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2019/05/24:読了
賃上げと生産性向上。
女性の活用と、中小企業は生産性が低いので大企業化。
外国人の日本観光は、生産性向上の成功例。
これを他の産業でも実施
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ジム・ロジャースの近著で彼は、少子高齢化で人口が減少し、膨大な借金を抱える国は将来衰退を免れない、と書いている。即ち、失敗策である今のアベノミクスを続けると、50年先には日本は滅びてしまうと警鐘を鳴らしているのだ。残念ながら、本の中で彼はその根拠を詳細には述べていない。この『日本人の勝算』は、30年以上日本に住むイギリス人が内外の数多の論文を分析して得た結論をまとめたもので、これが正にジム・ロジャースの記述の見事な論拠を示し、更にはその対応策まで提示している。この本を読んでつくづく思うのは、日本の官僚の劣化である。外国人がこれ程までの分析をし、将来への有効な手立てを立案しているのに、当事者たる官僚は何をしているのか? 現状分析をせずに、全てのツケを次世代に押し付け、近未来に予想される災禍を見て見ぬ振りをするばかりではないか!
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著者のデービッド・アトキンソン氏は、元ゴールドマンサックスの金融調査室長。日本への造詣深く、現在は日本の小西美術工藝社の社長。
感想。
たいへん参考になりました。
備忘録。
・2%のインフレ目標設定や、大規模な金融緩和が行われたが、物価上昇率は目標に届かず。
・人口増減は物価に影響。主なメカニズムは、人口増→不動産価格増(物理的な制限があり不動産戸数はすぐに増えないので)→物価増。反対に、人口減→不動産価格減(人口減でも不動産戸数はすぐに減らない)→物価減。
・量的緩和のロジックは、通貨量増→物価増→総生産増→景気回復。しかしこれが効果的なのは人口増基調で、金さえ増えれば需要も増える、というのが前提。
・マッキンゼーの分析が興味深い。過去50年の経済成長率は3.6%だったが、その内訳は人口増加要因が1.8%、生産性向上要因が1.8%で半々だと。
・著者の分析によれば、
米国:成長率2.38%=人口増0.98%+生産性1.40%、
EU:成長率1.64%=人口増0.26%+生産性1.38%、
日本:成長率0.88%=人口増0.11%+生産性0.77%。
→米国が欧州を抜いた主因は人口増。
日本の経済成長も、戦後の人口増の効果大。今後人口減まっしぐらの日本は大丈夫か?
・生産性を図る指標として、労働者一人当たりのGDPを採用している。2016年のデータで米国が世界9位、日本はイタリアやスペインにも劣る29位。
・著者は、日本の生産性の低さの一因に、中小企業の多さを挙げている。様々な研究で企業規模と生産性の間の強い相関関係が確認されているらしい。尚、日本の20人未満企業で働く労働者の割合が20%で、米国は11%、ドイツは13%。
・日本人は中小企業好きだが、著者は、企業規模を大きくすることのメリットを理解して欲しいとのこと。例えば、女性労働者の増加・活躍は、国全体のGDPを挙げる上で有効だが、女性が長く多く活躍できるためには、ある程度の企業希望は必要だろう(時短勤務や急な欠勤に対応するのにとか)。生産性を追求すると、企業規模が必要になってくるとの主張。
・また、人口減→国内需要減&労働力減→企業数減の流れは必然。それに対して無理に企業数を維持(=供給維持)すると、価格競争が絶えず、コスト抑制のために人件費が削られ、更に国内需要減へと。。
・著者の提言する処方箋は、強制的に最低賃金を上げること。企業経営者に人件費増でもやっていく方法を考えさせる。最低賃金を上げると、企業の行く末は生産性向上or価格転嫁or利益減少にいずれかしかなく、結果、技術革新等で生産性を上げた企業が成功し、更に雇用を増やし、企業規模を大きくする。
・先行例として、成功したイギリス、失敗した韓国。韓国の失敗は最低賃金の上げ幅が大きすぎかつ急ピッチだと著者は分析。
・ビックマック指数。日本は1つ3.5ドル。米国5.28、ドイツ4.80ドル、韓国4.16、中国3.25ドル。材料費はそんなに差がないはず、寧ろ地代は日本が高い筈、でも易いのは人件費が相対的にみて削られているのでは。
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デービッド・アトキンソンの3冊目。過去2冊は五つ星をつけ、そろそろ飽きるかと思っていたが、ギリギリ五つ星。人口減少の問題は十分わかったが、対策論については弱いなぁと思い出してきたところ、対策を生産性向上にしぼり、最低賃金アップにほぼ絞って論じた点が目新しい。もとは最低賃金アップには懐疑的であったが、本書の論拠をよんで、テストケースとしてありだと思い始めたくらいインパクトはある。さて、いっぽうの人口維持にすいてはどうすれば?そこは示されていなかった。高齢化社会では、放置していても絶対に人口増加インセンティブは働かない。高齢者資産に課税し、子供一人あたりに対してのベーシックインカムを出すべき、というのが個人的な意見。うちは子供いないけれど。
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最低賃金を上げていけば労働生産性が上がり、人口減少の中でもGDPの水準が維持でき、年金などの少子高齢化にまつわる問題が解決できるという、単純化すると一見乱暴な説にも思えるが、欧州諸国のデータを踏まえて議論されるとその手もあるのかなとも思える。
何しろ他に一発逆転の打開策があるわけではないのだ。
著者が説いた観光振興策は顕著な効果を上げているのだから、説得力はある。
国際比較で人材の質はトップクラス、労働生産性(賃金)は下位というデータ、経営の質が低く、経営者が楽をし過ぎという著者の指摘は実感として理解できる。
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デービッド・アトキンソンさんの本は”新・観光立国論”、”新・所得倍増論”に続き3冊目ですが、データを多用した客観的且つ科学的な日本経済分析は秀逸です。高齢化及び人口減少は予測出来る未来ですので政府や企業は”生産性向上”に向け今からしっかりと対策を立てないといけないですね。著者の主張する”最低賃金の引上げ”については時給100円アップとかではなく一気に1,000円位アップしてみたらどうなんですかね~。
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デービッド・アトキンソンさんの本。
「マル激 トーク・オン・デマンド」といういつも観てるインターネットニュースで本人の話を聞いて、すごく面白かったので手に取った本。
いやー、目から鱗が落ちまくりでした。
マル激の中でも、「実は日本の高度経済成長は人口が増えただけだった」という衝撃の事実を聞いたのもビックリだったけど、この「最低賃金が上がっていないことが日本の低成長の原因」という話も新鮮だった。
何より、最近経済の本を複数読んでて、財政再建派の人やリフレ派の人の話がどうにも納得できなかったのが、この本読んですごく腑に落ちた。
(つまり、この本は「経済」の本)
財政再建派に比べると、まだリフレ派の話の方が納得できるとは言え、どうにも不信感がぬぐえなかったのだけど、その理由もはっきりした。要するに、借金(国債)を返せるかどうかの話ではなく、リフレ派の話は、今後も人口が増加し続け、かつ世界の中でもかなり特殊な国「アメリカ」を想定した話でしかない、ってことが違和感の正体だったわけだ。だからこそ、物価が上がった現在も賃金が上がらずデフレを脱出できていない。日本は人口が減り続けてるので。
(しかし、本当に日本の知識人ってアメリカしか見てないんだな。。)
この本を読めば、これからの(バブル後の)日本はアメリカを手本にしても意味がないことがはっきりわかる。なぜなら、日本はこれから少子化と高齢化のダブルパンチを食らうからである。アメリカとは全然状況が違う。
ただ、リフレ派の人たちが言ってることや、この本で語られてる問題の本質は同じように思う。
「経営者」だ。
もっと言うと「無能な経営者」だ。
バブル崩壊以降、ひたすら賃金カットだけを行い、政府から優遇(甘やか)され続けた経営者が、この低成長の一番の原因である。
この本の提言では、まず強制的な最低賃金UPにより経営者に生産性向上の圧力をかけて、さらに、成人の「再教育(スキルアップ)」が重要と説く。特に経営者の「意識改革」が重要。バブル期の成功体験がいまだに忘れられない世代が日本のガンだと常々思ってたけど、この本読んでさらにその思いを強くした。
そう考えると、現状の政策は色々おかしい。
外国人労働者の受け入れ拡大は、労働賃金のさらなる低下を招くだけだし、働き方改革や女性活躍も、「社会政策」の意味合いが強くて、「経済政策」という位置づけではない。これは、この本でも語られているように、「最低賃金」は経済産業省ではなく厚生労働省の管轄、というのも、確かに大きな要因だと思える。
個々の政策がチグハグで何というか方向性がない。
これからの問題に対処するために「経済成長をしよう」という方向性がまず重要。
そのための賃金UPであり、生産性向上であり、それが、年金・医療・社会保障費や借金の問題改善にもつながる。
今の政策では、今まで同様、経営者を甘やかすだけである。
次の選挙では、この争点で政策を訴える候補者に投票しようと思う。
(・・いないかも��れないが。。。)
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人口減少が経済に大きく影響を及ぼす
コントロールしにくい内需ではなく、輸出を伸ばす(人口あたりで見ると決して輸出は多くない)
中小企業は統合する
最低賃金を上げる
人員評価が高いのに一人当たりGDPが低いのは、組織の非効率化がある(中小が多い)
日本の最低賃金が低いのは、同調主義があると考える。幸福の総量が増えるよりも、格差を気にする。言い換えると、自分以外が得をするならば、みんなで損をしたほうがいいという考えがありそう。
もう一点。技術や人材が有数でも、総体としての価値創出能力が低いということはビジネスマネジメントに問題があると思う。そこは教育とカルチャーやマインドの変更ですね。
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経済成長は人口増加要因と生産性要因がある
M &A、最低賃金の段階的引き上げ、最低賃金に影響される人は消費に反映されやすい
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「世界一訪れたい日本のつくりかた」と比べてしまうと、インパクトは少ないが、それでも今の日本においてとても大きな問題に対する警鐘と提議である。
しかしながら、日本の政治家・経営者にとっては非常に頭の痛いもので、たとえ彼等がこの本を手に取ったとしても残念ながら結局何も変わる事がないだろう。
30年日本に住み日本を愛する著者の切実なる訴えである事がよく分かるのだが、ちょっとくどいかなぁ〜。きちんとした論拠を示したいという事が裏目に出てしまっている気がする。多分編集方針にもよるのだろうけれど、アトキンソン氏に学術書的内容を期待する読者は少ないだろう。彼に望むのは彼の「視点」なのだから。もっと身近な例を挙げた説明の方がかえって訴えるチカラが増していたのではないか思ったりもする。
それにしても日本の将来はどうなってしまうんだろうか…そして自分が出来る事は何なのか?
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人口減少 デフレリスク
人口減少下には量的緩和は効かない
必要なのは継続的賃上げ
イギリス最低賃金を上げた 1999 3ポンド 2018 7.83ポンド
人材の評価は世界4位、生産性は28位 日本の労働者は世界一搾取されている
日本のビックマックはタイより安く、途上国並みのやすさ
最低賃金が安いから
最低賃金を上げるならトレーニングが不可欠
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日本のデフレが続く主な原因は、金融政策の失敗ではなく、人口減少と高齢化だ。人口が増えていくフェーズでは、これから大人になっていく人がたくさんいてモノやサービスの需要はたくさんあるのに、それをつくる大人が少ない。だからインフレになる。だけど日本は他の先進国を凌ぐ勢いで人口減少と高齢化が進んでいる。供給はたくさんできるのに需要がないのだ。だからデフレが続いてるというわけ。日本銀行を否定しているわけじゃない。
じゃあどうすればいいか?最低賃金を徐々に上げていけばいい、というのが筆者の主張だ。
経済成長するためには、生産年齢人口が増えるか、生産性が増える必要があるが、前者ができないなら後者を選択するしかない。つまり、企業は生産性を上げる努力をしなければならない。その努力をさせるのが最低賃金の上昇だ。生産性の低くて、低い給料しか払えない会社は人を雇えなくなるので、たとえば近くの企業と合併して事業を効率化する。(企業規模と企業利益には正の相関がある)こうすることで、企業は利益を生んでいくし、個人は高い給料ををもらえるので消費を増やしていくのだ。データで見ても、最低賃金と生産性のあいだには正の相関がある。
筆者の主張はおもしろいが、うまくいくかは個人的には疑問だ。最低賃金と生産性のあいだに正の相関があるといっても、生産性が高い国は最低賃金を上げられる(から上げている)だけという可能性が高いし、市場を介さずに最適な最低賃金を政府が決定するというのは、想像以上に難しい。
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人口減少や少子高齢化にともなう経済問題について、どう解決していけばいいかを海外の研究などを参考に書いた本。
その中でも特に有効だと思われるのが最低賃金の引上げで、イギリスでは効果がでているらしい。最低賃金を引き上げると失業者が増えるという意見もあるらしいけど、中には、最低賃金を引き上げたことによって労働意欲が増し、労働者が増えるという時もあったのだとか(失業率が増えるということはほぼない)。ただし、一気に高く引き上げると問題があるようで、韓国では失業率がさがってしまったらしい。
それにしても、日本の人口の減り方は相変わらずすごい、というよりひどいなとつくづく思う。ベビーブームなんてものが二回あったうえに、団塊ジュニアが就職氷河期世代と重なってしまったのが一番の原因だとは思うけど、そもそもなぜベビーブームなんてものがあったのだろう。それがなければ、こんなひどい減り方になることもなかったのだろうし。いやでも、それがなければ経済成長もできなかったのかもしれないのか。その二つの世代がいなくなれば、減り方は穏やかになるだろうけど、それまで日本が存続しているかどうか…。
途中、年代とインフレ・デフレ要因の関連について、子どもが増えるのはインフレ要因、生産年齢人口(15~64歳)が増えるのはデフレ要因、高齢化はインフレ要因、超高齢化はきわめて大きなデフレ要因と書いてあったのだけど、生産年齢人口が増えるのがデフレ要因というのがよく分からなかった。物が安いほうがいいからか? 給料をもらってる世代なのだから、インフレでもいいような気がするのだけど。ちなみに、日本は超高齢化社会なので、きわめて大きなデフレ要因だとのこと。安倍政権が異次元緩和を行っても2%のインフレ目標に届かなかったのは、日本の人口動態が原因とのこと。確かにそれはありえそうだなと思った。
人口が減っているのに、通貨の量を増やすだけで2%のインフレ目標を実現するのはかなり難しいのだなと思った。そもそも、人口が減ってる分、需要が減ってるそうだし。
ところどころでてくる、日本の人材評価ランキングは世界4位という記述があったのだけど、これはどういう指標をもとにしたランキングなのかいまいちよく分からなかった。第4位(先進国の中では最高順位)なのに、生産性が28位だから、日本は社員の能力を生かし切れていないということなのだけど、そもそも何をもって4位になったのかと。
なお、この本でいいたいことは最低賃金の引き上げだと思うのだけど、イギリスでは最低賃金は地域別に違わないらしい。日本は都道府県によって最低賃金が異なるので、東京に一極集中するのもそれが原因だろうとのこと。確かに、それはありえそうだなと思った。何で分けてるのだろう。地域活性化にはふるさと納税より、最低賃金の統一のほうがいいような気がしてきた。
ちょっとビックリしたのが、著者が「日本は最低賃金を上げるべきだ」と主張をすると、「日本人の給料が低いのは美徳です」なんて反論してくる人がいるということ。マジでそんな反論してくる人がいるのかとビックリした。何で賃金が低いことが美徳になるのか意味が分からない。
後、日本は子どもの教育はしっかりしているけど、経営者の教育が十分なされてるとはいえないとのこと。確かに、そういわれてみると社会にでたら教育を受ける機会ってそうそうないから、大学を卒業して数十年たっている経営者からすると、知識は教育を受けた数十年前で止まってしまっている可能性もあるわけだしね。確かに、このへんちゃんと教育していったほうがいいのかも。
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人口増加を前提としてシステムから人口減少を前提としてシステムへの移行。
ポイントは社会人教育、最低賃金の増加、輸出力の強化、による生産性向上。
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生産性28位(2017年)。1990年は10位だった。
質は高いが価格が安い。
いいものをより安く。低所得。
GDP3位は人口の多さのため。
人口の割にはGDPは低い。
価値の競争へ、ベストなものを作る
輸出拡大
中間財の輸入
観光産業の成功
企業規模を拡大
企業の統合
最低賃金引上げによる生産性向上
今まで仕事をしてなかった層が刺激を受け、労働市場に参加。
日本の人材評価は世界4位(WEF)。潜在能力が高い。
アントレプレナリズム 起業家精神
あたらしい発想で経営資源(人材、技術、資本)を組みなおし、再構築。
その機敏性は先進国中最下位。
技術革新の普及率が低い。
経営者教育。
成人の再教育制度。