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紙の本
インテリジェンスとは?と考えさせられる。
2020/04/18 21:19
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:浦辺 登 - この投稿者のレビュー一覧を見る
アメリカという国から、日本人は何を連想するだろうか。自由の国、アメリカン・ドリーム、世界を動かす金融の中心地。時に、移民や人種、宗教の相違から銃乱射での悲劇を早期させる。トランプ大統領のわがままな発言に反発するマスコミ。そんな事々が、がニュースとして日本に伝わる。そんなアメリカに、実は、共産党があると言ったら、日本人は、どんな反応を示すだろうか。一様に、「まさか・・・」「ウソだろう」という言葉が返ってくるのが大半だろう。さらに、この自由の国アメリカで共産党が本格的活動開始が、1933年(昭和8)年からと言ったら、信じられるだろうか。まずは、このアメリカに対する先入観を払拭してからでなければ、本書の問題提起を深く理解することは不可能だろう。
本書は外交官である若杉要が作成した『米国共産党調書』が基本になっている。駐米日本外務省職員が、アメリカ社会で暗躍する共産党の活動を逐一まとめた内容だ。まさか、主義主張の異なる旧ソ連の指令を受けたコミンテルン組織が自由の国アメリカで活動していたとは、信じがたい。しかし、この若杉要が作成した調書に添って、日米関係、日中関係のもつれを見ていくと、腑に落ちる点ばかりだ。いつしか、全十章、270ページ余りが付箋だらけになった。
本書は、アメリカ共産党の謀略と日米関係、日中関係の軋轢だけではなく、現代日本の保守政党である自民党に対する諫言も述べられている。戦後75年といいながら、いまだ、戦後の占領政策から脱却できない日本の原因が述べられている。その大きな要因は、インテリジェンスの重要性を与党が理解していないことにある。インテリジェンスといえば、戦前の陸軍憲兵隊、特高警察のような弾圧組織に結びつけるからではないか。さらには、その報告内容を理解できない為政者の存在が大きい。
日本人は世界に比して善良な国民と言われる。翻ってそれは、他者を簡単に信用し、騙されやすい。他国のインテリジェンス活動を容易にならしめる国民性と言っても良い。そのお人よしの日本人を逆手に、歴史伝統文化が捏造され、洗脳されてきたのが戦後の75年ではなかったか。今一度、本書に記載されている事々と、事件や戦乱を重ね合わせてみてはどうだろうか。ぞっとするのは、間違いない。
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