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最初はなんて微笑ましいカップルなんだろうと思って読んでたんです。そう、まさに清く貧しく美しいカップルなんだろう、と。
でもこれってある意味でファンタジーだ。
以下ネタバレあり
30歳すぎてようやく手に入ろうとしている大手の正社員を蹴る。文筆業に手が届く、入り口がみつかる。穏やかに恋をして共に暮らしているのに、お互いにちょっとときめく相手に出会う。その相手に好かれる。その相手はとても魅力的だけど、最後はきちんと元に戻る。
なんてそんなのファンタジーすぎるだろ!!!って思うわたしは汚れなのかな。。。
ラストがあまり好きじゃない。どうせならケンジはきちんと正社員になって、なんなら文筆業もノリノリで、カオリと元サヤに戻りブイブイ言わせて欲しかったし、ヒナコも本屋の副店長と清く、ほどよく、美しく生きる方を選んで欲しかった。そっちの方が、なんというか人間っぽい、ってわたしは思ってしまいました。
久々に読んだ石田衣良作品、むず痒かった♡
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久々の石田さんの新刊。
30歳の非正規契約社員の堅志と28歳のスーパーのパートの日菜子。
タイトル通り“清く貧しく美しく”日々の生活を支え合いながら生きる二人。
二人の慎ましい生活を見守りながら、心が温かくなる前半。
堅志のもとに正社員のチャンスが巡ってくるところから物語は大きく動き出す。
読み終えるまでの三日間。堅志と日菜子の行く末をハラハラドキドキしながら追い続けた。
【MILK】や【オネスティ】以来の「これぞ石田衣良!」という感じの王道の恋愛小説でした。
年の瀬にこんな素敵な一冊に出逢えて心から感謝しています。
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2020/01/05予約
清く、は合ってる。
貧しく、はどうかな?出てくる食事シーンの内容は、なかなかリッチに思う。
美しく、はまあそうかな、美しすぎかもしれない。
ケンジは、正社員になり、文筆業も副業でして、日菜子は本人らしいままで、あっちの世界の住人になる、という選択はなかったのか?
この二人なら、そんなバランスで新たな世界を築けたのでは。
安定した生活の上で成り立つ、それでも清く貧しく美しく、はあり得ると思う。
どんなにきれいごとを言っても、お金がないことには、病気にもなれない、子どもも育てられない。
読みやすい本だったけど、ラストは心がささくれ立つ…
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好きな作家さんだし、非正規労働者の話も興味深いので読んでみた。
一気読みできるぐらい引き込まれましたが、結末はいまいちでした。
作者の言いたいこともわかる気がしながらも、別な結末を期待しました。
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ほんわかした小説かと思ったら、中盤から激変しました。
登場人物の個性が確立されていて容易に目に浮かび、また構成も良く一気に読み終わりました。
終わり方には賛否があるとは思いますが、私はこれもありだと思いました。
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タイトル通りのお話。
まー、恋愛小説だからなーw
ってか、恋愛は人それぞれだから、ふたりが幸せな形があるわけで、それで完結なわけで。
ふたりが一緒に居て幸せなら、それがすべてなわけで……そう、ふたりでいれば大丈夫!
いつか後悔する日が来ても、それはその時のお話、ってことで……ね?
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女心は分からない。
堅志が何をそんなに恐れるのかも分からない。
一つだけ分かるのは、単純な「勝ち組」「負け組」で人生の幸せは計れないって事。
闇雲に上を目指して精神を病んだから、そこは痛いほどよく分かる。
ハッピーエンドで良かった。
現実はそんなに甘くないが。
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リーマンショックの影響により就職氷河期をに卒業し非正規雇用で働く2人を描いた作品。格差社会という社会問題を提起しながら描かれている。
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実は初石田作品。
なんとなーく避けていた気がするが、新聞の書評か何かで気になった。(多分)
展開のテンポが良く、読みやすく、ずんずん進んでいったが、なんとなくモヤモヤして終わってしまった。
ヒナが、ケンジが正社員になったら別れようと思うと言った辺りから、か。え?なんで?卑屈過ぎない?と。
大手企業じゃなくても、正社員として安定した雇用を求めるのは普通のことだと思うけど。野望でもなく。
それがたまたま、すんごくカッコいい会社だったから、こんなに幸せになっちゃいけないとか思ってしまったのか?
ちょっと話が出来過ぎかな。
アパートの住人達との話が後半全く出てこなくなってあれれ?とも。
研修で会った人達といきなりバーベキュー云々も出来過ぎのような流れ。元カノとヒナをどこかで会わせないといけなかったから?
ピッキングの経験ないけど、体力だって限界もある。ヒナと「こっち」側で暮らす決断が出来たのも、いつか若気の至りと思う時が来るのでは?と、これは人生を折り返した自分の意見だが。これから結婚して家族が増えた時とか。
貧乏を美徳みたいになってるけど、お金を稼ぐことは悪ではないと思う。
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非正規雇用で働く、アラサーの男女を主人公にした小説。時代がかったタイトルだが、リーマン・ショック後の就職氷河期に大学を卒業し現代を生きる人達の物語だ。とにかく主人公の2人が優しい。金はなくても夢はあり、非正規雇用でも落ちぶれてはいない。男性の正社員登用を機に、転機が訪れた2人の出した答はほろ苦いものだったが納得できるものだった。
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読み始めてすぐ、とにかく「ハッピーエンドになるといいなあ」と思った。まあ、石田衣良なら、そうそう後味の悪い結末にはならないだろうけど。
社名は出て来ないものの、ネット通販大手がどこなのかは察しが付くが、同じ社内の社員とアルバイトの格差のすごさ,フムフムと思いながら読んだ。
正社員と非正規、正社員と派遣などでも、同様の壁があるだろうことは想像に難くない。
そんな中で、紙の本を愛し、音楽も愛している堅志(読み終えて気づいたけど、すごい名前!)はウエストゲートパークのマコトみたい。
レインボーハイツの住人は本当にしょーもない人ばかりな感じだが、トラブルメーカー土田があんなおしゃれなレストランと懇意にしている展開は、ギャップ大きすぎ。
この小説がハッピーエンドなのかどうかは読む人次第かもしれないが、世情を敏感にキャッチして題材にする石田衣良、やっぱり素晴らしいと思う。
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正規と非正規、安定か夢か。社会問題をテーマにする作家らしく格差社会について考える作品。
世の中には勝つため、得をするため生きる人がいる。負けても堂々と胸を張れる人生を生きたいと願う。
ここの一文はグッときた。
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幸せとは何なのか考えさせられる話だった。
家に帰ったら自分を褒めてくれる、受け止めてくれる人がいるってなんで素敵なんだろうと思う。
家の中には傷つけるものがなくて、どんなに外でつらい思いをしてもそこでは優しい気持ちになれる。
お金じゃ手に入れられないものがある。
自分のしたいことを仕事にできる人はどれくらいいるのだろう。
たとえそれがお金にならない仕事でも、そんな仕事に出会えて携わることができることが羨ましいとも思う。
私も一緒に住む人は怒鳴らない人がいいな。
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連続で石田衣良さん!^_^
面白い。
毎度石田さんの小説の題材は私の好みに驚くほどハマってますが今作は特にドストライクです。
キーワードは資本主義、正規雇用、非正規雇用、キャリア、男女、自己肯定感というところでしょうか。
社会人の今常に考えさせられてることばかりです。
高校生くらいまでは考えてもよくわからなかったけれど、大人になった(?)今は現代社会の現実と向き合う日々です。
この世の中大昔見たく生まれた家柄で決まる身分格差ほど大きな格差はなく、資本主義社会、良くも悪くも自分次第です。それを痛感させられました。
上流階級と下流階級の壁、とても共感します。
そこは越えようとしても越えられない壁が存在するし、越えたとしても今まで下流で生きてた人にとっては行きにくさを感じる世界。映画『パラサイト』を連想させました。
それでも資本主義の世の中は賛成です。
けれどこの資本主義の本質を小さい頃からどれほど理解していたかといったら私はあまりしていませんでした。自分の歩む人生はそのまだ幼き学生時代の判断だいたい決まるということに今になって気づいています。
この本をもっと若い時に読めてたら現代社会への理解が深まっただろうなと思います。
この本に共感できない人はきっと「強い」ところで生きてきたのだと思いました。私は「弱さ」を自覚しそれが主人公のように障壁になったことが何度もあるので共感できました、奇しくも。
子どもができたら「強さ」を感じながら生きる環境と免疫を与えたいなと思いました。自分が反面教師です。
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人生、価値観、格差、少し時代や年代がズレれば自分の努力だけではどうしようもないこともある。
それを知るだけで少しだけ世の中は優しくなれるかもしれない。