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女子中学生のいじめの話、と一言で表してしまったらよく聞く話なような気がしちゃうんだけど、すごくギリギリのラインで厭な描写が多い。どこからがいじめって当事者たちはもうわからなくなってくるけど、この作品に起きていることはいじめでしかない。ペルーに行こうってそれだけを目標に踏ん張ってる彼女たちが切なかった。言葉で表せない感情が詰まっている一冊。思春期、で片付けちゃいけないよね。
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中学生の執拗ないじめを描いていた。
仲良しをいじめることを強いるという残酷な方法だった。
今日、きっとどこかで似たようなことが起きている。
自分の中学生時代に同じようなことを目撃していたことを思い出し(男子だったけど)助けになることができなかった自分も加害者だったなと過去を振り返ってなお辛い。
いじめられる側に何の落ち度もない。
逃げる方法=自殺を「ペルー」に例えていずれそこに行くからと、今を我慢する姿は悲しい。
仲良し二人組が自殺してしまう事例を聞くが、どこにも救いがなくて大人に頼れなくてこのようにふたりで絶望していったのかなと想像して読み進めた。
引っ越しことで逃げた海の母親が気付き3人を救う方法を提案するところでおわる。
本当に逃げられるのかはわからないラストだけど(とても荒野氏らしいラスト)一人の大人の理解と分かり合える友達がいればきっと救われるだろうなあ。
社会人になってもいじめはなくならないけど、いじめる人ってDNAに刻まれてんの?ってくらい自己中で意地悪なのってなんなの?(怒)
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ものすごくムカつく。
でも、それを受け止める子供達がいることを大人は知らなくてはダメなんだね。
試されるのは大人の感性でね
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あらー、高校生女子のイジメの話しかぁ、ちょっとやだなぁ…という先入観を持って読み始めたのですが、そこはさすがに井上荒野さん、でした。
連載中は「ペルー」というタイトルだったらしいのですが、内容がわかると新しいタイトルが含みを持ち、日本語として素晴らしいと思えた。
「ペルー」という言葉が包括する、此処でない何処か、不安に対する希望、10代の頃のアーチストへの熱愛と同じものを好きな仲間に対する神がかり的な体験(実は大したことない)、など。共感がじわじわ効いてくる。
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仲良し女子中学生3人が海へ向かうロード・ノベル……のようなものかと、軽い気持ちで読み始めたが、登場人物の1人の名前が“海”であることに違和感を感じた。その違和感は正しく、最初に思っていたような話ではまったくないことに気付かされた。ここで描かれるのは、私立の中高一貫校で起きるスクール・カーストである。そしてそれは大人の世界でも起こることだと……。3人が大好きなミュージシャンの遺作である『ペルー』。「いつかペルーへ行こう」と約束する2人の真意とは……。つらい小説だが、最後に救いがあってよかった。
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もう、ね、陸橋の上で海の笑顔を見たよ!
鳥肌。
今思い出しても涙が出てくる。
ペル~~
ペ・ルゥ~~~
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大人だって色々と悩んだり苦しんだりする。女子中学生達だって学校のイジメで悩んでいる。近所に住む仲良しだった3人の女の子のうち、1人が転校してしまった。クラスでのイジメで1人だけ半旗を翻した結果だった。3人が好きだった音楽が唯一の繋がりであり、女の子達に希望を与えた。ラストは卒業をキッカケに3人の女の子達が気持ちを強く持ちその先にある未来の自分たちの生活が少しでも楽しくなるんだ、って思ってくれた事に救いがあった。
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数年前まで、イノウエコウヤだと思っていた者です。
仲良し3人組の女子中学生。そのうちの1人が、ある出来事をきっかけにスクールカーストトップの逆鱗に触れてしまう。容赦ないいじめが始まり、仲の良かった2人も自己防衛からいじめに加担してしまい……という話。
これって、というかこの手の話っていうのは、やっぱり読み手のバックグラウンドによって、世界観も評価も180度変わるんでしょうね。
どんな話もそうだよってなりますが、刺さり方の差が大きいんだろうなと思う。
世の中のルエカは一生ルエカなのかっていうのが気になるところではあるけれど、取り巻きたちのほとんどは死ぬまでそのポジションなのではないかと思う。どんなものであれ、人と人のあいだで「可視化できないけど感じる流れ」みたいなものには敏感に反応してその流れを大きくする。
もちろん子ども時代みたいなわかりやすいいじめに加担したりはしない程度に成長できる人も一定数いる。でも本質は変わらない。
子どもができたりすれば、子どもを余計な面倒ごとから遠ざけるため、より良いポジションに置くため、流れに乗る。感じる流れに上手く乗る。
そして、こういう話を読む人の割合として、そのポジションだったりそこに近かったりする人は実は多いはず。ルエカや海だった人よりは遥かに多いはず。
そして、そして、そんなポジションの人にはあまりこの手の話は刺さらない。多分。なぜなら共感力が低いから。
そう。私の評価は星3つ。
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陰湿なイジメ。それに抗えない憂鬱。友を裏切った後ろめたさと失った哀しさ。青春のひとシーンといってしまえばそれまでだけれど、誰しも多かれ少なかれの悩みを抱えて生きている。母にも父にも友達にも、その母にも、誰しもにある苦悩が巧く描き出されていた。ラスト、希望にむかう終わり方で救われた。
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井上荒野さんの最高傑作。「あたしたち、海へ」という題名や「少女たちの孤独な魂にそっと寄り添う物語」という帯の文句から想像するような、甘やかな少女小説ではありません。読んだあと「私も黙ってないで闘おう!」と力が湧きました。感動しました。
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私立女子中学に通う仲良し3人組。
あるできごとをきっかけに、そのうちの1人が
リーダー的女子に目をつけられ、追い詰められていく。
立ち向かうこともできず、
学校から救いの手も差し伸べられず、
“ペルーにいくこと”を心の拠り所にする2人。
どこにでもあるいじめに似たもの。
ありふれすぎて、どうしようもない。
でもこうやって、大人が一緒に闘ってほしい。
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荒野の世界に、す〜と入っていく。
『なぜ』と『どうなるのかな?』が交差しながら〜
早く読み進めたくなる❣️
荒野の策略だ〜❣️❣️
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女子中学生のいじめの話、といっても書いたのは井上荒野だから、普通のYAとは違うだろうと期待して読んだ。
アマゾンの感想じゃ、「あまりにも救いがない」という声がわりとあったので、そういうこともあり得ると覚悟して読んだが、本を読んでいる人たちと言ってもいろいろだからなあ。読解力がなくても読める本がたくさんあるからなあ。というか、ちゃんと読めない人って案外多いんだね。だから、これでもかとしつこく書き込んだり、いちいち解説がつくような本が売れるのかも。
(後でブクログの感想を読んだら、ちゃんと読めてる人が多くて、やっぱりアマゾンに書く人って‥‥と思ってしまった。書く人が多いと、まあ、石が増えるのでしょう。)
救いは、あるじゃない。
もちろん、いじめがなくなって、みんな仲良くなる、なんて安易な展開ではないけど、実際に有り得る形での救いがあった。
日頃YA読んで、まあ今どきの子どもに読ませるならこんなところかな、と思う事が多いけど、これは、構成といい、描写といい、そんじょそこらのYA作家にはない実力のある作家の仕事だなあと、本当に舌を巻いた。
いじめられている少女達はリンド・リンディというアメリカ人のミュージシャンの大ファンなのだが、彼は脳腫瘍で急逝している。彼の最後のアルバムに入っている「ペルー」という曲を少女達は特に愛している。
この設定が、(実在のミュージシャンでないだけに)下手な作家だと嘘くさくてこそばゆくて、とても物語に入っていけないのだが、井上荒野は上手いので、初めは「大丈夫か、この設定で」と思ったが、大丈夫どころか、とても重大なモチーフになっていても違和感がなく、流石だと思った。
ラストの「ペルー」が表すものの劇的転換が、素晴らしい。彼女たちの心にあるペルーと実際のペルーが重なるとき、生きていける場所がこの世にあることに気づく。
井上荒野という人が、あからさまな応援をするわけではないけど、幼い、大人の世界の入口で希望を見い出せずに苦悶する若者に、負担にならない形で寄り添って、勇気づけてくれているのが、よく分かった。
いじめの首謀者である少女がなぜいじめるのかもきちんと描かれているので、この少女にも何らかの救いがあったら、と思わなくはないが、そこまでやると嘘っぽくなってしまうのかも。
大人にもそれぞれ事情があり、完璧に幸せな家族なんかない、と気づかせてくれるのも、作者の優しさだと思う。
担任教師の事情などは上手くまとまらなかった感もあるが、全体としては良かった。
凄い作家だと思った。
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中学生の壮絶ないじめ。
読んでいてやりきれなくなってくる。
周りの大人が気づかないこと、あるいは気づいていて関わろうとしないこと、そこに一番やりきれなさを感じる。
ここで描かれていることはそう特異なことではないだろう。
無くはない現実だろう。
しかしやりきれない。
やらなければやられる、のかもしれない。
そして首謀者も何らかの心の闇をかかえていて、そのはけ口を求めていじめをくりかえしているのかも。
一番醜いのは知っていて見てみぬふりを決め込む大人、あるいは現実をみようとしない大人。
こんな大人がいなくならない限りいじめはなくならにだろう。
自分がいじめられる側になりたくないばかりにいじめる側につく人間。
子どもの社会だけでなく、大人でも同じことが言えることをこの作品の中では示唆している。
最後に少し、明るい兆しが見えてホッとして本を閉じた。
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ペルーに行くことだけを心の救いにしているのが切ないですね。
小さなSOSを見ようとしない担任や両親に少し腹が立ったりもしましたが、世界が変わらないと…というのは共感できました。