紙の本
いろいろ学べました
2019/10/25 11:08
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投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
読み終わったとき、いろいろ学べたと実感できた1冊でした。
日本の教育方法と比較しながら、フィンランドの教育方法を紹介しています。
日本の教育現場に関わる方々に、ぜひとも読んでいただきたいです。一気に読み切れる文章量です。
紙の本
教育限定ではなく,フィンランド人の価値観もわかる
2020/08/02 23:40
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:山猫 - この投稿者のレビュー一覧を見る
北欧フィンランドは,ノキアやムーミンで有名であるが,教育制度の充実でも注目されている.何故なのかを,教育制度だけではなく,フィンランド人の価値観や生活に対象を広げて書かれた本である.著者は,実際に子どもをフィンランドと日本の学校に通わせた母親である.
フィンランド人の義務や権利に関する考え方まで理解するのに良い本である.
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フィンランドと日本で子育てされ、フィンランドの教育の魅力について述べられていて、子供はフィンランドで生活されている。PTAなどの組織についても言及されているが、そこまで目新しい視点があるわけではなく、日本で子育てしている親が、日本教育に足りない視点を持つのに、ある程度有益かなぁ。
P7 フィンランドの教育の目指すもの
子供一人一人が自分を発展させて、
自分らしく成長していくこと
知識を習得したり、学力を高めたり
偏差値をあげたりすることではない。
いかに学ぶかを学ぶこと、創造的、批判的思考を身につけ
自分自身の考えを持つこと。アクティブで良識ある
市民として成長すること。
P9 関連する事柄の基礎知識
・ウェルビーイングという概念
P82 人間関係のスキルの一端とするいじめ予防の取り組み
・キヴァ・コウル(Kiva Koulu)
P85 いじめに関して、大人が言ってはいけない言葉
・私も学校でいじめられたけれど、
大きくなって、特に悪い影響はなかった
・自分を守らなくちゃね
・いじめは精神や人格を鍛え、
困難な状況でも生きていけるようにする。
・あれはいじめではなくて遊びやからかい、
単にふざけているだけだ。
深刻にうけとめなくていい。
P91 いじめ
・いじめる子といじめられる子という固定した
役割ではなく、集団の中で生まれる役割。
いじめは、相互の関わり合いのスキルの問題であり
遊びの中で学ぶことができる。
すべての子供が、自分は大切で価値がある存在
だと感じ、自己肯定感を持つことが大事。
P189 日本の学校に必要なのは弁護士。
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フィンランドでの生活経験のある筆者が、様々な視点から教育について解説してくれています。ただ、サムネイル画像の帯にあるような文句とは、中身、というよりは論点が違う感じを受けました。
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子どもの権利、人権について、具体的に考えたことがなかった。権利は具体的に記述、共有されることで、効力が出てくると感じた。具体的な権利に応じ義務も具体的になる。自分の権利を認識することで、自己肯定でき、他社権利の重要性も理解できる。
道徳とは漠然としたものではあるが、日本の道徳教育のアプローチより、フィンランドのアプローチの方が具体的で、論理的で、効果もあるように思えた。
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思想が違いすぎて、異世界のルポのように感じた。こんな教育を受けて生きている人に日本はどんな風に映るんでしょう。。
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タイトルの答えは書かれていないと思う。形だけ真似したり、取り入れたりしても、どこまで実効性があるのか。
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フィンランドの学力の高さの一方で、「ないないづくし」の制度には驚き。ないものは次のようなこと。入学式、運動会、学力テスト、受験、学校に行く義務、大学生と社会人の明確な区分、大学のキャンパス…。同国の教育が目指すものは「子供一人ひとりが自分を発展させ、自分らしく成長していくこと。知識習得、学力を高めることではなく、いかに学ぶかを学ぶこと、創造的、批判的思考を身につけ、自分自身の考えを持つこと、アクティブで良識ある市民として成長していくことだそうだ。これが民主主義を進める基本になるとの教育庁の方針。日本ではきっとこのようなことは政府が望まないように思う!
そして日本が今回導入した無償化を既に実現している。これは日本が参考にして導入したとしか思えないような類似性を感じた。保育を生涯教育の始まりと考えていることも先進的だと思う。
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①ウェルビーイング
心地よい。
これ、高校3年生の時の副担の先生がいっていて、
印象に残っている。
確か、定年の最後の年だったのだろう。
卒業式の後、全員で撮った写真を封筒に入れて、
送ってくれた。
全員に。すごいよね。
②親はもっと楽をしてよい。
今は親に余裕がないから、子どもへのあたりも
強くなっている気がする。
親にもっと余裕があれば、子どもにも余裕をもって
接することができる。
出産は手ぶらでいい、病院に用意されている。
保育園の荷物には名前を書かなくてもいい。
書きたきゃ書けばいい。
ベビーシッターに預けてご飯を食べに行ってもいい。
そういう子育てに寛容な社会になればいいのに。
親にも自由がなきゃ、ねえ。
自分の子育ては苦しかったな。
がんばったけど。
③法律違反をしていないか、という見方。
日本はルールが多い。なのに治外法権。
まったく同感。
ルールが多いと、考えなくなる気がする。
なんでだめなのかを考えないといけない。
④高校で普通高校と職業学校を選ぶ。
これ、本当に大事だと思う。
勉強に向いていない人は確かにいると思っている。
自分の努力のせいではない。
そういう人がずっとこの普通高校にいかないと
いけないようなシステムに組み込まれていると
もったいない。
毎日がつまらないから。
ある程度までいったら選んでしまったほうがいい。
それと同時にやりなおしができるように。
だから余裕が必要なんだ、やっぱり。
すべて日本よりフィンランドのほうが優れている
といいたいわけじゃないけど、
日本のよさを生かして
でももっと余裕をもたせたシステムが確立されたら
いいのに、と思った。
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息子の子育てで日本とフィンランド、2つの国の教育を体験した著者による、世界一と称されるフィンランドの教育のあり方と日本の教育の違いを考察した新書。表層的な方法論ではなく、親目線から見つめ体感したフィンランドの教育理念を紐解いていく。
タイトルの答えは出ないが、フィンランドと日本の教育の違いを知りたかった私としては満足の1冊。
フィンランドの教育から学ぼうとすると、時間割や授業のやり方、テスト問題等、表層的な方法論に着目して真似ようとしてしまいがち。しかしそもそも、国が違えば教育の根本が違うことを念頭に置かないと絵空事に終わってしまう。
本書はフィンランドと日本の2国の教育を体験した著者だからこそ見えた違いを、根本から教えてくれる。
とても参考になったのは、「権利と義務」の教育。フィンランドの子どもたちは学習する義務を負うが、自分にあった学習を選ぶ権利も同時に持つ。国や親はそれを支援する義務を負う。権利と義務は表裏一体であるという理念。子どもたちには思考する中でそのことを浸透させ、最終的には権利と義務の在り方を自覚してより良い生き方を模索する人間の成長を目指す。
一方日本は、親と国が子どもに教育を受けさせる義務を負い、子どもたちは学習をする義務と同時に、生活のリズムや学習内容、服装や髪の色まで学校の規則に従う義務を負う。日本の学校はしばしば学習よりも従順であることを重視する。国が求める理想の国民、疑問を感じながらも深く考えず、義務を果たすことを最善、最良であるとする人間の生産を目指す。(今の日本の教育、学校現場の在り方は、そう捉えられても仕方がない部分が多々ある。)
現役教師として痛切に感じているのは、日本の学生たちの学習意欲のなさである。いくら授業を工夫して生徒の活動的な学習に成功しても、授業外で学校の成績を度外視した能動的な学習は皆無に近い。なぜこれほどまでに日本の学生は学ぼうとしないのか、ずっと考えてきたが本書を読んでやっと腑に落ちた。
日本の学生たちは「義務しか負わされていない」のだ。義務さえ果たせば職につけ終身雇用が約束された時代は遥か昔。守っても何の保証もない、押し付けられるだけの義務の中で、能動的な学習意欲を持てと言われても無理な話だ。昨今の教育界でトレンドであるアクティブ・ラーニングも結局は「活動的な授業」でしかなく、日常的な「主体的な学習」とは程遠い。フィンランドの「権利と義務」の考え方を取り入れなければ、日本の教育に未来はないように思う。
日本の子どもたちに本当に必要なのは、押し付けられた義務の苦しさを楽しさで誤魔化すことではなく、自分たちに与えられている権利を自覚し、楽しく学べる方法と分野を自分たちで選び取っていくこと、そしてそれを「子どもの権利を守る」という観点からの国と親からの支援である。
まだまだ日本の教育を見つめ直すヒントが多く示されている。とてもとても参考になった。フィンランドの教育を手放しに称賛するわけではないが、必ず今の日本はここから学べることがあると確信させてくれる本だった。
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フィンランドの教育についてはよくメディアで取り上げられていて聞いたことはあったが、この本では筆者の子どもが実際にフィンランドで受けた教育をもとにしており、より具体的な内容まで知ることができる。兵役や母の日の話など、フィンランドの歴史的背景も初めて知り、勉強になった。
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フィンランドが上手くいってるのは合理化の成果かな。日本は無駄が多すぎる。しかも無駄なことを断りづらいし、無くしずらいし、その訴える先の窓口がよく分からなかったりする。
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幸福度だけでなく教育も世界一。15歳の学習到達度で読解力や科学的リテラシーなどで1位だが、学力テストなし、受験なし、偏差値なし、当然塾もない。小学校から大学まで無償の上、小中では教材も無償支給、高校まで給食も無償。少ない授業時間で教員の長時間労働もない。人生観を育む独特の授業、'いかに学ぶかを学ぶ'ことに力点が置かれた教育。日本とフィンランドと両方の国で子育てをした著者の経験から、両国の教育の違いが語られている。学校の視点から教育を管理する日本、子供の視点から教育を考えるフィンランド。印象的な言葉として、日本語での登校と下校。学校を頂点に見据えた発想が垣間見える。フィンランドの教育も一朝一夕で、今日のスタイルに到達した訳ではない。歴史的経緯を理解する中で、日本でも参考にすべき発想転換のヒントが浮かび上がる。賛否両論の議論を通して、日本の教育が再構築されていくことを期待したい。
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「フィンランドの教育はなぜ世界一なのか」という問いには、本書は明確に答えられてはいないと思う。
というのは、著者はフィンランドと日本で子育てを経験しており、本書はその二国の教育の現状を比較しながら話を展開しており、他の国の教育関連の話は出てこないからである。
どちらかと言うと、本書は日本の現在の教育への批判がメインテーマであるように感じた。
また、二国の比較をメインにするにしても、フィンランドが現在の教育環境に至った背景をもう少し掘り下げてほしかったという思いはあった。
しかし、現在のフィンランドの教育環境について詳細に書かれていたので、フィンランドの教育システム、教育スタンスなどがどのようであるのかはよく分かったので良かった。(ただ、網羅的に列挙している箇所が多く、報告書や論文を読んでいるようであった。)
フィンランドには「人生観の知識」という科目もあり、人はどう生きるべきかということや全ての人が持つ権利なども含めて主体的に考える機会が多くあるようである。
こういった機会の積み重ねが、PISAで読解力や科学的リテラシーなどの分野で世界1位につながった要因でもあるのだろう。
日本でも最近はアクティブラーニングなど言って、主体的に考える機会を増やすことに力を入れ始めているが、現場の教師が国や学校から言われた方針に従うだけというスタンスであれば効果も薄いのではないかという懸念がある。
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フィンランドが世界一かは分からないが、極めて合理的な教育をしていると思う。
学校行事も必要最低限。入学式も運動会も遠足も部活もない。
テストも偏差値も受験もない。
基本的にどのように生きるかや考える力をつけることに重点が置かれている。
日本の教育は相変わらず画一的で自分が子供の頃と基本的に変わっておらず、本当にヤバイと思う。