紙の本
「一日一善」CMを子供心に、なんだろう?と見ていた
2013/05/09 13:14
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ひとみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
まさにその世代なので、工藤さんの言うマスコミの偏向報道によって“裏の人”という印象でしたが、大人になるにつれ“本物”だと賞賛する声も聞くようになり、出版された当時から読みたい本の1つでした。東日本大震災での日本財団の素早く手厚い対応を知り、もやもやとしていたところ、今回文庫化されたのでとびつきました。読み終えて、私が知るたった1つの財団の対応が真義であることを裏打ちされた気がしています。
誰に何を言われてもまっすぐ歩いて行く姿はあっぱれです。幼い頃から財力に恵まれていたからこそ、目覚めた本能とも言えると思うのは妬みでしょうか…
紙の本
工藤美代子の代表作
2022/02/27 19:58
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投稿者:東京のSS - この投稿者のレビュー一覧を見る
今、この時代によくぞ笹川良一さんの本を出したもんです。笹川さんの本は男の本としてたくさん読みました。この本は女性目線で書かれており新鮮でした。笹川さんの豪快さよりも繊細な面が垣間見れる本ですね。
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日本のフィクサーといわれた男。笹川良一の伝記です。川端康成をして『この男の事は私には書けない』と言わしめただけあって、一概に『悪』とはいいがたい人間像が浮かびあがってきます。
日本のフィクサーと呼ばれた男、笹川良一。ノーベル文学賞を受賞した作家の川端康成をして『この男のことは私にはかけない』と言わしめた男。そんな男の伝記です。僕は以前、彼が巣鴨プリズンに収監されていたときに書き残していた手記をまとめた『巣鴨日記』を読んで以来、彼の人生に興味を持っていました。
この本を一読してわかったことはこの人はひとつの枠にはくくりきれないです。良気につけ悪しきにつけ、それだけのスケールを持ったまさに『怪物』です。相場師。右翼団体のトップ。競艇会のドン。そして、多額の慈善活動と、夜は夜で女性と流した浮名は数知れず…。そして、数百億あるといわれた彼の財産は、彼の死後、生前に国事に奔走してなくなったばかりか、莫大な借金があったそうです。
で、僕は彼が戦犯として巣鴨に収監されたときに『上半身は人格者、下半身のことは問わないでくれ』ということを尋問の際に米兵に行ったそうですが、ここで思わず僕は尋問している米兵同様、読んでいて爆笑してしまいました。でも、こういう人は昭和の時代でいなくなって、現在では決して出でこないだろうなぁなどと、そんなことも思ってしまいました。
そして『英雄、色好む』の故事どおり彼も数々の女性と関係があり、生涯を通して現役で東京と大阪にそれぞれ『妻』がいて、彼女たちの間を往復したんですとさ。ここのくだりは、男として尊敬の念すら感じました。総じて感じたことは、僕はこの男のことを何も知らなかった。ということ。単純な『悪』とは彼の存在をくくれないな、ということ。矛盾に満ちた人間ながらその是非を問わず、自分の信念を貫いたのだ。そういうことだけは、おぼろげながらわかってきました。
学校の教科書の歴史には絶対出てくる人間じゃありませんが、彼の生きた証は、確実にいまも息づいているのだ。そんなことを感じます。
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一人の男の生き方として、興味深いモデルを記述している。公的には、無私の精神で奉仕する。一方で、私生活では女性にだらしなく、家庭を顧みない。
p.23
「「学問のある者は学問をもって世の中に奉仕する、多少でも金のある者は金で奉仕する、それが私の主義だから」」
p.35
「学校で勉強するより、世の中に出て、いろんな生きた勉強をするほうが、ずっとおもしろいわ」
p.50
「知恵と力は精を出すほど出てくるもんや。金は生かして使わなあかん。しんだら一銭も持っていけへん。」
pp.54-5
「笹川良一は、金儲けが目的で金儲けを始めたのではなかった。金儲けはあくまでも手段であり、ツールだった。」
p.98
「人を頼るものではない、という教訓を笹川は身に沁みて学んだ。」
p.164
「戦後初になる第二十二回総選挙(昭和二十一年四月十日)で勝利した鳩山一郎の日本自由党を支えた資金源は、[...]上海から児玉誉士夫が持ち帰った海軍の隠し財産だった。」
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なんとなくの、イメージしかない笹川良一の本。
子供の頃みたCMといつの間にか持っていた昭和の黒幕というイメージしか持っていなかったので本屋で見かけて思わず購入しました。
読んだ感想としては混沌とし、思想や文化、社会システムが大きく変わる時に必要な人で信念がブレなかったんだなと。
要約は巻末の解説の方が素晴らしくわかりやすく纏めてくれていました。
この解説を読むだけで本編を読んだ気になれそうな素晴らしい解説でした。
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人間笹川良一を簡単に知るには良い本かと思います。
三男の回想が随所に登場するのは、多少のヨイショが感じられます…
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日本船舶振興会(現・日本財団)の礎を築いた笹川良一の伝記。
この人がバリバリ活躍していた頃のことを知らない(本人出演のCMもうっすら覚えているくらい)が、なんとなく「金で日本を牛耳った」というイメージだけは刷り込まれている。ギャンブル(競艇)の元締めというところから来ているのか・・・?
著者は、亡くなってなお「悪の親玉」といったネガティブなイメージがつきまとう笹川氏について、私生活や海外での活動なども見た上で再評価しなおそうとしている。
それにしても、溢れるパワーに関心(特に女性関係)。
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まず自分では手を取らなかっただろう本でしたが、読み始めると興味が深まり一気に読了。戦前、戦後の活躍ぶりは目を見張るものがある。あまりにも事前イメージが定着していたので、ノンフィクションとは言えにわかには信じがたいが、真実ならば本当に英雄だ。一日一善、人類みな兄弟。良い言葉であることには変わりない。
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枝葉末節では同意できない部分もあるが笹川氏が戦後日本最大の社会事業家の1人であったことを疑うことはできない。
「バクチの金で」云々という批判は社会的/肉体的不遇をかこつ人々の苦悩を救えない。
溺れてる人を目の前にして水難防止策を協議するよりも一つの浮き輪を投げた方が余程役に立つのである。(尤も水難防止策を議論してはいけないということではない)
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日本のフィクサー笹川良一の伝記。
競艇会のドンで、女たらし。数々の女性と関係を持ち、東京と大阪にそれぞれ『妻』がいるという羨ましい男w。すごい男ではあるが尊敬はできない。
以下、気になった言葉。
「金は生かして使わなあかん。しんだら一銭も持っていけへん。」
「笹川良一は、金儲けが目的で金儲けを始めたのではなかった。金儲けはあくまでも手段であり、ツールだった。」
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「戸締り用心 火の用心」「一日一善」「人類みな兄弟」。子供の頃に
テレビCMで見掛けた人は、年齢の割には目の力が強くて少々
怖かった。
それが笹川良一という人であり、右翼のドンとも呼ばれた人物だと
知ったのは後年である。
戦前は右翼団体を率い、戦後は自ら望んで巣鴨拘置所へ収監され、
出獄後は戦犯とその家族の救済に奔走し、社会福祉事業にも尽力
した人。
一体、どんな人なのか。メディアが彼への批判をタブー視したのは
何故か。いろんなことが知りたかったのだけれど、本書はまったく
参考にならない。
これは評伝と呼んでいけない作品だ。著者は余程、笹川良一を
持ち上げたいようで客観性は皆無。笹川の活動の資金源さえ
「株や先物取引でもうけた」という記述だけで済ませている。
中国関係の人脈についてもほぼ触れていない。詳細に綴られて
いるのは女性関係だけだ。読む方が飽きるほどに、付き合いを
深めた女性たちへの手紙を載せる必要なんかないぞ。
確かに高齢になっても女性関係はおさかんなようだが、そんな
ことはどうでもいいのだ。昭和の黒幕と言われた笹川の、私生活
ではない部分が知りたいのだ。
もう呆れちゃうね。言うに事欠いて、スーパーの経営で儲けた
金と、モーターボート・レースで儲けた金に違いはないと書いて
しまうのだから。
これは社員にサービス残業させて収益を上げても、税金を払って
いれば問題ないと言ったブラック企業の経営者と一緒だ。
なんて見事な提灯本だろう。同じ著者が近衛文麿を描いた
『われ巣鴨に出頭せず』も推測が多くて引っかかりながら読んだが、
それ以上に悪い方へ進化しちゃってるよ。
もう評伝からは手を引いた方がいいんじゃないか。
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単行本が出た時に気になっていたので、100円の文庫で購入。結論としては、単行本で買わなくて良かったという印象。
私の世代にとっては、火の用心、一日一善のおじいちゃんだが、本書で書かれていることもそれを越えるようなことはなかった。スキャンダラスなことを期待していたが、そういうことはほとんどなく、ミステリアスな面も感じられなかった。
(108)
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評伝としては、もう少し突っ込んだ感じのものを期待していたが、ちょっとふわっとした感じにとどまるものであった。
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あまり面白くない自伝。
笹川良一は小物の悪党であり、いくら美化したり擁護してもただ単に国家財産を横領して蓄財しただけの小悪党でしかないと気づいた。
信念があるわけでも、何かを成し遂げたわけでもない。
内容としては、笹川良一を美化しているところはあるものの、比較的よく書けてるのではないでしょうか。
興味がある方は動画を見れば大したことない人物である事がわかるでしょう。
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箕面の滝道の入り口に笹川が母親を背をって道を歩く像がある。箕面市にゆかりがあるのだろうと思い手に取った。以前から巣鴨プリズン、児玉誉士夫、日本船舶振興会・・部分的には聞こえてたきた。この人物は何を残してきたのか、、最後までわからなかった。