紙の本
今読む事にまた意味がある
2022/07/26 02:04
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:すぃ - この投稿者のレビュー一覧を見る
パブロ・ピカソによる大作「ゲルニカ」は反戦を訴えている作品で、今でもニューヨークの国連本部にタペストリーが飾られています。
それは国際社会が戦争に断固として反対するという意思です。
そのタペストリーの前で某国が会見した時にタペストリーに暗幕が掛けられて隠されていた。それは何を意味するのでしょうか。
今の世界情勢でタペストリーに暗幕を掛けようとしているのは誰なのかと考えてしまいました。
原田マハさんのアートの知見の深さがあるので、状況や画を想像しやすかったです。
紙の本
本書のモチーフとなった2003年2月5日の「ゲルニカ暗幕事件」・・・ まったく知りませんでした。
2022/04/13 19:54
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Haserumio - この投稿者のレビュー一覧を見る
『楽園のカンヴァス』が非常に面白かったので、本書も読みました。前者に比べると、緊迫感や密度に欠け、水っぽい感じはしましたが、まずは十分な面白さ。最後の場面は感動的で、知らずウルッときましたね。(ネタバレになるので、これ以上は触れず。)
「あの人は、なんてったってピカソなんだから。そのときがきたらやるべきことをやる。そうに決まってるわ」(54頁)
「武官のひとりが、ピカソに尋ねた。―この絵を描いたのは、貴様か?ピカソはたじろぎもせずに答えた。-いいや。この絵の作者は、あんたたちだ。」(223頁、もともとの描写は195頁)
「結局、<ゲルニカ>は疎開したのではない。-亡命したのだ。いや、亡命させられたのだ。」(322頁)
「ピカソいわく、芸術は、決して飾りではない。それは、戦争やテロリズムや暴力と闘う武器なのだ、と。その言葉を発展的にとらえれば、アートとは、人間が自らの愚かな過ちを自省し、平和への願いを記憶する装置であると言えるのではないか。」(488~9頁、同旨259頁、277頁、283~4頁、314頁、448頁など)
それにしても、著者の作品は、小説としての面白さ、芸術家の生涯、美術作品の理解など、一冊で幾つも得られるものがあり、素晴らしいと思っています。さて、次はどれを読もうかな・・・
投稿元:
レビューを見る
原田マハお得意のアートミステリー。9.11も出てきてちょっと辛い。
絵画を少しだけでも勉強してから読んだほうが良かったかな、、。
投稿元:
レビューを見る
立派な美術書と言えなくもないのですが、ピカソの「ゲルニカ」を見たことが無い人でも、ハラハラドキドキできる。
一枚の絵からここまで深くストーリー展開できる作者に拍手!梅雨時に蒸し蒸しする気持ち悪さを忘れさせてくれるかも。
投稿元:
レビューを見る
表紙に掲げられた「ゲルニカ」を何度も見返しながら物語を追った。
作者のピカソへの愛、MoMAへの愛、アートへの愛が溢れた作品で、その愛情の発露が繰り返されるところだが、今ひとつ自分事にならない感じがちょっと残念。
作者には9.11とその後のアメリカの対応に対しても大きな思いがあって、それと「ゲルニカ」が必然結びつくのだろうが、よく分かっていない者にはそこのところも小さな違和感。
同じような話が過去でも現在でも行ったりきたりで、あまり面白い展開ではないところ、最後の100頁余、ああいう展開になったのも仕方がないか…。
小説として紡ぐには、作者はここに出てくる色々なものを愛し過ぎているように感じた。
とは言え、一枚の絵画を題材に、虚実入り交えて一冊の物語に仕上げていくところは、流石にこの作者。終盤は巧いこと纏め込んでいくしな。
読みながら色々調べてみたりして、毀誉褒貶の末、今の評価に落ち着いた「ゲルニカ」という作品に対しては改めて勉強になった。
実物をこの目で見たいものだと思うが、マドリッドから外に出ないのでは、私には無理だな(よしんば日本に来たとしても物凄い行列になるだろうし、行列に堪え性のない私にはいずれにしても無理か…)。
投稿元:
レビューを見る
★3.8
大好きな原田マハさんの絵画を題材にした作品。
文庫化待っていました。
この方の美術系の作品はいつもどこからがフィクションなのかわからなくなる。
ピカソという天才的な芸術家のことがよく分かりつつ、現代と過去の二人の女性のの視点で語られて行くところが本当に面白い。(暗幕を掛けた犯人?は結局わからなかったけど)
なぜ人間はこうも争い続けるのか…。いつか、ピカソの願いが叶うといい、いや、そうならなければならないのだけど。
スペインに行った時に、ゲルニカ 、見ておくべきだった!
投稿元:
レビューを見る
ピカソの「ゲルニカ」。彼はどんな思いでこの絵を描いたのだろう。図版でしか見たことがなく、何だか良くわからない絵という印象しかないけれど、現物を見に行きたいという気持ちが湧いてくる。
キナ臭さがにおいだしている今をきちんと注目していなくちゃいけない。
投稿元:
レビューを見る
文句なく5つ星です。
私はプラド美術館時代のゲルニカを鑑賞しましたが、この本を読んでいると「あぁ、もっとちゃんとゲルニカを見ておくべきだったなぁ」って何度も思いました。
そして、いま再びゲルニカを鑑賞できるチャンスがあれば、きっと30年前に見たときとは違った印象なのでしょう。
本書は、ピカソ時代と現代を往復する形式で、(たぶん)フィクションとノンフィクションがうまく融合しています。また、著書の原田マハさんは実際に美術館関係のお仕事経験があり、内容はリアルです。
映像化されたら、きっと面白い映画になるでしょうね。
投稿元:
レビューを見る
購入済み。
2022.02.20.途中経過
うーん。原田マハとは相性が悪い。どうも好きになれない。ピカソとゲルニカに興味が湧いて購入。
ピカソがいかに偉大か!ゲルニカがいかに傑作か!との主張が強すぎて、逆にこちらが冷めてしまう。
ピカソもゲルニカも評価は個々別々なのになんとも押し付けがましい。最後まで読めるかなー。。。
2022.02.23.読了。
安っぽいなぁーーーーー。
題材がよかっただけに、なんとも残念だ。
この程度の反戦論なら小学生にだって唱えられる。
戦争がテロがよくないことだってことは誰だってわかってる。でもやってる方はわかっててやってるんだ!だからその先を考えないといけない。
ピカソ、戦争、ゲルニカ、の三単語が何十回と出てくるし、同じセリフが何遍も繰り返されるだけで、内容がない。掘り下げが足りない。浅薄。
ゲルニカの運搬にもテロにも徹底的に配慮しているはずの主人公がいとも簡単にetaの手中に落ちる。そしてこれまたあっさりと救出される。ご飯の途中に沢庵摘むみたいに、そのエピソードが挿入される。何もかもが安っぽいんだ。
この作品を通して思ったことは、アートとはお金持ちの力なくしてはどうにもならないということ(笑)
ピカソの恋人ドラマールの目線で語られる戦時下のパリ、ピカソのエピソードが興味深く、その章だけを楽しみにして読みきったようなもの。
もう原田マハは読まないかな。
何冊か読んだが、感動や共感とは程遠い。
薬園のカンヴァスだけはよかった記憶があるが、この作品はオススメしない。
投稿元:
レビューを見る
大好きな原田マハさんの「暗幕のゲルニカ」が文庫本になったので早速買ってきました。原田マハさんの作品を読むのは13作目ですが、昨年読んで感動した「楽園のカンヴァス」と同じように実在の画家、絵画そしてMoMAのキュレーターを中心に物語が展開するので、期待して読み始めたのですが、期待以上の興奮と感動の物語です。且つ反戦がテーマとして込められているのですが、どこまでが実話でどこからがフィクションか考えるのも楽しいのです。
物語はパブロ・ピカソが、"ドイツナチスによるスペインのゲルニカへの悲惨な無差別空爆殺戮"
を1937年に描いた絵画「ゲルニカ」を反戦のシンボルとしてピカソの人物像が語られる1937年と、2003年の国連でのイラクへの多国籍軍の空爆会見をしたアメリカの国務長官の背後の壁に掛かっていた「ゲルニカ」のタペストリーに暗幕が掛けられていたことから始まる2003年の二つの時代が同時に進行する。
「ゲルニカ」をドイツナチスやスペインファシズム政権から守る為にアメリカのMoMAに極秘避難させ、長期にわたり保管された過去。スペインが民主政権に変わってから返還されたが、イラクへの空爆に対して平和への願いを込めて再びMoMAにて企画された「ピカソ戦争展」に出品展示する為の交渉、軋轢、そして感動の結末。
「楽園のカンヴァス」ではアンリ・ルソーの絵を観たくなり、さすがMoMAまでは行けなくて東京都美術館まで観に行ったのですが、今度はピカソの「ゲルニカ」が観たくなった。 マドリードまでは行くのは無理なので「ゲルニカ」が日本に来ることを期待して 待つしかないのかなあ。
投稿元:
レビューを見る
ピカソ見たいなぁと思いました。あまりにも有名なので知っはいるけれど、こんなドラマがあるとは知りませんでした。
それにしても、結局だれが暗幕かけたか分からなかったな。
投稿元:
レビューを見る
著者の小説を初めて手に取って読んでみたが、これだけ売れてるのも納得がいく面白さであった。アートサスペンスというジャンルに驚き、ピカソ本人が登場したことにまた驚き、最後主人公がテロリストに囚われるところでまた驚いた。タイトル以外全くの前情報がない状態で読むことが新鮮であり、あっという間に500頁を読み切った。読み切らせた著者の筆力が凄いと思う。
投稿元:
レビューを見る
「ゲルニカ」のタペストリーが国連にあることは有名で、アメリカがイラクを空爆する発表の際に、それに暗幕が掛けられていたことも何かで聞いていて、有名な話だと思います。本書はそれをもとに、似た話を土台にして、過去と現在、「ゲルニカ」の持つ意味について書かれたものです。スペインのゲルニカにて起こった悲劇、戦争の悲劇から、ピカソが描かれたものは、時代を超えて同じメッセージを揺ぎ無く発しているということが分かります。この絵を死ぬまでには、実物を見ておく必要があると感じました。
芸術というものの力について書かれたものであり、著者のそれに対する想いが伝わってくる迫真さを感じました。
投稿元:
レビューを見る
随分長くかかってしまった。
途中、マドリードに行ったので、ゲルニカを常設しているソフィア王妃芸術センターに行ってみたいと思いながらも時間と体力的に無理だった。一生に一度のチャンスだったのに、残念だった。
どこまでがフィクションでどこまでが事実なのかわからないけど、本物のゲルニカを見てみたいと思わされる程度には良かった。
投稿元:
レビューを見る
時代がゲルニカを生み出し、時代がゲルニカを必要とした。
ゲルニカが生み出された時代とゲルニカを必要とする時代をゲルニカに関わった人がつなぐ。
「ピカソの戦争」展を観たい。