紙の本
今までにない斬新な解釈の有名武将短編集
2020/11/29 11:17
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投稿者:たっきい - この投稿者のレビュー一覧を見る
戦国武将6人を取り上げた短編集。短編といいつつ、微妙に各話が関係しています。信長の話は、桶狭間の戦いの様子がかなりリアル。謙信の話は兄との関係が印象的。光秀の話は、信長に仕えるまでの過程が書かれていて興味深かったです。朝倉家に仕えていたとは知りませんでした!それよりも驚いたのが、光秀が謀反に至る信長とのやり取り。今まで見たことのない斬新な解釈。小早川秀秋の目線で語られる話も秀逸。今までの凡愚な秀秋像と一線を画します。最終話の秀頼の話は、家康がもっと早く亡くなっていたら、どんな歴史になっただろう?とすごく創造を巡らしながら楽しく読めました。
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順番が……
2023/08/07 23:41
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
最後に豊臣秀頼のお話を持ってくるのは、作者のこだわりなのでしょうか?これで、終わりというのはなぁ~と、イマイチ、ラストで納得いかなかったですが。作者独自の解釈ですので納得出来ない点は仕方ないですね
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戦国時代短編集。
敵を得た武将たちの物語。
『覇舞踊』織田信長
…戦の前に、一人舞っていた。敵の今川義元も、今、舞っているという確信があった。
・戦の先を見据える、武将・今川義元の姿を信長の目を通して見る。
『五宝の矛』上杉謙信
…父亡き後、外憂内患の家中に、乱世を生き抜く虎のまなこを持つ兄と弟。強きものの宝=富、兵、大義名分、信仰、そして…。
・「敵に塩を送る」の意が、成立時は違うかった。
『純白き鬼札』明智光秀
…安穏とした退屈な朝倉家での日々から、血と泥に塗れた織田家での十年間。
・家臣の思う信長と、家臣からの信長への思いと。短編とは思えない重さ。
『燃ゆる病葉』大谷吉継
…関ヶ原前夜。吉継の戦国。三成と吉継。家康と吉継。
・両翼の間柄だったからこそ、わかり合えたからこそ。
『真紅の米』小早川秀秋
…幼い頃から、命の綱渡りをしてきた秀秋。天下分け目の合戦時に考えていたのは、握り飯のことだった。
・ひそやかにまわりを観察し、自分の首をつなぐための道を、1つでも多くの命を拾うことを道を探っていた10代の少年のことを考える。
『黄金児』豊臣秀頼
…黄金の城に住む子は神童と呼ばれ、やがて文武両道の頼もしい青年となる。ただ、やわらかな繭の中にいた青年は、外の騒がしさに触れることを欲するようになる。
・徳川家に最初に傷をつける。彼の没後、戦国の世は終わり、かつて血気にはやる武将たちが開いた道を太平を謳歌する人々が往来するようになった。
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日本史は正直全然わからない自分でも知っているような合戦に臨む武将の短編集。いやぁ、面白かった!
歴史上人物だって一人の人間だし、こういう風に考えたのかもしれない、こんなことを感じながら戦場に臨んだのかもしれない、と思うとさらに面白かったです。
私はあまり時代小説を読まないのですが、筆者に思い入れがありすぎる作品だと、歴史上の人物が超人すぎたり、感情表現が奇天烈すぎたり、それにまた入れ込み過ぎる家臣などが出たりすると随分ウェットだなぁと思っていたことがありました。ま、お涙頂戴ものは昔から好まれる王道パターンではあると思うのですが。
この本では人間関係がそこまでドロドロしてないというか、自分がそうしたいからそうした、というような非常にわかりやすくカラッとした動機で動くので明快でわかりやすかったです。もしかしたらこういう一面もあったのかもしれない。なかったのかもしれない。その辺りを考えるのもロマンですしねぇ。
というわけで武士の世が終わる辺りではこういう痛快な時代が終わってしまうのか…という一抹の寂しさのようなものを感じました。戦はイヤなんですけどねぇ。
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歴史に取材した小説だが、現代的な視点で描いてある、モダーンな感じ。光秀のビジョナリーな様子は、こういう捉え方もあるのかと感心した。また、小早川秀秋が実は才人で、というのは新鮮だ。確かに正史にきちんと残らなかった人々とはいっても、官僚制が整っていない時代に、いっときは国を統べ、大勢の家臣を束ねるトップであったのだから、全くの暗愚ではなかっただろう。
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正直なところ、今までの冲方丁作品よりは面白くなかったが、それでも最後の秀頼の話は新しい観点で面白かった。教科書で知ってる戦国武将とはだいぶ違うので、フィクションということはあるけれど新鮮でワクワクしながら読めた。
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何処から来て何処へ行くか。
歴史は一本の道である。
振り返ってみると全ては必然であったと言えるのではないか。
なんて事を考えさせられました。
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盛り上げが上手で、テンポよく話が進み分かりやすかったが、精神論がややしつこく飽きそうにもなった。今まで知っていた武将のイメージに、膨らみができて良かった。
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久しぶりの歴史小説。『天地明察』&『光圀伝』で完全にノックアウトされて、冲方歴史作品への信頼が固まったんだけど、『はなとゆめ』がイマイチで、ひょっとして戦国ものに限って優れているのかも、と思い直して今に至る。それだけに、本作に対する期待もひとしお。で、結論としてはまずまず。件の二作品には到底届かず。短編集ってこともあるし、個人的には並べ方もまずかったと思う。最初の2章が全然ダメで、それだけだと☆2.5くらい。信長と謙信については、目下連載継続中の漫画作品をまさに読んでいるせいもあってか、事実の羅列にしか感じられんかった。3章以降はそれなりに楽しめたから評価は持ち直したけど、せめて発表順に並んでいたら、もうちょっと印象も変わったのかも。必然的に長くなりがちな歴史小説だけに、短編集で読んだ経験はあまりない気がするけど、やっぱりジャンル的に合わないのでは、と思えた次第。
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説明があまりにもくどい。
文章も主人公目線になったり、作者目線になったり。
世間一般に考えられているイメージを覆したい!っていう作者の気持ちが強く表れているような気がした。
特に上杉謙信と豊臣秀吉は酷かった。くどすぎて読むのが辛かった。
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目次
・覇舞謡(はぶよう)―織田信長
・五宝の矛(ほこ)―上杉謙信
・純白(しろ)き鬼札―明智光秀
・燃ゆる病葉(わくらば)―大谷吉継
・真紅(しんく)の米―小早川秀秋
・黄金児(おうごんじ)―豊臣秀頼
すっきりと短い文章がリズミカルに続き、とても読みやすいのだが、逆に文章がつるつると滑り、血は沸かず、肉踊ることがない。
どの主人公も同じ論理を内包し、一人それを抱えて戦に向かう姿には顔がない。
よくできた講釈を聞かされたようで面白くはあったが、心が震えるまではいかなかった。
冲方丁ってこういう文章を書く人だったかなあ。
隠しテーマである『道』にとらわれ過ぎたのではないか。
戦の要は道である。
軍団を素早く安全に運ぶための道は、物資を運ぶ道となり、その道を通って人が集まり、集落ができる。
戦の先を見据えた武将たちの物語。
元々は講談社の歴史アンソロジー企画「決戦!」シリーズとして書かれたものを、一冊にまとめたのが本作。
ばらばらの短編をつなぐのが、『道』ということなのだが…。
この中では、本能寺の変を扱った「純白き鬼札」が面白かった、
そう、本能寺の変の時、光秀は当時でいうともう老将なのだった。
見たいものだけを見、見たくないものを避けて信長に付き従った10年。
齋藤道三亡き後頼った朝倉氏を見捨て、将軍家をも切り捨てて従った信長に自身の老いを突きつけられた時、光秀は何を考えたのか。
これがしみじみ理解できる年齢に私もなったということか。
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明智光秀の話がお気に入りです。お話の構成が巧みで、ミステリーを読んでいるかのような爽快感がありました。
本能寺の変を前にして、明智光秀が過去を振り返ります。
一切ハゲてないのに日常的にハゲ呼ばわりされたこと、過酷な環境で超大変な任務を任され苦労したこと、仏教施設でジェノサイドを命じられたこと、近頃信長の子供たちばかりひいきされるようになってきたこと、重要な戦から外されて手柄をあげにくくなってきたこと。
果たして、一体どの要素が謀反への決定的なトリガーとなったのか。何が光秀をここまで駆り立てたのか…。
ラストで明らかになる光秀の激情と、炎上する本能寺がとても美しいと思いました。
教科書で習った「三日天下」だと、秀吉に美味しいとこどりされた哀れな光秀という印象でしたが、本書を読むと大分かわりますね。
信長に「もうお前とは同じチームで遊んでやらねぇよ」と言われた。だから遊び仲間から対戦相手にシフトチェンジした。そんな風に読めました。
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表紙のデザインが良い!
解説で書いてあるとおり「道」をキーワードとして書かれたもので、戦国時代の小説を読む中で初めて、道というものを意識した。新鮮だった。
明智光秀、大谷吉継、小早川秀秋の話が特に好き。
それぞれ短編は星5こでは足りないくらい。
上杉謙信はあまり詳しくないし、今回読んでも興味を引かれなかった。
さいごの豊臣秀頼の話は、その前の短編から優れた男の話が続いて食傷気味になっていたこともあってハマらなかった。
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6編から成る戦国時代の短編集。
織田信長の桶狭間・上杉謙信の川中島・明智光秀の本能寺・大谷吉継の西軍関ヶ原・小早川秀秋の東軍関ヶ原・豊臣秀頼の大坂冬、夏の陣をそれぞれの一人称の視点で描写し、戦国時代を表現しています。
それぞれいろいろな戦を集めた短編集から集めた作品ですが、戦の相手の想いも加え巧く戦国時代を表現している一冊となっていると感じました。
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戦国時代に活躍して6人の武将(織田信長・上杉謙信・明智光秀・大谷吉継・小早川秀秋・豊臣秀頼)を取り上げた短編集。
何となく知られている武将のエピソードを掘り下げ、著者独自の解釈で焼き直しているイメージ。
全体的に読みやすいが、個人的には何か物足りない気も。