濱地健三郎の霊なる事件簿　（角川ebook） みんなのレビュー

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有栖川有栖の最新作。
『超常現象がある』という前提のミステリは数多くあるが、有栖川有栖がこういうものを書くのは珍しいような気がする。
火村シリーズでは有り得ないストーリー展開は新鮮だった。

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死んだ人と話せるなら警察も探偵も苦労しない。
そんなドラマもあったなぁと思いつつ。

有栖川さんですが、本格ミステリじゃなく軽い感じで読めました。
キャラクターも好き。

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怪談とミステリの境界線を模索したシリーズだそうで、なるほど、怪談なのにきちんとミステリになってるー。
続き出るといいな！

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有栖川作品なのでハズレはないですね。
幽霊探偵、こんな想定も面白い。
シリーズ作品にして、映像化を目論んでいるかも？

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心霊現象ありきの中での、事件解決へのアプローチが新機軸で楽しく読めました。助手の存在がいい狂言回しになっていて、心霊探偵の底知れなさが上手く描かれている。｢あの日を境に｣が一番のお気に入り。｢霧氷館の亡霊｣｢不安な寄り道｣も好き。

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ホラーと、どうしてこうなるの？？というホワイダニットミステリが融合した短編集。グロテスクな表現もないのでホラーが苦手でもしっかり読めた！主人公のコンビが魅力的で、テンポが良く読みやすい。続編がでたら絶対読みます。

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ホラーミステリ連作集。霊が見えるので、殺人事件の容疑者に被害者の霊が憑いているのが見えたら犯人確定。探偵としてはすっごく楽じゃん！　と思えなくもないのだけれど。考えてみれば、それをいかにして周りに納得させるかというのは厄介ですね（苦笑）。そのあたりはホラーとミステリのバランスがきちんととれている印象です。
お気に入りは「黒々とした孔」。このラストが怖い。あの人に同情するつもりはさらさらないけれど、これは怖いなあ。
「あの日を境に」も印象的でした。トータルではあまり怖くない話だったのですが。途中の展開はとにかく不安な気持ちがどんどん増していく印象で、気持ち悪かったなあ。

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【収録作品】見知らぬ女／黒々とした孔／気味の悪い家／あの日を境に／分身とアリバイ／霧氷館の亡霊／不安な寄り道
　この手のものにありがちなコメディ系でもなければ、うさんくささもない。地道で誠実な霊視探偵に好感を感じる。

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+++
心霊探偵・濱地健三郎には鋭い推理力と、幽霊を視る能力がある。新宿に構える事務所には、奇妙な現象に悩まされる依頼人だけでなく、警視庁捜査一課の辣腕刑事も秘密裡に足を運ぶ。ホラー作家のもとを夜ごと訪れる、見知らぬ女の幽霊の目的とは?お化け屋敷と噂される邸宅に秘められた忌まわしい記憶とは?ある事件の加害者が同じ時刻に違う場所にいられたのは、トリックなのか、生霊の仕業なのか?リアルと幻惑が絡み合う不可思議な事件に、ダンディな心霊探偵が立ち向かう。端正なミステリーと怪異の融合が絶妙な7篇。
+++

新しい主人公の登場である。濱地健三郎には、この世ならぬものが視え、彼らが現実の日常に及ぼす影響まで見極めることができる。心霊探偵を名乗る所以である。助手の志摩ユリエも、次第に霊的な目を開かれ、探偵とともに依頼案件の解決に力を貸すようになる。霊が出てくるとは言え、純然たるホラーと言うわけではなく、そこはミステリの感覚の方が強いので、苦手な者にもとっつきやすい。ギブアンドテイクの関係の赤波江刑事との関わり方もなかなかスマートで好ましい。今後の心霊探偵の活躍もぜひ見てみたいと思わされる一冊である。

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著者の三冊目の怪談集。前作の中の二編に出てきた心霊探偵が、今作では全編に登場し、タイトルも彼の「事件簿」となっている。だから三冊の中で最も統一感がある。
著者はミステリと怪談の境界線を意識して書いたとの事。確かにそれは感じられた。
ただ、ミステリとしては弱いし怪談の割に怖くない、と両方マイナスになってしまったようだ。この探偵は霊が見えて、その霊が恨めしそうに見ている人物が怪しいと分かってしまう。流石に霊が「この人が犯人です」とは告げないけどね（＾＾）。
まあ、他の作家のホラーミステリよりは幾分謎解きの興味を持てたので、この位の評価にしよう。結局の所、有栖川作品の魅力は本格ミステリ！　この一言に尽きる。

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幽ブックスのわりに怖くない。霊が見える正統派？な探偵。助手が好きになれなかった。黙れって言ってるでしょうが！と突っ込みたくなる。

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有栖川有栖新シリーズ！みたいなことを本屋に書いてあったので楽しみにして・・・まあ新しいことに手を出す前に論理爆弾のシリーズとかもうちょっと進めてほしいとかは思いましたがｗ
で。思ってたのと違った。本格どころか推理ですらないのね。うーん・・・こういうオカルトなんだかミステリなんだか中途半端なのはあんまりかなあ。うまく昇華できてる作品もあるけどこれはなんかちぐはぐな印象。推理するまでもなく「見えて」しまってるってずるくないですかね？面白味という意味でも。

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心霊探偵かあ、本格ミステリから言えば掟破りですねえ。提出される謎も犯罪も単純でからくりはすぐに分かる。
この作品群の面白さは心霊現象を見抜く、動機を明らかにするという面にかかっているが、短編のせいで底が浅く、読み流しのレベル。
さらに倒叙ものは加害者に多分に同情の余地もあり、犯人に感情移入して被害者と探偵を思わず憎んでしまう。
というわけであまり評価出来ない一冊だった。

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子供の頃、ホームズや金田一耕助は大好きだったのに、コロンボや古畑任三郎はどうしても好きになれませんでした。正確を期して言うと、素直に応援できなかったんですよね〜。

同情の余地のありすぎる犯人。
殺されても仕方ないと思ってしまうような被害者。
そしてエゲツない手法で可哀想な犯人を追い詰める名探偵。

倒叙ミステリの宿命と言えばそれまでかもしれません。
読者（視聴者）には既に開示されている真実に、探偵役はいかにして気づいていったのか、という推理展開を楽しむのが倒叙ミステリの醍醐味だと思うんですが、今作はまさかの「心霊探偵」です。探偵に死んだ被害者見えちゃってます。推理する必要なんてありません。そこをいかに面白くするか、が本作のテーマです。

死者が見えるという能力を活かして、死体を見つけ出したり、犯人を自白に追い詰めたり、幽霊を成仏させたり、霊障を解決したり、殺人を未遂に防いだり。

感傷的になり易い設定だと思うんですが、おセンチになり過ぎず、淡々と「彼岸」と「此岸」の仲介を行う探偵のハードボイルドなスタンスが心地よい作品です。


【そのままコピペな内容紹介〜】

心霊探偵・濱地健三郎には鋭い推理力と幽霊を視る能力がある。事件の加害者が同じ時刻に違う場所にいる謎、ホラー作家のもとを訪れる見知らぬ幽霊の謎、突然態度が豹変した恋人の謎……ミステリと怪談の驚異の融合！