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月光・暮坂 小島信夫後期作品集 みんなのレビュー

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一般書

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みんなのレビュー4件

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紙の本

今まで全く理解できなかった小島文学が、山崎勉の解説を読んで、何となく分かるようになりました。で、直感ですけど、小島のメタ・フィクションて、天然じゃないでしょうか

2006/12/27 21:29

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

以前も書きましたが、あまりに定価が高いので殆ど手にすることのない講談社文芸文庫の一冊です。でもカバーは美しいし、使われている紙の手触りは、本文のそれも含めて極上。そのデザインは有名な菊地信義です。
これまた書いてしまいますが、私は小島の良い読者ではありません。家に何故か『別れる理由』の初版本が函に入ったまま冬眠状態にありますが、それを読んだうちに入れなければ(積読は読書じゃあない!)先日読んだ『残光』が最初ということになります。ということで、これが二作目。
正直『残光』は、分りませんでした。小説のようなエッセイのような、その自由な筆運びに幻惑されて、何これ?で終ってしまった。でも世評は高い。気になりますよね、何故なんだろう。ストーリーの展開を専らとする私には、皆の気持ちがわからない。何か隠された読み方、作法みたいなものが、もっといえば裏技みたいなものがあるんだろうか?って思ったりします。
早速収められた9篇(WEBでは10篇、となっていますが)のタイトルを紹介をしておきましょう。
・返信
・月光
・合掌
・白昼夢
・落花の舞
・ブルーノ・タウトの椅子
・暮坂
・天南星
・その一週間
解説 「取りあえず」の文学 山崎 勉
年譜
著者目録
共通していえるのが、冒頭の話の流れがいつの間にか、別の話というか流れになってしまう、ということです。しかも、その世界というのは徹底して自分のこと、及び周辺のこと。私小説、って言っていいと思うのですが、その展開の仕方が独自です。ま、終わり方も、えいやって投げちゃったようなところがあって、それも不可思議です。
その原因が「返信」の中にある
「この小説はいまのところ、まだ海のものとも、山のものとも、作者本人にとっても分からないのであるけれども。(私にとっては、小説を書くたのしみは、そういう運びのほかにないのだから仕方がない)」
です。これは解説の中でも山崎勉が触れていますので、小島の小説作法とでもいえるものでしょう。山崎の解説「取りあえず」の文学、はとても分りやすく小島の小説の真髄に触れていきます。小島の発言も含めて引用すれば
「小説とは発見した真実(らしきものを)形象化するものではなく、書きながらしれ(らしきもの)を発見するプロセスそのものであり、しかもできあがったものが「——何を意味するのか、作者の私にも、いま考えても分からない」(『一寸さきは闇』)ほど「真実というものは、それくらい手間どるもので、それに近づいたときには、また新しい条件が立ちはだかって、横道にそれてしまう」(『島』自注)からだ。
「小島さんが私たちの文学研究会で「何か小説にしたいものがあったら取りあえず頭に浮かんだことから書きはじめること。書いているうちにそれまで経験してきたことが自ずと滲み出てきて、形をなしていくものだ」といった主旨を述べられたことである(中略)。そして「取りあえず」始めたからには、遅かれ早かれ、首尾、不首尾を問わず、「取りあえず」終わる時がくる。」
となります。さらに、山崎は大庭みな子の説明として
彼の持つ鋭い目で選り分けられたデータが一杯に盛り込まれた彼の人並みはずれた容量の頭脳の中には、仏教にいうところのいわゆる阿頼耶識の海があり、意識の流れに従ってふつふつとその海から浮き上がってくるものがつながって作品になる。・・・・・・作品の中には思考の深い底のところでちゃんとつながり合うものがあって、表面に現れるのであって、それなりの必然性があるのだ
という言葉を紹介します。どうやら小島の小説というのは全てこの調子であるらしい。融通無碍、変幻自在、摩訶不思議、これをメタ・フィクションというのは分りはしますが、どうも現代小説が意図してやっていることを、小島は天然でやっているんじゃないか、私はそういう気がしてなりません。

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2009/03/14 21:07

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2018/03/18 23:52

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2022/09/03 01:08

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