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涙なしでは読めない短編集。感動した。
ある意味では、とっても技巧的な、まさに短編小説のあり方を勉強し、きっちり身につけてきました!的な短編小説たちである。でも、それが鼻につくというよりも気持ちのいい安定感につながっていると思う。心地よく読むことができた。
一番奥のところに、つまり技巧とか小説作法とか超えたところに、頑張っている人、頑張っているけど不器用な人にたいするリスペクトのようなものがあって、でもそれを露骨に押しつけて嫌われるのがいやで、いろいろ繊細に料理して出してくれているような感じがする。本当に味わいたいのは、一番奥の部分だと思う。
短編集の最後に来て、まさに表題作の最後の数頁で、作法と情熱がすさまじい昇華を遂げる。
涙なしでは読めない短編集。感動した。
2007/10/14
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6つの物語を収めた短編集。表題作をはじめとして、そのほとんどがギュッと中身の詰まったもの。短編でありながら、読書の楽しみをしっかりと与えてくれるのが、とても良い。
その楽しみは内容の濃さとともに、きちんとした語り口に負うところも大きいように思う。華々しくはないけど、端正で整った言葉。そこもこの本の長所として、記しておきたい。
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最初の何編かの短編をあれ?って感じで読み流してしまっていたら、
最後の最後で泣かせてくれました。
エドの力強さが、優しさが、包み込んでくれる一編です。
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2009/05/10読了
森絵都の短編集。
どの作品も、細かな人物設定とリアリティのあるシチュエーションで描かれる「濃い」作品だ。
それぞれの作品ごとに独特の世界観があり、主人公の生きる「世界」も登場人物たちのタイプも全く異なっている。
現実の世界がそうであるのと同様、この一冊を読むことで多様な「世界」と「人間」の存在を教えてくれる。
表題作のテーマにひかれて購入した。もちろん表題作も素敵な作品だった。でも、他の作品もどれも私の心を打つもの
ばかりであった。そこには登場人物たちがそれぞれにきらきらと生きているからだ。
すべての作品が徹底的な取材のもと書かれたであろうことが伝わってくる、丁寧で上質の一冊だと思う。
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短編集って、みんな似たような話に思えて、一冊読むとすべて忘れてるようなことが多くて苦手なんだけれども、これはすべての短編が、話の設定や舞台も雰囲気もそれぞれまったく違っていて、それぞれ印象に残って、よかった。仏像の修復の仕事、国連での難民支援の仕事、など、参考図書を見るとよく研究されて書いているようで、その世界についていろいろ知ることができたのもおもしろかった。特に!「守護神」が好き!大好き、って言ってもいいくらい。わたしも二ノ宮金次郎のストラップがほしい!(笑)。ユーモアがあってキュート。ひどく月並みな言い方だけど、元気が出る。大学の文学部の社会人学生がレポートに苦しむ話なんだけど、レポートってこういうことを書くべきなんだな、ってこともよくわかった。自分の感想とか論評、もちろん、あらすじなんかじゃなくって、新しい発見、とか、新しい解釈、をするものなんだなあと。ついでに、「徒然草」や「伊勢物語」のおもしろい解釈も知れて楽しく、ちょっと読んでみたくなったりも。
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情報科教員MTのBlog (『風に舞いあがるビニールシート』を読了!!)
https://willpwr.blog.jp/rchives/51236620.html
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素敵な短編集。森絵都さんは、最初に読んだ「アーモンド入りチョコレートのワルツ」の印象が強くて、あんまり大人の小説っていうイメージじゃなかったのですが、これはすごく良かったです。てか、直木賞受賞作だったのね。表題作も好きだけど、「守護神」と「鐘の音」も好き。でも、やっぱ全部好きかも…解説の通り、各小説の質感というか空気感の違いがいいし、その並べ方もうまいなー。
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表題作、「風に舞いあがるビニールシート」は、人間としての強さも弱さも狡さも、
すべてありのまま描かれていて、弱い自分を、狡い自分を感じながら
一体どうするべきなのかと深く考えさせられる。
いつもいつも、誰かのためを思って生きていくことは本当に難しい。
それは結局のところ、人生の主人公は自分であるという決定的な事実に基づいている。
だけど、誰かのために、何かのために自分を二の次にする主人公を演じられるのは
すべての動物の中でも人間だけかもしれないと思う。
そこには、沢山の不安を、恐れを、孤独をはねのける強力な勇気が必要とされるのだけれど。
自分にはその勇気があるのだろうか。
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うーん
個人的には
あまり好きな感じではありませんでした
この人の書いた小説の中で
すごく気に入るのと
今回みたくあんま気に入らないのがあって
買う前に自分でどっちなのか
分かればいいな・・と思いました
H21.4.29読了
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やっと読めた!
森絵都の直木賞受賞作。
6編からなる短編集です。
わたしは3つめの「守護神」から
ぐいぐいはまりました。
二宮金次郎ストラップ!!
日常は様々な葛藤で溢れている。
価値観、プライド、常識、ルール、愛情。
何を大事に思うか、何を優先するか、
自と他の間にはなにかしらのズレが生じるもの。
だけど、共感したいし、共有したい。
これでいいのか?とたまに冷静になって
客観的で公平なジャッジもしたい。
折り合いをつけるのが難しい。。。
よく思います。
この本を読んで思ったのは、
それでも、やっぱり人と関わることで
前に進めるんだなぁということ。
小さくても偉大なる一歩。
どのお話も
明るく希望に満ちた、前向きな一歩が見られます。
ほんとにいいお話でした。
なんか、ガコって音たてて、
ズレてたものがきちんと元通りにはまった感じ。
すっきり
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短編集です。
帯に書かれた解説の言葉―本書には「懸命に生きる」ゆえの、狡さや弱さや滑稽さも、目を逸らすことなく描かれていて、とても「人間臭い」。だからこそ、心を強く揺さぶられてしまうのです。―全編読み終えて、解説を読むと確かにこの言葉の通りでした。
帯を見ずに読み始めた私にとっては、正直途中までちょっと首をかしげながら・・という状況でした。
森絵都さん・・??
「器を探して」では高典はちょっと嫌な感じだったし、なによりラストがうまくつかめなかった。
「犬の散歩」は心温まるけれど、特にひねりもなくストレートすぎる感じも。
「守護神」は物語的に先が気になる不思議なお話。
「鐘の音」もちょっとマニアックな感じで、でも不思議で、ラストは意外性があった。
「ジェネレーションX」これは大好き。ここまで読んでやっと森絵都さんだなーと思いました。ラストへのもっていき方が好きです。ふんわりとした気持ちにさせてくれる、まさに森絵都さんな作品。
そして最後。表題の「風に舞いあがるビニールシート」重かった。でも、とてもいい作品でした。恋愛感を含む、仕事や生き方に対しての様々な価値観。自分が大切にしたいこと。
なんだかんだ最後まで読み終えたときには★4つのレベルまで気持ちが盛り上がっていました。
やっぱり森絵都さんでした。
5月からNHKでドラマ化されるとか。
でも映像にしてしまったら、少しベタな感じになりそうな気もします。
とてもいいお話なだけに。
でもやっぱり少し気になりますね。
*2009'5 読了*
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友達のお勧め本になっていたので、買ってみました。
ひとそれぞれ、生きる上で、これだけは譲れないというものがありますね。
私にはあるだろうか?うん、今はわからない。
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価値観。生きる意味。プライド。
いろいろあるけれど。
短編集ですが、どれも素晴らしい。どれほど勉強して書いたんだろうと感心する作品ばかり。
「風に〜」は、ぼろぼろ泣いた。
森絵都の作品だと思って読むと、あまりの雰囲気の違いに驚いてしまうけれど、
それでもやっぱりこの人の人生の受け止めかたが好き。好きです。
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短編集なんだけど
同じ作者が書いたとは思えないほど
いろんな話がつまっています。
中身もとてもよかったけど
このきれいな表紙が気に入っています。
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この人の作品は文体が硬いんですね。
表現もそこまで女性的ではないような。
とは言ってもまだまだ数読んでないのでここからちょっとずついってみます。