紙の本
例え親子でも他人であり、分かり合えない。でも温かな共有経験で、温かく結ばれる。
2020/06/19 13:01
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:neoaco - この投稿者のレビュー一覧を見る
内田先生の書籍が好きなので迷わず購入。
娘さんとの、その時は必死だったけど今思うと妙に温かい共有経験、自分は
こう思っていたけど、相手はそうではなかった今更判明した事実の数々・・・。
気持ちよく、共感しながら、そして温かな気持ちで読めました。
昨今の人間関係は、SNS等により沢山のコミュニティーが出来上がり、
常に共感圧力におびえながら、でも一人は寂しいのでそのコミュニティーに
しがみつく・・、したくもない共感を強いられながら・・・。
せめて親子ぐらいはそうではなく、共感が少なくてももっと根源的な温かいもので
つながっていたいですね。考えが妙に整理された1冊でした!
紙の本
親子関係は本当に難しいものですが、それを内田親子が往復書簡を通して関係修復をしていく心温まるファミリーヒストリーです!
2021/03/04 11:42
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、『日本辺境論』、『ためらいの倫理学』、『レヴィナスと愛の現象学』、『先生はえらい』、『サル化する世界』、『街場の日韓論』などの話題作を次々に発表されている内田樹氏と娘で詩人の内田るん氏による作品です。同書は、わが子への怯え、親への嫌悪といった誰もが感じたことのある「親子の困難」に対し、その原因を解きほぐし、解決のヒントを提示してくれる一冊です。とは言いながらも、親子関係というのはむずかしいものである。その謎に答えるため、約一年かけて内田親子は往復書簡を交わします。「お父さん自身の家族への愛憎や思い出を文字に残したい」、「るんちゃんに、心の奥に秘めていたことを語ります」などなど。微妙に噛み合っていないが、ところどころで弾ける父娘が往復書簡をとおして、見つけた「もの」が語られます。笑みがこぼれ、胸にしみるファミリーヒストリーの一冊です!
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投げて打って,そのまま転がり,投げて打って,そのまま転がり,という感じで十分なキャッチボールにはなっていないが,要所要所で家族の有り様の一側面が深掘りされるあたりは面白い.結局家庭ごとの思想・哲学の問題なので答えがある訳でもなく,そういう考え方も確かにあるよな,と納得する一方で,一家庭という小コミュニティの赤裸々な問題にそこまで足を突っ込んで良いのかという居心地の悪さも感じてしまう.
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もちろん僕は、父親と娘という、同じ立場にたって読ませていただきました。参考になることもあったし、うちは無理やなあと思うこともいっぱいありました。さてお父さんの本は何度も読んでいるし、自伝的なものも読んだことがあるけど、るんちゃんのものは初めてでした。いやあ、なんかいい感じだなあ。お父さんと、似たようなこと考えてるんだんあ。ほとんどマンガしか読まないとか書いてたけど、たくさんのお父さんの本を読んでいるのと同じだし、お父さんのまわりに集まってくる人たちの話も聞いているだろうから、それらがすべて文化資本になっていたんだろうな。そうでなかったら30代でこんなしっかりと考えは書けないような気がするなあ。るんちゃんがアルバイトしているスナックのママさんとか、商店街の話、つまり経済の話はなかなかおもしろかった。花見酒もいっしょやな。とりあえずお金は地域の中で回していると、他からも舞い込んでくるんやろなあ。もらった40万も使わんとなあ。(固定資産税と住民税でほとんど持っていかれるけど。まあ、これは毎年払ってるもんやしなあ。)ところで、ツイッターで「むさこ」が何度も登場するの、何となく想像はしていたけど、今回その実態がはっきりしました。すっきり。るんちゃん母の話はまたいつかということかな。まあ、本書を書くにあたってのアドバイスはあったようだから存在だけは感じ取れました。ユーミンの「真珠のピアス」を聴けたのは収穫。「虞美人草」は読み直さないといけないなあ。
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離婚はしていないけど、ひとり娘を持つ父という意味では立場が同じなので、どうしても感情移入が強くなってしまう。かの内田樹だからこその部分もあろうけど、娘から父親に向けられた感謝・敬意の念に、思わずほろりとさせられてしまった。
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内田樹の等身大の姿が垣間見える貴重な本だと思う。それもまた、みんながとりあえず信用することができるだけの情報を出しているだけだと内田樹は釘を刺してはいるけれど。それでも今までの内田樹が発する言葉から窺い知れる姿とはずいぶん違う像を見ることができた。
るんちゃんの洞察力もさすが。この人の言葉選びと視点は希有のものだと思うので、そのうち本を書くだろうな。
それにしても、内田樹が30代後半の娘をまるで10代の子どものように娘に語りかけるのは最後まで違和感ありました。どうなんでしょう、これ。
とはいえ、愉快に自由に過ごして欲しいという親心は共感できたし、カッコつけずに話そうという姿勢はやはり内田樹だなと思ったので、読書としては面白かったです。
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本当は仲の良さを感じました。
3割噛み合えばよいというのに共感します。
完璧を求めすぎてもダメで、時期によってはこの割合がわかるものと思って、子どもに接します。
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内田先生好きにはありがたい企画であった。先生のお書きになったものを読み始めたばかりの時は「るんちゃん」って誰?と思ったものだ。
実の娘にしか言えないであろう内田先生に対する指摘(たとえば81〜83ページ内田先生が自分の欠点として上げておられたいくつかをるんちゃんさんが否定されるところ、また219ページあたりの、インドア派であることを確かめるためにアウトドアを目一杯楽しむ等の行動・思考パターンの分析)が素晴らしかった。
"お父さんは自分のフットワークの軽さや、頭の回転の速さや記憶力・判断力を基準に「普通」を考えるところがあると思います。" 199ページ
この部分もいつも思っていたことで、ものすごく頭の良い内田先生の基準は普通の人とずれている、またご自分以外でも、そもそも優秀な方に囲まれておられるので(お弟子さんも含めて)やはり基準がズレている、もっとみんな頭悪いねん、アホやねん、ダメやねんと思うことがよくあった(お金持ちのボンボンが友人もお金持ちのボンボンばかりで、それを「普通」と思うのと同じ感じ)。改めてるんちゃんさんが指摘してくださって?ちょっとスッとした。
るんちゃんさんのお手紙、回数を重ねるごとにどんどん流れが良くなって、聡明さがあふれていて、さすがだなぁと思った。
"「理解も共感もできない遠い人と過ごした時間があとから懐かしく思い出される」というタイプの人間関係が好きなんです。そして、できたらそれをコミュニケーションのデフォルトに採用したらいかがかと思うんです。" (内田先生)10ページ
"「息子を理解することは諦めたけれど、気心の知れない息子と気まずく共生することは受け入れる」" (内田先生)18ページ
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誰も感じたことがある「親子の困難」に対し、名文家・内田樹さんが解決のヒントを提示します。「笑って、泣ける」父娘の往復書簡。
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何げなく手にとった本だったけど、
最初の方から泣けてしまった。
お互い言葉づかいが丁寧で優しい。
この往復書簡で、あのときききたかった
こととか思っていたこととか、
自分の想いや考えなんかを
整理していってるような感じ。
でも共有した出来事でも、お互い
思ってたことは違っていたりする
という。
最近あきらめとかではなく個人的に
他人でも身内でもやっぱり自分以外と
わかりあえるなんてことは
ないなと思っていたところだったので
この本を読んで安堵するような気持ちに
なったりもした。
とはいっても、そんななかでも
わかりあえたって
思うような一瞬もあるってようなことを
るんちゃんが書いていて、それもよかった。
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親子の関係性について書かれた本なのかなとイメージして読んだら、親子にとどまらず他社との関わりみたいなことについて書かれていた。他者のことを完全に理解することは不可能だから、無理に共感しようとしなくてもよいのではないか、それは家族であっても同じである というのが筆者(父)の考え。たしかにそうだと思った。こどもの価値観を尊重しむやみにこどもの世界に立ち入らない親でいたいと思った。
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父と娘の間に微妙な記憶の「ズレ」が生じていることが明らかになっていくのも、とても興味深い
微妙に共感できないっていうくらいの関係が1番調度良い
最近の世の中は、過剰な共感を求められるが、そんなのは人間である限りありえない。
親子関係って難しいなって思った。
誰とでも尊重しあって、助けあって生きていきたいなって思った。
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子どもの成長と家族の絆はトレードオフであり、家族は常に口では成長しろというが、心の奥底では未熟であることを願っている。家族の呪いから解放されなければ成長はない。子どもをこうしたいという親のエゴは害であり、衣食住を提供する支援者ぐらいの気持ちじゃないと子育てはうまくいかない。
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自分の親に対して100%の好意を抱けない。むしろ嫌いかもしれない。大切に育ててもらったはずなのに何故?
そんなモヤモヤが少し晴れるかも。どうやら同じように思っている子どもは結構いるらしい、ということが分かる。
親の立場では、どうか。2,30年後にもう一度読みたい。
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https://www.chuko.co.jp/laclef/2020/06/150690.html ,
http://blog.tatsuru.com/2020/06/03_1113.html