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読むほどに、熱さに引き込まれる。自らの身の回りのことだけを自分の思うように快適にせよと主張することだけが民主主義と誤解している視野狭き人も多い世界で、否応なしに満ち溢れるコンフリクトをリアリスティックに落ち着かせる辛い役割こそが、心ある人の行うべき仕事である・・と腹に落ちる。
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【国際会議に共通しますが、日本の場合、一の矢はいいんです。しかし、あとの自由討議になっていくと、気の利いたコメントを言えるかどうか。議論は進化しますから、大学教授同士の討議を聞いているようなもので、用意してきた紙だけでは対応できないんですね】(文中より引用)
日米外交のプロとして長年にわたって外交官を務め、退官後も民間で活躍するとともに総理大臣補佐官などを務めた岡本行夫。徹底的に足を使った現場主義で知られる人物の証言を収めた一冊です。著者は、『日米関係史』などの五百旗頭真他。
日本外交の節目節目に携わった人物の語る言葉だけあり、一般に知られていないエピソードやそこから得られる教訓がふんだんに詰まっています。岡本氏が精魂を傾けた沖縄に関する記録は重要な歴史資料と見ることもできるかと。
「外向官」でもあったのだと思います☆5つ
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優秀な外交官だった岡本氏もコロナで亡くなってしまった。
国益を守り、戦争を回避し、アメリカとの同盟関係を維持するために尽力したエピソードが列挙されている。もちろん、話してはいけないことも多いと思うが、すばらしい業績だと思う。
佐々さんの書籍でも良く出てくるが、省益、縦割りの妨害(両者から話をきかないとフェアではないが)はなんとかならなかったかなぁと思う。