電子書籍
イギリス帝国の歴史
2022/12/17 09:01
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投稿者:福原京だるま - この投稿者のレビュー一覧を見る
イギリス帝国の歴史について経済の側面からどう拡大しどう崩れていったのかが記述されており興味深かった。
紙の本
暗記物ではない歴史の姿
2016/10/17 21:32
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投稿者:コーク - この投稿者のレビュー一覧を見る
「イギリス帝国」という視点を通じて世界がどのように動いていたかを概観する良書。
帝国主義として見なされやすい面もヘゲモニー国家として国際公共財を提供し、元来抑圧されていたとされる人々もしたたかにそれらを利用し利益を上げていたという事実は目から鱗であった。
紙の本
小さくないイギリス
2016/02/13 13:41
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投稿者:カツ丼 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「イギリスは島国」という虚妄。実際は世界に冠たる帝国だった。インドの事例ひとつを取ってみてもよく分かる。このことを知るための一級の入門書。
紙の本
わかりやすい
2024/02/12 12:52
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投稿者:なつめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
イギリスの帝国時代の歴史が、わかりやすくてよかったです。マイナスの遺産が、現代にまで引き継がれているようで、残念です。
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トインビー以来の産業革命が近代への一大転換点であったという見方に揺らぎが出ているという近年の歴史学上の動向や、英国の金融立国はかなり昔から続いていたことなど、従来とひと味違った英国史観が興味深かった。
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地球規模での諸地域の連関を考え,各国史を超える新たな世界史を構築しようという「グローバルヒストリー」が近年注目されてるらしい。本書はそれを取り入れた大英帝国の通史。
特にアジアの視点をメインにしてるのは,二百年にわたって世界経済を支配した欧米世界に変わり,今世紀に勃興してきたアジアを重視したため。大英帝国は,長い18世紀から20世紀まで,アジアとも密接な関係をもってきたため,まさにうってつけの視点でもある。
大英帝国が19世紀を中心に世界を支配したのは,地球の各地に定住植民地,従属領・直轄植民地,非公式帝国を築いてきた結果。その帝国が,どのように形成され,どのように繁栄して,そして衰退していったのか,興味深く読める貴重な新書。中公新書の歴史物はほんとに良いものが多いな。
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インドへの機内で読んだ。18世紀から20世紀のイギリス帝国の歴史をグローバルヒストリー(相互作用や関係性を重視する)の視点から、近年のインドを含むアジアの経済的発展を歴史的に考える。「非公式」も含めたイギリス帝国の植民地、とくに英領インドの諸関係には多くの考察がなされている。たとえば、インドの綿の生産・流通は、やがては帝国の解体やインドの独立へとつながる。現代のインドを知る上において大切な1冊。日本史研究においてもグローバルヒストリーの手法は有効と思われ。
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Immanuel WallersteinのHistorical Capitalism,『史的システムとしての資本主義』でも再読しようかと思いました。それにしても、定住植民地から従属領・直轄植民地、非公式帝国まで、帝国経営は大変なんですね。19世紀末から20世紀初め、情報通信インフラは、長崎発で、台湾、上海、ウラジオストック付近と海底電信ケーブルでつながっていたんですね。日英同盟を境に、日本はイギリスの非公式帝国からジュニアパートナーに格上げされたなんて、世界史の先生は教えてくれなかったな。
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グローバルヒストリーという手法で、一国の歴史に留まらず、地球的視野で地域間の関係からイギリス帝国の歴史を描いている。17世紀のアジア圏での交易と大西洋圏の交易と密接に関係している様子や、遠隔地交易の決済の必要性からシティが発展していく様子等が生き生きと描かれており面白かった。19世紀のイギリス小説には、インドで成功した人物が良く登場する。その人たちが、個人にも許可されている貿易により財産を築いた東インド会社の文官や軍人らしいと分かったのが、この本を読んだ副産物であった。
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アジアとの関連性に重心を置いたイギリス帝国史の通史。イギリス本国が植民地を支配したという一面的な見方だけではなく、インドをはじめとしたアジア植民地勢力がイギリスに与えてきた影響や、その結果帝国がいかに変容し、解体していったか語られている。こういう経済史の講義だったら、大学でももっと勉強していたかな。。
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ロンドンオリンピックにかけて、
イギリスの歴史を知ることを目的に本書を取った。
イギリスは、世界の覇権を握った。
その歴史と、その影響力の及ぶ範囲の広大さに驚く。歴史をほとんど勉強してこなかった自分だが、奴隷貿易という重要な問題について、知らなかった自分に驚く。アメリカの独立に対する背景、インドとイギリスの関係、そして、アジア、アフリカ。
歴史を知らずして、グローバルを語れないとつくづく感じた。
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その版図を世界各地に広げたイギリス帝国に関する近現代史。
経済やヒト・モノの流れの解説がメインで、
政治や外交に関する話題は少なかったのが残念。
各地方に対する支配形態の多様さが新鮮でおもしろかった。
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本書は,近年のグローバルヒステリーの研究結果を踏まえながら,18世紀から20世紀末までのイギリス帝国の形成・発展・解体の過程を,主にアジア諸地域(特にインド)との関係性から論ずるというものである.
また,本書では同時に,今日,環大西洋圏に変わって世界経済の中心となりつつある,アジア太平洋圏の経済システムの基礎が,如何に形作られたかという問題についても,これに対するイギリス帝国の関与とその意義を明らかとする.本書は2013年度読売・吉野作造賞を受賞するに至ったが,一読すれば,それも納得できる内容である.イギリスの一国史という視点を離れ,同時代の諸地域・諸国家間のヨコの関係,つながりに注目しながら,それらとの「比較」と「関係」という観点で歴史を論ずる,グローバルヒステリーの手法は新鮮で,非常に興味深いものであった.今日,TPPやEUの問題を契機として,グローバリズムに関する議論は世界的に高まっているが,本書が提示する,ヘゲモニー国家たるイギリス帝国の,世界の経済システム形成に対する考察は,この点で極めて有意義な観点を読者に与えてくれるものであり,現在の世界を考える上でも,一読の価値は十二分にある一冊である.
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秋田茂氏によるイギリス帝国の構造とその盛衰についての著作です。
本書では「長い18世紀」から現代に至るまでのイギリス帝国について、主に経済面から歴史学の研究成果に触れながら考察を行っていきます。
さらに副題にもあるようにイギリス帝国の経済ネットワークとアジア各国との関わりについても検討を加えていきます。
本書のイギリス帝国についての語りにおいて特徴的なのは、ヨーロッパ中心的な検討から脱した現在の歴史学研究を参照することによって、イギリス帝国の内部について「イギリス本国」と「植民地」といった形骸的な見方の中では隠されていた多様な経済的関係が紹介されていることでしょう。
例えばイギリス本国においても「ロンドン・シティにおける金融資本」と「マンチェスターを中心とした綿工業資本」の間では、植民地政策において求めることが異なります。植民地の側においてもカナダ・インド・南アフリカとそれぞれの植民地においてイギリス本国に対する要求は異なり、更にはインドの中でも現地行政府であるインド政庁とアジア貿易に携わるイギリスや現地インドの商人たちでは望ましい政策は違います。広大なイギリス帝国の内部では、このような様々な利害関係が帝国内貿易というモノ・カネのつながりを通して複雑に絡み合っていたのです。
本書は上記のような多様なステークホルダーについて詳細な分析を行い、イギリス帝国の時代ごとの経済的本質がそのパワーバランスにしたがって、様々に変化して行ったことを明らかにしています。
こうしたイギリス中心の帝国観とは異なる見方を導入することによって、イギリス帝国内において植民地側の主体性が従来考えられていたよりも強く発揮されており、本国と植民地の協調によって帝国が運営されていたことがわかってきます。
更に本書ではイギリス帝国の「正統な」支配地域である公式帝国に関する考察のみならず、その経済的影響下にあった非公式帝国との貿易やこれらの地域に国境を超えて影響力を及ぼす源泉となった「自由貿易体制」や「国際公共財」についても検討していくことによって、イギリス帝国という存在が世界経済に対して及ぼした影響が明らかになります。特にインドに対して大きな経済的紐帯を持っていた東アジア地域について、中国・日本それぞれの近代におけるイギリス帝国の影が見られることを本書では指摘しています。東アジア世界の近代化は、欧米列強による強制的な開国がひとつの契機ではありますが先行して世界経済の中にあったインドと接続することで発生したと考えられます。こうした点からも少なくとも経済的には「西洋vs非西洋」という考え方は必ずしも当てはまらないことがわかります。
本書を読むとイギリス帝国を通じて世界経済がヨーロッパからアジアまで網の目のように関係性が構築されており、植民地の支配費用の負担なども考えると必ずしも西洋にのみ利があるような構造であったわけでもないことがわかります。そこで問題になるのは西洋が主導権を握っていた20世紀前半までの世界のありようの原因が何であったのかを改めて考える必要があると思います。
本書でイギリス帝国の分析に��用された様々な手法は、大日本帝国の構造や現代アメリカを中心とした国際関係の分析に用いて考えてみると、新たな視点が得られると思いますので、そういう点でも面白く読めたと思います。
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かつては世界の四分の一の土地を支配したイギリス帝国の変遷を、アングロ・サクソン系国家の推移、特にコモンウェルズを形成するアジア諸国(特にインド)との交易から勉強できる一冊。
日本との関係でいえば、日清戦争直前の1893年に神戸と英領ボンベイを結んだ日本郵船社の航路は日本で初の国際定期航路とのこと。
近時、韓国に5,000億円に相当する偽の外債券詐欺があったらしい(今は紙で発行してないw)けど、本物のロスチャイルド・アーカイブ蔵の、日露戦争資金調達向け日本政府外債の写真も掲載されていて迫力がある。
特に興味深かったのは、リヴァプールとアフリカ大陸のガンビア、カリブのジャマイカを結ぶ大西洋の三角貿易。 今のイギリスの音楽文化に繋がるものを感じた。