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やはり『銀の仮面』が秀逸。そして裏『銀の仮面』とも言える『トーランド家の長老』も面白かった。
思えばデルフィーヌ・ド・ヴィガンの『デルフィーヌの友情』も『銀の仮面』の系譜だよね。
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文庫化。
この不穏当さというか、じわじわ来る感じが堪らない。イヤミスの精神的にダメージが大きい部分を凝縮したような感じ?w
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2020/07/29予約 1
冒頭の銀の仮面、するすると青年が入ってくる様子が、どうして?と思っている間にあっという間に進んでいく…
あとの話はあまり好きな短編ではなかった。
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Twitterでちらほら見かけたので気になって読みました。短編13編収録。穏やかな日常が『何か』(悪意、恐怖、妄想など)によって侵食され、乱され、崩れていく。無一文の美青年に親切にしたゆえに彼の家族に家を乗っ取られてしまう「銀の仮面」、嫌っていた相手が死んでしまうと急に親しみを感じるようになる「敵」、我が家に特別な愛着をもつ女の話「中国の馬」、妄想に取り憑かれたイギリス人「虎」、周りから疎まれている少年と不思議な老人との交流を描く童話のような「奇術師」など、バラエティに富んだ「不気味さ」「恐怖」が味わえます。ウォルポールの心理描写の巧みな技術者なくしては書き得ない作品だと思います。どれも大変面白く読みました。
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冒頭に収録されている表題作のインパクトがあまりに強く、他の作品の印象がかすんでしまうのが残念だなぁ…と思っていたら、ラストの「奇術師」がなんともいい話。ボーナストラックとして収録した訳者に敬意を表します。
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国書刊行会の「銀の仮面」に、2つの短編を追加したもの。
最初に読んだほうの国書刊行会版はとにかく嫌〜〜な気持ちになるお話が多かったけれど、
こちらの創元推理文庫で追加された2篇は素直にいい話だった。不気味なこと、不思議なことは起こるけれど、それが主人公に悪くはない影響を与えている感じ。
国書刊行会版はこちらに書いたので、ここには追加2篇のレビューを。
https://booklog.jp/users/junsuido/archives/1/4336042446#comment
『ターンヘルム』
親族の間を預けられる少年が体験した奇談。
少年がその夏預けられる先は、気難しいが妙に自分に親しみを表そうとするロバート伯父と、見るからに親しみを感じるコンスタンス伯父の兄弟の屋敷だった。
召使いは頻繁に辞め、ロバート伯父は秘密の塔で何かをしている。
少年は最初の晩屋敷の中に犬が入り込んだのを見る。そしてその犬はロバート伯父と同じ匂いがするのだった…。
錬金術?の変身譚物語。語り手の男が少年時代を振り返る形式だが、今では穏やかな生活を送っていること、そして恐ろしい屋敷の恐ろしい出来事ではあっても、当時親戚の間を転々と預けられている少年にとっては、住み込み御者のボブ・アームストロングと、コンスタンス伯父が本当の愛情を向けてくれているので、決して悪い思い出ではないようだ。
『奇術師』
何をやってもうまく行かない少年に起きた小さな転機。
少年は家でも友達の間でも味噌っかす。しかし変わり者の老人クラリベルさんは、少年を一人の人間として歓迎してくれて接してくれている。
少年にとっていくつかの家庭が集まるクリスマスパーティーは気が進まないものだった。だがどこからか現れた奇術師があらわたときから何もかもがうまくいった。人の心を読むかのようなあの奇術師は何者だったのか?
喜びの気持ちでクラリベルさんを訪ねた少年は、彼こそが奇術師だったのだと分かる。
そして成長した今でも、クラリベルさんのように好きなものになって、人を幸せな気持ちにさせたいのに、なかなか難しいんだよね。
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「奇妙な味」として広く語られる、あるいはカテゴライズされる作品とはだいたいの場合「厭な話」であるか、”厭”な要素を持っているんじゃないか、と表題作を読んで感じた次第。
以下ずっとどうも不気味―かつ厭な話、イラっとさせられる話、どうにもすっきりしない話が続くが、最後に収録された「奇術師」でホッとさせられる。
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銀の仮面は何かで読んだことがあったが、他のは初読。まあ奇妙な味ですね。これが一番でした。後は「怪談」だそうで、さっぱり。
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表題作のみ読んだ。
偽善に生きる時ってそれでかすかに気持ちよくなったりするよね。特にいかにひどい境遇の人であるかとか、美しい人に対して偽善をする時の気持ちよさ。なんなんだろうかあれは。優越感なのかな。
そういう自分にも確かに存在する愚かな感情を肉ごと抉り取られるような感覚になった。
海外文学はなんとなく読みづらいと思うタイプなんだけども、文体はそれほど固くないしなにより短編なので気負わずに読めていい。