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著者のDino EspositoはWindowsプログラミングの世界では有名な人で、多数のプログラミング本を書いている。僕がこの人の本を読むのは「Visual C++ Windows Shell Programming」以来、約20年ぶりだ。
今回の「プログラミングASP.NET Core」は「マイクロソフト公式解説書」と銘打たれているだけあって、ASP.NET Core 2.0の技術的な全体像がわかりやすく書かれている。
ASP.NET Coreのエントリポイント(Main関数)に始まり、Startupクラスによる依存サービスの追加、ミドルウェアの構成、MVCアプリケーションモデル、Razor、Entity Framework、認証、ロギング、デプロイ、旧ASP.NETからの移行など、ASP.NET Coreのプログラミングを始めるにあたって最低限知っておきたい事柄がひと通り網羅されている。これからASP.NET Coreを始めるならぜひとも手元に置いておきたい1冊だ。
この本のいいところは、APIをリファレンス的に紹介しているのではなく、ときには背後の考え方や歴史的な経緯、他のフレームワークのアプローチなどにも触れているところ。なぜこうなっているのかという疑問にも答えるような内容になっている。
ただ一方で、Webプログラミングをこれから始めようとする人には逆に敷居が高いだろう。またコード例はASP.NET Core 2.0で書かれているが、現行バージョンの3.0ではそのままでは動作しないものもある。これについては2.xで実行するか、自力で3.0に移植しながら読みすすめるしかない。
最後に翻訳について。翻訳書にありがちだが、全体的に訳が生硬で頭にすんなり入ってこない文章が多いので読み疲れする。ということで内容的には★5つだが、読みにくいところがあるので1減点して★4つ。