閉塞する日本社会を活性化するための論考です!
2018/10/01 08:45
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、近年、閉塞感が漂っている日本社会を活性化するために様々な状況を考察し、その打開策を説いた書です。マスコミでは、いい大人による数々の信じられない事件が起こっています。日大アメフト部監督による暴行指示事件、財務省による森友・加計問題の情報隠蔽、さらに企業の脱税など、数え上げれば霧がありません。どうしてこうした大人による事件が多発するのでしょう。本書は、その社会的原因を突き詰め、それを解決するための打開策を提案してくれます。
旧来の企業に当てはまる宿命
2018/09/29 13:50
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投稿者:neoaco - この投稿者のレビュー一覧を見る
旧来の企業の宿命である老害的年長者の存在を、論理的かつ歴史的に
考察し、その対処法まで紹介した快作。年長者を敬うのは(敬うところがあるとすれば)道徳的規範によるものであり、功利的側面ではないと考える部分は、非常に共感できた。
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投稿者:おどおどさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
手にしたくなるような本。しかし、中身は、エリートおじさんがダメな人によって疲弊しているという嘆きかな?またそう思って読むと面白いかもしれません。
オッサンは輝かないといけない
2019/02/11 14:00
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投稿者:だい - この投稿者のレビュー一覧を見る
1.現在の50〜60代
会社や社会がシステムに乗っかってさえいれば、豊かで幸福な人生が送れるという幻想の中で過ごしてきた世代。
2.組織リーダーは構造的に経時劣化する
二流が社会的権力を手にすると、周辺の一流を抹殺し、扱いやすい三流を重用する。
劣化は組織が大きく・古くなることで、より顕著になる。
良質な経験を抜きにして、人材の開発・育成はできない。
3.オピニオンとエクジット
オピニオン
・・おかしいと思うことを意見する
エクジット
・・権力者の影響下から脱出する
オピニオンもエクジットもしないということは、権力者の言動を支持しているということ。
日本企業に長くいると、人的資本と社会資本が内側に閉じて形成され、モビリティが高まらない。
どこでも生きられる、誰とでも働けるという自信が権力を牽制する圧力となる。
モビリティを高めるためには、会社以外で通用するスキルと会社の外に開かれたネットワークが重要になる。
4.実は優しくない日本企業
40代後半でキャリアの天井が見えても、その時点で取れるキャリアオプションは殆ど無い。
5.年長者の本質的価値
ライフスタイルが大きく変わらない時代では、年長者の経験が知恵になった。
向き合う問題が新しいものであれば、問題解決能力は若い人の方が優れている。
重要なのは、その人の意見や行動が自分の判断基準に照らして「真・善・美」であるかどうかということであり、そうでないのであれば恭順する必要はない。
6.サーバントリーダーシップの時代
支配的リーダーシップから支援的(サーバント)リーダーシップへのパラダイムシフトを起こすことが必要。
日本からイノベーションが起きないのは、これを大きく支援できるサーバントリーダーが欠如しているからである。
7.経験で大事なのは質
成長は、新しい経験の密度により、大きく左右される。
経験の多様性が良質な体験をもたらし、学習を駆動する。
8.色々な事にチャレンジする
何かを止めないとチャレンジできない。
チャレンジの本質的な難しさはここにある。
何かに挑戦するときに、それが本当のチャレンジなのかどうかを身体反応から見極めるには、ストレスがかかっているかどうか。
ストレスがかかっていない状態であれば、それはチャレンジではない。
◎オッサンは輝かないと社会は良くならない
オッサンが輝いていない社会は、やはり暗いものにならざるを得ない。
そのためには、なんらかの学び直しにより、自分自身の社会的な位置付けをパラダイムシフトする必要がある。
今後は、「学ぶ」と「働く」がパラレルに動く人生モデルが主流になっていく。
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投稿者:怪人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者の指摘するオッサン世代に関する属性や組織と人間などについていろいろ蘊蓄が述べられており、最後のまとめの内容は悪くはないが、目新しさは伺えないようだ。オッサン世代にもエールを送っていますが、どうもそんなこと言われなくてもわかっているという類いの内容ではないだろうか。
現在、50代、60代であるオッサン世代は知的真空の時代を若手時代に過ごしてしまったとし、この人達が組織の劣化を促進しているという。指摘された点が影響を及ぼしたかもしれないが、それが全てでもないだろう。何事もうまく事が運ばなくなったときに原因を分析して批評するのが常だが、その原因分析が妥当かどうか。企業の栄枯盛衰については過去にも論評されている事例も多い。うまくいっている会社は当該オッサン世代とは関係ないのかどうか、うまくいかなくなった会社は仮に当該オッサン世代以外の世代であればうまくやりおおせたのかどうか。
何より日本の政治の世界が既に劣化どころか腐敗臭の臭う超当該オッサン世代が差配を続けている日本という国や社会の方がより問題が深刻ではないのだろうか。
見守りに徹して、とにかく若い世代に期待しましょう。
既得権益からの離脱
2018/09/30 16:27
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投稿者:凄まじき戦士 - この投稿者のレビュー一覧を見る
既得権益にしがみついく世代の悪循環を批判・指摘した書籍でした。
具体的な解決策が曖昧な点は評価が低いですが、少し辛口ながら言っていることは正しいので悪くはないと思います。
若い子向けというよりも年を取って思考が凝り固まってしまった世代に読んでもらいたいです。
opinionとexit
2020/10/24 00:15
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投稿者:6EQUJ5 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「最近の古いもんはどうなっているのか」という論考。確かに年齢を重ねれば知性が高まるという訳ではない。要は重ねてきた経験の質と、本人の見識。しかし、現実には本書でいう「オッサン」「支配型リーダー」が出世しているパターンが多いと思います。残念ながら。
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著者の著作を何冊か読み込むことで、さらにファンになってしまった。
「なぜオッサンは社会から駆逐されなければいけないのか?」がきちんと言語化されており、これからの世代にとっての考え方として非常に有益である。
とくに著者の主張である「オピニオンとエグジット」については、強く実践を意識させる内容であり、かつ、実行するものにとって背中を強く後押ししてくれる非常に有益なアドバイス出あるように思う。
凹みそうになったり、自分を見失ったりしたときに、再度読みたくなる羅針盤のような一冊である。
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青春とは人生の或る期間をいうのではなく、心のありさまを言う。優れた想像力、たのもしき意思、燃ゆる情熱、怯えを退ける勇気、安易を振り捨てる冒険心、これを青春という。年を重ねただけで人は老いない。理想を失うときに初めて人は老いる。 サミュエルウルマン
20代は人生を決定づける10年間だ
まだ間に合うときに、だれもきみの肩をつかんではくれなかった。いまや、君が形作られた粘土は乾き固くなってしまった。今後、君の内なる何物も、おそらくは最初きみに宿っていたはずの、眠れる音楽家、詩人、あるいは天文学者をめざめさせることはできないだろう。サン テグジュベリ 人間の土地
数がパワーとなる現代の市場や組織において委、構造的に最初に大きな権力を得るのは、いつも大量にいる三流から支持される二流
二流の人間が社会的な権力を手に入れると、周辺にいる一流の人間を抹殺しようとする
凡人は天才を見抜くことができない
凡人は自分より高い水準にある人を理解できないが、才人は瞬時に天才を見抜く コナンドイル
やがて会社を創業した天才や才人たちが引退すれば、よほど意識的になって天才や才人を人選に担ぎ出さなければ、その組織の人材クオリティの平均は限りなく凡人の水準に近づいていく
劣化は組織が大きく、古くなることでより顕著になる
第一次ガラガラポン革命 明治維新 第2次 太平洋戦争終戦 第3次は2025年 80年ごと
革命の武器はオピニオンとエグジット
老人が支配するのは奴に力があるのではなく、こちらがおとなしくして忍従しているからだ シェイクスピア リア王
環境がどんどん変化する中で発生する未曾有の問題に対して、より根源的な人間性や道德といった立脚点に根ざして、その人らしい正しい判断をしていくには、なによりも「教養」が必要になる
合理的な根拠がないにもかかわらず信じる行為を信仰という。つまり年長者は尊重されなければならない、という考え方は私達の信仰なのです。この信仰が依拠しているは儒教という宗教です
パラダイムシフトを手動するのは多くの場合、非常に若い人が、その分野に入って日の浅い人
画期的なアイディア、つまり巨大な富につながるアイディアを生み出す人が「若い人」であり、「新参者」であることがわかっているのであれば、その人達に直接に発言権や資源動員の権力を渡せばいいのではないか
すべてのリーダーシップの礎となるのは、リーダーとフォローアーのあいだに形成されるトラストである 信用や人望
組織やコミュニティにおいて年長者というのは一種のデータベースであった
年長者の価値を毀損する3つの理由
社会変化のスピード
情報の普遍化
寿命の増進
流動性知能のピークは20代
結晶性知能のピークは60代
問題解決のアプローチ3つ
ランダム(直感によって回答を得る アート)ヒューリスティック(経験則によって回答を得る クラフト)オプティマル(論理のよって回答を得る サイエンス)
大胆な直感や緻密な分析論理は全般的に若い人の方が得意
新しい問題に対しては流動性知能に優れる若者たちが向き合い、直感の通用しない複雑な問題に対してhあ、過去の経験知を蓄積した長老が向き合うという役割分担し、組織を維持していた
支配型リーダーとサーヴァントリーダー
白瀬矗と大隈重信 南極探検
日本からイノベーションがなかなか起きないのは、とてつもないこと考える若手が少ないということではなく、これを大きく支援できる大物、サーヴァントリーダシップが欠如している
年長者の知的パフォーマンスの劣化を防止するには、劣化しない結晶性知能を身につける
実務的な知識より、より深い思考を促すような本質的な問いかけを行うための教養が必要
10年経てば劣化するような旬の短い知識ではなく、何十年というあいだに渡って効果を発揮するような知識を入力すべき
長いこと有用な知識や情報を学びたければ、その知識や情報が活用されてきた期間に注目しろ
経験で大切なのは量よりも質 古びることのない知恵=教養を蓄積することが大事
阿部謹也 わかるということは、それによって自分がかわることだ
創造的な人々は常に目標を持ち、挑戦をつづけている、だからこそ知的パフォーマンスを老齢になっても維持し続けられるのではないか
個人の能力開発の70%は、実際の生活経験や職業上の経験、仕事上の課題ともんだいかいけつのよって発生する(直接学習)次の20%は対人的学習や観察や模倣、残りの10%が学校や研修などのフォーマルなトレーニング
よいリーダーは、よい業務体験によって作られ、その良いリーダーがまたよい業務体験を人に与えてリーダーを育成する。つまりリーダーというのは一度生まれると拡大生産される傾向がある
権力の弱体化の要因 情報の普遍化
権力は情報の独占と支配によって、その生命を維持する
弱体化しているときこそ、権力は支配力を強めようとする
権力が弱体化する時代だからこそ、私達は自分自身を知的に武装し、オピニオンを主張し、相互の発信に耳を傾けて対話していく必要がある
権力による弾圧が目に見えているとき、その権力はすでに末期状態にある
概ね4割から5割の20台30代が、一月に一冊も本を読まない
私達の時間を意味あるものに変えていく、権力と戦う武器に変えていくためには、学び続けなければならない
青年時代は知恵を磨くときであり、老年はそれを実践するときである ルソー
人生の早い時期ーセカンドステージに脚光を浴びてしまい、その時期にしかできない、「種をまく」ということがおろそかになると、その後の人生がいかに悲惨で貧しいものになるかよくわかります
失敗のダメージが少ないセカンドステージでたくさんチャレンジし、自分なりの「失敗マニュアル」を作ってしまうことで、サードステージにおいて大胆なチャレンジができる、つまり「自分はどこでもやっていける」という自信の形成につながる
挫折して逃げる。ただしタダでは逃げない。そこから盗めるものはできるだけ盗んで、次のフィールドで活かす。そしてフィールドを越境して移動しているからこそ、知識や経験の多様性が増加し、これが、やがてユニークな知的成果の創出につながる
権力は与えられたけれども、まともな知性を育んでこなかったオッサンたちが、この国の各所でポジションにしがみつき、本書の冒頭に掲げたような不祥事を起こし、配下の中堅・若手を振り回して彼らの人生を無為に消耗さています。
このような社会にあって、私達は、単に年長者だからという理由で、その人を尊重し、彼らの意見や行動に対して、おもねって従う理由はまったくありません。
重要なのは、その人の意見や行動が自分の判断基準に照らして、「真・善・美」であるかどうかということであり、もしそうでないのであれば、別に恭順する必要がありません。
その人の信用というのは、ストレスのかかる状況下で、そのような判断や言動を取るかを観察しなければ、生まれません
なにかを始めるのに遅すぎることはない
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この本はおっさんを非難する本ではない。
若者がおっさんにならないためのエッセンスである。
おっさんはいかにして完成するか。
オピニオンとエグジットをしない若者はおっさんになるであろう。
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仕事で「働かないオッサン問題」に触れることがあったけど、そもそもそんなオッサンが量産される背景が分かりやすく整理されている。明日は我が身、サーバントリーダーシップなど関連するキーワードをより深く知りたくなった。
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ようやく読めたー。といってもこちらも読み始めたら時間を忘れてタリーズで読みふけってしまった。やっぱり山口さんは面白い。頭がいいなかでも天才の方だと思う。シナプス同士の繋がりどーなってんだ。。。
読了五の感想としては、今回老がい撒き散らすおっさんの下から思いきって抜け出した事は間違っていなかった、と安心した。そして劣化自体はおっさん以外にも確実に起こる、自分がそうなったいないかとにかく謙虚に、そして色々な物事に好奇心、もしくは肯定的に最初取り組む姿勢が必要。劣化はベンチャー企業の立ち上げメンバーさんとか要注意ですよ。物事の流れが早いだけに、いくつもの、そして大きな成功体験をベンチャー企業では味わえる。それを他の、特に新しく来た人たちに「常識」として押し付けていないか。新しい考えを積極的に聞いているか。成長段階の木の上であぐらをかいていないか。よくよく自分を振り替える必要があると戒めにもなった。とにかく本出のインプットを書かさない用にせねば。
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図書館でなかなか回ってこないから買ってしまった。読むの楽しみ。
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タイトルからは薄っぺらい内容かと推測されたが、中身はしっかりとした新書だった。二流の人間が組織のトップにたってしまうと、そこからは一流の人間はトップに立つことはなく、どんどん劣化していくようだ。この理論はなかなか面白い。
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この著者の話は結構分かり易く纏まっていて結構好き。
この人の定義している「オッサン」にならないようにせねば。(^^;
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オッサンが存在することの弊害が世の中に閉塞感を生み息苦しくしているのかな。「オッサン」にならないような生き方をしないとね