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材木座海岸の3人の男子高校生の青春もの。
そのひぐらしという名前の朝食専門カフェでバイトしている3人。
いまいちコミュニケーション力高くない水澄くんは、中学までは水泳漬けの生活だったけど、自分には才能がないと断念。しかも兄はオリンピックメダリストで、嫌いじゃないけどコンプレックス。しかもやっと自覚した初恋の幼なじみは、兄が好きだった(笑)
大学生の統一朗はなんでもソツなくできてしまうせいで、自分の欲しいものやが分からない人。あと、かなり感情の動きが鈍い。空気を読むのは鋭いし頭はいいし努力家だし穏やかな性格なので、これまでの人生で常に上の下か中をキープしてこられた。
個人的には、この統一朗のお話がいちばん好きだったかな。
8歳年上の酔っぱらい女性客を好きになっちゃって、でも彼女には15歳年上の彼氏がいて、統一朗の感情の動きやエピソードが自然で、おもしろかった。大学で告白されたときの断り方や断ったあとの態度なんかも、統一朗ならそうだろうなー、と説得力あり。最後は海に叫んじゃったりして、まさに青春ものでした(笑)
いちばん年上の流な話は、いまいち乗れなかった。
彼の軽さナイーブさがずっと気に入っていたのに、そんな複雑な家庭環境を満載詰め込まなくても、と逆に鼻白んでしまった。しかも、ヤのつく職業の方から目をつけられて、助けてくれたのはカフェの店長てのも、なんだか突然水戸黄門的展開(笑)
家庭環境も性格もまったくちがう3人のバイトくんの、それぞれの失恋話、て軽くまとめてもよかったんじゃないかなあ。流だけテイストが違いすぎて、全体のカラーがブレた感じ。もったいなかった。
材木座海岸の情景描写は、とてもきれいだった。