電子書籍
家族に完敗
2019/07/30 20:17
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:真太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
家族に悪態をつき、憎まれ口をたたくことは生きている証。いつまでも当たり前のように続くわけではないことを最終章で教えられました。楽しいイベントに集う人たちも、いろんな思いを抱えながら、今を生きるんだという願いが伝わります。
紙の本
ほっこり
2022/05/23 22:57
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
どれもそれぞれの悩みや問題を抱え込んだ人間が、登場します。しかし、文章が、重くない。これだけ、悩みや葛藤があれば、もっと暗く重くなりそうなのに。こんなに軽く読めるとは……。
投稿元:
レビューを見る
ぐるフェスを舞台に展開される人間模様。
・お願いおむらいす
・きゃろらいな・リーパー
・老若麺
・ミュータントおじや
・フチモチの唄
ぐるフェスに参加する一抹の不安を抱えた人々が、トラブルをきっかけに、今を生きる意味を再確認する物語。
ミュージシャンを目指すギリギリの若者から、才能のないラーメン店主、落ち目のアイドル、癌患者と家族など。
結局、今を大事にしていく大切さを感じる作品。
投稿元:
レビューを見る
『お願いおむらいす』題名からは想像できないほどの心あふれる素敵なお話に出会うことができました。
人と人との出会い、家族の絆、人ってなんてこんなにやさしい心を持っているんだなあとつくづく読んだ後感じてしまいました。
おむらいすがカタカナでなく、ひらがな、なんだろうと読んだ後考えてみて納得する自分がいました。
あなたもぜひ読んで感動して下さい。
投稿元:
レビューを見る
同じ日の同じ時間に同じ場所にいた5人の、それぞれの物語。
5つの物語をつなぐのがタイトルになっている「お願いおむらいす」という歌。
この歌がなんとも意味不明なのだけど、耳に残る、というか目に残る。なんなんだ「お願いおむらいす」って…
5つの章、それぞれの主人公が抱える問題がシリアスで身近でリアル。
あっけらかんとして中身のないようなこの歌を歌う落ち目のアイドル自身の問題も切実。
みんな悩んでいるんだなぁ、と親近感がわいてくる。
直接かかわることのない5つの人生、単に同じ日の同じ時間に同じ場所<ぐるフェス>にいた、というだけのゆるやかなつながりがなぜかとても心地いい・
投稿元:
レビューを見る
全国の名店が集まる「ぐるフェス」にそれぞれの形で集った5人の人生模様を連作短編の形でつづった物語です。
夢を追いかけるかどうかの岐路に立つ青年の葛藤、姉妹と父親の家族の絆、暖簾分けできるかどうかの試練の場に立つが巧くいかない兄弟子を見守る後輩のハラハラする心情。そして売れないアイドルと訳ありの少女の奇妙な縁、親を介護するリストラされた中年男の人生の選択。
性別も年齢も立場も違う人たちのそれぞれの人生の、ちょっとした「変化」を起こす場として「ぐるフェス」が舞台となっているのですが、確かにこういうグルメイベントには老若男女関わらず集まるものです。その多くの人の中には、美味しく食べ物を味わいながらも、かけがえのない喜怒哀楽の一瞬がそこにあるのかもしれませんね。
文章と台詞が軽妙なので、さくさくと読めて、少しほっこりさせてくれる、まさにぐるフェスのような「手の届く喜び」が得られる物語だと思いました。
投稿元:
レビューを見る
何らかの理由で「ぐるフェス」に関わった人たちの話。
いろんな悩みや葛藤を抱えつつも
前に進まなくてはいけない時でも
今出来る精一杯のことをやることが
結局は大事なんだと思った。
投稿元:
レビューを見る
グルメフェスを舞台に人のつながりを描く短編集。筆者の軽妙なト書きもさることながら、誰かの役に立っていることが生きていく上で大事であることを教えてくれる心温まる作品。
投稿元:
レビューを見る
グルメフェスティバルに集う、様々な立ち位置の人たちの群像劇短編集。元フリーターの運営会社の新入社員、ガン手術に臨む姉と気遣う父と妹、有名ラーメン出店の不出来な弟子と訳あり新入り。ステージで歌うアイドルと追っかけの女の子、リストラされたオジサンのアルバイト。
やさしく心温まるいい話。先の短編の片隅に出てきていた人が、次にはメインとなって様々な事情が語られる。だったら、5人と言わず、もっと皆ががんばってるじゃない。
投稿元:
レビューを見る
中澤日菜子の連作短編集
グルメイベント「ぐるめフェスタ」ぐるフェスを共通の軸として5編の話が繰り広げられる
次の話が前までの話を受けるという形になっている
「お願いおむらいす」
表題にもなっている ミュージシャン志望だった浜口太一が彼女の妊娠を機に志半ばで正社員になるがその最初の派遣先の「ぐるフェス」でのできごと エアギター 「かすうどん」「ほうとう」 アイドルと持ち歌「お願いオムライス」 雨がキーポイント
「キャロライナ・リーバー」
歩子が久しぶりに帰省し姉の太田香子と折り合いの悪い父を「ぐるフェス」に出かける 過剰に神経質な父の原因が実は姉の末期の卵巣癌だった 次話のラーメン屋がキーポイント
「老若麺」
名店「中華そば紅葉」で働く従業員の天翔と崇が、大将から天翔ののれん分けを条件に「ぐるフェス」に出店することになるが 前話までのキーポイントが出てくる
「ミュータントおじや」
「ぐるフェス」のアトラクションステージで「お願いオムライス」を歌う落ち目のアイドルの大和美優の話
押しかけファンの星野瑠輝亜(るきあ)が高熱で倒れたとき見よう見まねで作った「おじや」が表題
「フチモチの唄」
書き下ろし 最初の「お願いオムライス」で太一にアドバイスしたリストラされてイベントのアルバイトで糊口を凌いでいる中年の中村浩さんが主人公
認知症の母親が末期の膵臓癌であることが分かり、母のふるさとの奄美に連れて行く 奄美のお菓子「フチモチ」がキーポイント 最後の話だけあってこれまでのエピソードや登場人物が収斂する
どの話も傍目から見ると決して恵まれた環境ではないが、作者の暖かなまなざしで読後が良い
投稿元:
レビューを見る
大きな空の郊外の公園で開催される
グルメの祭典「ぐるフェス」に集う人々は、
皆楽しそうだ。
運営スタッフは忙しそうに走り回り、
店舗の調理人はきびきびと動き
自慢の一品を振る舞う。
訪れた人たちはあちらこちら思いのまま、
イスに座ったりビニルシートを広げたりで
B級グルメに舌鼓を打つ。
ステージではアイドルが歌って場を盛り上げる。
笑顔が弾け、言葉が飛び交う。
幸せだなあ。
本当にそうだろうか?
誰もがそれぞれの事情を抱えている。
顔で笑って心で泣いてという人もいれば、
仕事だからやむをえずという人も。
よく見ると、落ち込んだ深刻顔な人だって。
そう思い始めると、
秋晴れの空もにわかに曇りだし
雨だって降ってくる。
ぐるフェスですれ違う人たちを描く5つの短編集。
楽しいから笑うんじゃなくて、
笑っているうちに楽しくなることってある。
大変な状況を抱えた人たちに
ぐるフェスが希望を抱くきっかけを与えてくれる。
行ったことがない公園、
行ったことがないフェスのはずなのに、
何だかよく知っている気がしてくる。
おむらいすの黄色って、人を幸せにする!
投稿元:
レビューを見る
〈ぐるめフェスタ〉略称〈ぐるフェス〉。
ある秋の「食のお祭り」に関わった人々をめぐる短編集。
夢に破れた青年。
病を抱えた漫画家と家族。
料理下手なラーメン屋。
落ち目のアイドルとファン。
リストラと介護に悩む男。
偶然、同じ場所に居合わせた、縁もゆかりもない人たち。
願ったようにはいかない人生の中で、それでも明日はやってくる。葛藤と、ささやかな希望と、B級グルメ。
特別じゃないけど、本人たちにとっては大切な、人生の一ページを垣間見るような一冊。
……そういや、オムライスは出てこなかったような。
投稿元:
レビューを見る
ぐるフェスというイベントの中で、いろいろな人の人生を垣間見るような小説。
タイトルに興味を持って採った1冊だったけど、面白かった。現実と向き合って、前を向いて歩いていこうとする人たちの話に心温まるような作品。
わたしは姉妹の話が一番好きだったかな。
投稿元:
レビューを見る
グルメフェスに参加する人々の話。それぞれ登場人物には、悩みがあって、、、その年代ならではのリアルな状況が描かれている。どの話も最後には前向きになれるので、いま何か行き詰まっている人にオススメな本だと思った。
投稿元:
レビューを見る
B級グルメフェスティバル、通称「ぐるフェス」を舞台に繰り広げられる群像劇。5話からなる。
* * * * *
各話とも主人公と、その主人公に関わる人たちの悲喜交々の人生が軽快なタッチで描かれていて読みやすい。
もちろん彼らが抱えている問題には大小様々あり、2話目と5話目は少しばかり深刻です。
それでも自分なりに折り合いをつけ、何とか前を向いて生きていこうとする人たちを描くラストは微笑ましく元気づけられました。
ただ第1話のエアギターは展開としてナイと思いました。無理感半端なし。