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著者のことはよく知りませんが、重金属の魅力とリスクを語る書。生命誕生に金属が重要な役割を果たしたそうで。知りませんでした。公害いや鉱害の入門書としてはよいかあも。後半は、化審法、PRTR、POPs資源循環などが出てきて心が重くなった。
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前半では主に重金属類の科学的性質、生理学上の反応、産業での利用価値が論じられています。
水銀、カドミウム、鉛、ヒ素に関しては各一章ずつ大きく割り当てられ、人類との付き合いの歴史や特にその毒性、および公害の発見と認定や法規制に至るまでの偉人らの業績について詳細が記されています。
後半ではレアメタルについて現在の経済事情や世界情勢の解説が入っていて、最後は行政の問題点と今後の展望で締められています。
いずれも一分野に限らない幅広いはなしであるので非常に面白い一冊でした。
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重金属類とそれに付随して引き起こされた様々な公害問題,近年のEU諸国を中心とする新たな規制的手法に至るまで,極めて網羅的に書かれており,とても勉強になります.
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重金属は、文明にとっての必須元素である。金、銀は宝飾品や富の象徴として重要な役割を果たし、銅や鉄は農具や武器として文明の発展を支えてきた。鉛や錫、水銀なども古くから使用されていたし、最近は各種レアメタルが高度な科学技術の根幹を支えている。
一方で、重金属には、よく知られたように人体への毒性を持つものも少なくない。ヒ素や鉛、水銀は言うまでもなく中毒を引き起こすし、カドミウムやクロムなども廃液処理では必ず問題になる。
本書によれば、そもそも重金属が人体への害を持つ理由は、生物の進化の過程において、重金属に対する暴露が稀な現象であったから、とのことである。一方で、カルシウムやカリウム、鉄、果てはヒ素に至るまで、人体への必須性が確認されている重金属も多い。
重金属の奥深さを垣間見ることができる一冊です。
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前半は重金属の紹介。物理、歴史、人文などの幅広い知識に裏付けられた文章に、感服しました。
後半は重金属による環境汚染の話し。珠玉の前半を踏まえての、被害者の立場に立った考え方は、非常に納得性がありました。
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重金属がなぜ、生物の中に必須元素として取り込まれ、取り込まれた筈の重金属がなぜ、毒となり、人の健康をむしばむのか。著者は、地球の歴史の中で、生物の生活の中にに余計に取り込まれなくなった重金属が、人間が掘り起こして、活用することで、再び、生物の生活を脅かすようになっていると。公害の事例など、知っているようで知らなかったこと、レアメタルを掘り起こしていることがこれからどんな影響を起こすかなど、考えさせられる。
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銅や鉄、更に水銀、カドミウムといった重金属。宇宙の歴史に密接しており、人間の体内にも重要要素として極微量含まれてます。
一方、生活にも深く関わっていて、昔は絵の具、今はケータイ・電化製品と大活躍!文明の発展には欠かせないスゴイものなのです。
しかし、使用過多による公害、時には、国際問題を引き起こしています。
市場主義の悲喜。
産業の発展に伴い便利・裕福にはなったが、筆者の投げかける「足るを知る」の言葉が重い。満足ってナニ?
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p.70 酸素呼吸の過程で活性酸素種が発生するが、それを除去するため、銅を中心とする重金属を利用した抗酸化酵素が発達したと考えられる。
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重金属の産業や生命での利用、そして環境に与える悪影響が記されている。製造業に携わるなら覚えておきたい話だった。