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池上さんが素人の聞き手に徹して専門家から話を聞き出すことで、生命科学の本の中でも特に分かりやすいものとなっている。しかも分かりやすくなってはいるが、内容自体はかなり高度な部分まで触れている。入門書としては理想的な作りで、ここから興味のある話題について突っ込んで書いた本に進むと、さらに良い。
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池上さんがインタビュアーとして読者目線で、細胞学の専門家のお二人から主に細胞についての話を伺うかたちで、三人でそれぞれの意見を交わしあうといった通常の鼎談とは少し異なります。
話題の中心は生命全般というよりは細胞を中心としたミクロの世界にまつわるものですが、そこから派生して社会や倫理やSF、健康、教育など多岐なテーマに及びます。本書の性質上、専門用語も多くなりがちな話を池上さんが社会や人間などになぞらえた比喩をところどころで用いて確認することで読者の理解を進めてくれることもあって、多くの読者に開かれた著書となっています。また本書は全5章内の各節が3~6Pほどに短く分かれているため、目次から興味のあるテーマの拾い読みも容易です。
本書は生命のしくみについての知見を得られるだけでなく、そこから人間や社会についての考え方についても多くのアイデアを得ることができます。以下に印象に残った箇所をいくつか列挙します。
・DNAは生命にとってのメディア
・現代病の多くは長寿化の副産物
・部分的に死ぬものがあったうえで全体が生きる
・進化は変化にすぎない
・地球外の生命はそもそも認識できない可能性がある
・後天的に獲得した形質は遺伝することがある
・遺伝子が活性化するか眠っているかは環境にもよる
・動的にしか維持できないことこそが生命の本質
そして生命の性質について本書でもっとも多く語られるのは文庫版あとがきにもある「多様性」かもしれません。
※ちなみに新型コロナウィルスの流行に合わせて帯でウィルスに触れていますが、ウィルスについての言及はわずかです。その点を期待されている方はご注意ください。
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「生物」あらため「生命科学」の学びなおしに最適。この分野が恐ろしいスピードで発展していることがよく分かります。
2020年ノーベル化学賞のゲノム編集技術「CRISPR/Cas9」の解説もあり。
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生命の定義を説明できますか?3つのキーワード
境界、自己増殖、代謝
DNA、遺伝子、ゲノム、染色体の違いについて説明できるか?
iPS細胞とES細胞の違いをカーテンの例を使って説明できるか?
高校で生物を学ばなかった人のための導入書
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学生の頃からの疑問が解決された。
なぜタンパク質が消化された後に、アミノ酸に分解され、また同じタンパク質に戻すのか。
同じタンパク質ではなくて、それぞれに特化したタンパク質にレゴブロックのように組み立てるのだそう。
長年の疑問に応えてくれるばかりでなく、様々な知識を得ることができた。うれしい♡
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akira1108wwさんの本棚で紹介されていた本。
文系の自分には全く縁のない、未開拓の分野。
わかるかなぁ…と思いながら読みすすめたのですが…とぉーぉぉぉっても面白かった。
池上彰さんが質問し、東工大の先生が
回答していく対談形式の本。
D N A、遺伝子、ゲノム、染色体の違い
IPS細胞は何が凄いのか
ゲノム編集された中国ベビー
コラーゲンを食べてもお肌プルプルにならない…等。
細胞の基礎解説をもとに展開されていくお話が
本当に面白くてワクワクしながら読み進めました。
生命科学の基礎中の基礎といっても
なかなか理解できない部分もあり、
そんな時は池上彰さんの質問の部分に
戻って、太字で回答されている大切な部分を読んで…と何度か行ったり来たりしながら
読み終えました。
へぇ!、そうなの⁉︎が
沢山詰まった本でした。読んで良かった
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生物という学問領域になんらの知識もなかったが楽しく読めた。
DNA、遺伝子、ゲノム、タンパク質、アミノ酸などなんとなく聞いたことはある言葉や概念について丁寧に説明してくれていると思う。
この本から発展して他の生物学についての本も読んでみたい。