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由利麟太郎ものの中編『憑かれた女』を軸に、著者の戦前の作を集めた中短編集。著者の戦前の作の多くは、要するにスリラーで、ミステリ的な妙味はあまりなかったりする。この辺は本書に収録の『首つり船』『幽霊騎手』を読んだ後なら、大概の人がウナ図ていくれるんじゃなかろうか。そんな中、表題作の『憑かれた女』は例外というか、きちんとしたミステリで、驚かされてしまう。いわゆるWHYが腑に落ちる形で説明されるのね。僭越ながら掘り出し物と言わせていただきましょうか。
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『憑かれた女』は金田一耕助シリーズの『喘ぎ泣く死美人』の中に原型版があります。
全く違う経路を辿るので、興味のある方は是非読まれてみてください。
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憑かれた女・首吊り船・幽霊騎手の3編による作品。
私にとっては、初の横溝正史。
文章が、古い。
度々、検索してしまった(汗)
「憑かれた女」オカルト的かと思ったら、単純なトリックだった。
他、2作品は、ホラー要素が少ないかな…。
発表されたのが、40年以上前だけど、今でも楽しめる。
舞台にも出来そうな感じ。
横溝正史は、年月が経っても廃れない作家なんだな…
新たな発見が出来た。
‘20.09.12読書完了
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猟奇的事件と悲恋の一作。
佐藤春夫が探偵小説を猟奇耽異の果実と評した感想に思わず感嘆の吐息を洩らす。
以下、ネタバレです。
憑かれた女はただエマ子が不憫。罪を犯したのは彼女だけど江南が悪戯心を起こさなければこんな悲劇はなかったものと思いたい。最期を五月と共に逝けたのが救いだけど、それでも悲しいな。
首吊り船は三津木くんの活躍が見事。フットワークが軽くて度量が大きい。さすが花形記者というところ。それ以上に由利先生の理路整然とした推理が素晴らしかった。
最後の幽霊騎手は由利、三津木ペアは出てこないものの、風間辰之助のキャラクタがとても魅力的でヒヤヒヤもワクワクもしながら読めた。
悪友三人の友情にほっこり。恋心にそっと蓋をする風間がいい男だった。
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日夜悩まされていた悪夢と同じ光景で実際に起こってしまった殺人事件。
徹底的な理論派の横溝作品にしては、やけに幻想的な表現が多いなと思ったら、そういう事だったのか…!
こういうパターンもあるとは、、犯人も最後まで予想できませんでした。