紙の本
あの日…
2021/05/07 21:15
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投稿者:あおたいがー - この投稿者のレビュー一覧を見る
2004年に起きた連続殺人犯と間違われ、事故死した少年。その15年後に起きた不倫カップルの殺人事件。そしてその犯人。これらが結び付いていく。
何がどこで繋がっていたのか判明していくたびにまた新たな謎が浮き出たり、真実が恐ろしい…。
母親の狂気が全てなのか。
突然息子を失う哀しみもわかるけれど、それ以上に息子や、幸せそうに見える家庭への執着が凄まじすぎて恐い。
殺人という行為よりも何よりも人間が怖いものだ。
誰もが不幸で、狂っていて、狂わされていて、自分を見失ってしまうのだろう。
『なぜ死ななくてはならなかったのか』
真実は闇の中に消えた方が幸せな場合もあるのかも…。
紙の本
壊れていく母親
2021/02/14 11:49
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投稿者:chieeee - この投稿者のレビュー一覧を見る
出来合いする息子が亡くなるところから物語はスタートします。大きくは2つの家族の物語。母親が息子に傾倒するのはよくある話ですが、いきなりいなくなる事で、心のバランスが崩れ、息子の事以外はどうでもよくなっていく感じが本当に怖かったです。息子ではなく、娘にかける言葉を読み、娘が離れて行くのも理解出来ますが、この母親には何も救いがないのが読んでいて辛くなります。ここで留まれるかどうかですが、そこまで傾倒されている息子は息苦しくも幸せだったんだろうなとは思える。読後感はよくはありませんが、いいお話だとは思います。
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あの日、君は何をした
2022/08/28 23:13
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投稿者:なみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
息子が深夜、殺人犯に間違われて事故死する。息子の死を受け入れられない母親は、自分を責め、壊れていく。
どんどん自分の世界に入り込み、残された家族のことも考えられず、狂気に囚われていく。どこまで壊れていくんだろう、戻ってこれないのかと、ぞわぞわしてきた。
なぜ息子は死ななければいけなかったのか、それに囚われ、真実を知りたかったのだろうが、真実もキツいものだった。真実は知りたくなかったなぁ。
親にとって、子どもはいつまで経っても自分の子ども。それが母親だと、強く感じられた。
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人間て怖い
2022/02/11 12:34
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投稿者:kochimi - この投稿者のレビュー一覧を見る
あの日、君がしたことで、
人生を狂わされた人多数。
成績も良くて、スポーツもできて、
家族思いのよく出来た息子。
その驚愕の一面は、
知りたくない人間の怖さ。
紙の本
ふたつの物語がつながります
2021/05/11 21:02
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投稿者:こやまん - この投稿者のレビュー一覧を見る
さーっと一気に読めました
年代のずれたふたつの家族が、終盤に重なってきます
おもしろいです
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書店の無い街には住めない。長い間そう思っていたが、今住んでいる最寄駅近辺には書店が一軒も無い。近くの商店街にも無いので、休日に書店を覗きたくなったら隣の駅にある大型書店に行くしか方法がない。10年近く前に引っ越してきた当時は駅のすぐ近くに小さいながらも書店があったのだが、2年ほどして閉店してしまったのだ。そりゃないよと思ったものの個人の力でどうにかすることが出来るわけもなく、それ以来書店の無い街に住み続けている。東京都内に住んでいても、都下ではこういう街が数多くありそうだ。
しかし、最近転勤で職場を移ったところ、職場から徒歩数分のビルに大型書店が入っていた。コミックから文庫本、単行本、ビジネス書などありとあらゆるジャンルの書籍が山と並んでいて、本好きの私にとっては少女漫画のように目に星がキラキラと浮かんでくるようだ。数日に一度書店に足を運んでいるが、大型書店なので売れ筋の書籍ばかりではなく「書店員オススメの一冊」的な書籍がいろいろな場所に置いてあるのが楽しい。いつもは手に取らない作者の小説も、手書きのPOPを読んで「たまには知らない作家さんの本を読んでみようかな」という気にさせられる。
こういう出会いがあるからこそ書店通いはやめられないし、ネット通販では満足できな理由の一つだなと思う。
書店の平台で見つけて思わず買い求めたのが、”まさきとしか”さんの書かれた「 あの日、君は何をした (小学館文庫)」という一冊だ。
北関東の前林市で平凡な主婦として幸せに暮らしていた水野いづみの生活は、息子の大樹が連続殺人事件の容疑者に間違われて事故死したことによって、一変する。深夜に家を抜け出し、自転車に乗っていた大樹は、何をしようとしていたのか――。
「15年後、新宿区で若い女性が殺害され、重要参考人である不倫相手の百井辰彦が行方不明に。無関心に見える妻の野々子に苛立ちながら、母親の智恵は、必死で辰彦を探し出そうとする。刑事の三ッ矢と田所が捜査を進めるうちに、無関係に見える二つの事件をつなぐ鍵が明らかになる。〔「BOOK」データベースより〕」
物語は連続殺人事件の容疑者と間違われて事故死した少年の話と、その15年後に発生した若い女性の殺害事件の2部仕立てとなっている。
15年前の事故では幸せだった家庭が一晩で崩壊し、息子を失った母親の狂気に恐ろしさを感じる。また、15年後の女性殺害事件では、妻の様子や義母の行動などに疑問や恐さを感じながらもいろいろな出来事が徐々に繋がっていくことに驚きを隠せなかった。
15年前の事件と15年後の事件が、どこでどのように繋がるのかが全くわからなかったし、事件を追う刑事の行動や過去なども含めて終盤でいろいろなことが一気に繋がっていくことに驚いた。
ミステリー作品ではあるものの、家族のあり方や子育てのあり方など、様々なことを考えさせられる一冊だった。物語の後半になるに従って、何回も前半のページを読み返してしまったが、それほど巧みな伏線とストーリー構成だった。
読んで良かったと思える一冊だ。
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おもしろかった!!
平凡ながら幸せな家庭で暮らす水野いづみ
最愛の息子が連続殺人犯に間違われて事故死したことで生活が一変する。
15年後、新宿で殺された若い女性
重要参考人の百井辰彦が行方不明に
しかし、その妻の野々子は夫に全く無関心に見え…。
一見すると無関係に見える2つの事件には実は
衝撃の真実が隠されていた…。
どのストーリーにもポイントとなる母親の愛
その母親の愛は愛情か?狂気か?
でも一番怖かったのは…
ラストの彼の言葉かな…。
三ツ矢刑事
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帯に書いてあるような「極上のミステリー」だとは思えなかった。
大樹の事がサッパリわからなかったし、いづみの気持ちもわからない。三ツ矢さんはもっとわからない。
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登場人物のつながりがどうなるかと思っていたら、そういう結末か。救われたのか救われなかったのかわからない。
それにしても、母親の息子への溺愛っぷりは引くほどすごい。
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面白かったです。
まさか各章の話がそういう風に繋がるとは思わなかったから、読んでてなるほどな〜と驚かされました。
母親の強い愛がここまで人を変えてしまうのかと、ミステリーの中でもヘビーめな作品でした。
ラスト個人的には好きです。
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一見、関係のない2つの事件が徐々にジワリジワリと繋がっていく工程は、自分の思っていたところとは違うところから攻めてきたので、意外であり、楽しめました。
内容の構成は、一部と二部に分かれています。
一部は、2004年に殺人犯が脱走した裏側で起きた中学生の死亡事件。
なぜ、中学生は職質から逃走したのか?母親側の視点から、息子を失ったことによる心理描写や世間からの誹謗中傷が描かれています。最初は哀しみの場面でしたが、段々と常軌を逸していきます。続きが気になる場面で二部へ移動。
二部では、2019年に発生したアパートでの殺人事件。重要参考人が行方不明という一部での事件と共通しているの?というくらい、全く違うところからの登場でした。
しかし、段々と一部での事件とリンクしていき、最後には驚きの展開がありました。
殺人事件の犯人は?重要参考人はどこに?
そして、一部での中学生の行動の真意とは?
段々とピースがハマっていくかのようで、文章が読みやすく面白かったです。
ミステリーとしても楽しめましたが、女たちの「仮面」が剥がれていく描写も楽しめました。
子供を失った心理描写、子供が心配が故に段々と自分が壊れていく描写、世間体としての「仮面」が剥がれ、素が出たときの描写などが、丁寧に描かれていました。
恐怖でもありましたが、哀しみにも捉えることができました。女たちの陰となる部分を垣間見たようで、ゾワゾワした感覚に襲われました。
中学生の行動はそうなのでは・・・?という匂わす形で終わったのでモヤモヤ感はちょっと残りましたが、それを超える驚きや展開が面白かったです。
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面白かった!!前に何かの小説で読んだ、「真実は一つじゃない」という主題を思い出しました。死人に口なしだしね。
鍵となる猿渡いづみの歪み具合に少々わざとらしさというか、つくりものっぽさを感じたけど、まぁこれは単純にトリックで楽しむ作品のような気がします。
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振り返ってみて 改めて話すと 当時受けた印象とはまるで違って聞こえる なんてことが確かにある
どうして そんな行き違いが起きたんだろう
なんで そんな思い違いしてしまったのか
でも きっと それに気つかずに時間が過ぎ 忘れてしまうのがほとんどなんだろう
このお話は その巡り合わせが悪かった結果の悲劇だと思う
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複数の人間の視点から構成されていて、どうつながるのかなぁと思い仲間ら読み進めたが、きれいに回収されてて良かった。
帯に、まさかの結末にあなたは戦慄するか、涙するかと書かれていたが、私は戦慄でした。
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第一章での謎。
第二章に入り、冒頭では
第一章との繋がりがわからず、
これは作者の腕が試される展開だと期待させられた。
読み進めていくと、すべての人物が
少しずつ線で繋がっていく。
こういった、全く違う話を
一つにつなげていくような文章を読んでいると、
文字が浮いてしまうような、
本の世界の上っ面を撫でているだけのような
集中できない感覚に陥ることが多いが、
この本は本の世界にのめり込むことができた。
作者の技量で自然と本の中に誘い込んでくれるような
読みやすい本でした。