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すごく良かった♪
家族、友人、恋愛、将来のこと。悩みもあったけど、楽しくて毎日がキラキラしていた高校時代。
どの短編にも懐かしいフレーズがいっぱいあって、自身も十代の頃に戻りノスタルジーに浸りました。
犬のコーシロー視点も優しくて和みます。
思春期の頃の気持ちを思い出し、切なくなったりドキドキしたり。後半は涙、涙…。
ラストに感動したのに、読了後に表紙カバーを外したらもう1つの感動も待っていました!
読後感が良くお薦めの一冊です♪
『明日がどうなるか、誰にもわからない。だから必死に学んで、これからこの手を変えていく。生きているもののぬくもりを守る手に。
明日の行方は、この手でつかむのだ。』
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コーシロー会を作って捨てられた子犬を高校で飼ってくれるなんて素敵すぎる。平成に変わる頃から令和まで、コーシローは様々な人を見送ってきた。人生はドラマティックだったり思い通りだったりしない、ファンタジーでもないこの物語は、それでも心に残る箇所がたくさんあった。ゆうかの人生をきっとコーシローは見守ってると思ってしまう。
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読後がなんとも爽やか!!
伊吹さんの作品は、すぐ側で寄り添ってくれるような優しさと温かさで溢れている!
コーシローは、あの場所で幸せだったね。
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昭和63年高校卒業で迎えた平成元年
まるでタイムスリップしたみたい
どこかにいる自分を感じながら読めるなんて
わたしはあの時何を感じてどう生きてたんだろうか
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根拠のない自信を叩きのめされて始まる進学校での高校生活。それでも八稜星のバッジを付けた制服は鎧のように生徒たちを守り続けてくれる。
十四川の両岸に咲き乱れる桜。部活でランニングをしているとかけられる花見客からの声援。時にジュースをごちそうになったり、座り込んでお菓子を食べたりなんてことも。
15歳から18歳までのたくさんの汗と涙と夢と挫折が、ここにある。
彼らの目の前に立ちはだかる得体のしれないもやもやから抜け出すための一歩には、いつもコーシローがいる。
先生たちへの反発。授業を抜け出して過ごした友だちの家。一緒に海を見ながら泣いた夕暮れ。幼い恋の始まりと終わり。部活に明け暮れた夏休み。将来の夢と目の前に迫る受験への恐怖。泣きながら覚えた英単語。雪の日の試験。悲喜こもごもの合格発表。そして卒業。
私があの日言えなかった一言も、いつか伝えられるのだろうか。なんて、青いことを思ったり。青春って、青春って、あぁ、青春って!!!
コーシローが教室の後ろで授業を聞いているうちに人間の言葉を覚えていく感じ、確かに本当にそうだったのかも、と思う。
人から匂いたつさまざまな香りで感情を読み取れるのも、あるのかも、と。あぁ、コーシローに、会いたいな。
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悲しい部分はありましたが、読み終わった時、温かく優しい気持ちになれました。
一方的に飼い主に捨てられた犬・シロ。たどり着いた先は、三重の四日市にある高校。最初は里親探しを実施してみたものの、誰も現れなかったため、みんなで面倒を見ることに。
作品では、昭和の終わりから約3年ごとにスポットを当て、その時代で生きる18歳の高校生たちが犬と共に青春をおくる物語になっています。
恋愛や友情など高校生同士の青春さやこの先の進路に対する迷いが、いつの時代も変わらず垣間見ることができ、爽やかさや甘酸っぱさを感じました。
また、時代ごとにその年に起きた出来事が描かれていて、思わず「懐かしい」や「あった、あった、そんな出来事」と思ってしまいました。
全6話で、それぞれ昭和63年、平成3年、平成6年、平成9年、平成11年となっています。最終話では、2019年の話でそれまでに登場した高校生が、大人になって登場します。
基本的には各話ごとにその年の18歳の高校生の視点で物語は進行していますが、各話の前後には犬の視点で語っています。可愛さ溢れる文章で、癒されます。しかし話を重ねるごとに犬の体調が衰えていくので、分かってはいましたが、胸が苦しくなりました。最後は匂わせる表現でしたが、やっぱり辛かったです。
高校生に着目すると、四日市という地方で過ごす高校生が、都会に憧れたり、地方の大学か都会の大学、どっちに進学したいのかという悩みがあったりと青春ならではの悩みや期待などがふんだんに盛り込まれていて、ふっと高校時代を思い出しました。あの頃と共感するところもあって、読んでいる間は青春時代に戻っていました。
小説でも書かれていますが、「高校生だったときは早く大人になりたいと思っていたが、今だと、あの頃に戻りたいなと思う。」ところは、痛烈に共感しました。
ぜひ本の表紙は外さずにそのまま読んでください。読み終わった後に外す案内がありますので、それに従って見ると、じんわりと感動がくるので、ぜひ外さずにお楽しみください。
ずっと高校にいたコーシローにありがとうと感謝とお礼を言いたくなりました。
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犬のコーシローを通して見られる高校生の人生交差点を描いた短編集。
それぞれの時代を象徴した人がでてきます。
正体のわからないもやもやした気持ち。
衝動的な制御の効かない気持ち。
傷つくたくないがゆえのいくじのない気持ち。
共通点を見つけると苦手な相手でも仲良くなれる。
それぞれわかるなあ。経験ある。
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コーシローが見てきた各時代の高校3年生達と時代背景が描かれている。懐かしい流行等が、その頃の自分と重なった。F1の友情が1番印象に残った。
ハッピーエンドで読後が清々しい。
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著者が通っていた三重県立四日市高校をモデルに、高校で飼われていた犬のコーシローの目を通して、昭和63年度から平成11年度までの高校生たちをめぐる5つの物語が綴られる。令和元年の後日談もあり。
高校生として過ごした時代は異なるが、いずれの物語についてもノスタルジックな気持ちが刺激され、恋愛や進路など様々なことで煩悶する高校生の心情がよく描けているなと感じた。読後はとてもほっこりした。
メインストリームからは外れる感じだが、平成3年度の2人の男子高校生の友情を描いた「セナと走った日」が一番のお気に入りである。
舞台は、架空の八稜高校だが、四日市高校をモデルにしているだけあって、三重県四日市市の実在のスポットが多々登場するので、四日市高校の生徒・卒業生をはじめ、四日市市に縁のある読者はより楽しめるであろう。
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昭和、平成、令和の3つの時代をそれぞれに駆け抜けた高校生たちの物語。登場人物たちの紡ぐ物語を自分の経験に重ね合わせて、ノスタルジックな気分にさせてくれる小説でした。
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ちょっと前に読んだ「少年と犬」のイメージが残っていたのですが、こちらは、はるかに爽やかな暖かいお話でした。昭和から世紀が変わるまでの時代背景や、特に、歌謡系の固有名詞が沢山出てくるので、懐かしく読めました。69年生まれの著者が描く青春リアルタイムは、50歳代の読者には絶対ウケる内容。個人的には第2話の「セナと走った日」が秀逸で好きでした。
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犬の視線を絡めた高校生の青春エピソードに隠れた、これは昭和生まれの作者による平成という時代に対する挽歌のように思える。
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うわぁ・・・なんなんだろ?この読後感。
味わったことがない・・・
言葉で表すのが難しい。
ただ、凄くいい気分の凄くいい読後感であるのは間違いない!
昭和から平成へと変わる第1賞から、平成を経て令和に移り行く背景に、実際にあった出来事、その当時流行った歌がでてきたり、その頃を思い出したりして懐かしい感じがしました。
章ごとに主人公が変わる短編集でありながら、登場人物達が繋がっているのがおもしろくて良かった。そしてそのすべての章に登場し、3年で卒業していく登場人物達=高校生達を見守り、その卒業生達を思い出すコーシロー目線の部分がまたいい!
それぞれの章、年度事の高校生の話、全部良かったです。特に第2章の『セナと走った日』は、普段話したことがあまりなかった男のコ2人の、F1に熱中する鈴鹿の3日間の青春が、恋愛ではない青春がかっこよくて爽やかで、いとおしく思い、凄く面白かった!
第3章の最後、卒業していくナッちゃの幸せを祈って、用務員のクラハシさんとコーシローが手を振る場面。この場面のクラハシさんの『私たちはおそらく二度と会えないから』というセリフに、ホロッとして、涙がつたいました。
犬のコーシローが出会いと別れの季節、満開の桜に思いを寄せる姿がなんとも言えない、ちょっぴり切なくも温かい、素敵な1冊でした。
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飼い主に捨てられた犬が、とある高校で飼育されることになる。彼の前を通り過ぎていった生徒たち、それぞれの季節。受験や恋に悩み、迷い、もがきながらも前に進もうとする姿に、いつしか自分を重ねていた。ほぼ3年毎の話が続くが、最終話ですべてが繋がる構成もうまい。伊吹さんのすべての作品を読んだわけではないが、“著者最高傑作!”という帯の惹句も納得の作品だった。
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次はネコ主役で!心温まるほのぼの小説。ギスギスした社会だけに優しい空気感に包まれた語り口に癒される。昭和末期からの30年のエポックを懐かしむと共に遠くへ来たものだ…と感慨に耽る。