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MaaS/CASEについて解説した書籍の中ではいまのところベスト。
なぜモビリティに地殻変動が起きているのか時代、社会、そして世代の三視点から読み解き、
中国・インド・スイスといったモビリティの世界で急成長を遂げる国家の動きを見つめ、
デザイン思考の重要性を解きながら脱オールジャパンを提唱する。
どうしても自動車業界から見つめたMaaS,という偏りは出てしまう点は致し方ないか。
全体的にはシビアな現実を噛みしめどう向き合うべきかを問う骨太な論理が展開されるがときおり妙に楽観的で「美しい国ニッポン」的世界にいってしまうのは残念。
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いま、クルマは単なる移動手段だけではない別の何かになりつつある。まさに電話がスマホななったように。この本は、その大転換のインパクトをさまざまな企業の試みを活写する。
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将来的には自動車はEVへと進化し、モビリティとはデータの移動という位置づけになる。
本書を一言でまとめると、そのようになる。
自分の意見としては、自動車メーカーはその方向で生き残るのか、読んでいて疑問だと思う。
それは、本書が都市圏でのモビリティのみを主眼に置いていることに違和感を持っているからだ。
「若者の自動車離れ」なんて言葉は聞き飽きた。
この言葉自体が間違っていると思っている。
田舎に行けば自動車は家族一台どころか一人一台も珍しくない。
つまり、自動車離れが起きているのは都会での話である。
若者が都会に流入して田舎に戻らないから、自動車の売り上げが伸びない。
それに少子化問題が輪をかけているのだ。
そうやって見ると、都会のモビリティはEVになり、自動運転になり、データ移動媒体となるのだろうか。
そうはならないと思う。
なぜ都会人が車に乗らないかといえば、自動車以外の交通手段、鉄道や地下鉄、バスなどがの交通網が発展しているからだ。
本書ではインドやスイスを例に用いているが、それら都市と東京の交通網を比較してなお、インドやスイスを目指す必要があるのだろうか。
個人的には、自動車はEV、自動運転、データの移動媒体という方向は間違っていないが、それを自動車だけを主眼に置いたモビリティというのは間違っていると思う。
MaaSは高速鉄道、都市圏鉄道、地下鉄、バス、自動車、バイクシェア、ライドシェアなど全ての交通手段を統合したサービスとして複眼的な視野が必要だろう。
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CASE; 独ダイムラーのディーター・ツェッチェCEOによる造語
Connectivity, Autonomous driving, Sharing, Electric drive system
MaaS; Mobility as a Service
創造的破壊を提唱したヨーゼフ・シュンペーター
The Theory of Development; 1911
イノベーションの5つの分類
1。既存市場における新製品、新しい品質の創出
2。新しい生産手法の開発と導入
3。既存市場とは違う全く新しい市場の創出
4。新しい原材料や調達先の開拓と支配
5。新しい組織の構築
以上
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車を取り巻く環境がこれほど変わっているとは思わなかった。自動車産業の今これからの変革を示す内容。
日本は自動車生産が頭打ち、世界的にも人口が減少傾向にある今、車は所有するものから、車を楽しむ環境をサービスとして受ける時代に。日本はトヨタが出遅れ感がありで、欧州や中国より、いわゆるMaaSの取り組みが遅れている。ボディーメーカーではなく、サービスベンダーがリードする形がベターと本書は説いている。
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2019.01.24 情報が豊富で、世界のモビリティ事情がよくわかる。ほんと勉強になった。ただ、提言がもう少し有るとさらに良いと思った。ちょっと欲張りかもしれませんが。
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100年に1度の大変革と言われている自動車業界の「CASE」について学べる良書。「CASE」というキーワードは自動車業界以外にも重要なワードだと思う。
読書メモの詳細は下記noteをごらんください!
https://note.mu/masatake0914/n/n9f7c504745cb
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42
・モビリティは所有からサービスへ。
・その革命の牽引役は、ミレニアル世代。彼らの価値観が革命を推し進めている。
・シームレスな移動体験と、その先に待ち受けるそこでしかできない体験。地方の可能性。
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■結論
将来の世の中を見据えて、世界中でどのようなプレーヤーが自動車業界において、何を行なっているのかがかなり詳細に記載されており、大変勉強になった。
世界の自動車業界の発展度合いや、注目の中国企業の動き、そして日本の自動車業界の課題等にも言及してあり、自動車業界の現在と未来を把握するにはもってこいの本。
自動車業界で働く人は一読するべき本。
■著者
深尾三四郎:
浜銀総合研究所調査部産業調査グループ主任研究員。英国のロンドン・スクール・オブ・エコノミクスを卒業し、野村證券へ入社。05年から英HSBCでの自動車部品セクターのアナリストを経て、米国や香港のヘッジファンドでアナリストとして活躍。
14年に浜銀総合研究所に入社。専門はマクロマーケティングとファンダメンタルズ分析。
国内外で自動車産業とイノベーションに関する講演、企業マネジメント向けセミナーを多数行う。
1981年生まれのまだ30代と言う部分には個人的に驚いた。
■学び → 意見
1.これからカーディーラーの新車販売台数は減少するが、下記の通りサービス収益は増加する見込み。
カーシェア等のサービスが普及 → 車両の稼働率がアップ → 整備や部品交換の頻度上昇
また仮想現実(VR)、拡張現実(AR)といった個別対応化を高めるデジタル技術を活用し、客単価を上げて収益が改善する。
→ 自動運転等が普及する前の一定の期間はこのような状況が継続するかもしれない。
その際にディーラーが生き残っていけるように、新車販売に頼らない収益体制作りは益々重要となる。
2.ビジネスにおけるモノサシはcars soldからmiles drivenにシフトする。
→ これからは新車販売台数ではなく、どれだけの走行距離を走らせ、データを収集するかが自動車メーカーにとっては重要になる。
またデータを収集するだけではなく、取得したデータをどのように活用するかはさらに重要になってくる。
3.今後のモビリティ企業は車両が走っている間に都市のデータを収集し、エコシステムの発展に寄与する新しいアプリケーションを開発し、マネタイズする。
→ 上記2の「どのようにデータを活用するか」の具体的な考察。次はどのよう情報を都市に対して提供できるかを考える必要あり。
4.高齢化社会へのラストマイルソリューションは日本の世界に誇れるキラーコンテンツになり得る。
→ 少子高齢化が他国よりも進み、危機的状況に陥る日本にて、その弱みを逆に強みにするためには、直面する課題に対する他国に先駆けたソリューションが必要不可欠。
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・「モビリティ」という言葉は従来、人・モノを運ぶものという意味だったが、デジタル化の進展でデータを運ぶものという新しい意味が生まれた。
└モビリティ1.0 :エンジンで走る自動車が人やモノを運ぶ
└モビリティ2.0 :都市のデータを資源とするエコシス
テム(生態系)の重要な媒体
・自動車産業で最も重要なキーワードは「CASE」。
└C:Connectivity デジタルでつながること
└A:Autonomous driving 自動運転
└S:Sharing 共有・シェアリング
└E:Electric drive systems 電動化
独ダイムラーは4つすべてを満たす新ブランドの立ち上げを発表している。
・これまで自動車ビジネスの付加価値は、エンジンを中心とした部品製造や車両組み立てだった。
今後、ライドシェアリングの普及や自動運転技術の進展により、都市や自動車の走行データを資源とする新サービス「サービスとしてのモビリティ MaaS:Mobility as a Service」へシフトする。
・モビリティ産業ではミレニアル世代(2018年時点で
18~38歳)の経営者が数多く生まれている。彼らがビジネスに成功するのは、ミレニアル世代が最大の人口集団だから。
・環境問題におけるモビリティのキーワードは、次の2 つ。
└脱炭素の追求:温暖化を防止するため、電動化を進める。
└都市化への対応:都市化の進展に伴う諸問題の解決策として、ライドシェアリングや完全自動運転車を実現する。
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昨日まで浙江省杭州市で中国の発展の目覚ましさを目の当たりにした。杭州市は、阿里巴巴(アリババ)グループの本拠地だ。浙江省の人口6,000万人、その首都である杭州市は1,000万人だ。杭州市はほんの数年前まで人口700万人だったというからその人口流入のスピードは半端ない。銭塘江(川)の両岸には高層マンションが林立し、まだまだ建設の途上にある。すでに億ション化しているという。
市内を走る車にはドイツ、アメリカ、イタリア、日本等の高級車が目立ち、その脇を電動バイクが静かに、しかもかつての自転車の勢いよろしく、走り回っている。うかうかしていると車よりも電動バイクに轢かれそうだ。さらに、歩道脇には多くの電動シェア自転車が無造作に置かれている。スゴすぎる。
筆者は世界のCASE革命のスピードを示しながら、日本の基幹産業である自動車産業に警鐘を鳴らす。日本を長く支えていた自動車(モノとひとを運ぶ)産業が、だだのITのデバイス産業に成り下がるのは間違いないと。しかし、その設備や労働者を考えると簡単に舵を切ることはできない。
ミレニアル世代(1980-99)生まれの筆者の危機感に耳を傾け、今、行動しないと。
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①自動車メーカーが次世代モビリティで生き残るには高いデジタル技術を持つ企業などの外部リソースを取り込み、MaaSのアプリケーション提携企業になるしかない。
②テスラはエネルギーマネジメントの観点で、EVをベースに発電(太陽光電池)、蓄電、充電・利用という一連のエコシステムをスマートグリッドという形で作ろうとしている。
③デジタル社会の到来とデジタル技術がもたらす価値を理解し、世界の生産・消費主体となったミレニアル世代の存在を意識しながら、都市・エコシステムの発展を追求する。ことが次世代モビリティ社会を作る上では重要。
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新しい概念をたくさん学べた。まだ咀嚼しきれてない部分もあるので繰り返して読むか、同じジャンルの本を続けて読みたい。
危機感を覚える
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現伊藤忠総研の深尾三四郎氏の著。プロフィール画像を見るとちょっと照れてしまうのだが、その経歴も情報分析もさすがという印象。2018年リリースの本作では、自動車業界の未来がミレニアル世代の台頭とそのUXを重視した嗜好性によって変化して行く様子が背景とともに語られている。Automotive業界に身を置く人間としては、いささか理想に偏りすぎているようにも感じるが、DXを「煽る」立場としては素晴らしいの一言である。情報量が非常に多く論点も多岐にわたっているので初見で理解するのはなかなか重たいと感じたが、今でも参考となる一冊。2021年の現実と照らし合わせてみるのも面白いと思う。
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ガラケーからスマートフォンに移行した時、移動式電話という従来の機能を超えて、EC・SNSといった新たな情報基盤やプラットフォームが生み出された。 この環境における勝者は携帯メーカーではなく、FacebookやTwitterといったアプリ開発者、GoogleやAppleといったOS提供者となった。
同様の構図が自動車にも起きる。現在、脱炭素をキーとしたEV化が語られるが、それは単純なガソリン車からの燃料機構の置き換えではない。デジタル化の進展に伴って・モノを運ぶ従来の車両の機能(Mobility1.0)から、都市のデータを集め・運ぶ用途として変遷するだろう(Mobility2.0)。車両は都市のデータを収集し、自動運転車・ライドシェアリングの進化を促すことで、サービスとしてのモビリティが発達する。都市内の移動が活発化することで、さらにデータが収集され…といったデータを資源としたエコシステムが構築される。ここでの勝者は車両メーカーではなく、こういったデータを収集・プラットフォーム化できる企業になっていくだろう。
車両用途が変質していく点が非常に斬新でした。また、上記の事象はUXを重視するミレニアム世代の台頭、EVを国家戦略とする動きなど、世代論・国家戦略の観点から論じられているのが面白かったです。