戦記ノンフィクション、最後の大作か
2021/03/27 20:55
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ひでくん - この投稿者のレビュー一覧を見る
南京戦、ガダルカナル戦に参加した元兵士の他、元特攻隊員や元抑留者、元BC級戦犯とされた方々の声などが丁寧に綴られている。中でもペリリュー島の戦いからの帰還者への取材は息をのんだ。実際の戦場体験者の声はやはり重い。
投稿元:
レビューを見る
戦争体験者の声を元に書かれた内容だったので、非常に納得感のある内容でした。南京大虐殺、特攻隊、A級戦犯など証言を元に学び直すと、小中学校で学んできた史実は違うなと再認識した。
特攻隊に志願した人(本当は違うかもしれないが)は『お国の為、天皇の為』に死んだのではなく自分が死んでも護りたい家族、護りたい故郷があったから米軍に攻めに行ったという。特攻隊はかわいそうなイメージが32歳の私にはあったが、そうではない。日本という国を、私たち家族を護ってくれた事実があることを私たち日本人はもっと知らなければならないと思った。
昭和史は不思議なもので、知れば知るほど『日本に生まれてきてよかった』と思えるし、好きになる。そして、日本の為に戦争で戦ってくれた兵隊に感謝したくなる。だからまだまだ勉強したいとも思う。
表紙にある上皇上皇后両陛下の背中にある重みがわかる日本人はどのくらいいるのだろうか?
色んな人に読んでほしい1冊です。
投稿元:
レビューを見る
著者が調べたいことがあれば必ず現地に飛んで、関係者に丁寧にインタビューをして書いている。内容もさることながら、インタビューに応じた方々の年齢を考えると、これだけの証言を集めてあり非常に貴重な本だと思う。内容は知らなかったことばかりで、反省することも多かった。
最近、天皇と皇后がモンゴルに慰霊に行かれたときにシベリア以外に抑留された人がいたことを初めて知ったが、これとは別にカザフスタンに抑留された人たちがいたことは知らなかった。
南京虐殺事件については、中国の言う30万人は誇張だと思っていたが、実際にどんな状況だったのかについては、昔たしかドイツ人の書いた本を読んでやはり虐殺事件と言うものはあったのだと思っていた。あの本に書かれていたのは何だったんだろう。インタビューを受けた人も一部については知らなかったのか???A級戦犯というのがBC級と比べて程度がひどいわけではなく、種類が違うだけというのも初めて知った。BC級裁判で冤罪が多かったというのもご本人はさぞかし無念だったろう。A級にも日中関係に特に気配りをし軍紀にも厳しかった松井石根がいて、主席判事のキーナンでさえ終身刑が妥当と考えていたらしい。絞首刑となったのは冤罪だ。A級戦犯の絞首刑直前のエピソードと、教戒師の「あの7名は戦争責任者ではあった。しかし戦争犯罪人という言葉は適当ではない」という言葉を知って、A級戦犯に対するイメージが変わった。
杉浦千畝以外にユダヤ人を助けた樋口季一郎という人についても初耳だった。この人はソ連の北海道占領も防いだ立派なリーダーだったそう。何より上官に向かって「ヒトラーのお先棒をかついでユダヤ人をいじめるのが正しいことと思われますか?」と言い放ったということで感銘を受けた。台湾で空中戦のあげく墜落するときに村を避けて逃げ遅れたパイロットが村を救った恩人として大切に祀られていることもびっくりした。こういう人たちについて日本人が知らないことについて、外国人のほうが日本は学校で何を教えているのかとびっくりするらしい。
特攻も飛行機だけでなく人間魚雷のようなものもあったり、ともかく戦争になると理不尽なことが繰り返される。当時は特にそうだったと思うが、お国のため、家族のためと信じて、覚悟のうえ身をささげた人たち、艱難辛苦を強制された人、生き残ってしまったことをいまだに悔いている人、本当に私などの想像を超える様々な方々の経験のうえに今の日本が成り立っていることに、今更ながら気がひきしまる。戦争に加担するようになっていくかもしれない状況を緊張感なく放置していてはいけないと思った。