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英語で書かれた、原著の日本国憲法の新訳。というか大分砕いて池澤夏樹の言葉で書いた本。読み易いので暇つぶしにでも一読の価値アリ。
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憲法がなんのためにあるのかというまえがきがものっすごっく私に大切なことを教えてくれた。
にんげんは弱肉強食の世界に抵抗するために憲法つくったんだな。最大の違いじゃないか。
第9条は本当世界遺産にしたいな!
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池澤夏樹氏翻訳、英語憲法の日本語訳。
全くの余談だが憲法は明治、昭和に初めて日本に登場したものと思われがちだが、聖徳太子が七世紀に十七条憲法を発している。「和をもって尊しとする」から始まる十七条と見比べて見るのも面白いかもしれない。
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改憲を論じるなら、まずはこの本はいかが?
たとえ誰かに押し付けられた決まり事でも、今の憲法もそうは悪くないのでは。
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「この世に人が一人いるということはそれだけでよいことで、二人いるのはその倍良いことだ。人が生まれて、育って、暮らして、また子を生んで育てることは、最初から世界によって祝福されている」
「国のはじまりはそこに住む人々である。人より国の力が強いというのはグロテスクだ。それに、武力を振りかざして威張る国は隣人たちから嫌われる」
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日本国憲法の草案は、アメリカの平均40歳にならない
人たちでつくられました。(22-27歳の若者もいた)
若い方が理想主義に近いから。
なので、草案はずいぶん理想主義的になったのです。
もう戦争に行かなくていい
人を殺さなくていい
爆弾はふってこない、、、
日本人はこの新しい憲法を歓迎したのです。。
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日本国憲法が、
・英語原文
・日本語
・池澤さん訳 で書かれています。
教科書で見た日本国憲法は難しすぎて
理解しようとも思わなかったけれど
児童書も手がける池澤さんの訳した
文章、とくに前書き、第九条には泣けます。
この日本国憲法は、わかりやすく
とても奥が深いものでした。
大人にこそ、読んでほしい一冊。
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前書きだけでも読みたい。我らが憲法はなかなかいいこと言っている。全文は「積極的平和主義」の考えというらしい。読んでいると気分が良くなる。声に出して読みたい日本語。ただ、この憲法を掲げていくためには世界にももっと変わってもらわないと困る(笑)。
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憲法は国の暴走から私たちを守ってくれる大切な理念です。
米国から押し付けられたものだから改正すべし、と声高に言う人々もいるけれど、この世界的にも先進的な憲法の案は、当時の日本人に喝采をもって支持され、合法的な手続きを経て旧「大日本帝国憲法」から現憲法に切り替えられたのでした。つまり、案を提示したのはGHQでしたが、これを選んで施行したのは日本人です。
国の権力から私たちを守るという立憲主義を180度引っくり返して、国民の権利よりも国の都合を優先させるような改憲案を自民党が提示し、参院選の争点にするなどといっている現在、現憲法を読み直して、その素晴らしさを再確認し、自民改憲案がどれほど危険なものかを認識することは、今とても大切なことだと思います。
しかし、法律の言葉は読みにくいことこの上ないし、心にもなかなか入ってこないのも事実です。
池澤夏樹氏は、GHQが最初に書いた現憲法英語版を、法律の専門用語をなるべく用いずに誰でもわかりやすい言葉で日本語訳にするという試みを本書で行いました。
これが、実に良いのです。憲法の理念がどれほど私たちの暮らしを守り、戦後一度も他国と殺したり殺されたりすることなくやってこれたこの国の歩みにとって(漁船がロシアに撃たれたりしましたが戦争にまではならなかった)、大切な働きをしてきたことがしみじみ感じられます。
かといって、池澤氏はガチガチの護憲派というわけでもありません。
施行からこれだけ長いあいだ年月が経過したのですから、実情に合わないところは、民主的にオープンな議論を通じて、現在の理念を継承しつつ手直ししても良いのではないかと考えています。
私も同感です。
現憲法を尊重しつつメンテナンスするという民主的手順を経た健全な改憲は、国民が憲法の理念を学びなおし、自らの憲法を育てるという素晴らしい営みになるのではないでしょうか。
この夏の参院選の主たる争点が改憲なのか否かはともかく、自民党が無理やりにでも争点化している以上、選挙前にこういう本を読み、自民党の改憲案とも読み比べ、自分の一票をどこに投じるのかを真剣に考えてみるのは、日本人にとって意義深いことだと思います。決して世の中の「空気」「印象」「長いものに巻かれて勝ち馬に乗っておけ」的な安易な投票をしてはいけないと思います。食い物にされるのは、自分や自分の子供たちです。
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安倍内閣は今月1日、憲法解釈を変更して集団的自衛権の行使容認を閣議決定した。単に安全保障政策のというだけでなく、日本の戦後史における大転換点だと思うのだが、こんなにすんなり決まっちゃうのかと驚いた。
僕は大学時代に憲法を専攻していたので思う事はいろいろあるのだけどとりあえずそれは置いといて、僕が学生の頃から思っていたのは「憲法」という法律をもっと日本人は知った方がいいのでは、という事だった。
日本における憲法論議というと9条の事ばかりクローズアップされるけど、それだけではないんだよね。よくよく読むと面白い条文いろいろあるし。試しにそれらの成立過程なんか調べてみるととても面白いんだけど、そこまでやる人なんて普通はいない。
何を議論するにせよまずは知ることだ。僕だって知識は全然足りないけど、現在のネット上の議論の状況なんか見ていると、みんな必要な知識を持って議論しているとは思えないんだよね。
「日本国憲法は元々英語で書かれたものだった!それでいいのか!」とか騒いでいる人を見ると「今ごろその話題かよ!」とか思ってしまう。
<ほんとうを言うと、ぼくだって普段は忘れているさ。/教科書に出てきたし、新聞でもときどき見る。たまにテレビで聞いたこともある。/だけど、いっしょうけんめい覚えても、試験以外では役に立つものじゃないみたい。/そんなもんだよね、常識として>(p8)
この本は、芥川賞作家の池澤夏樹が日本国憲法を普段の言葉遣いに「翻訳」したものだ。
憲法に限らず、法律が生活から遠いものになってしまうのは、その文言が我々の使う言葉ではないからだ。これはしょうがない事なんだけど、法律の文章には独特の「文法」があって、読み方の「コツ」を知らなくては内容を理解することすらできない。
だからこそ、憲法を口語体に翻訳しようという試みは実はこれまでも多くなされている。ちょっと探してみればその手の本はたくさん見つかる。最近では「ヤンキー語」に訳した本が話題になった(『日本国憲法を口語訳してみたら』塚田薫・著、長峯信彦・監修、幻冬舎)。
<普段の生活では憲法なんて知らなくてもいい。それでも憲法は遠くでしっかりきみを守っている>(p17)と言い切る池澤は、それでも憲法を知ってほしいと訴える。憲法は問題もたくさん孕んでいる。万能でも完璧でもない。でもしっかりと読んで欲しい。なぜなら<そう、やっぱりこれはずいぶんいい憲法>(p41)だから。
冒頭ではっきりと書かれているが、彼の基本姿勢は、憲法を絶対に変えるべきではないとは思わないが、足りない部分も多いので、今ある部分はそのままに新たに条項を加えていくのがいいのではないか、という感じである。
池澤は<憲法というのは法律の中でも最も文学的な法だ>(p116)と述べており、今年11月に河出書房新社から刊行を開始する『日本文学全集』に日本国憲法前文を収めるという。そんな彼の考えを了解した上で本文を読んで内容を噛み砕いて欲しい。語りかけるような平易な文体はすんなり心に入ってくるはずだ。その上でどういう意見を持つだろうか。考えて欲しい。
僕は憲法を口語に訳する作業を見ると、戦後、新憲法制定の際に作家の山本有三が文語体のカタカナではなく口語体のひらがなで書くことを主張したのを思い出す。
憲法はお上のものではない。民衆のものだ。だからこそひらがなで書かれるべきだ。僕もこの意見に賛成で、新しい憲法がひらがなで書かれた事は、あまり注目されないけど非常に大きな意味があったと思う。
確かにそれでさえ読みにくいものではあったんだけど、だからこそ現代においてさらに読みやすく「翻訳」されたりしているわけだけど、だけど憲法が政治家のものではなく国民のものだと表明した功績は重大だと思う。
確かに理想論かも。確かに英語で起草されたものだ。でも僕が思うに、今の日本人が新たに憲法を作ってこれよりマシなものになるとは思えない。だから今の憲法が最高だとは思わないけど、まあこっちの方がまだマシかなって思っている。
デリケートな問題だけど、みんな本当に自分の、そして同時に自分以外の全員の問題だと認識して真剣に憲法と向き合ってる? 何度も言うけど議論はそれからだろう。憲法が何条まであるか位は知ってからだ。
この本、単行本は2003年に刊行されており、その時のタイトルは『憲法なんて知らないよ ―というキミのための「日本の憲法」』(ホーム社)だったらしい。こっちの方がわかりやすい気がするが何故変えちゃったんだろう。
なだいなだが解説で披露している「ラジオ子ども相談室」のエピソードにはずいぶん考えさせられた。
日本国憲法の原文と、英語版も併せて収録している。
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日本国憲法の英語版を和訳した本。この本は2003年に書かれた。3月にアメリカがイラクに侵攻したのちに出版された。小泉首相が条件反射のようにありもしない核兵器をあると言ったアメリカを「支持する」とした、あの時である。その4年後に憲法改正法は強行採決されてしまうわけだが、知識人の間には既にこの時点で鋭い危機感があったというわけだ。つまり4年前から本を出すわけだから、少なくともその一年前には、5年後を想像出来るアンテナがなくてはいけない。9条の会が作られるのが、2004年だった。そして、今の私たちにもそれに似た危機感がある。しかし私たちには、「漠然とした不安」があるだけだ。
感動的なのは、「まえがき」の法律が生まれた瞬間を小説家らしく再現してみせた処。それは「つまり、こういうことなんだ」
多分最初から人は仲間と一緒に暮らしていた。人の祖先は孤独なゴリラ型ではなく、集団生活のチンパンジー型だった。そうすると、強い奴と弱い奴が出てくる。強いのがいばるし、おいしい物は先に食べるし、雌を独占したりして。
強い奴はいい気持ちかもしれない。だけど、人間の場合は弱い奴のことも考えて社会をつくろうと決めたんだ。弱い奴の方を土台にして、と言ってもいい。
それができたのは、多分人間に言葉があったからだろう。弱い者同士で話しているうちに、世の中には弱い者の方がずっと多いということがわかった。それならば、社会というもの、弱い方が主役じゃないか。
そこで社会の大多数を占める弱い奴はみんなでまとまって、腕力ではなく言葉で、強い奴の横暴を抑えることにした。社会についていろいろきまりを作った。考えてみれば、強い奴だっていつまでも強いわけではない。歳もとるし、病気もする。もっと強くて乱暴な奴が現れるかもしれない。
自分が弱い側に立った時のことを考えてみたら、社会に決まりがあることはよいことだよ。
その一方で、社会はどんどん大きくなって、国というものが生まれた。最初は村くらいのサイズだった。それでも隣村との境界線を引いて、その中は自分たちのやり方でやると決めて、何か問題が起こった時はみんなで集まって相談した。
親が二人とも病気で死んでしまった子供たちをどう育てるか。その一家は流れ者で、村には縁者もいない(この子供たちって、弱い奴の典型だよね)。年寄りが呼びだされて、昔同じようなことが起きた時にはこうしたと話す。たとえば豊かな家に預けて育ててもらう。その代わり、子供たちは大きくなったらその家でしばらく働いて恩返しをする。村としては働き手が増えるわけだから、子供たちをそのまま死なせてしまうよりは、得をすることになる。
そんな風にして村ごとの決まりが長い歳月の間に固まってきて、その分だけ世の中は安定した。つまりルールをつくって、弱い者の立場を守って、みんなの力を引き出した方がその社会は全体として豊かになるし、暮らしやすくなるんだ。(12p)
このまま憲法前文にしてもいいような内容。
憲法をいろんな角度からもう一度読み直す。だって多くの人は「憲法なんて、全文は知らない」のだから。
2014年9月20���読了
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初心者向けかな。
でも憲法とは何か、どういうものであるべきかを国民全体がわかってない以上、こういう本は大事だ。
日本国憲法全文と英語文、そして池澤訳があって読み比べてみるのは面白い。
日本国憲法に人だけでなく環境や地球を大事にする規程を盛り込んだ方がいいと言っている。池澤以外にもそういう提案をする人は多いな。
peopleをどう訳すか。翻訳の大切さも考えさせられる。
日本国憲法を作成するにあたって参考にされたと思われるものを勉強してみたい。フランス人権宣言やリンカーンのゲティスバーグ演説とか。
読んでも売っちゃいけない本だ。