紙の本
段差が大きいほど感動も大きい
2021/08/20 06:51
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投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
2016年2月に『乳房に蚊』(のちに『喜劇愛妻物語』に改題)でさっそうと作家デビューを果たした脚本家の足立紳さんが、『乳房に蚊』で主人公だった年収50万の売れない脚本家豪太と彼を支えるチカ夫婦の徹底した夫婦愛憎物語(ただし、愛<憎なのか愛>憎なのかは意見の分かれるところだろうが)をさらに追い続けた連作集である。
2017年11月から2019年3月にかけて、単発的に中間小説誌「小説新潮」に発表されたもの。
発表誌の性格もあるのだろうか、「妻としたい」「妻としちゃった」「妻と働く」「妻と帰る」「妻と笑う」の各作品の総タイトルが『それでも俺は、妻としたい』だから、尾崎放哉の句からとった『乳房に蚊』からあまりにもグレード感が下がりすぎている。
さらに、主人公である豪太のダメさも数倍落ちていて、息子(前作では娘であったが、この連作では息子に変わっている)の保育園のママ友とスワッピング騒動を起こしたり、素人漫才のネタをパクったり、こんなひどい夫にチカはよく耐えているものだと思わないでもない。
「妻と帰る」は、家族で豪太の実家に帰省する話だが、そこに登場する豪太ママも豪太以上の人物でチカは孤軍奮闘ダメ母子と戦うことになる。
しかし、豪太のダメさが徹底されればされるだけ、そこからの改善度合いが大きくなる。そのことで、感動が生まれるというのは、シナリオ作りの鉄則のようなもので、作者の足立紳さんの作法はそれに徹しているといえる。
タイトルでひいてしまう読者もいるだろうが、読んで損はしない。
紙の本
おもしろくない
2020/05/30 14:47
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投稿者:nap - この投稿者のレビュー一覧を見る
「妻と」じゃなくてもいいよね。
機会(か、お金)があれば、誰とでもいいんだから。
奥さんのどこがいいのかも分からないけどね。
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足立紳 著「それでも俺は、妻としたい」(2019.10)、「乳房に蚊」(2016.2)の続編でしょうか。子供が娘のアキから息子の太郎に変わってはいますが。年収38万、仕事のないシナリオライターでセックス好きな柳田豪太40歳と170cm、68kg、酒好き、そこそこきれいで、派遣社員のチカ38歳。この二人の「セックスさせて」「ヤダ」のかけあいがこの物語のすべてかもしれませんw。妻の働きで生計を何とか維持しているこの夫婦、マイペースで逞しい妻、妻の尻に敷かれている夫、でも、なんだか憎めない二人です。
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2020.02.17
以前から読みたい!と思っていたので、購入。
最近読んだ小説の中では一番面白かったなぁ
セックスがしたくてたまらないクズな夫と
恐妻!だけども音はいい人なチカ
性欲に関しては夫の気持ちもわからないこともないけれど
夫がここまで最低だとゲンナリするチカの気持ちもわかるかな
結局チカも夫を見捨てられず、なし崩し的にセックスはするし
仕事は手伝う(というかメイン)し子供が作るし
そして時たま、本当に気持ちよさそうにもだえる
そこがさらに恋しくいとおしいのだろう
そしてこれは実話に近い状況なのだと言うこともさらに面白ポイント。読めてよかったなぁ
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読み終わるのが惜しいぐらいに笑い倒した。ぱんつカピカピ事件....の下りが一番大好き。私もパンツの裏はよくチェケしとります。
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小説ってもっと賢いものだと思ってたんですけど、監獄学園とかみたいなくだらなさでしたねw
声出して笑いました笑
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妻とのセックスばかり考えている年収38万円の冴えない40代夫の話。
一言で言うと、しょーもない。びっくりするほど。
確か日経の書評で見かけた小説だと思ったが、こんなに苦笑いに満ちていていいのか?
でもたまに不意を突かれて、吹き出してしまうこともあるので、電車の中で読むのは厳禁。
妻チカは滅多にさせてくれない。息子はグレーゾーンだし、鳥取に住む母親は子離れが出来ず過保護だし、父親はいい歳して飲酒運転で事故る。
なによりも主人公の柳田豪太は仕事はしないし、依存体質だし、そのくせ何事も人のせいにするし、ダメ過ぎ。はっきり言ってカスだ。
チカが豪太を罵る言葉(ほとんど普段の会話)が下品でキレキレで素晴らしい。こんな言葉の暴力、受けてみたい!
だけどダメな夫の願いをたまには受け入れてあげるところがなんとも優しい。愛を感じた。
そして、まさかのエンディング!
ある意味村田沙耶香さんの真逆を行ってる小説だな…と思った。
最高に面白いっす。
あまりレビュー多くないけど、もっと読まれてほしい小説だと思った。
…しかし、よく考えてみると、自分も豪太と大して変わらないわけですよ。たまたま仕事に就けて稼げているだけで。基本ぐうたらだし、すぐ人のせいにするし、自己肯定感だけ無駄に高い。
そんな僕に、影で毒づきながらも(娘を通じて聞こえてくる)耐えてくれている奥さんに改めて感謝。
明日からもっと大切にしよう。
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稼ぎがないのに 屁理屈をこね
ちっぽけなプライドを振りかざし
頭の中にあるのは ヤリたいヤリたい
あんたは中学生男子か と。
途中で何度か挫折しかけましたが
最後までよんで
「しょーがねぇヤロウだな」と
乾いた笑いが出ました
笑えるけど
娘がこんな彼氏を連れてきたら
燃やすよ
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面白い作品だが、罵詈雑言がたくさん出るので読むのにエネルギーが必要です。主人公もS〇Xのことばかり考えているので、だんだん読んでいるうちに腹が立ってきます。気がついたら自分も罵詈雑言を言っていることに気がつきます。エネルギーが無い人にはお勧めはしないですが、エネルギーが有り余っている人は読んだ方がいいです。あと、エロい話から急に真面目な話になる場面があるので温度差が急激に変わるので風邪をひきます。
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「それでも俺は、妻としたい 足立紳著」読了。面白かった。この人は売れたんだと思った。先日見たドラマ「コントが始まる」と違うので、ドラマの王道なのかなと感じた。登場人物は、映画「喜劇愛妻物語」の俳優さんに置き換えて読んだ。男の持つ恥ずかしい願望を見せられて、こちらが恥ずかしくなった。私もこの本の帯の文章を考えた。天晴れ!
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アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞した経験のある脚本家ぎ書いたいつまで経っても妻のことを、一人の女性としてめちゃくちゃ意識している男の一途な物語
子供の頃、アホなことばっかりして男の子って「ほんとにバカっ!」て言われてたけど男の子は大人になってもやっぱりバカやなぁって共感を持てるし、なんかほのぼのする。
この内容が実録って大丈夫??って心配になるくらい夫婦の性生活が赤裸々に描かれ過ぎてる
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かなり大味な印象。
映画では水川あさみが主演の為、
見たいと思ったが本ではあまり感情移入ができず。
途中でお腹いっぱいになりました。
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好きなラジオ番組「それゆけメッセンジャー」で紹介されていた小説。電子書籍が販売されるということで、ついつい買ってしまった。
いやー本当におもしろかったな。最高の読後感。
仲の良い男友達らとの飲み会での会話を物語にしたような下品で開けっ広げな内容がたまらない。
他に沢山目移りしながらも奥さんとセックスしたくてたまらない主人公。この人、仕事で成功していたら絶対に浮気しているやろなと思いつつ、口の悪い奥さんとパパが好きな息子との絶妙のバランスで関係性を保っているところがなんとも微笑ましい。
ほぼ実録の小説ということで、ジャンルとしては私小説の中に入るのかな。
西村賢太に負けずダメ男だが、まだあちらよりは常識があり社会の中で生きて認められたいのだという承認欲求が見える分だけなにか笑えてしまう。
ただ、それにより純文学的な崇高さはないのかな。しかし純文学もエンタメもどちらが上とか下とかいう問題ではないということを改めて思い知った。文学は懐の深いものなのだ。
まあこっちのほうが気楽に手に取れるため、読み返す回数は多いかな。
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「妻としたい」「妻としちゃった」「妻と働く」「妻と帰る」「妻と笑う」
5話収録の連作短編集。
主人公は妻のチカ、5歳の息子・太郎と暮らす年収38万の売れない脚本家・柳田豪太・齢40。
ろくに仕事もせず、頭の中は常に妻とする事だけを考えている。
チカにゴミクズクソ野郎と罵られても、したい一身で必死にへりくだる様子が悲哀を感じつつも滑稽で笑いを誘う。
豪太のキャラも良いが、チカの爆発的キャラ、豪太の母、みんな癖が強くインパクト大。
下ネタ満載だが、突き抜け過ぎているので嫌らしさよりオカシサが勝つ。
とにかく笑えるエロコメ。