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何者かに飼い犬のリクを殺された少年光一、実父に疑いを持った光一は父親と法廷で対決する決意をするが……
民事裁判の知識の説明の流暢さ、ライトノベル的な少年の語り口調などとても読みやすくスルスルと読んでいけました。キャラは光一を助ける司法浪人の敦や、義理の母である真希などが印象的。優しさの描き方が巧いのかなあ、と思います。
裁判の過程で命とお金の価値を考える光一の姿は、読んでいるこちら側としてもいろいろと考えさせられました。お金で解決というのは合理的なんだけど、でもどこか矛盾しているんですよね。
作品全体としては少し小ぢんまりとまとまっている感じでオチも予想の範囲内に収まってしまったのですが、ただラストも結構きれいにしめてくれていて、設定のオリジナリティもあって読みごこちはなかなか良かったです。
第10回『このミステリーがすごい!』大賞〈優秀賞〉
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どこまでをどうするのか、を考えながら読んでいました。その「どこまでを」という前提を上回ってくれた。ミステリとして面白かったし、小説としても面白かったです。
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読みやすさと読み応えで、アッという間に読み終えられました。
表紙とか題名から、なんとなく「ライトノベル系かな?」と勝手に予想していたので(いわゆるライトノベルというのは、ほとんど読んだことがないんですがw)、最初の文体からも、もっと軽い話なのかと思っていたら、コメディではなく、意外なほどに重い話でした。
ただし、文体も表現も読みやすいのでサクサク進めます。終盤での意外な展開は、なんとなくは想像がついていても、読み応えを感じて軽い感動を覚えw ^^ 良かったです。エピローグ、ちょっと長くないか?とは思いましたがw
とはいえ、巻末の解説は余計だな~、と感じなくもないです。解説者は “「このミス大賞」でトップは獲れなかった作品だけど改訂したからこの出来映えなんだ” というのを強調したかったのかも知れませんが、あんな解説ならいっそ無かった方が良いような気がしなくもないですw
自分的には、充分 次回作が読みたくなる作家さん がまた1人加わったことが嬉しい♪ そんな気にさせてもらえた作品でした♪
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中学1年の主人公の少年の飼い犬が何者かに殺された。
それを発見した同級生と、近所にすむ司法浪人の力を借りて、自分の父親を被告に民事裁判を起こす。そんな話。
最後にどんでん返しがあるけど、途中に伏線があってなんとなく予想できたんだ。
それがわかっていても良くできてるかなぁと思いました。登場人物が少ないのでゴチャゴチャせず読めます。
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装丁からは想像しなかった内容。
話の途中から真相が見えてきたけれど、読みやすい文章で鼓動は速くなって、先へ先へ読み進める事が出来る。
息子が父親を裁判で訴える…大胆な設定、現実的に問題な深刻な真相を、重たくなり過ぎない文章で綺麗に纏められていて、読了の感じが良かった。
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第10回「このミステリーが凄い!」大賞受賞作.愛犬リクが何者かに殺された.父に疑念をもった中学1年の光一は,父親を訴えることを決意する.裁判を通し明らかになる光一の心の闇と傷.そして驚くべき真実にたどり着く.最後まで一気読みでした.光一の気持ちを考えると,胸が苦しくなります.あとはネタバレになりそうなので,ぜひ手に取ってみてください(*^^*)
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中学生男子の決意と頭脳戦。
予想出来つつも、丁寧などんでん返しに満足。
主人公の真面目さが、余計に胸を締め付ける
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おもしろいと言ってはいけない作品だが、適切な表現が思い浮かばない。子供だから何もわからないのではなく、子供だっていろいろ考えているのだ。しかし、彼のように自分の行動を分析して裁判を起こしたりなどというのは、現実の「子供」には難しいのではないかと思う。しかし、たくさんの人にこの作品を読んでほしいし、こういった作品をもっと読みたい。
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さすが、このミス大賞作品だなーと思いました。主人公の光一と同い年だけどこんな事はできません。 終わり方にびっくりしました。
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☆3.6
第10回「このミス」大賞作。
何者かによる虐待で愛犬・リクを失った中学1年の光一は、同級生の沙紗と共に犯人探しを始める。”ある証拠”から父親が犯人だと思い、民事裁判で訴えることを決意した光一だが、裁判は思わぬ方向に・・・・!?
途中、「あ、お父さんは犬殺しの犯人じゃないな」って気づかせるような演出がしてあった。私でも気づくくらいだし。でも、その裏にもう一つ仕掛けがあったとは・・・。
「このミス」大賞だけど、貴志祐介ほどのインパクトはなかったかなぁ。おもしろかったけど。
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表紙で、ドタバタ法律コメディだと思っていましたが違いました。重いテーマを実に上手くミステリに落とし込んでいると思います。
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愛犬のリクが死んだ。
どんどん冷たくなってゆく血だらけの体を抱えて動物病院へ走った。
医師は人間による傷だと行った。
僕は訴訟の準備を始めた。
厳格な父を相手取って。罪状は器物損壊罪。
とまぁ、こんな出だしです。
主人公の「ぼく」視点で描かれる未成年者の訴訟手続き。
内容ももちろん大事なのですが、訴訟を起こす場合のハウツー本でもあると言えます。
こういう過剰に厳格な父親の元育っていないので、すべてが父親中心であるような向井家(母はすでに他界)の心情ははかれませんが、
めんどくさがりながらも協力してくれる継母の真季さん(すでに離婚係争中)がなかなか魅力的でした。
素直な気持ちで読むことをオススメします。
ネタバレは絶対に読まないで!ミステリーの醍醐味ですから。
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最後の家族や人と人との絆のくだりは、少し感動した。でも、ミステリーとしては、伏線があからさまなため、途中でストーリーが読めてしまう。法や裁判、虐待の心理などはよく調べてわかりやすく書かれていたけど、飼い犬の虐待死は、器物損壊罪だけでなく、動物愛護法違反の罪も成立するはずで、そこに何ら言及がないのが、なんとも中途半端。
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わたしが言いたいことは全部、解説に書いてありました。引用すると、『あえて悪く言えば、するする読めるということは起伏や刺激がないということでもある。物語全体も、話の途中から大体の真相は見えてくる』。
解説にも呈示されているけれど、宮部みゆきさんの「ソロモンの偽証」を読んだことがあると、宮部さんの作品とは、比べものにならないなと、思ってしまう。
法律用語をわかりやすく説明してくれるのはいいけれど、ある程度他の小説などで知識があれば、そうした説明は不要だし、全体として物足りなさを感じるはず。
伏線のはり方も、ちょっと甘め。
帯が大袈裟だったかなあ。
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中学生の少年がペット殺害で父親に対して訴訟を起こす話。
前半の少年の奮闘は良かったが、裁判シーンの展開が早過ぎて浅いな。ネタバレしない工夫だろうが途中に曖昧で思わせ振りな表現が多く、それが還って逆効果になっているところも完成度が足りないかな。