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23歳のヒッキー・稔明の元へ、父親の画策でやって来た世話係の大学生。わがままでひねくれている稔明は、自分だけのテリトリーに勝手に入り込んできた晃二を疎ましく思い、追い出そうとあれこれ嫌がらせを仕掛けます。でも、そんな稔明の態度に腹を立てた晃二に、捻じ伏せられ陵辱されてしまうことに。
「ふかい森」とは稔明の生きる世界のメタファー。疎外され孤独な生活を送っている彼が、唯一安心安全でいることのできる場所です。そこへ招かれざる侵入者がやって来たことで、稔明の生活は一変してしまいます。
晃二は、稔明とは対照的にマトモな青年。悪いことは悪いとはっきり言えるし、世話好きで常識もあります。
なのに、そんな晃二でさえも稔明と対峙すると冷静でいられなくなってしまいます。頭にきて腹を立てるのが嵩じて、妙な気分になった結果、いけないと思いつつ稔明とのエロい行為にどんどんハマっていくのです。
稔明がひねくれ者の引きこもりになってしまったのは、とても悲惨な要因があります。裕福で恵まれているかに思えるけど、実はちっとも幸せじゃなかった少年時代を過ごしてきた稔明。甘えたくても甘えられない気持ち、満たされない気持ちを抱いて、現実から逃避するために引きこもっているんです。でも、きっかけがあれば誰かと係わりあいたいと思っている感じもするところに、救いがあります。
そんな稔明が、無理矢理で強制的ではあったけど体を繋げてきた晃二によって、人との係わり合いを肌で感じることになるんです。
人生を一歩踏み出す稔明に、とても胸が熱くなりました。かわいげのない態度しかとることのできなかった稔明が、晃二を失いたくなくて本音を吐くシーンがいいんです。感涙。
まあ、きっかけは体の関係ですが、嫌いだったらそうなるわけがないので一見晃二が酷薄な感じがしても、ドS過ぎると思っても、なぜかまったく嫌悪感が無いのは、実はめちゃくちゃ甘い愛が芽生えてるからなんですよね~!好きだからいじめちゃうみたいな。
日ごろはかわいげない稔明も、Hではイヤイヤ言いながらもエロかわいくなってるのがすごいギャップ萌えです。晃二もここにツボったのかなと。
エロ的には痛い系?という不安をあっさり裏切る激甘仕立て。好みです。
晃二の体当たり?なやり方が功を奏して、稔明が脱皮できてオトナになったラストがいい読後感。小山田あみセンセのイラストがステキです。
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タイトルは森だけど、ふたりで手をつないで部屋の外に出ていく口絵が印象的でした。ひねくれた受けが、助けを借りてドアを開ける話だと思います。
この受け、だめすぎます。もうほんとだめ。なんだこの世捨て人は。ちったあ人の気持ちも考えんか馬鹿!
というのが、少し読んでの感想でした。でもじわじわ歪んじゃった背景が見えたり、ときどき見せる素直さとか、たまーに攻めに対して心を開くところを見ているうちに「この子かわいいのでは……?」と感覚が麻痺してきました。攻めくんの言うように、抱かれてるこの子は従順でかわいい。
幼いころに失ってしまった「自分は必要な存在である」という実感を、攻めくんに必要とされることで取り戻していくさまがよかったです。かわいいじゃん、って最終的にはほのぼのした気持ちで本を閉じました。
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・半ひきこもり主人公が、マンションという森の中から
外に出られるようになるまでのお話。
・母親に置いて行かれ、父親は仕事と愛人に忙しい。
父親の仕事先がブラックなため、学生時代いじめられていた。その為、人間不信。
・攻めは雑用係として派遣されてきた。
・受けは性格が悪くいじけている。
・攻めは二十歳の割にできていてかっこいいし優しい。