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投資を行っている者なら誰も知っている効率的市場仮説に筆者は異を唱えて、代わる理論として適用市場仮説を提唱している。筆者によるとそもそも効率的市場仮説には従来から異論は唱えらていたが、反例であり、理論ではなかったとのこと。効率的市場仮説が「物理学」に立脚するのに対し、適用市場仮説は「生物学」に範を求めているという考えは興味深かった。しかし、効率的市場仮説に信を置き、パッシブ運用を行っている身からすると、適用市場仮説により新たな投資アイデアが得られると期待していたが、裏切られた。
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ずるいよ
市場仮説と金融経済の感じでいながら最後の最後で一挙に煽るなんて
まー本書の内容を私のような素人が運用に使えるようになるには少なくともあと10年、理論が整備されて一般向けの解説書が出ないと駄目だろうけど
しかし欧米の専門家はどうしてこんなに惹きつけるような文章が書けるのだろう。ライターが別にいる?いてもいいや
最先端の研究の表面だけだけでもたかだか数千円で味わえるのだものな
私は医学者でもドクターでもないから、ハーヴェイ・ロディッシュにはなれないけれどネットで技術記事を書いたり技術書の紹介をしたり、少しでも道を誤って世の中を良くする人を増やそう
うん
増やそう
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ファイナンスを学ぶ際に、空気のような存在として当然に前提とされる効率的市場仮説に対抗する理論として唱えられた適応的市場仮説。この本を手に取るまでは恥ずかしながら全く知らなかったのだが、進化論的観点からホモ・エコノミクスを捉える切り口は明快且つ納得感がある。
一方で、金融市場とはこうである、という明示的な答えが示されているものではないので、各論は面白いものの読後感がすごくいい本でもない。また、規制に関する論考はどことなく筆者にも答えが出ていないような歯切れの悪さを感じた(私が筆者の主張を理解できるだけの能力がないだけかもしれないが)。各論の面白さを以てして充分に評価できるので、星は4つ。
アルファの探求の為の金融手法の進化は留まることを知らず、ついこの間までアルファを生み出していた手法が一般的になると市場はより効率的になっていく。それでもアルファを生み出す更に高度な手法が開発されていく。一方で環境に適応しすぎたプレイヤーは環境の変化に耐えきれず絶滅していく・・・。
金融市場の参加者を生物のように捉え、各参加者の判断に幾ばくかのバイアスがあるものとして考えると、金融市場は非常に人間くさいものに見えてくる。ハワード・マークスなんかはとっくの昔からそうやってマーケットを見ているのだろうと想像するが、彼の思考の断片を覗き見るだけの存在である私には到底たどり着くことの出来ない世界である。でも、適応的市場仮説というレンズを通してマーケットを見てみると、ほんの少しだけハワードの思考に近づけるような気がした。
あと、一般的な感想として、学問もビジネスも「思考の速さ」で発展していくので、学びを止めてはいけないなと強く思った。空気のように存在する効率的市場仮説を理解することは重要だが、それを絶対として捉えていては見えてくるものも見えてこない。今後もベースの知識を持ちながらも新たな考え方には常に触れていたいと強く思った。
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金融市場は魔物だとよく言われますが、この書籍を読んでなるほど確かに魔物でもあるなという理解ができた気にさしてくれた。
ただ、圧倒的に量が多すぎてわいの脳みそでは一度の通読では3割程度ぐらいしか理解してない気がします。読んでるとなんども圧倒的な知識不足感を感じました。
最後に12章の考え方はとても好きでわいも個人的にはそのような未来が訪れてほしいと思います。
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長らく経済学の基本原則とされてきた「効率的市場仮説」。ホモ・エコノミクスとしての人間は、最も効率の良い方法で選択し、意思決定すると言うのもであるが、最後通牒ゲームやなどの結果やボランティアの行動が示すように、必ずしも効率的とな言えない面も多々あり、この原則が通用しないことも多い。これに代わる新たな原則として提案されたのが本書であり、過去の株式・債権取引等の実績、リーマンショックなどのブラックスワン的事例などを説明できるものとして語られている。確かに、人間と言っても動物のすることだから、進化論的・随時適応的な行動を原則とする考え方は理解できる。太刀川さんの進化思考にも共通する、納得できる説明が多い。一方、まだまだ検証事例が少なく範囲も狭いため、同様の事例を何度も引用することになっている。検証の幅の広がりや件数が増えることで説得力が増すと思うので、今後も注目したい。