紙の本
身体的物語論
2018/11/08 20:38
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投稿者:carp猫 - この投稿者のレビュー一覧を見る
今は離れている俳優成宮寛貴さんが活字になってると。購入。蜷川さんの時代の流れに対応しながら、でも演劇への想い、ここはアジアなんだと、アンチテージもありながら、身近に感じてもらいたい想いも、また、成宮寛貴さんが蜷川幸雄作品、演じてもらいたいですね。いい本でした。
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演出家・蜷川幸雄の晩年のエッセーと談話。
1章は過去に『マグナカルタ』という雑誌に掲載された(おそらく)エッセー。
2, 3章はインタビューや談話。
4章は、木俣冬さんによる蜷川幸雄の人生の振り返り?(ぼくにはちょっと難しく、いまいち内容がわからなかった)。
もっともよかった節は、第1章の「演劇こそが世界をまるごと表現できる」。
そもそも、この本を手に取ったきっかけは、いくつか舞台を見ながら「演劇の本質って身体だよね」と思ったことだった。この本の著者蜷川幸雄も、身体をすごく大事にしているようで、女優宮沢りえのよさも「新しい狂気の身体」との出会いだと表現していたりする。
「絵をやっていた頃のぼくは、自分の生理とタブローが一致せず、どんなにギューッと描きつけても、ただ汚い絵しかできないことに悩んできましたが、演劇だったら、走ったら一発で生理が表現できると思って、演劇に興味を持ちました。」
「演劇は、俳優がいきなり、ウアーッと客席を走り回ったら、それだけで生々しいものが生まれるんです。」
演劇は、俳優の身体を介して〈生〉を表現できる。日本を代表する演出家がそういったことを述べているのを拝見し、少し嬉しくなった次第だ。
あと、蜷川幸雄はやはりいろんな作品を知っていて、話の中にたくさん作品名が出てくるので、それに圧倒されるのもこの本の楽しみ方かもしれない。
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蜷川さんの考える演劇とはが所々書かれていた。あとは俳優の話。蜷川さんの演出を生で観れないまま亡くなって後悔してる