紙の本
小説に解説は要らない
2023/04/02 09:27
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投稿者:キック - この投稿者のレビュー一覧を見る
当事者の独白形式で話を進行するのは湊先生の真骨頂。違う人の視点によって、同じ事象の捉え方がこんなにも違うのかと、いつもハッとさせられます。今回は母と娘。私は『母親離れ』できない母親にイライラしました。また、夫は幼少期の悲惨なDV被害があるにしても、逃げてばかりで情けないと思いました。一方、今回は救いのあるラストに安堵したのも束の間、「娘が見ている幻」かもという、うがった解説が・・・。小説に解説は要らないと改めて思ったのでした。
電子書籍
母たと娘
2021/11/02 05:45
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
母と息子は男女だから、それなりに距離感はあります親子でも。しかし、母と娘は、同性だから……。それが根底にあると思います。しかし、それでもこの母親はひどい。いくら、アンタが生んだ娘でも、親の所有物ではないよ、子供は
紙の本
重い、、、。
2015/10/01 22:03
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投稿者:Shinano - この投稿者のレビュー一覧を見る
好みの問題だと思いますが、私は好きではなかったです。おそらく私の母親がこの本に出てくる母親ほどひどくなかったにしても、似ている部分があるため、読んでいて重くなりました。同時期で文庫が発売だった「サファイア」はおもしろかったです。わたしはそちらのほうをおすすめしますが、、、。
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すっきりしないのが湊かなえの特徴だなあ。女のいやなところを上手く書く人ではある。
母親と娘のそれぞれの視点で語り継がれるが、同じシーンでもまったく異なる想い。すれ違いなのかなあ。
母性って何だろ。子ども産んだらすぐ芽生えるものかな?母親の愛情がまだまだ必要な人は無理なんじゃないかと。結局、「母親」になり切れなかった母と、そんな母に育てられてしまった娘の話ってところかな。歪んでる。
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著者がインタビューで『これを書きあげたら、作家を辞めてもいいと思いながら書いた』と答えていた本。
イヤミスと言われるのだろうが、本作ではミステリ色は薄く、人間ドラマがメインで、ミステリと言えるほどの謎はない。そして、読んでイヤな気分になれるのは確実……とも言い切れないのが面白い。
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母が義母や小姑にいびられる展開はオーソドックスな展開であったがそこに娘が母を護ろうとする姿は健気であった。
最終的にそれ程不幸な展開にならなくて良かった。
機会があったら映画も観てみようかと思う。
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娘であり母でもある一人の女性とその娘の生き方、考え方を見せてくれる。「母性」って何のことだろうと考える。出産はしたけれど、母としての適正は無かったという自覚が私にはある。子供たちはどう思っているのだろう。
一緒に暮らしていても、感じることは違うし考えることは一緒ではない。母と娘という立場で無くても一つの物事に対する見方・感じ方は無数にあるのだ。
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自殺を図った娘。
母の手記と娘の回想を交互に読み進めことで、理由が徐々に分かってくる。
自分が母親からして欲しかったことを娘に対してやってあげる。まっすぐな思いなのに、少しずつ母娘の間に溝ができていく。
ほんとの母娘だから、そこまですれ違いにならないだろ…、とか思ったりもしたけど、でも一人っ子だとあり得る?とも思ったり。
さすが湊かなえさん、と思わせてくれる作品だった。
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「読みたい」に入れていた本。7/30読了。
数年ぶりに湊かなえさんの本を読んだ。お得意の、登場人物の語り口調による展開はとても読みやすい。「母性について」「母の手記」「娘の回想」の3パターンから成り立つ、母と娘の物語。母は、ひとり娘で、結婚相手も母親の意見で決めるような、お母さん大好きタイプ。自分に娘ができても、お母さんを優先してしまうような。そんな母親のもとで、常にどうすれば母に喜んでもらえるかを考え、行動するようになる健気な娘。どこまでも、交わらない二人の状態に、モヤモヤしてしまう。印象的だったのは、母性についての回で、女性教師がのべるセリフ「女には二種類ある〜〜、母と娘です」というもの。そうかーと、妙に納得した。
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冒頭から騙しの仕掛けだが、
時代とかの感覚で割と早いうちに、
そのあたりには気づくのだけど
語られた時期も同じように見えて異なるようで、
最後まで二人の「娘」の言い分がかみ合わない。
で、15年ぶりに戻ってきた人、
本当に2時間ドラマの中だけなのか。
こういうモヤモヤ、のどに刺さった骨。
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湊かなえさんの書かれた「母性 (新潮文庫)」という物語が、つい先日文庫化された。以前から読みたかった一冊だったのですぐに買い求めて読み始めたが、今回もまた一気読みしてしまうほどすばらしい作品だった。
物語の主軸になっているのは、幼い頃から母親の愛情を一身に受けて育った母と、その母からひたむきな愛情を注がれて育ってきた娘とのやりとり。その娘が高校生になって、突然自殺を図ったところから物語は始まる。
《あらすじ》
物語は母親の独白によって始まり、幼かった頃から結婚するまで、結婚してから娘を授かるまで、娘を授かって育てている最中のことなど、様々な場面を振り返りながら語られていく。
一方で、母親の独白の後には娘の独白が続いており、母親から見た娘の考え方とはまた違った角度から、二人に起きた出来事について語られていく。途中で第三者の独白が入るが、それは物語の終盤になって意味を持ってくることになる。
自分が愛情を注がれて育てられたように、娘にも精一杯の愛情を注ごうとする母親。母親から注がれる愛情に応えようと、自分なりの愛情表現を返そうとする娘。二人の想いは同じなのに、性格の違いや周囲の環境などによって母と娘の気持ちが微妙に相手に届きにくくなっていく。
そして、物語は父親をも巻き込んだ形で終焉を迎えるが、そこにはさらに心に染みるような結末が待っていた。
湊かなえさんの作品は、女性を主人公とした心にズシッと響くような内容が多い。読後に胸に広がるのは爽快感や温かさではなく、本を閉じてからしばし考え込んでしまうような読後感だ。
今回読んだ「母性」も、読み終わってからいろいろと考えさせられる内容だったが、それが決してバッドエンドの味わいではなく、どちらかというと心に染み込んでいくような感情だった。
相手を想う気持ちというのはどこまでも深くて純粋なのだが、それを想うことと伝えることとは別で、伝えることがどんなに大変なのかが心の中に残ったという感じだろうか。なかなか深い内容の一冊だと思う。
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はじめての湊かなえ本。
さすがなんだなー!
あっという間に引き込まれて、読んでる数日間ずっとストーリーが頭を離れなかった。
最後の章。すっきりと全体がまとまってまるめこまれた。
でも、その実何も変わっていないのでは?という不安感が漂う感じも満足。
自分も母であり娘であるので、多くの言葉がぐりぐり来た。
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出産したらいきなり母になってしまうのだから最初から完璧な母はない。母親、子供、そしてたぶん父親、それぞれの立ち位置に悩みながら成長していくのよね。サヤカちゃんがひとりっ子でなかったら、また展開は変わったんだろうけど。どこの家庭にも小説より奇なりの問題があるなか、自殺はいけません。もっとツライ状況で生きている人はたくさんいるはず。…と思いながら一気に完読しました。
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私はまだ、ただの「娘」の立場でしかないから、子供を産んだらちゃんと「娘」を卒業して「母」になれるかなんて分からない。
別に子どもも好きじゃないし、年を重ねるに連れて可愛いと思えることも増えたけれど、それが「母性」だなんて、ましてや、自分よりも大事にしなきゃならないものが出来るなんて、やっぱり自信がない。
女は子どもを産んだら、母にならなくちゃいけないんだろうか。
母は私を産んで、ちゃんと「母」になれたんたんだろうか。
私にも母を疑う気持ちがあるし、母にもきっと、「愛能う限り」なんて言葉では到底あり得ない感情もあるだろう。
だからこそ、あまりにも酷い言葉に腹を立て、涙さえ滲ませながらも、この親子の心の、何かが自分と重なるようにも感じられた。全く遠い、どこか別の世界のはなしと突き放して捉えられないのは、結論として、私が女だからなのか。
でもやっぱり、「子どもはまた産める」っていうのは、女とか、母親とか以前に、人としてどうかと思う。
だから最後は、娘の清佳が亨と結婚して救われたことに、本当に安心した。
女同士というより、血の繋がりがある人間同士だって、理解し得ない関係は絶対にある。
その苦しみから逃れるには、そこを離れるしかない。分かり合おうとしなくても、他に幸せを感じられる場所へ行けたら良いのだから。
清佳はあの母親を諦めなくちゃならない。
子どもの頃、母が全てだった頃とは違う。
親子でも、二人は別人格で、全く違う人生を歩んでいけるのだから。
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母親になりきれない娘と
そんな母親から生まれた娘の話。
どちらにも共通するのは、愛されたい願望だと思いました。
言う事を聞いていれば愛されると育った母と
母のためにと行動したことが裏目に出る娘。
母親は外面の良いタイプで
思い通りにならないと我慢できない人なんだなと
思いました。
私には娘はいないので
母親がお母さんを思う気持ちが少し
怖いなと感じました。
でも、こういう親子いそうだとも思いました。