電子書籍
面白い!
2015/10/14 21:27
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Myogy - この投稿者のレビュー一覧を見る
唯々『スペイン』としか捉えられていなかったが、歴史的な成り立ちや恵まれ過ぎている地政により様々な艱難辛苦を経つつ、人びとの生きた証しがしっかりと残されている様子を感じ取ることが出来た。またヨーロッパにおけるキリスト教の位置づけも垣間見られ、1冊の新書から得られるものとしては大変豊かな読後感を得ることが出来た。
電子書籍
セルバンテスの物語
2022/12/15 08:55
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:福原京だるま - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書はイスラームのイベリア征服から始まるが主な記述はレパントの海戦から無敵艦隊まででドンキホーテの著者セルバンテスに主眼が置かれている。無敵艦隊後は一気に現代まで飛びその間は略されている。
紙の本
スペイン史のエピソード集
2019/08/27 14:59
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:弥生丸 - この投稿者のレビュー一覧を見る
レコンキスタ、レパントの海戦、無敵艦隊敗北、スペイン内戦など、スペインにおける重要な出来事に焦点が当てられている。無敵艦隊敗北からスペイン内戦までの間がほとんどすっ飛んでいるので、スペイン史を詳しく知りたい人にはやや物足りないかもしれない。
著者はミゲル・デリーベスの歴史小説『異端者』の翻訳者である。それだけに、16世紀に発生したバリャドリッドの異端審問事件についてかなり詳細に記述されている。大観衆の怒号の中、粛々と火刑台に向かう『異端者』の主人公の姿が目に浮かぶようだ。
『ドン・キホーテ』の作者セルバンテスについても面白く読んだ。レパントの海戦に加わり戦績を上げるも、後日トルコの捕虜となり、五年もの間辛酸をなめる。仲間の尽力により解放され帰国するも、期待していた出世は無い。ひとに憎まれる収税吏の仕事を引き受け、失意の日々を送る。
スペインの歴史におけるエピソード集として読むと充分に面白い。
投稿元:
レビューを見る
イベリア半島にイスラムが上陸したところから、レコンキスタ、レパントの海戦、「無敵艦隊」の敗北など、いくつかのテーマをタイトル通り、物語調で描いた本。読みやすいけど、読み応えもあった。
投稿元:
レビューを見る
スペインがイスラム世界の支配下にあった時代から国土回復運動を経てトルコをボコり、
世界最強に上り詰めたあと今度はイギリスにボコボコにされて現代へ至るまでの歴史を
印象的な出来事をピックアップして物語風に仕立てた世界史本です。
情報量としては物足りないのですが、凄く読み易くて楽しかったです。
作者のセルバンテスへの溢れる愛が伝わってきます(笑)
サクっとスペインの歴史入門としてはお勧めな一冊です。
投稿元:
レビューを見る
(2006.12.21読了)(2003.05.06購入)
副題「海洋帝国の黄金時代」
「物語 スペインの歴史」と題しているので、スペインの歴史の中で、著者の得意な分野について、興味深いトピックスを述べている。スペインに興味を持ってもらえばいいということでしょう。著者の得意分野は、「ドン・キホーテ」の著者のセルバンテスなので、セルバンテスが多くの場面に登場するというか、セルバンテスの話を中心にして、本が記述されている。
●ローマ支配(6頁)
イベリア半島が、ローマの支配下に入ったのは紀元前3世紀の頃だった。
476年に西ローマ帝国が滅亡する。空白となった統治権をめぐって闘争が生じ、イベリア半島にいる他のゲルマン諸族を抑えて政治権力を握ったのが、ガリシアに定着していた西ゴート族だった。
●モーロ人(54頁)
イスラム教徒のベルベル人やアラブ人を総称してモーロ人と呼ぶ
●スペインの首都(77頁)
スペインの首都はマドリッドではないかと思われるかもしれない。ところがスペインには当初、定まった首都がなかった。かの有名なコロンブスに新大陸進出の援助を約束したイサベル女王とその父君フェルナンドの時代でも、スペインは移動宮廷の形をとっていた。トレド、ブルゴス、レオン、セビーリャ、バリャドリッド等、必要に応じて転々と移動してゆくのである。
●レパントの海戦(「大辞林」より)
1571 年ギリシャ西海岸のレパント(Lepanto)沖で、スペイン・ローマ教皇・ベネチアの連合艦隊がオスマン帝国の海軍を撃破した戦い。
塩野七生さんの「レパントの海戦」を以前に読んだのですが、すっかり忘れていました。この戦いは、スペインが主役で、セルバンテスも兵士として参加していたんです。
この戦いで、セルバンテスは「胸に二発そして左手に一発被弾した。」(148頁)
「レパント海戦後、セルバンテスと弟ロドリーゴは、不幸にしてトルコの海賊に捕えられてアルジェで捕虜生活を送る」
●ポルトガル併合(207頁)
1580年、ポルトガルは正式にスペインに併合された
●フランコの死(279頁)
1975年にフランコは没した。危篤状態に陥りながらも生命の底力を発揮し、昏睡状態が何日も続いた。口の悪い連中からは、地獄の悪魔どもが受け取りを拒否しているので、魂の行き場がなくて死ねないのだと揶揄されたりするうち、11月20日に死亡。
著者 岩根 圀和
1945年 兵庫県生まれ
神戸市立外国語大学文学部イスパニア文学科卒業
同大学院文学研究科イスパニア文学専攻修士課程修了
神奈川大学外国語学部教授
(2007年1月16日・記)
(「BOOK」データベースより)amazon
キリスト教国の雄スペインは、カスティーリャ、アラゴン両王国の婚姻により成立した。八世紀以来イベリア半島を支配したイスラム勢力を逐い、一四九二年、レコンキスタを完了。余勢を駆って海外へ雄飛し、広大な領土を得て「太陽の没することなき帝国」の名をほしいままにする―。国土回復戦争の時代から、オスマン・トルコとの死闘を制して絶頂をきわめ、宿敵イギリスに敗れて斜陽の途をたどるまでを流麗な筆致で描く。
投稿元:
レビューを見る
この本はスペインの海軍などについて書いてある本です。文章は結構やみやすいと思いますので、興味がある人は読んでみてください
投稿元:
レビューを見る
おお・・・これは・・・物語ですね(笑)
いやでもとても読みやすかったし面白かったです。
息抜きついでに歴史の復習もできました。
投稿元:
レビューを見る
ちまちまSubwayの中で読んでてやっと読了。
スペインの歴史を通して、いくつかの有名な事件の物語が読める。
面白かった^^
ETAの問題の現在が気になる。
2010.1.5
投稿元:
レビューを見る
スペイン旅行の予習ということで読破。歴史を勉強する感覚で、時系列で流れを追っていくかと思ったが、歴史上の重要なポイントを物語的に詳述するという色合いの方が強かった(というか、はっきりタイトルに「物語」と書いてましたね…)。いい意味では物語なので、楽しく読める。レバント海戦、セルバンテスの波乱万丈の人生についてはかなり詳しくなった気がする。悪い意味では、記述に濃淡があるので、スペインの歴史全体を俯瞰するという目的にはそぐわないかもしれない。ある程度、世界史の知識を持った人でスペイン史をもっと知りたいという人にはちょうどいいかもしれない。
投稿元:
レビューを見る
おもしろかった!だけどアプスブルゴ終わったあとほぼボルボーンすっぽかしていきなり近代に入ったのには辟易しました。
副題が『海洋王国の黄金時代』だから仕方ないんだろうけど( ̄ω ̄;)
投稿元:
レビューを見る
レパントとアルマダの2大海戦を中心としつつ、ムスリムのジブラルタル上陸からETAによるテロまでのスペイン史を物語的に描いた歴史本。
レパントの海戦が1571年、アルマダの海戦が1588年、その間が黄金時代だとすると(一般的にはもうちょっと広く言われるが・・・)、あまりにも短く、そして華々しい歴史だったと思わざるを得ない。
結果として主に中米以南に大きな影響力を残し、ハプスブルグの栄光に預かりながらも大きな汚名を着せられることにもなった、世界でも指折りの数奇な歴史であることは間違いない。
後書きにあるように、元より網羅性を追求したスペイン史ではないが、その歴史が持つ魅力は十分伝えられているのではないかと思う。完成度というか、歴史本としてきっちり完結していて、読みやすさもあり、なかなかオススメできる本だと思った。
投稿元:
レビューを見る
史実から逸脱しすぎない程度に物語化されたスペイン黄金時代の本。しっかりとした歴史を求めるには足らない部分もあるが、把握さえできれば、という場合にはオススメ。言葉選びもよく、読みやすいと感じた。
投稿元:
レビューを見る
ウィーン旅行でハプスブルク家に関心を持ち、中野京子の「名画で読み解く」でスペインもハプスブルクと知り、さらにゴヤとスペイン宮廷に興味が湧き、本書に至る。連鎖読書でヨーロッパ遍歴中。
でもこの本、ゴヤの時代は華麗にすっ飛ばしてありました。イスラムの時代から始まり、無敵艦隊が破れた次のページはスペイン内戦。従って全体史を知るにはまったく不向き。でもスペイン通の著者が「物語あり!」と感じた時期を厳選して面白く描いているわけで、楽しい読み物になっている。
読み始めてすぐロマンチックな文章から文学者と知れる著者の筆が、セルバンテスが登場すると滑りに滑るのが微笑ましい。ドン・キホーテは私にとって、笑って読めた最初の岩波文庫で、好きだが、当のセルバンテスの人生が小説顔負けなのには驚いた。(特にアルジェ時代)。その他、フランコ時代が1975年までと意外に最近だったり、無敵艦隊が他称に過ぎず、無敵とは程遠かった実情、バスク問題の思いの外深刻なこと、いろいろと発見があった。ガレー船の戦法の説明も面白かった。鼻で刺して乗り移り、白兵戦とは。。
ゴヤ、それからガウディ、ピカソ、ダリら芸術家には別の本であたることにしよう。それから、ドン・キホーテを読み返そう。
投稿元:
レビューを見る
キリスト教国の雄スペインは、カスティーリャ、アラゴン両王国の婚姻により成立した。八世紀以来イベリア半島を支配したイスラム勢力を逐い、一四九二年、レコンキスタを完了。余勢を駆って海外へ雄飛し、広大な領土を得て「太陽の没することなき帝国」の名をほしいままにする―。国土回復戦争の時代から、オスマン・トルコとの死闘を制して絶頂をきわめ、宿敵イギリスに敗れて斜陽の途をたどるまでを流麗な筆致で描く。