紙の本
動かないからたくましい
2019/03/28 21:30
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投稿者:みー - この投稿者のレビュー一覧を見る
現代人にも身近な植物の由来を
世界史の視点で解き明かした書。
みずから動かないからこそ、
人や動物を巧みに使って生き延びてきたことがわかる。
植物を見る目が変わり、感謝とともに怖さも感じる。
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14章あって、それぞれ1種類。14章目が桜なんだが、これは日本史。13だと縁起が悪いからかな。この本から入っていろいろ読む想定なのか。トウモロコシの原種がまだわかってないか。稲の棚田でバリとかの話もあったらもっと広がったかな。それぞれは読んだことがあっても、こうやって読むと楽しい。
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14種の植物を取り上げ、その歴史的役割、意外な経歴を軽快に紹介している。へーっという話題が多かった。歴史、地理、生物の諸分野をまたぐ好著だった。
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ジャガイモの魔女裁判や、トマトの赤さの秘密、トウガラシが日本に広まらなかった理由など、歴史と植物の繁栄が分かりやすく、面白く描かれている。植物が繁栄のためにヒトとどう共存するかということを考えさせられる一冊。
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新聞の書評欄で見て図書館で予約、なかなかの人気のようだが、とても軽い読み物。そして不正確な記述があちこちにあるのが気になって気になって。この人、植物学者であって歴史や文化方面には詳しくないようだ。
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世界で一番作られている作物ってご存知ですか?トウモロコシだそうです。コムギ、コメと続きます。
「農作業は重労働」「自然の豊かな地域では敢えてやらない」といった記述が何度も何度も何度も繰り返されるのがちょっとウザい。
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植物を補助線にして歴史を語る面白い取り組みの本。
農業は、食料が豊かにとれないところからはじまる。
タネが自然には落ちないコムギから、農業が始まり、貯蓄できることから、富が生まれ貧富の差がうまれる。
農業のための技術が、軍事技術にもつながり、土地を争いますます貧富の差がうまれる。
また、ある地域にあった珍しい効果をもつ植物を得るために、人々は海を渡る。
ヨーロッパで肉を保存するためのコショウ。
コショウをてにいれるために、インドを目指したコロンブス。そして、持ち帰ったトウガラシ。
人の役に立つように海を渡らされ、改良される植物。
でも、植物は、より多くの子孫を残すことが目的であるとすれば、使われているのは、人ではないか、と問いかけて終わる。
稲垣先生の本は、いつも学びが多くて素敵です。
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食物から嗜好品、園芸品種にわたる14種類の植物について、人間(世界史)との関わりをさらっと紹介。詳しいことを調べる目的なら他の本にも当たった方が良さそうですが、概要だけでいいなら楽しめます。
イネ、トウモロコシなど穀物シリーズが特によかった。
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植物の視点から歴史を考えるというところが目から鱗。興味深いトピックもあったが全体的に内容が薄く、リピートも多く今ひとつの内容だったのが残念。
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トウモロコシは怪物なんだという記載が一番頭に残っている。
人の歴史はつくづく植物に、動物に振り回されて作られているのだなと思う。それは工業時代になり、石油というものがそこに名を連ねても、社会における動植物、特に主食となる作物を含む植物群の扱いは変わらず、彼らに一喜一憂され続けるのはこれからも変わらないだろう。
彼らは人を利用して広がっていると言うのも、あながち間違っていないと感じられるほど、我々は植物に翻弄されるのだ。
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様々な身近な植物の農学的、植物学的な特徴を踏まえ、その原産地から食料として、または原材料として、世界に広まったか、その過程で世界の歴史にどのような影響を与えたかに関する書。
例えば、ワタ(綿花)はイギリスの毛織物工業を壊滅させたが代わりに綿織物工業か隆盛し、大量に必要になった原材料の綿花の供給地の新大陸のアメリカ南部では労働力を確保するためアフリカから奴隷として人々が連れて来られた、とか。
とりあげる植物の種類が多いので、それぞれの考察は浅いですが、関心を持った領域を深掘りする前に概観、俯瞰するのには良いかと。
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ジャガイモやトウモロコシ、トマト、唐辛子、もし、コロンブスが新大陸を発見しなければ人類の食生活は成り立たなかった。私たちが知っている世界史に登場する人間が何人も生まれなかったかもしれない。本当に不思議な植物達。こんな本探していました。本屋で偶然見つけることができました。もうちょっとグラビアとか年表とか入っていると、より沢山の読者にウケると思います。
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絶賛します。題名にあるように世界史と植物の雑学として面白いだけでなく、幅広いジャンルの「点(=知識)を線で繋いであっと驚く立体(=教養)に変えてくれる」手品的な喜びにあふれた一冊。
イネ科の植物がいかに動物に食べられないように自分の食物としての魅力を減らしているか、食べられても生き延びられるように進化したか。逆に、いかに動物がイネ科しか食べられなくても生き延びられるように進化したか。
稲作が水田というシステムで行われたことによって、日本の人口がいつどのような地形にどの程度分布できたのか。地域によって異なる味噌のつくり方が何に由来するのか。
米と大豆の組み合わせがどのように完全食だったのか(つまり、日本で肉食が必要でなかった理由は何か)。逆に、小麦やジャガイモがそれだけでは栄養素として不足し肉と組み合わされなければならなかったヨーロッパの食事バランスや、それでまかなえた人口(及び人口密度)の背景。その肉を保存し美味しく食べるための胡椒が招いた東方貿易。
違う植物なのにその胡椒と同じ言葉(ペッパー)を含むトウガラシ(ホットペッパー)は何が胡椒と同じで何が違うのか。同じペッパーの別種類であるかのように名付けなければならなかったコロンプスの事情。
トウガラシが、植物の中では珍しく、甘くない赤い実をつけている理由。
イギリスでコーヒーに変わって紅茶が飲まれるようになった理由と、アメリカで紅茶に変わって薄いコーヒーが飲まれるようなった理由。
ヒトが茶やコーヒー、トウガラシに依存症的に惹かれてしまう生物的な理由。
静岡県がお茶の名産地になった背景とトヨタやスズキが三河遠州で創業した理由の共通点。
などなど、挙げてもあげてもキリのない立体的な「へぇ、そうなんだ、それってすごいことやなぁ〜」が次から次への繰り出されて息をつく暇もないくらい。
2010年にスティーブ・ジョブスがiPadを発表した時に「テクノロジーとリベラルアーツの交差点」という言い方をしていたけれど、本書はまさにそれを取り上げた一冊と言える。
胡椒と肉。米と水田。綿と織機。ジャガイモと栽培。とうもろこしと加工。
ドキドキワクワクが止まりません。
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表紙を返すと「私たちは、植物の手の平のうえで、踊らされているのかもしれない---」と記されている。
人類が農耕を始め、現代に至るまでの歴史に植物が与えてきた影響と背景を結びつけて、分かりやすい筆致でまとめられている。
グラフやデータを取り入れていないので、難しさを感じないところが好ましい。
文明の興り、国の興亡、戦争、産業革命など、歴史の要所で植物が関与していたことは興味深い。植物や歴史に興味がなくても無理なく読み進められると感じた。
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1.植物については暗記するだけのイメージを持ってたので、違う視点から読みたくなった
2.世界で有名な植物が、どのような歴史を辿ってきたのか、今もなお明らかになっていない部分もありますが、簡潔にまとめられている一冊です。
植物を栽培する過程では、人間の生活が変化することも同時に述べています。人間の生活の変化と一緒に学んでいける一冊となってます。
3.植物の歴史は、原産地ぐらいしか気にしたことがありませんでした。なぜ、コショウが人気だったのか、チューリップバブルがなぜ起きたのか、教科書に書いてある表面的なことしか覚えてなかったのです。しかし、この本を読んだことで人間の生活が関わることで植物の存在意義は大きく変わっていくことに面白さを感じました。