投稿元:
レビューを見る
<目次>
プロローグ
第1章 押し寄せる感染症~江戸の歴史は「感染症の歴史」
第2章 感染症と幕府のBCP
第3章 パンデミックと救済のシステム~米や銭の給付はスピード勝負
第4章 想定外が続いたパンデミック対策~次々と遭遇したインフルエンザ・麻疹・コレラの流行
第5章 パンデミックvs経済政策~政策ツールの総動員…自助・共助・公助で乗り切る
エピローグ
<内容>
タイムリーなテーマだが、気楽に読める書き方ではない。かなり詳細に江戸の町でのパンデミック対策を論じている。基本は寛政の改革で松平定信が命じた「七分積金」をシステムを利用しているが、優秀な市井に詳しい町奉行(遠山左衛門尉景元=「遠山の金さん」、筒井和泉守政憲・根岸肥前守鎮衛=『耳囊』で有名など)が、リーダーシップをとって、老中たちの机上の政策をつぶしながら、庶民を守っていった様子が読み取れる。データがかなり詳細に載っているので、説得力もある。
投稿元:
レビューを見る
江戸幕府がパンデミックの際に行った経済政策について紹介されている本。
ただ、その内容は今で言う日雇い労働者である「其日稼」に給付金を出す、というのがメインなので途中で飽きてしまった。
それよりも、パンデミックと同じような大事件だった江戸の火事が、すべてをぶっ壊して作り直す雇用を生むので、火事を望むような人々の動きもあったというのが面白かった。
結局は、自分の生活が大事ですよね。
明日から緊急事態宣言。早く収束しますように。
投稿元:
レビューを見る
外国と接する機会の増えた江戸時代、麻疹やインフルエンザやコレラによるパンデミックに対する幕府の対応が解説された一冊です。
“御救(おすくい)”という給付金制度や江戸時代版GoToキャンペーンの遊山奨励など、COVID-19対策と同様のものを江戸幕府が前例として行っていたことに感心しました。
医療水準は現在と違いますが当時の出来得る限りの手当があった背景には、町民や窮民による打ち壊しへの恐怖があると記述されています。
今の日本ではデモはあっても打ち壊しや暴動は発生しないでしょうが、だからといってその場しのぎの手当が正しいわけではありません。
太平の世は幕府が一所懸命に維持してきましたが、政府になった後は太平などあったのでしょうか。
災害の頻度と規模は今とあまり変わらないので、我々はまだまだ先人から教わる必要があると感じました。
投稿元:
レビューを見る
読書会の歴代レポート(1冊がA4用紙2枚+αにまとまっています)は、PortalⅣの電子ファイルサイトから誰でも閲覧できます。
「この本に興味はある!けど、読む時間はない…」という方は、ぜひそちらにアクセスしてみてください。
KC>経営企画室>全グループ会社>05.読書会