
古倉さんが、鬼嫁に対して、
「ほら、私たちって動物だから増えたほうがいいじゃないですか。
私と白羽さんも交尾をどんどんして、人類を繁栄させるのに協力したほうがいいと
思いますか?」
これに対して、鬼嫁は、
「勘弁して下さいよ。・・・。バイトと無職で子供作ってどうするんですか。
ほんとにやめて下さい。あんたらみたいな遺伝子残さないで下さい。
それが一番人類のためですんで。」
さらに、
「その遺伝子、寿命まで一人で抱えて、死ぬ時天国に持って行って、この世界
にはひとかけらも残さないで下さい、ほんと」
といい、これに対し、古倉さんは、
「この義妹はなかなか合理的な物の考え方ができる人だ」
と感心して頷いた。とあります。
ちょうど現在、優生思想や旧優生保護法が社会的な話題になっているので、
非常に印象的な言葉でした。
とても読みやすい本なので、現代社会に生きることに疲れている人は是非読んで
下さい。
紙の本
いつになったら治るの・・・?
2018/10/31 07:58
3人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:yukko - この投稿者のレビュー一覧を見る
読み始めて直ぐ辛くなりました
最後までずっと苦しかったです
主人公の生き方が、性格が全く理解できないから?
いえいえそうではありません
自分の中にも
「修正しなければならないのだなぁ」なところが沢山あるし
周りからも
「いつになったら治るの・・・?」と思われてることも知っているから
共感というより 鏡の欠片を覗いているようで怖かったです
紙の本
記号の承諾と昇華
2018/09/15 00:18
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:イシカミハサミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
白羽さんのキャラクターはなかなかのクズぶりで
受け入れづらいところがあるのだけれど、
そのあとの展開にすすむとなるほど、
必要なキャラクターだったし「普通」の人がずっと気持ち悪い。
よのなかの多くの人は、
目に見える人すべてに納得のいくストーリーを求めるらしい。
「就職」や「結婚」というのは「普通」になるための儀式として、
とても有用である。
最後に理屈っぽい解説がついていて、
それはそれでなるほどのモノではあるけれど、
村田沙耶香さんの作品はぜひ、
頭で考えずまず読んでみてもらいたい。
紙の本
普通
2023/10/25 18:40
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:悟空 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「普通」ってなんだろう?っていう疑問が自然と思い浮かぶ作品でした。人間関係で疲れてたり、自然と自分を押し殺して周りに合わせるような人には是非読んでもらいたい作品です。
紙の本
いろいろな人生があります
2023/01/12 15:11
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ひでほじい - この投稿者のレビュー一覧を見る
50代の男性です。私が20代のころだったら、この主人公は「社会不適格者」として話が終わっていたのでしょうが、現在ではそう簡単に片づけられないのを感じます。というのは皆が同じ方向を向いていた社会ではなく、多様性が広く認知されるような時代になり、
かつてもこの主人公のような感じ方をする人は多くいたのでしょうがその人たちが「顔」を出し始めたからです。いいか悪いかではなくいろいろな人生がある、というのを実感しました。
紙の本
ハッピーでもバッドでもないエンディング
2022/02/21 21:03
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みつる - この投稿者のレビュー一覧を見る
解説にも書いてありましたが、
ハッピーエンドでも、バッドエンドでもない、不思議な感覚でした。
大学への費用を稼ぐ為、一時期、私もコンビニでアルバイトをしていたので、主人公の行動の的確さが、すごくわかりました。
コンビニのBGMって、エンドレスループなので、
家に帰っても、聞こえてきちゃうんですよね。
他店に行っても、つい前出ししちゃったりしましたし。
私は、昼勤務ではなく、準夜勤だったので、
次の日用の商品が届いて、陳列しながらレジもこなして…と、それなりに忙しかったのですが、たばこ屋さんが近くにあったので、タバコの販売はしてませんでしたし、今みたいにコーヒーも無かったので、楽でした。
店長さんも、優しい方で、本当は駄目だけど、
廃棄のお弁当やパスタをいただいていました。
もちろん大量に廃棄が出たら捨てるのですが
「こんなに捨てるんやったら、どこかの国の人たちに渡してあげたい」と言って、店長として、上から発注ノルマをこなしていかなくてはならないのと、現実の売り上げの厳しさに苦しんでましたね。
私は、オフィス街のコンビニではなく、住宅街のコンビニでしたので、いつも、この時間には帰宅する会社員さんが来る。とか、今は暇だから、肉まんの包みを折ったり、割り箸、ストローなどの補充を徹底してましたね。
とにかく、必要とされたかった。
という点では、主人公と同じ気持ちになります。
自慢と愚痴だらけのバイトの先輩や、
さり気なくサボる後輩ちゃん、
色んな人がいましたが、
人間関係を除けば、マニュアルに従えば
気づけば週3で入れていたシフトが週5になってました。
私にも、コンビニのマニュアルに従って
機械的に動くのが楽だったんですが、
この、縄文時代を例えにするヒモ男は、何なんだ。
と、なりました。
しかし、30代半ばで、アルバイト、未婚、恋人無し。
となると、今の社会では、何かあるんじゃないのか?とか、色々なお節介をやかれたり、変な人、強いては社会不適合者と見られがちな日本ですよね。
今でさえ、ユーチューバー、フリーランス、食品配達の仕事で稼いでる人の風当たりも、優しくなってきましたが、
こう、昔の友人達と出会うと肩身が狭くなります。
特に結婚、出産等を経験した友人達からは、
「あなたは今どうしてるの?」と聞かれるのが怖いです。
当たり前の人生とは、何なのでしょうか?
主人公は主人公にあった仕事に就いて、それで良かったのでは?と思います。
コンビニが合ってるのなら、コンビニで働けば良い。
恋人が居なくても良い。
ただ、ひとつ助言をするならば、
趣味を持った方が良かったのではないか。と感じました。
家、コンビニ。家、コンビニ。の往復では
いつかコンビニが無くなってしまった時
(全てがセフルサービスになってしまった時)この主人公は壊れてしまうのが、コンビニを辞めた時に起こった現象だと感じました。
これは、ある意味で、現代の仕事しかやることがない労働者の問題でもあると感じました。
定年退職したら、認知症になった。とか、
現代の抱える問題のひとつだと思います。
自分に合った仕事をすれば良い。
アルバイトだって、居なくなれば困るのは会社なのですから、立派な社会貢献者だと思います。
恋人は、いらないなら、それで良い。
ただ、趣味が仕事。になったら待ち受けるのは恐ろしい未来だとこの本を読んで痛感しました。
紙の本
究極の自己実現
2021/12/11 14:50
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:悟り小僧 - この投稿者のレビュー一覧を見る
恵子はそもそも他人本位な人間だと思う。生活の全てを「コンビニのため」に費やし、「家族のため」に「普通」になろうと努力する。しかし、家族を喜ばせるためだけの白羽との同棲は、恵子の本来的に望んだ生き方ではない。白羽の面倒ごとに巻き込まれ、唯一の生きがいである「コンビニ」まで奪われてしまう。
恵子はコンビニという絶対的な目的を失い、廃人のような生活を送る。恵子は、コンビニの「音」のない生活に疎外感を感じていた。そうした中、偶然立ち寄ったコンビニで、恵子はコンビニの「声」を聞く。コンビニの声は恵子にとめどなく流れ込み、それに応える事で初めて、自分が「コンビニ人間」だと自覚するのである。
この時初めて、恵子は「自分のため」にコンビニを求めたのではないか。何もかもを捨て、ただコンビニのために存在することを選んだ。コンビニと自分の運命的な結びつきを感じ、恵子は「コンビニのため」に生きることを「自分のため」に生きることと同一視したのである。それは、紛れもなく、恵子なりの自己実現だと思う。
翻って、私たちにとっての自己実現とは何だろうか。人によってそのあり方は様々であろう。ただ、一つこの物語から言えるのは、私たちの「自分らしい生き方」が「社会的に望ましいあり方」と一致するとは限らないことである。
恵子が結婚という「普通」に縛られ戸惑ったように、私たちもあらゆる理想のあり方に囚われている。SNSでは一見多くの人が同意する「望ましさ」が乱立している。留学、結婚、ビジネスなど、キラキラ輝く目標が共有され、推奨される。しかし、それらが個別的で、特殊な、私たちひとりひとりの目標になるとは思わない。
恵子は「普通」ではなく「コンビニ」を選び取った。そのことは、同調圧力の中で暮らす私たちに、自分だけの特別な生き方の可能性を示唆するものではないだろうか。そんな気づきを、本書は与えてくれた。
電子書籍
コンビニ人間
2021/09/29 14:07
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:渡り鳥 - この投稿者のレビュー一覧を見る
芥川賞受賞作品。社会不適合な女性の物語。例えば、幼い頃、公園で小鳥が死んでいるのを見ると他の子供たちは、悲しんでるが、この女性は、お父さんが焼き鳥が好きなので家に持ち帰ろうとするような子供。可哀そうと言う感情が欠如している人間。人との付き合いができなくて、社会に適合するのが難しい主人公が、コンビニのアルバイトだけはこなせる。マニュアルに沿って行動すれば、コンビニでは生きていける。社会との繋がりをコンビニだけに求める主人公の悪戦苦闘ぶりが、大変、興味深い。
紙の本
「普通」とか「まとも」とか
2021/07/28 22:22
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なっとう - この投稿者のレビュー一覧を見る
どうして36歳で独身であること、彼氏がいないこと、コンビニでアルバイトをしていること、それらが「まとも」でないのか。
なんだかなぁ。と思ってしまう。
白羽さんのことはやっぱり最後まで好きになれなかったなぁ。
きちんと生き方や、自分の居場所を見つけることのできた主人公は立派だと思う。
なんとなく「これが普通だから」って人生を歩んできた人がいるとしたら、私には「普通ではない」主人公の方が輝いて見えた。
紙の本
作者独特の世界観
2021/06/14 09:20
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:替え玉無料 - この投稿者のレビュー一覧を見る
コンビニの音や登場人物たちの描写が細かく丁寧に書かれ、特に主人公のコンビニ内での動きは容易に想像できて楽しい。
現代を客観的に評価する場面が多く、「人間が社会で生きていくということの本質は変わっていない」という白羽の主張は考えさせられるものがあった。
紙の本
独特の感性とにじみ出る狂気
2021/03/25 00:02
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:H&M - この投稿者のレビュー一覧を見る
周囲の影響を受けて、個人が形成される、といった話はほかにもあるが、この作品はそのなかでも突出していると思った。度肝を抜く、心をえぐられるような表現がありつつも、説得力、現実性を持っており、最後まで惹きつけられる作品でした。
電子書籍
一気読み。
2020/09/25 19:04
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:qima - この投稿者のレビュー一覧を見る
多分、もっと若かったらわからなかったけれど、今の年齢だとすごくよくわかる。「普通」を押し付ける人たち。微笑ましいけど、怖い。
紙の本
衝撃でした
2020/02/05 03:44
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:えびまもん - この投稿者のレビュー一覧を見る
TV番組で紹介されて話題になっていたと知って購入。
私が想像もしなかった世界が繰り広げられていて、一気に読んでしまいました。
主人公の行動や発想は突飛に見えるけど、たしかに論理は成り立っている。現代社会には適していないけれど。
と思うと同時に、実はこういう人たちは社会の中にはたくさんいるのでは、と思わされる一冊でした。
ちょっと変わっている、と思われているけど、その人なりのロジックの中で生きているのかもしれない。
でも、それが身内だったら対応に困るだろうなぁ…
紙の本
自分が自分らしくいるのに、理屈はいらない
2019/08/29 10:54
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:姫路ねこ研究所 - この投稿者のレビュー一覧を見る
“あなたは普通ではない”人から言われて、変えなければいけないんだろうか?疑問に持たなければいけないんだろうか?
特に親しい友人や家族は、“普通でない”と一旦認めたら、その人の心に土足で入り込む。本人そっちのけで。
主人公にとって、コンビ二バイトは天職である。
「そのとき、私は初めて、世界の部品になることができたのだった。私は、今、自分が生まれたと思った。世界の正常な部品としての私が、この日、確かに誕生したのだった」
しかし、30台半ばで独身の主人公、仕事はコンビニバイトのみ。周囲は放っておいてくれない。
「皆、私が苦しんでいるということを前提に話をどんどん進めている」
「迷惑だなあ、何でそんなに安心したいんだろう」
自分なりにできる努力はしてみる。でも、その結果が周りの納得のいくものでなかったとしたら、やはり周りの反応は冷たい。
なんでだろう?もっと普通にならなければ、生きていてはいけないんだろうか?コンビニを退職し、本格的に就職すべく、活動を行う。
そこでたまたま入ったコンビニで
「この店に今、何が必要か、頭で考えるより先に本能がすべて理解していた」
「いえ、誰にゆるされなくても、私はコンビニ店員なんです。」
自分が自分らしくいるのに、理屈はいらない。
自分の生きざま、中身を卑下することなく、堂々としていればいい。
周りと違っても構うものか。迷惑はかけていないし、できることを出来る範囲でやっているんだ。
紙の本
コンビニ愛!
2019/03/31 16:33
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:しんごろ - この投稿者のレビュー一覧を見る
恵子さんのコンビニ愛を超越したコンビニ愛。たとえおかしいと思われたって、いいじゃないの。まあ、ちょっとぶっ飛んだところはあるけどね。ひとつのことに没頭できることはいいことだね。それに比べて白羽は理屈ばかり並べて何もできない典型的にダメな奴。救いようがない。ユカリの旦那も好きではないな。白羽、ユカリの旦那を反面教師にして、これから仕事やプライベートにいかしたいですね。