1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なつめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
認知症について、分かりやすく解説されていてよかったです。マンガによって、親しみやすく理解しやすくなりました。
電子書籍
母の老いをきっかけに
2022/02/14 18:47
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:qima - この投稿者のレビュー一覧を見る
自分でもいずれ身体や精神にガタがくるんだろうなと思い、予行練習に読んでみました。知識は力。やはり、知っていると知らないではだいぶ違う気がします。
投稿元:
レビューを見る
一緒に暮らしている父方の祖母が認知症と診断されています。
この本を書かれたニコ・ニコルソンさんのおばあ様(婆ルさん)よりさらに軽度。認知症の種類も違うので、症状の違いは多少あれど、重なるところもあり、かなり腑に落ちる内容でした。
キーワードは【プライド】と【孤独】なのでしょうか。
認知症ではなくても人間誰しも抱えている感情です。
認知症の方は対岸の人でも、エイリアンでも、モンスターでもなく、私たちと地続きの世界に生きているのだと思いました。
不可思議で理解できない言動も、その方自身の思いがあり、それを心理学で説明できる部分もあることを知りました。
ニコさんのマンガとサトー先生の解説が交互に書かれていますが、本を読むのが苦手な方はニコさんのマンガだけつまみ読みしても概要がつかめます。もっと詳しく知りたくなったらサトー先生の解説を紐解く、といった具合で読んでもよいかもしれません。
巻末にはおふたりが選んだ認知症に関するオススメ本ガイドもあります。
この本はブクログで知りました。
レビューを書かれたフォロワーさんに大感謝です。
……………………………………………………………
Q0認知症ってなんですか?
Q1「お金を盗られた」「強盗にあった」と言うのはなぜ?
Q2同じことを何度も聞いてくるのはなぜ?
Q3何度注意してもお米を大量に炊いてしまうのはなぜ?
Q4突然怒りだすのはどうして?
Q5高齢者の車の事故はなぜ起きるの?
Q6介護者につきまとうのはどうして?
Q7家にいるのに「帰りたい」というのはなぜ?
Q8これってもしかして「徘徊」ですか?
Q9排泄を失敗してしまうのはなぜ?
Q10介護に疲れ果てました。どうしたらいいですか?
番外編 なんでお尻を触るんですかコラー!!
投稿元:
レビューを見る
認知症のまず最初に読んでみる本としては一番よいものなのではないか。
各章はまずマンガから始まるが、よくある導入だけマンガというのではなくマンガだけで基本的な知識は得られるようになっている。さらにより興味を持った人には後続の文章で背景的な知識を補強できるようになっている。
マンガだけ通読しても十分意味が通るし得られるものがあるので、そういう読み方もありだ。この敷居の低さはとてもいいと思う。それでいてちゃんと新しい知見を踏まえた知識も後続の文章で得ることができる。
今後高齢化社会で、認知症はどんどん身近になってきてしまう。いま差し迫って読む必要のある人にも、先立ってどんなものか知っておこうという人にも役立つ本だと思う。
投稿元:
レビューを見る
認知症とは何か?
なぜ起こるのか?
認知症患者のその行動は、どうしてなのか?
認知症患者の一見「奇行」に思える行動の理由を知ることで介護が精神的に楽になる、というコンセプトでマンガと詳しい解説のセットになっている。
マンガだけ見ても理解が出来るようになっていて実にわかりやすい。
Amazonより---------
大好きな祖母が認知症になってしまい、母と二人で介護に取り組むマンガ家、ニコ。人が変わってしまったかのような祖母との生活に疲れ果てたニコたちの前に、認知症の心理学の専門家、サトー先生が現れて……?
「お金を盗られた」と言うのはなぜ? 突然怒りだすのはどうして? 認知症の人の心のなかを、マンガでわかりやすく解説します。
認知症の人の数が既に五〇〇万人を超え、誰もが認知症になったり、認知症介護をしたりする時代。読めば心がラクになる、現代人の必読書!
『マンガ 認知症』においても私は、科学的知見に基づいて認知症の人の心を理解し、本人の状態を楽にするための方法をお伝えしてきました。
一方で、この漫画は、ニコさんや母ルさんが「なんでやねん!」を解決するために奮闘し、婆ルさんと三人で、心の安らぎに少しずつ近づいていく物語にもなっています。
本書が認知症の人、そのご家族、介護従事者の方々、そして認知症やその介護に漠然とした不安を抱いている方々が心の安らぎを得る助けになればと願っています。――佐藤眞一「あとがき」より
【目次】
序章認知症ってなんですか?
認知症を心理学的に研究するということ/認知症とはなにか/
予備軍も含めれば日本に一〇〇〇万人/認知・認知機能とはなにか/原因疾患と認知機能障害の関係/
老化による物忘れと認知症の違い/ 「おかしいな」と思ったら
第1章 「お金を盗られた」「強盗にあった」と言うのはなぜ?
中核症状と周辺症状/物盗られ妄想の原因/自己防衛としての物盗られ妄想/
身近な人を疑う理由/認知症と薬/薬をやめてみる
第2章 同じことを何度も聞いてくるのはなぜ?
さまざまな記憶の種類/短期記憶と長期記憶――陳述記憶のプロセス/
エピソード記憶障害の原因/符号化、貯蔵、検索――記憶のモデル/未来の予定がわからないことの不安/
何度でも同じことを聞く理由/なんのための介護か
第3章 何度注意してもお米を大量に炊いてしまうのはなぜ?
陳述記憶と非陳述記憶/手続き的記憶が残る理由/
繰り返される行動には、その人のアイデンティティが現われる/同じものを大量に買ってしまうときは
第4章 突然怒りだすのはどうして?
前頭葉障害で、行動のコントロールが難しく/注意機能が低下し、気が散りやすくなる/
前頭側頭型認知症の場合/夕暮れ症候群/偶然見つけたヒント/会話が重要/ときには放っておくことも有効
第5章 高齢者の車の事故はなぜ起きるの?
シニアカーがぶつかってきた/有効視野の低下/自分が今まで何をしていたのかわからない/
注意機能の衰え/選択的注意機能と有効視野/一度に二つ以上のことができなくなる/
認知症に限らず失敗しやすい「注意���切り替え」/家族の同乗がかえってよくないこともある/
運転が苦手になるのは、認知症の人に限らない
第6章 介護者につきまとうのはどうして?
遂行(実行)機能障害/目標・計画・実行のどこができないのか/できない自分に傷ついている/
押し売りに引っかかってしまうのは?/見当識障害という問題/過去と現在と未来をつなげる/
実行機能と遂行機能
第7章 家にいるのに「帰りたい」と言うのはなぜ?
見当識とはなにか/記憶の低下との関係/幼児期の記憶のあり方と似ている/
婆ルさんはどこに帰りたいのか
第8章 これってもしかして「徘徊」ですか?
目的もなくうろついているわけではない/ 「徘徊」はなぜ起きるのか/頭の中の地図がつくれなくなる/
建物と自分の位置関係がわからなくなる/鏡の不思議/徘徊が出てきたら、どうしたらいいのか/
徘徊がおさまるのはいいことか
第9章 排泄を失敗してしまうのはなぜ?
排泄の失敗が増える理由/失敗を認めることは、プライドが許さない/弄便で自宅介護が限界に/
なぜ食べられないものを口に入れてしまうのか/本人のプライドを傷つけないために
第10章 介護に疲れ果てました。どうしたらいいですか?
人間関係はギブ&テイク/ 「思いどおりにならない」はコントロールのはじまり/
「なぜこんなことをするのか」?と考える/心がすれ違うことで、ケアがコントロールに陥る/
社会的認知機能の低下と「心の理論」/まずは話を聞くことから/介護を生きがいにしない
番外編 なんでお尻を触るんですかコラー‼
衝動を抑制できない/性欲以外が原因のことも/優しさが逆効果になることも/高齢者の性欲を認める/
家族で認知症について話し合える関係に
あとがきニコ・ニコルソン 佐藤眞一
投稿元:
レビューを見る
webちくまかなにかで読んで、おもしろそうだと思っていたので買って、そこらにおいておいたら、高3長女がさっそく読んで、次に思いがけず中2ぼーずも手にとって「マンガだけ読んだ」とのこと。うれしい。
やっと自分でも読んだ。介護者が、当事者の状況と気持ちが想像できず互いに気持ちがすれちがってしまう悪循環を避けられるように、必要となる知識や発想のしかたがわかりやすかった。これたぶん、幼児やいろんな病気や障害がある人の対応にも多少は活かせるんじゃないかな…
投稿元:
レビューを見る
確かに理解しやすい。
本当に学ぶならこれを読んでから専門書を読むと理解しやすい。
泥棒のあたりは、成程そうか!と分かる。
投稿元:
レビューを見る
心理学・老年行動学の研究者である佐藤眞一さんと、認知症になったお婆さまについて描いた漫画「わたしのお婆ちゃん」の作者ニコ・ニコルソンさんの共著による認知症本。
漫画による婆ルと家族の記述と、それにまつわる専門的な文章で構成されていました。
「わたしのお婆ちゃん」で、認知症の家族を支える介護側から見た大変さ、そして認知症になった本人の気持ちを類推してのエピソードもわかりやすくてよかったのですが、それに加えて、専門家からの知識がわかりやすく書かれていて、とても勉強になりました。
実際に必要になる前に、また読み返そうと思います。
そうそう「この書籍は、紙の本で買うべし!!!」
この書籍、各章の冒頭に10ページ程度のニコさんの漫画があり、その後に佐藤先生の専門的な解説がある、という形式。それを知らずに、最初は電子書籍(kindle)で買ってしまったんですが、漫画部分が「挿絵」として挿入されているので、そのまま読むと、
・(挿絵なので)表示が小さめ
・拡大しようとすると「挿絵を開いて拡大した」状態になる
・本文に戻るのに「挿絵を閉じる」という一手間がかかる
というとても読みにくいものでした。
でも、どうしても読みたかったので、仕方なく紙の本で買い直し…。むー。
※紙の本と電子書籍で、どちらかを買ったらどちらかは半額!みたいなバンドル購入オプションがあればいいのにね…。
投稿元:
レビューを見る
認知症、と言っても人それぞれに症状や行動パターンは違い、本人の頭の中(感じていること)は本人にしかわからない。でも、その本人に「どう思った?」と聞いた時にはもうその記憶はない。
認知症の人に寄り添って考え、行動することが大事とは理解できるけれど、そのことが過大なストレスになることも事実。
投稿元:
レビューを見る
もう、表紙に書かれています。認知症というテーマが難しいことは。『…認知症に特徴的なのは「生活の障害」が基準になっていることです。…つまり、生活に支障がなければ認知症ではありません。でも、生活に支障があると診断しても。医学には解決できませんよね。認知症は、介護や家族の支えというものを前提とした診断基準になってるという、珍しい病気です。…』東日本大震災で被災し家を建てるところまで乗り越えた、おばあちゃんが認知症になってしまって、その状態に翻弄される娘と孫娘の大変さ。いや、なってしまったおばあちゃんの大変さ。認知症とはどんな病気かを啓蒙する新書にマンガってどうよ、ぐらいの感じでしたが、マンガでなければ伝えきれないテーマだと思いました。痴呆症という言葉が認知症という言葉に置き換わっただけで病気に対する理解が変わる、ということに見られるようにどんな言葉で病状を捉えるか、ということが大切な要素です。本書でもMCI、夕暮れ症候群、見当識障害、遂行機能障害などなど、認知症のさらに先の理解を進める重要なキーワードがいっぱい出てきます。それを解説するのはこの本のもう一人の著者、佐藤眞一博士。非常に当事者と介護者、双方に寄り添い丁寧に語り掛けてくれますが、孫娘ニコさんのマンガが無ければやはり難しく重苦しく避けたい内容になったかも。親にも起こり、自分にも起こる問題として、このテーマを自分事として引き寄せるためには、本書は「マンガ認知症」ではなければならなかった、と思いました。
投稿元:
レビューを見る
大正生まれの母。デイサービスでは、認知症らしき方と一緒になるらしい。自分が認知症になっているでは?いつかなるのでは?と心配していた。この本、専門用語はでてくるけど、漫画と説明が交互にあって、認知症について分かりやすく書いているよ、読んでみる?と見せてあげた。あの人に当てはまることがあるとか、自分は大丈夫だとか言いながら熱心に読んでいた。・・・いやいや、それだけしっかり読むことができれば、あんたは認知症じゃないよ、読解力、こっちが負けそうだわと思いながら聞いた。
・・・感想じゃないな。
投稿元:
レビューを見る
これからの時代に来る超高齢社会は、認知症と無縁でいれる人は少ない。だから今から学んでおいた方がいい。
長生きするのが、本当に幸せか。
ある調査では、2020年現在の65歳以上の認知症有病率は6人に1人と推計されている。
この数は、さらにこれからも増加すると予測されていて、そうなれば誰もが認知症と関わりを持たずにには居られない可能性が高い。
本書は認知症患者の介護というシリアスな現実が漫画でコミカルに描かれている。なんなら、笑えるような描写も多い。ある種のギャグ漫画にも思える。
だけども、実際の家族の立場で想像してみるとかなり感じ方は変わってくる。もう、全然笑えない。
本書は、認知症患者のこころの中を知ることで、ひとつひとつの問題行動の対処法に活かそうという本だ。理由がわからないから、人は悩む。逆にいうと理由がわかれば対処もできる。しかも、書かれている具体策だけでない個々の境遇への応用も可能となる。
漫画で本来ならシリアスな問題を、コミカルに描写した著者には尊敬しかない。しかも、自分自身の体験なのに、である。
脳科学における記憶の仕組みからやさしく教えてくれるおすすめの一冊。
投稿元:
レビューを見る
皆さんの周りの近しい人が認知症に近づく少し前に、読んでおきたい格好の手引書です。非常にわかりやすく、適当に詳しい。
認知症の人の行動には理由があります。それを「危険だ」「転んだら大変だ」といって止めようとしている。ただ頭ごなしに止めるならば、それはコントロールです。止めるけれども、「なぜ出ていきたいんだろうか」と考え、その思いを汲み取ろうとするなら、なにか別のことができるかもしれません。(236p)
私はこの10数年間で、3人の親族を看取り、また仕事との関係で、数多くの認知症患者を観てきました。3人の親族に対しては、後悔ばかりですが、どう後悔していいのかもわからなかったけど、あゝあそこが分岐点だったのだな、と気付かされました。
認知症特有の行動があります。大体は「特有」だと言うことは知っていたけれども、その「(特に根本的な)理由」「対処の仕方」をキチンと知っていたわけじゃない。あと20年ぐらいは手元に置いて、(私自身のために)時々参照したいと思います。以下、私が体験した「行動」。
・お金を盗られたと言う。
・ご飯を食べていない、食べさせてくれないという。
・同じことを何度も聞く。
・実際にあったことと違う話をする。
・同じものを毎回買ってくる。
・料理の味が変になった。
・便を漏らしているのに気づかない。
・突然怒ったり泣いたり感情が急変する。
・人が大勢いる場所で立ちすくむ。
・料理・運転ができなくなってきた。
・今日の予定を何度も確認する。
・金銭や薬の管理ができなくなってきた。
・好んでやってきたことに無気力になる。
・家にいるのに「帰りたい」という。
・毎日あっているのに急によそよそしくなる。
・汚れた下着を隠してしまう。
・物事を他人の立場に立って考えられない。
投稿元:
レビューを見る
学生にぜひ勧めたい本。漫画の部分だけでも読んでほしい。認知症にも心の理論が当てはまること、虚記憶、鏡現象などの概念が勉強になった。感動もした。
投稿元:
レビューを見る
コミカルな作風なのに、認知症のおばあさんの心の悲しみ、不安が描かれていているコマがいくつかあって、とても切なくなった。でもこの本も、認知症本人が可哀想でしょ、感が強いような。後半に少しあったけど、もう少し介護している側の負担についてそれの解決方法を掘り下げてもらえると良かったかな。