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スタッキング可能で度肝抜かれたけど、今回もまたまぁ、ぶっ飛んでた。すごいな、松田さんこれどんな顔して書いたんだろ。。怒りをすごい感じた。おじさんの世界から少女が消えるところからはじまり、アイドルにどっぷりハマっていく女性と、元アイドルして在籍していた女性たちの一つの仮説?
久しぶりにしびれる作品に出会えて嬉しい。
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ツイッターをよく見る。
昨今のツイッターでは、政治や社会問題についてのつぶやきが流れてきて、それぞれの問題に対立がある。その対立は保守/リベラル、右/左、性差、年齢などの軸を持つ。
それぞれが「自らが正しい、あちらは間違っている」と主張している。場合によっては白熱し、お互いに罵声を浴びせるような場面も見られる。
それをずっと見ているとなんだか疲れてしまうので、そういうときはスマホを手の届く範囲から離して本を開く。
さて、この本はそうやって逃れたはずの現実の延長線上にある。
というか、固有名詞を伏せただけで、ここ数年の日本国内のこと、ツイッター上で話題になることそのままだ。
男女の二項対立。
「おじさん」は中年男性のことを指し示す単語でなく、概念としてある。
少しずつ歳をとり、おじさんに近づいている身としては、『「おじさん」が絶対的な悪であり、女性は常に被害者で無垢である』と訴えているかのような物語にやるせない気持ちになった。
女性が「おじさん」の被害者であるならば、おじさんもおじさんに「おじさん」たることを強いる社会の被害者なのだと思うのだが。
「おじさん」がいなくなれば万事解決なんだろうか。
私は、この問題に対する答えが、この物語が提示したものでいいのだろうかと考えている。
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1部と2部の繋がりが(一読しただけでは)よく分からないのが残念だが、”おじさん”(中年の男性、という意味ではなく、女体を消費・支配してくる家父長制を搭載している人間という意味)、アイドルの在り方、少子化等ここ10年位のジェンダー関連の薄気味悪さ(おじさん以外の人にとっての)が煮詰められている。なので、小説なのであるが、ドキュメンタリーの味わいもある点で、中山七里のエンタメ作品とか、映画『新聞記者』に近い味わいだ。日本の女性政治家にもいますよね、この作品でいうところの”おじさん”が…そしてもちろん自分の中にも”おじさん”分が0ではないところが恐ろしいところです。
最後の部分は、ちょっと発想を飛ばした設定になっているのだが、政府は少子化対策したいのではなくて、少子化にしたいのかと思うと、むしろ納得させられた。
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「おじさん」によって魂をすり減らされた人々が、声を上げる。
「おじさん」は年齢・性別で決まるわけではなく、誰かの魂を傷つけた瞬間から「おじさん」になってしまう。
帯に抜粋された“毎日がレジスタンス”の力強さが最高。
第二部~結末にかけて、現実には叶えられない手法が描かれていた所にフェミニズム文学の妙を見た。
第一部で積み上げられた“物語”が安易に解決しては、現実が置き去りになってしまう。
読み終えて、表紙とカバー下の写真から風を感じた。この風を現実でも感じたい。
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冒頭の「おじさん」から「少女」が見えなくなるという現象が、その後の展開とどう繋がっているのかが一読しただけでは不明だった。
フィクションではあるが、その舞台背景や登場人物の一部はほぼ現実世界に存在する人物や出来事に基づいており、物語が現実と陸続きの世界なのではという想像を掻き立てられる。
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「おじさん」は、すべての中高年をさすわけではない。
「おじさん」は若い男性の中にも時々女性の中にもいる。
「おじさん」に関する説明を読まずとも、どの人たちのことかすぐに気がつけるほど、「おじさん」は当たり前に世の中にいる。
海外で住む日本女性たちは口を揃えて「日本の「おじさん」が嫌い。」「「おじさん」は日本にしかいない。」という。
その意味がこの本を読んで理解できる。
冒頭の、おじさんから女子高生が見えなくなった、というのと、最後の終わり方が私の中でうまくつながらなかったけど、とにかく、日本の女性の未来が明るいものになって欲しいと思った。
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アイドル論を盛り込んだnmmnであり、究極のシスターフッド。挑戦的で挑発的で魅力的すぎる「☓☓とはなんだったのか」仮説、最高でした。
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もっともっと評価されて欲しい、たくさんの人の目に触れられて欲しい、この本がベストセラーになる世の中であって欲しい。不快に思う人も多いだろうけれど、それこそがこの本の存在理由。
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一人の作家にここまでさせた平手友梨奈というアイドルはすごい。本当にすごいと思う。彼女の名前は一度も出てこないけど、彼女なしでは存在しえない作品だった。
私も「おじさん」が支配する国に抵抗し続けたい。諦めたくない。若かろうが女だろうが「おじさん」になってしまう可能性はあるから、外だけじゃなく自分の中の「おじさん」にもちゃんと抗っていたい。もやもやした息苦しさを視覚化して、それをすぱっと透明にすることで、生きやすい世の中の希望を見せてくれた本だった。
【読んだ目的・理由】「この国から『おじさん』が消える」という帯のキャッチに惹かれて
【入手経路】買った
【詳細評価】☆4.3
【一番好きな表現】女が大統領になるくらいだったらあらゆる面で醜悪な「おじさん」を大国の大統領に据えて世界を危険に晒すほうを選ぶように、急病人の命を救うことよりも男の聖域である相撲の土俵に女が上がることのほうが許せないように、深刻な環境破壊よりもそのことを真剣に訴える三つ編みの女の子の口調が気に入らないように、このままきっと「おじさん」によって国が滅び、世界が滅びる。「おじさん」によってみんな死ぬ。(本文から引用)
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『「おじさん」から少女たちが見えなくなった。』
これは日本の男性社会について、そして世のおじさん、政治家、現代を生きる者に対して殴り込まれた一冊だ。
読み終わった後、果たしてこれは小説という括りでいいのだろうかと衝撃だった。
これほど衝撃を受けた本も、我が国ではきっとヒットはしないのではないだろうか。今のままの我が国では.....。
革命の一冊。
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この国から「おじさん」が消える――という衝撃的なキャッチコピーの、女性視点から現代社会を覗き見たありのままを描いた松田青子さん著の作品。最初エッセイかなと思って読んだら、小説だった(一言で言ってしまえばおじさんに対するレジスタンス小説)。作中出てくるXXという女性アイドルは明らかに元欅坂のあの人ですね。
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意地悪な書き方をすると、この本を読んでも本当に読めなかったひとたちが「おじさん」ということ。でもいっぱいいるんでしょ。だからこそ、この終わり方で本が終わることにわからないんでしょ。見えなくなったのは「おじさん」が居心地いい棺にしがみついているから。
少女革命ウテナをもう一回見直したい。最終話を思い出して、わたしたちはウテナにもアンシーにもなり切れないけれど革命を起こしてやりたいね。
至る所に散りばめられた小ネタとか、現実の問題出来事との交差であったり、面白かった。何より途中途中の追い出された少女たちの楽園がすごく良かった。
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「おじさん」から少女たちが見えなくなり、それをいいことに少女たちは「復讐」をし始め、とうとう死者がでたことにより少女たちは「おじさん」のいない「安全な場所」に隔離される……というワクワクするような導入から、突然現実社会のハラスメント告発文学になり、日本に暮らす女性ならなにかしら思い当たる「事例」が並び、そこへ遠い未来と思われる世界の少女たちから見た「現代日本」のリサーチと考察が挿入される。
わたしは、あの「おじさん」のいなくなった世界の描写のほうに惹かれていたので、それを読めないことがわかった時点ですこし退屈に感じてしまった…しかしそれは、描写されてる女性が虐げられている社会について、わたしが嫌になるくらいすでに「知ってる」世界だったせいかもしれない。
最後にまた仕掛けがあり、それは面白かった。テーマとしての「連帯」や「毎日がレジスタンス」はおおいに支持します。
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んー、思ったのと違った。
欅坂の話ならそうといって欲しかった。最後まで読んだけども。
言いたいことは分かる。でも、「おじさん」を逆手にとっている場合も多々あるわけで。
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松田青子さんの小説。エッセイも読みやすくて好きだったが、小説もとても読みやすくてすぐに読み終えてしまった。強烈な「おじさん」ディス。